新世界ウルトラヒーローズ   作:湯帝

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第9話、スタート!


第9話 レイブラッドの血を受け継ぐ者

60年前のウルトラの星があった次元宇宙。

 

地球人のエキスパートチームZAP SPACYが宇宙で活躍していた時の話である。

 

大マゼラン星雲のある恒星系の惑星をスペースペンドラゴンが調査していた。

 

船長のヒュウガ・ヒロシ、副長のハルナ・ジュン、エンジニアのクマノ・マサヒコ、ルーキーのオキ・コウイチ、そして、地球人のレイオニクスであるレイの一行であった。

 

ヒュウガ「今回、調査する惑星はこの星だ。」

 

ハルナ「ここは地球から14万8000光年離れた場所にある惑星です。北半球と南半球では、生態系が著しく異なるわ。この星を地球連邦政府はガミラス・イスカンダル星と呼称しています。」

 

オキ「ということは、怪獣がいるってことなんすよね?」

 

クマノ「お前は、また怪獣怪獣ってうるさいな。もし、いてもレイが倒してくれる。なあ、レイ。」

 

レイ「ああ。」

 

この星は北半球は放射能が飛び交い、外見も醜い姿なのだが、南半球は空気が綺麗で、外見も美しい星という一風変わった星なのだ。

 

生態系は、というと、北半球には高濃度の放射能を浴びても丈夫な青い肌を持つ生物が南半球には一般的な地球人と変わらない容貌の人種が住んでいた。

 

クマノ「この星は地球よりも文明が発達しているな。」

 

ヒュウガ「だろ。これから我々は北半球を統治するアベルト・デスラー総統と南半球を統治するスターシャ女王と会談の約束がある。会談の場所へ行こう。」

 

オキ「どこなんですか?そこ?」

 

ハルナ「イスカンダルの王都イスク・サン・アリア、人口1000万人の大都市です。この惑星で科学力が一番優れている都市でもあります。」

 

クマノ「確か、惑星を再生させる能力を持つ装置とか惑星を破壊する能力を持つ装置を持っているとか。」

 

レイ「ガミラスはどうなんだ?」

 

クマノ「次元の狭間に意図的に潜り込むことができる船を持っている。」

 

ハルナ「ガミラスの帝都バレラス、人口は1億人の大都市です。この惑星で軍事力が一番盛んであります。」

 

レイ「すごいな。」

 

一行はイスカンダルの王都イスク・サン・アリアに到着し、両国の首脳陣から寛大なもてなしを受けた。

 

デスラー「ようこそ、地球人の諸君。我が大ガミラスとイスカンダルへ。」

 

スターシャ「私たちは、あなた方を歓迎いたします。」

 

ヒュウガ「お気遣いありがとうございます。私は地球の一組織のリーダーであり、本来ならば謁見できる身分ではないのかと思いまして。」

 

デスラー「謙遜はいらないよ。君たちはレイブラッド星人の後継者争いとウルトラマンベリアルによる混乱と荒廃から全宇宙を復興させた輝かしい功績があるからね。特にレイ君、君には本当に感謝をしているよ。」

 

レイ「ありがとうございます。」

 

スターシャ「これからもあなたの力は、この宇宙の平和を守るためだけに使ってくださいね。」

 

レイ「はい。レイオニクスの誇りにかけて、誓います。」

 

デスラーからは次元潜航艇をスターシャからはコスモリバースシステムと波動砲なるものを渡された一行は、別の惑星へと移動した。

 

その星は岩石だらけの惑星で僅かに点在する水源地にその星の人々が生活していた。

 

ヒュウガ「ここは地球人類も活動に適すると思わないか?」

 

ハルナ「怪獣も一度も現れてませんし。」

 

クマノ「早速、調査を始めましょうか。」

 

オキ「おー!」

 

その時、レイが何かを察知した。

 

レイ「危ない!伏せろ!」

 

現れたのは、四次元怪獣ブルトンだった。

 

オキ「ブルトン?どうしてここに?」

 

ヒュウガ「一斉射撃!」

 

ZAPガンで全員が攻撃したが変な方向に光弾が曲がるだけであった。

 

レイ「ここは、俺に任せろ!行け!ゴモラ!」

 

〈バトルナイザー、モンスロード!古代怪獣ゴモラ!〉

 

既に歴戦で手練れのレイにはブルトンは敵ではなかった。しかし、これが油断と後悔に繋がるとは、思ってもいなかった。

 

