現代 地球
JAPAN EDA総監執務室に首相の嵯峨が来ていた。
嵯峨「どういうことかね。雄斗がゼロと共に時空の彼方に消えたというのか。」
光一「そうです。」
嵯峨「それで、どこにいるのかわかったのかね?」
海子「はい。ガイ大尉や晴子中尉の調査によれば、後期旧石器の時代に飛ばされたあと、縄文時代に辿り着き、今頃は飛鳥時代の推古朝にいると推測されます。」
嵯峨「そうか。しかし、聖徳太子の時代か。待てよ、教科書。」
総監執務室に置いてあった日本史の教科書を本棚から取り出した嵯峨は推古朝のページを開いた。
嵯峨「学生時代は推古天皇らの四頭政治なんて気にも留めていなかったが。待てよ、推古天皇、蘇我馬子、聖徳太子、あと1人は誰だっけ?」
隆信「もしかして、雄斗がその時代に関わっていると言うのですか?」
俊三「そういえば、俺も四頭政治かーって特別気にも留めていなかったな。」
一同は嵯峨が開いたページを読んだ。
そして、そこには、
『大連兼物怪退治将軍 綿部大連雄人(生年不詳、没年630年?) 綿部氏の祖。推古天皇の死後、政治の表舞台を去った。その後の動向は不明だが、物怪の出現が630年以降途絶えていることからその頃に死去したと思われる。子孫は代々、朝廷に仕え、一部の分家は平安時代末期に甲斐国に下り、戦国武将甲斐源氏綿部氏として台頭、江戸時代は譜代大名甲府藩の藩主として幕末まで続き、維新後は、山梨県知事を代々世襲する伯爵家となり、戦後の公職追放で途切れるが、独立回復後に復権。本家とほとんどの分家は摂関家や天皇家と結びつくが次第に力を失い、没落。同名の子孫と思われる人物が桓武天皇、藤原道長、北条義時、後醍醐天皇、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、徳川吉宗、徳川家斉に仕えている。』
全員「これだ!」
嵯峨「雄斗自身が綿部氏の祖。彼が今の日本を作ったのか。」
俊三「しかし、いくら何でも織豊政権と江戸幕府創設に関わっていたとは。甲府藩主の家柄から分かる通り、幕政にも寄与していたらしい。」
海子「鎌倉幕府の中枢にもいたみたい。義時死去後、引退したって書いてある。」
隆信「これ以降の記述はないのか?」
光一「人類にとって害となる怪獣は現れていません。1年前まで我々は怪獣と共存共栄していたわけです。」
嵯峨「ということは、過去の地球で怪獣が現れるよう細工した黒幕がいるのか。そうだ。私は海外の首脳たちと光の巨人伝説について調べる。そっちは任せた。」
隆信「はい!」
現代 ベリアルパレス
ベリアルのところに軍団幹部が集まっていた。
東園「ベリアル様、奴は現在、飛鳥時代にいるようです。」
ベリアル「その飛鳥時代というのがわからん。今から何年前だ。」
ケイ「1500年ほど前です。」
ベリアル「しかし、ストルム星人、お前も物好きよのお。」
ケイ「あやつのことでございましょうか。」
ベリアル「そうだ。光の勢力に表返ったやつから密かに分離した‘もう1人の‘ジャグラスジャグラー。あやつを拾ってきたことは真に素晴らしい。」
ケイ「ありがとうございます。」
ベリアル「が、それとこれとは別だ。何だね。あっさり負けておるではないか。」
ケイ「申し訳ございません。」
しかし、ベリアルの怒りは収まらなかった。
ベリアル「ストルム星人だけではないぞ。どいつもこいつも弛んでおる!ガミラス帝国の件もそうだ。あそこで大公一族を皆殺しにさえすれば、抵抗は続かなかった。」
