貴方の病んだ幻想入り 作:回忌
2人で空を飛ぶ
空を飛べるというのは本当に便利だ。
にしても、あの言葉は何だったんだろう
「前世で何をしたのか」
貴方には何も分からない。…分かりたくも無い
そんなローテンションの貴方に気付いたのか
霊夢は気軽な感じに
「あれのいう事を真に受け止めない方がいいわ」
貴方はそう言われると確かにそうだと思った
顔は胡散臭い。滅多に現れないくせ言う事も
よく分からないことだらけだった。
貴方はそれを思い出すと霊夢の言うとうり
あれを真に受け止めない事にした。
「着いたわよ」
そうこうしているうちに里に着いたようだ
貴方は里の入口に着地すると門番に一礼した
門番はこちらに敬礼すると槍を持って警備に戻る
「行きましょう」
霊夢は手を出てきた
貴方はそれを握ると里の中を歩き出す──
それは懐かしい様な気がして
あの時は楽しいと思っていた
だから今は
この感覚だけを味わっていたい。
でも、すぐ壊されるとも知らずに
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貴方と霊夢は人里を歩いている
人里は活気で溢れ、声が絶えない。
人々は笑顔で真正面から話し合い、笑い合う
貴方はふと、外の世界でもこうなればと思った
そんな何を達観しているような貴方に霊夢は
「何してるの?」
貴方は「なんでもない」と言うと買い物を霊夢に促す。
「そうね、早くしましょう」
そして、霊夢は「いい店があるの」と言って
貴方の手を掴んで行った
「らっしゃい!」
若い男が大きな声で言う
貴方は品揃えを見てみた。
…山菜、米、果物が沢山。それに少し魚がある
何故魚介類が少ないと聞きたかったが、ここは
幻想郷。海なんてないからあの霧の湖だったか…
そこから釣って来たのだろう。
…貴方は霧の湖には人魚がいることを思い出し、
自分が湖に引き込まれそうになったのを忘れようとした。
貴方がそうしている間に霊夢は食材を買っていく
霊夢は頭を抱えている貴方に寄り添う
「大丈夫?」
貴方はしっかりしないと、と思い悩みを振り払う
霊夢は食材の入った袋を肩に持つ
「それじゃ帰りましょう」
そう霊夢が言った瞬間だった。
貴方と霊夢のお腹から気の抜けた音がした
2人は目を合わせた
「お2人方!いい店が近くにありまっせ!」
店主はそういうと、本当にすぐ近くにある
お店を教えてくれた。
「もうお昼時かしら…あら?」
霊夢は財布を確認した。
無い
「え?」
無い
…スられたようだ
「嘘でしょ…」
ガーンとピアノの音が聞こえそうなくらい肩を落とす霊夢。
貴方はそんな霊夢にこう声をかけた
「奢るよ」と、すると霊夢はいやいやと首を降って
「それはちょっと…」
そんな霊夢を見て貴方は少しイラついたのか
霊夢の腕を掴んで店まで連れていく
「…分かったわ」
霊夢はそういうと店の中に入っていく
貴方はその後に続いて入る
「いらっしゃい」
若い男性の声。
見ると、赤いジャケットを着た赤い瞳の男性が
カウンター越しにこちらを見ていた。
貴方はカウンター席に霊夢と座る。
「あら?ここはうどん屋だと思ったのだけど。
それに人も違うし」
品物を見ている霊夢が疑問そうに言う
すると、その男性は首元のマフラーを手で弄りながら
「あぁ…あの人やらかして居なくなったんですよ。
その跡地に店を開いてます」
「見た感じこーひー?とかけーき?とかあるけど」
霊夢と男性の会話を聞きながら貴方は店内を見渡す。
店内にはテーブルがいくつかありその内数個は客が座っているようだ。
…青のジャケットと水色カッターシャツは
この店内では異様に目立つ。
貴方は他の場所を見ると、注射器や包帯が売られて
いるのを見つけた。
「あれかい?」
貴方が興味津々に棚を眺めている時に男性から
声が掛かった
「あれは何なのか?そうだね、まぁ外で言う
風邪薬とか胃薬とか蘇生剤かな」
前者2つは分かるとして蘇生剤ってなんだ
どうみても危ない薬の注射器だぞあれ
男性は注射器を持ってくるとこちらに渡す
貴方は近くで見てよく分かったがどうやら
針がかなり短いようだ。
「針が短いのはね、戦いの時直ぐに打てるように
改造を重ねた結果だよ」
確かにこれなら直ぐに打てるだろう。
貴方は店主に値段を聞いた
「値段?えーとこれくらいかな」
貴方は提示された値段を見ると注射器三本と
包帯4個買うことにした。
「まいど、帰る時に渡すよ」
そういうと男性はカウンターに戻る。
霊夢はどうやら何を選ぶか決めたらしい。
貴方に表を渡す。
元外の住民だった貴方にとっては馴染み深い料理
が結構ある。
先程外で言うと例えていたので彼も外の住民
の1人だったのだろう
貴方は自分の好きな料理と飲み物を選ぶ
「決まったかしら?」
霊夢はそういうと貴方は決めたと答える
「決まったかい?じゃ何にする?」
「私はぱすぅたとこぅひーで」
貴方は一瞬吹きかけたが堪えて男性に料理を伝える
どうやら男性も同じだったらしい
「それか…君はマニアック?それとも普通?