レイ「ゴモラ!超震動波だ!」

 

ゴモラの攻撃でブルトンは爆散した。

 

レイ「ゴモラ、よくやった。戻れ。」

 

レイの持つバトルナイザーに戻っていくゴモラ。

 

ヒュウガ「強くなったな。レイ。」

 

ハルナ「いつもありがとうね。」

 

クマノ「それでこそ俺たちの仲間だ。」

 

オキ「レイはやっぱり頼りになるな。」

 

レイ「ハハ、感謝する。」

 

しかし、突然、時空の歪みが発生し、レイが飲み込まれ、消えていった。

 

ヒュウガ「何があった?おい、レイ、応答しろ!応答するんだ!」

 

ハルナ「ブルトンはさっき倒されたはずじゃ?」

 

クマノ「これは。さっきのブルトンは爆発と同時に別次元に何か飛ばす能力を持っていたことが判明した。次元潜航艇も使えない。」

 

オキ「そんな、じゃあレイともう会えないってこと?」

 

ヒュウガ「悲しいが、そういうことになる。」

 

オキ「やだよ、レイ。もう一緒に旅ができないって。うわーん!」

 

オキが泣く声がこだますだけとなった惑星。

 

一方、レイは別次元の地球に飛ばされた。

 

レイ「ここは?地球?そうだ!ボスは、みんなは?」

 

レイは通信機で仲間達に通信を試みたが、エラーで終わった。

 

レイ「ここは、もしかして別次元の地球なのか。俺はもう帰れないのか。いや、もしかしたら俺のいた次元宇宙に俺だけ地球にワープしてしまったのかもしれない。」

 

レイは無人の小屋を見つけ、そこで一晩を過ごすことにした。

 

次の日、レイは調査を開始した。

 

しばらくすると、旅行する1人の男性に出会った。

 

男「なんだ、兄ちゃん。ZAP SPACYの制服着て。しかも君はあのレイにそっくりだな。厨二病にでもなったか?ハハハ。」

 

レイ「やはりここは地球なんですね。教えて下さい!今は何年何月何日なんですか?」

 

男「どうした兄ちゃん。その分だと長くなりそうな話だな。そうだ。立ち話を酷だし、近くでキャンプしよう。」

 

レイ「キャンプ?」

 

男「ああ。そこでお前さんの話を聞こうじゃないか。」

 

男は名前を圭といい、地球の日本にある山梨県のそこそこ名家の家柄だった。

 

圭はなぜ自分がZAP SPACYのことを知っているのか、レイに教えた。

 

この地球では、ウルトラマンに関する特撮番組が報道されていて、大変人気のあるものだと。

 

レイは、圭にだけ自分のことを教えた。

 

圭「話は大体わかった。つまり、お前は別宇宙の地球からこっちに飛ばされたんだ。そんで仲間とはぐれた。」

 

レイ「少しは信じてもらえたか?」

 

圭「うーん、あんまり信じられんな。」

 

レイ「しょうがない。このバトルナイザーでゴモラとリトラを召喚する。」

 

圭「おいおい、それもどうせおもちゃだろ。」

 

レイ「しょうがない。ゴモラ、リトラ出てこい!」

 

〈バトルナイザー、モンスロード!ゴモラ、リトラ!〉

 

圭「ハハーン、音までそっくり。って、えーマジかよ。本物!?わかった。どうやらお前の話は本当だな。わかったから早く戻せ。他の人に見られたら物騒だぞ。」

 

レイ「戻れだってさ。これで信じてもらえたか?」

 

圭「ああ、信じた。それとお前に伝えたいことがある。

 

圭がレイに伝えたこと。それは、この次元宇宙には知的生命を持つ惑星が多く存在し、怪獣も存在するということだった。だが、地球には一度も怪獣が現れたことがないそうなのだ。

 

圭「そうだ。お前、帰れないんだろ。だったら俺の家へ来い。ちょうどお前と同年齢の1人娘がいるんだ。俺の妻は早くに亡くなってしまって、広い家に俺と娘と従者だけなんだ。」

 

レイ「わかった。感謝する。」

 

その後、レイは圭の一人娘と結婚し、圭の婿養子となった。もちろん、家の者たちに自分の正体を告げた。得体のしれない自分に親切にしてくれた家の者のおかげでレイは地球人としての生活に満足していた。圭が亡くなってからもそれは変わらなかったのである。そう、ベリアルが再び、姿を現す時までは。