東園「その大公一族は光の国に亡命しているようだ。」
ケイ「光の国のセキュリティシステムは激甘だ。私は彼らを拉致するために光の国へ侵入する。」
しかし、ベリアルはそれを止めた。
ベリアル「まあ待て。ここはアブソリューティアンに任せようではないか。のお。」
いつの間にか側にいたタルタロスが答える。
タルタロス「光の国に対してこう通告する。『すぐにガミラス帝国の大公一族を引き渡せ。拒否するならば、ユリアン王女を拉致して監禁し、光の国に対して総攻撃を仕掛ける。』と。」
しかし、ティターンがそれを否定した。
ティターン「それはどうでしょうか。ユリアン王女を誘拐などこれで何度目ですか。光の国もセキュリティシステムが強化され、ユリアン王女も光の国の外への外出の際には常に護衛が多くなっていると聞く。」
そこにディアボロが口を挟む。
ディアボロ「何を躊躇っておるか。邪魔なウルトラマンゼロは今は過去の世界に飛ばされている。我らに敵なし。」
そこへベリアルの雷が落ちた。
ベリアル「ごちゃごちゃとうるさい!この宇宙は今までの宇宙とは違うのだ!イスカンダルとテレザート。この2惑星は今は中立を保っているが、彼らを敵に回すとどうなる?成し遂げられるものも成し遂げられなくなる。今は我慢し、古代の地球に怪獣を送り込み、ウルトラマンゼロを消し去ることで地球を滅ぼすということが先決だ。」
全員「確かに。」
東園「では、手はず通りに。」
593年 地球
時代は飛鳥である。
雄斗とゼロは飛鳥豊浦宮郊外に到着した。
雄斗「ここは奈良県明日香村あたりだな。」
ゼロ「そうだな。しかし、どうするか。」
その時、後ろから声がした。
「待っておったぞ。遥か何万年も続くと言われる倭の伝説にのみ出てくる怪獣使いの青年と光の勇者様。」
雄斗「誰だ?」
声を発した者とは別の者が声を発する。
「無礼であるぞ。この御方を何と心得るか。恐れ多くも日嗣の皇子である上宮太子厩戸豊聰耳王さまであられるぞ。」
雄斗「は、はい?」
厩戸王「そなたのような後世の人間は、私をこう呼ぶ。『聖徳太子』又は「厩戸皇子』とな。」
雄斗&ゼロ「えー!?」
厩戸王「はっはっはっは。驚くのは無理もないだろう。私に着いてこい。蘇我大臣馬子と大王さまがお待ちだ。」
雄斗「はい。」
そして、雄斗は厩戸王に連れられ、蘇我馬子と推古天皇がいる邸宅に到着した。
厩戸王「馬子そして大王さま、光の勇者様をお連れいたしました。」
中から中年の男性と女性の声が返ってきた。
馬子「よく来てくれましたな。」
推古帝「お入りなさい。」
雄斗はそこで蘇我馬子と推古天皇に対面した。
馬子「あなたが1500年以上未来からやってきた怪獣使いの青年ですね。光の勇者様と一心同体であられる。」
雄斗「はい、そうです。」
推古帝「よくぞ、この倭の地に来てくれました。ご存知の通り、この国に怪獣が出現するという予言が遥か昔から伝わっております。」
厩戸王「そこでだ。我らはそなたにここでしばらくの間、暮らしてほしいと思うておる。よいか?」
雄斗「ゼロ、どうする?」
ゼロ「受ければいいじゃないか。」
雄斗「では、よろしくお願いします。」
この言葉に厩戸王は反応した。
厩戸王「では、大王さま、この者にはここで邸を用意し、妻子を帯同させ、飛鳥の豪族としての地位を与え、我ら3人と同等の力を認めさせることで宜しいですね。」
推古帝「よろしい。そなた、名はなんと申す?」
雄斗「綿部雄斗、爵位は子爵です。」
