貴方の病んだ幻想入り 作:回忌
荒れ狂う銃弾の嵐
かつて建物があった都市は都市としての機能を停止する程破壊された
そして、そこかしこで戦いが起こっている
先程まで戦友や同士と呼んでいたものは物言わぬ肉塊と化す
戦争というのは実にシンプルで、勝ち負けしか存在していなかった
生きるか、死ぬか
ここで銃を構える貴方は勝者である
だが、油断をすれば直ぐに撃ち殺される
「大尉」という階級でここに居るのもどうかと思うが…
まぁ、もうかなり戦局は不味い方なのだ
友軍が来る事も無く、ただ敵の攻撃を耐えるだけ
だが、死ぬ訳にもいかない
だからこそ貴方は敵を撃つ
遮蔽物から飛び出し、走り抜けざまに敵を撃つ
そして、建物に滑り込んだ
そのまま階段を駆け上がる
建物の中には複数の気配を感じた
敵は居る
味方は、死んだ
多分、皆、殺された
生きてるのは、自分だけ?
「…ちくしょう」
階段を登りきり、廊下の様子を伺う
案の定兵士が3人程居た
サプレッサーを装備、ハンドガンで敵を撃つ
正確に3回、引き金を引いた
敵は脳漿をぶちまけながら倒れる
そして、その死体を窓から投げ捨てた
ふと、耳に異音がした
それは革靴の、大量の革靴の音だ
「…くそ」
近くの部屋に入り、鍵を閉める
その部屋は普通の、生活痕があった部屋だった
包丁が置かれ、切られた肉にハエが集っていた
「吸うか、最後の」
懐から手のひら程の箱を取り出し、中から煙草を取る
ジッポーの良い音がした後、火が付く
「…終わりか、これも、あれも」
革靴の音がハッキリ聞こえる、素人か
とはいえその人数は…確実に5以上、10は居るだろうか
煙が、肺を通り、気管に戻り口から吐き出される
「…やるしか、ないのか」
俺はそう言うと、煙草を投げ捨てる
そして、蹴り開けられた扉に向けて手榴弾を投げた
爆発
それで数人吹っ飛ぶ
「諸君、ご苦労だった」
コンバットナイフとデザートイーグルを持ち、突撃する
○
「…はは、調子に、乗りすぎた…な」
腹から流れる血を押さえ、壁を背に座る
結局居た兵士は15人だった
その人数相手にこれだけの傷というのも凄いな
二階級特進とか、無いかね
「…無いよな、人ッ…居ないし…」
最後の一人が悪あがきでナイフを突き刺してきた
これが驚くことに深く入ったこと入ったこと…
ふと、さっき捨てた煙草が目に入った
「…本当の、最後、だ、な…」
それを指に挟み、吸う
その快感に勝るのは人を撃った時だけだろう
もう、満足した
もういい、これで十分だ…
「こんにちは、貴方」
誰かの声がした
顔を上げなかった
「貴方の戦闘力は博麗の補佐に相応しい」
ソイツは勝手に話を進める
胡散臭い声だ、もうちょいどうにか出来んのかね
「それに、彼女達も…」
顔を上げると、そこには女が居た
いや、達…だ
そいつの後ろに、禍々しい空間があり、そこから女達が、こっちを見ていた
巫女が
魔法使いが
メイドが
半人が
風祝が
二柱が
九尾が
白澤が
不死人が
亡霊が
鴉天狗が
隻眼の白狼が
大量の、色とりどりの目が貴方を見つめていた
「あんたの事、ずっと見てた」
「私は好きだぜ、お前の戦い方」
「私としては、少し痛々しいですけど」
「私は少し荒々しいと思います」
「体に毒ですよ、そんな戦い方」
「祟られちゃうよォ?」
「軍神としてはなんだが、心配になるぞ」
「昔と変わらんな、お前は」
「本当に、頭突きして矯正してやろうか」
「お前は私と違って死があるんだ、無茶しないでくれ…」
「うふふ、私は…その命を削る姿…大好きよ」
「写真ではとてもいいですが…ねぇ、如何せん…」
「戦いに生きる者と理解出来ますが、周りを見てください」
…なんだこれは
俺は、夢でも見てるのか?
それとも、死んだとでも?
幻覚か、そうか、そうだな…
俺はそう思うと、心が安心した
かくりと、首が傾く
簡単に、意識は飛んで行った
そしてまた、貴方自身も、異界に飛ばされたのだった
「「「「「私達が、愛してあげる」」」」」
「その荒んだ心」
「戦争でボロボロになった心身」
「全部」
「ぜーー〜んぶ」
「「「「「私達が、直して上げる」」」」」」
うふふふ
あはははははは
うふふふふふふふふふふ
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!
複数って血塗れた未来しか見えないんですよ
どうしてですかね