 

 

 

それから60年後の現在。

 

JAPAN EDA本部では、雄斗が休暇の手続きをしていた。

 

憲三郎「お前が休暇を取るなんて珍しいな。」

 

雄斗「母方の爺ちゃんが病気でさ。死ぬ前に最後に僕ら一族に話したいことがあるんだってさ。」

 

美郷「そうなのよ。私は行かないけど。」

 

正順「ああ、あのお前らの結婚式で独特な雰囲気を漂わせていた爺さんか。」

 

雄斗「そうそう。なんでも見抜くんだよな。」

 

美郷「うん。小さい頃、私が雄斗の家に遊びに行ったら、初対面でいきなり、『君たちは将来、結婚する』なんて言ってた。」

 

晴子「実際、そうなったわけですし。」

 

ガイ「なんか気になる。俺、ついていっていいか?」

 

ジャグラー「俺も。」

 

雄斗「美郷、来る?」

 

美郷「ガイさんたちが行くって言うからしょうがない。私も行く。」

 

李莉子「行ってらっしゃい。」

 

勝子「またねー。」

 

因みに加奈は、どういうわけか休暇で月の遊園地に行っているのである。

 

4人は山梨県のとある地区へと出発していった。

 

ゼロ「なあ雄斗、お前の爺ちゃん、どんな人なんだ?」

 

雄斗「数百メートル先にジャンプしても傷つかない人だ。」

 

ゼロ「何!?そんな人は、この地球でウルトラマンと一体化しているお前みたいな人たちだけだ。」

 

雄斗「どういうこと?」

 

ガイ「俺も気になっていたところではある。」

 

ジャグラー「だから、俺たちも同行するってわけだ。」

 

美郷「そうなのね。」

 

電車を降り、徒歩で山奥に行く一行。

 

ガイ「一体どこまで歩くんだ?」

 

雄斗「爺ちゃんは、今は隠居生活で山奥に数人の従者と住んでいる。」

 

ジャグラー「お前の一族もそこに集まっているのか?」

 

雄斗「ああ。」

 

2時間くらい歩いただろうか、目の前に山奥にはあるとは思えないほど立派なお屋敷が見えてきた。

 

美郷「着いたわ、ここよ。」

 

門番が2、3人いるというお屋敷である。

 

門番「雄斗さま、どうぞ。奥方とお仲間も。有明零主人がお待ちです。」

 

ゼロ「有明零って?」

 

雄斗「爺ちゃんの名前だ。」

 

ガイ「そうか。」

 

ジャグラー「なんか気になるのは俺だけか?」

 

ガイ「大丈夫だ。俺もゼロさんも気にしている。」

 

そして扉が開き、中に入っていくと、広々とした玄関になっていた。

 

住み込み女中の1人が4人に気付き、こちらですと案内する。

 

所々に写真が貼ってあるが、どれも同一人物のようだ。

 

ガイ「失礼ですが、あの写真はどなたですか?」

 

女中「この家の主人の有明零さまでございます。」

 

ゼロ(この写真、レイじゃないか。確か行方不明になっていたと聞く。だとすると、レイはこの世界に飛ばされて、はっ、雄斗はレイの孫。地球人のレイオニクスの血を受け継ぐ者。雄斗と一体化した時に感じた違和感の正体は、これだったのか?)

 

ガイ(レイでは?もしかして生きていたのか?あの時、行方不明になっていた。)

 

ジャグラー(地球人のレイオニクス。なぜ、気づかなかった。なぜ誰もわからなかった。)

 

進んでいくうちに深まる謎、写真の最後には、レイのZAP SPACYの隊員服とZAPガンが展示してあった。

 

そして寝室に入っていくと、老人と彼を囲むように一族がいた。

 

老人「久しぶりだな、雄斗、美郷。あら、そちらの2人は初めましてだな。」

 

ガイ「初めましてではないですよ。私とジャグラーは、あなたが若い頃、会っています。」

 

ジャグラー「ご老人、あなたはレイではないですか?ZAP SPACYの隊員で地球人のレイオニクスの。」

 

レイ「わしにはそういう名前があったな。だが、今は有明零という名前で生活している。もう60年にもなるかね。死ぬ前に私の本当の真実をここにいる一族の者に伝えようと思っていた。だが、ガイとジャグラーのおかげでそれも省ける。」

 

雄斗「お爺様、僕、ゼロといったいかしてるんです。話したいですよね?久しぶりにゼロと。」

 