…僕にはよく分からないよ」
男性はよく分からない事を言うと厨房へ行く
「ねぇ──。」
霊夢は貴方の名前を呼んだ貴方は「何」と答える
「──は私を覚えてるのよね?」
貴方は覚えていなければ一緒に朝ごはんや
昼ごはん、それに買い物に付き合ったりしないと霊夢に言った
「そうなの…ありがとう」
「…?何か言った」
「な、なんでも無いわ!」
霊夢は頬を赤くするとプイッと明後日の方向を見た
貴方は少し笑った後、見てしまった。
…窓越しにこちらを見る文に。
「!」
頭の上にエクスクラメーションマークが見えそうな
くらいに驚いた貴方はガタンと椅子から立ち上がる
「──!?どうしたの!?」
霊夢にそう言われ霊夢を見てしまうが
それどころじゃなかった。
貴方は直ぐに窓を見るが文はいなかった
心臓が未だにバクバクと動いている
貴方は頬をつねった。
お願いだから、夢なら覚めてくれと
…でも、ここは夢じゃない。
現実というナイフは貴方を血まみれに切り裂く
「落ち着いて──!」
貴方はカウンター席に座る。
霊夢がトントンと背中を叩く。
どうやら無意識の内に噎せていたようだ。
貴方は何とか落ち着くと溜息をつく。
「どうしたの?本当に」
貴方は少し外の世界が恋しくなっただけと言った
「え…?」
霊夢の反応は歴然だった。今にも泣きそうな…
貴方は少し思っただけと霊夢に伝えた。
「うん…そうだよね…でも…やっぱり牢に…」
貴方は霊夢に声をかける
「──…なんでも無いわ。それに料理が来たわよ」
見ると、男性がぱすぅたとこぅひーを持ってきた
「どうぞ」
そういうと男性は霊夢の前に2つを置く
「…?あれ?──のは?」
貴方も思ったが自分のが来ていない。
すると男性はそれのことかと言って
「料理で両手が塞がっているからね、今から持ってくるよ。」
そういうと男性は厨房に戻る。そして直ぐに
貴方の頼んだ料理が届く。
貴方は待ってくれていた霊夢に礼を言う
「いいわ。それじゃ食べましょう」
そして貴方と霊夢は手を合わせる
「「いただきます」」
そして、それを口に運ぶ。
…懐かしい。ただ一言。それだけだ
その1口、1口が外の世界そのもの。
所々人里の人用に味が少し違うが
それでも外の世界でも1口となんら変わりは無い
貴方は喉の乾きを癒す為に飲み物に手を伸ばす
…懐かしい。
これも人里の人用に味が少し変わっているが
料理と同じように大体外の世界と同じ味だ。
霊夢もぱすぅたがおいしいのかまるで
某最近映画になった一狩りゲーの主人公と
全く同じ食べ方をしている。
しかしあれで何も飛び散らないのが流石である。
貴方は料理を食べるそれにしてもここが
洋風と和風を兼ねていて本当に良かった
貴方が食べたい物が大体揃っているのもいい
そんなこんなしている内に霊夢は食べ終わった。
こぅひーをズズズと吸っている
…それお茶じゃないんだぞ。
貴方ももう少しで食べ終わりそうだ。
この味と別れるのは寂しいがさっさと食べて
しまおう。
「「ご馳走様」」
貴方と霊夢は同時に礼をする
2人は立ち上がると店を後にしようとする
「あー──!」
すると男性がこちらに紙袋を持って走る
貴方が首を傾げていると男性は
「これ!」
貴方は男性から紙袋を受け取ると中を確認する
包帯と注射器、そういえば男性は帰る時に渡すと
言っていた。
貴方は礼を言う
「また来てくださいよ」
「そうね…あんたの名前は?」
貴方の変わりに霊夢が答える
そして、男性は霊夢の問にこういう
「僕の名前はダイナダレイット!これからもこの店をご贔屓に!」
長めにしてみた