貴方の病んだ幻想入り   作:回忌

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叩き潰せ、不死の火種

大剣を振り下ろす

既に肉塊となりえし者は更に潰される

 

グチャり、ずぶり、グシャッ、グリ――

 

「グッ…!」

 

だが、その肉塊から足が生えたかと思えばそれが彼を蹴り飛ばす

蹴り飛ばされた彼は既に人とは思えない姿と化していた

 

白い髪、赤い目、それでもって隻腕

彼の左手は肘から先が動かなくなっていた

いや、"無くなっていた"のだ

 

何かに引きちぎられたかのように、血を垂らす

 

尻もちをついた彼は銀色の大剣をを支えに立ち上がる

その頃には肉塊は既に人型に戻っていた

 

白髪、赤目、モンペに白服

その顔は狂気の笑顔に染まっていた

 

「いいよぉ、この殺し愛、最高だぁ…!」

 

「叩き潰す、このクソッタレが…!」

 

敵の名を、藤原妹紅

 

貴方を不死の人外へ引き込んだ張本人

 

某日、貴方は妹紅に食事を奢られた

それを良きと思い食べたのが全ての終わりだった

 

モツ鍋

 

それを食べた瞬間、体が燃え上がるような痛みを感じた

実際に燃えてはいないのだが、それほどの痛みが襲ってきた

 

その痛みが止まる頃には白い髪が視界に映っていた

何より、その前にある、妹紅の濁った笑顔

 

貴方は思い切り彼女を殴り飛ばす

だが、蓬莱人は死ぬ事は無い

彼女は戦いを行った

 

死闘、だが、死ぬ事は無い

 

刀では火力が足りなかった

 

故に貴方は刀を捨て、大剣を持った

銀色の、凝った装飾がされた大剣

だがその装飾も今や肉塊に汚れ、主と同じ有様になっている

 

大剣を振るい、強い怨念により怯む事は無い

 

貴方の姿も肉塊に汚れ、酷いものとなっている

その目は怨敵を完全に滅殺せんとする深淵に飲まれている

 

大剣の重みを乗せた振り払い

右から左と、重さをものともせず振るう

 

彼女は火の術を使わず、拳を振るう

腹筋、胸、脇腹、あらゆる所に拳が刺さる

 

だが、怯む無い――

 

「そこ」

 

「ッ――」

 

妹紅の腕が胸に刺さる

ああ、貫通したな

 

鼓動が背中で聞こえてらぁ…

 

ぐじゃり、ぐちゃっ

 

意識が無くなる

消えてなくなる

 

だが、体は新しい心臓を作り出す

 

故に、意識が永遠に途絶えることは無い

 

「ッア"!!!」

 

「うぐぶっ…」

 

大剣を思い切り妹紅に突き刺す

それは心臓を確実に捉え、貫通する

 

彼女は貴方を抱きしめた

 

その顔は血に濡れて、笑顔だった

 

「ふふ、はははは…君の温かさが…直に…」

 

「死ねよ!なんで死なないんだよ!」

 

「その仕組みは永琳に聞いて欲しい…なぁ!」

 

蹴り飛ばす

彼女はゴウと手から炎を出す

片手で大剣を構える

 

こんなの、まだまだだ

 

貴方と妹紅は永遠に戦い続ける

 

博麗霊夢が死のうと

 

八雲紫が死のうと

 

幻想郷が滅びようと

 

 

そして、この世界が滅びるその日であろうと

 

 

いつまでも、お互いを潰し合うだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてまた、火が、消えた

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