レイ「ゼロか懐かしいな、ゼロとは共に戦ったよ。雄斗と一体化したって聞いた時はびっくりしたよ。どれ、話すとしようかのお。」

 

ゼロ「ひさしぶりだな、レイ。今まで何をしていたんだ。」

 

レイ「わしが時空の歪みに飲み込まれたって話は知ってるじゃろ。」

 

ゼロ「ああ、知っている。その後の話だ。」

 

レイ「あの後、この宇宙に飛ばされて、とある人に出会った。その人こそわしの妻の父じゃった。わしの話を全て信じてくれてな。今までこうして暮らしてきたのじゃ。」

 

ゼロ「そういうわけか。だが、ベリアルが襲来した時、再び戦おうって気持ちにならなかったのか?」

 

レイ「もうそんな気力がないんじゃ。」

 

ゼロ「そうか。」

 

その時、心電図が鳴り始めた。レイが最期の時を迎えようとしているのだ。

 

ゼロ「最期に言い残したことがあるか?」

 

レイ「ある。そのために雄斗を呼んだんだ。」

 

雄斗「なんでしょうか。」

 

レイは自分に残された最後の力を振り絞り、あのバトルナイザーを雄斗に渡した。

 

レイ「次のレイオニクスは君だ。必ず、ベリアルを倒せ。必ずレイモンへと覚醒するのだぞ。」

 

そのままレイは息を引き取ったが、同時にレイの体は光の粒子となって消滅した。

 

ガイ「この魂が元の宇宙に戻ることを願おう。」

 

ジャグラー「ああ。」

 

 

 

ZAP SPACYが存在する次元宇宙。

 

レイが行方不明になってから60年が経過していた。

 

ヒュウガたちは既に80歳を越えていたが、退役してもメンバーの絆は変わらず、レイが行方不明になった日が来るたびに集まっていた。

 

クマノ「レイの奴、今年も来ないかな。」

 

その時、家のインターホンが鳴った。

 

ハルナ「どちら様ですか?」

 

雄斗「綿部雄斗です。皆さんにお話があってきました。」

 

そう、別次元にいる雄斗が一体化しているゼロの力で一時的にZAP SPACYが存在する次元宇宙にきたのだ。

 

部屋に入ってきた雄斗にオキが質問する。

 

オキ「あのあなたは?」

 

雄斗「別次元の地球からきたJAPAN EDAの隊員である綿部雄斗です。」

 

ヒュウガ「EDA?」

 

雄斗「僕の地球はあなたがたの宇宙と同じように怪獣が頻発してウルトラマンベリアルが暗躍しているんです。それに対処するために結成されたのがEDAです。」

 

ハルナ「話はわかりました。でもどうしてあなたはこちらに来れるのです?」

 

雄斗「実は僕、ウルトラマンゼロと一体化しているんです。」

 

クマノ「そうなのか。」

 

雄斗「はい。それともう一つお伝えしなければならないことがあります。僕の祖父有明零が昨日死去したことをお伝えしにきました。」

 

オキ「誰ですか、その人?」

 

雄斗「ご存じない?あなた方の仲間だった地球人のレイオニクスであるレイですよ。」

 

ヒュウガ「レイ?君はレイの孫なのか?レイオニクスの血を受け継ぐ者なのか?」

 

雄斗「はい。」

 

レイがつい最近まで生存していた。そのことだけでもヒュウガたちは嬉しかったのである。

 

ハルナ「教えて、レイがどうしていたのか?」

 

雄斗「僕がいる宇宙に飛ばされた後、ある親切な人に助けられ、その人の婿養子になりました。」

 

クマノ「彼らに拒絶はされなかったのか?」

 

雄斗「されませんでした。僕のいる宇宙では、ウルトラマン関連は空想の産物としてテレビ放映されてましたが、怪獣は他の惑星に頻出していましたし。」

 

オキ「レイがどうしているのかそれだけが気がかりだった。でもよかった。君から話が聞けて。」

 

この話を終えて、雄斗は元の世界へと戻っていった。

 

 

 

〈次回予告〉

 

ウルトラマンとしてだけでなく、レイオニクスとしても戦うことになった雄斗。

 

レイモン2世となるまで厳しい特訓が続く。

 

第10話「レイモン2世への道」

 

次回もお楽しみに!




様々な番組のキャラクターが入り混じっていますが、お構いなくお願いします。
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