馬子「では、そなたの名は、この時代にいる限り、このように名乗るが良い。『綿部大連雄人』とな。そしてそなたはこれより、綿部氏の祖となるのだ。物部の奴らが滅んだ今、大連を称する者は不在。わしは大臣、そなたは大連として太子さまと大王さまを支えていこうぞ。」
雄斗「承知いたしました。」
こうして、雄斗は身なりを飛鳥の豪族風に改め、綿部大連雄人として生活していくことになったのである。
594年
豪族たちが集まる中、厩戸王はこれからの政治の方針を示した。
厩戸王「これからは、蘇我大臣馬子、綿部大連雄人、帝、そして摂政であるこの私が中心となって政を行う。異存はないな?」
「ははあ!」
推古帝「つきましては、最近、物怪の所業と思われる事件が起きていることで余がしたいことがございます。綿部大連を物怪退治将軍に任ず。」
雄斗「謹んでお受けいたします。」
邸に戻った雄斗は正室で馬子の娘である河上娘、側室で推古天皇の異母姉である笠縫皇女の迎えを受けた。
この時代は一夫多妻であるが、雄斗は現代に残してきた美郷や春香のことを思い、あえて多くの女性を娶らなかった。
河上娘「お帰りなさい、閣下。」
笠縫皇女「お帰りなさい。」
雄斗「ただいま。」
河上娘「閣下、私、もう少しであなた様の子が生まれそうですわ。もちろん笠縫皇女さまも。ねえ?」
笠縫皇女「ええ。」
雄斗「そうか。ゼロの予想では、2人とも双子を産む。それも男女2人ごとだ。」
河上娘「まあ光の勇者様がそのようなことをおっしゃったのですか。」
笠縫皇女「これは当たりそうですわ。」
雄斗「そうだな。」
そこへ雄斗配下の豪族で物部氏傍流の物部連盛国が姿を現した。
盛国「殿、少々お耳に入れて置きたいことがございます。」
雄斗「わかった。少し外す。」
河上娘「はい。」
笠縫皇女「わかりました。」
盛国は雄斗を連れて森へ向かった。
雄斗「一体、どこに連れて行こうとするのかね。」
盛国「あの森で小さくて赤い物怪が現れたという噂が侍女や家臣たちの間で流れております。殿は光の勇者様と一心同体でおられる。退治してもらえないかと?」
ゼロの意識になった雄斗が否定した。
ゼロ「それはできない。有害でない限り、怪獣は殺さん。」
盛国「そうですか。」
しばらく歩いて、2人は噂の場所に到着した。
すると、1匹の小型生物がカニ歩きをして通り過ぎた。
盛国「あ、あれですよ。早く捕まえましょう。」
雄斗「そうだな。追うぞ。」
2人は未確認生物を追いかけて捕まえた、しかし
「ピグ、ピグー!」
雄斗&ゼロ「ピグモンじゃないか!」
盛国「ぴ、ぴ...ぐ...もん?ご存じなのですか?」
雄斗「こいつは怪獣じゃない。珍獣だ。人類に友好的な稀有な存在。」
ゼロ「怖い思いをさせて悪かったな。すまんな、ピグモン。」
ピグモン「ピグ、ピグ!」
盛国「どうしましょう。連れて帰りますか?」
雄斗「まず、太子さまのところへ連れていく。」
雄斗はピグモンを厩戸王の邸に連れていったが、ピグモンも見るなり門番は気絶してしまった。
ゼロ「無理ねえか。」
そして偶然、外にいた厩戸王の妻である橘大郎女と刀自古郎女は、
「キャー。」
あまりの恐怖に絶叫してしまった。
騒ぎを聞きつけたのか、邸の中から厩戸王は出てきた。
厩戸王「なんだこの騒ぎは?うん?綿部大連と物部の小倅か。うん?物怪?」
雄斗「先程、捕まえたというかなんというか。」
厩戸王「そうか。とにかく入りなさい。」
邸の中で雄斗の話を聞いた厩戸王は全てを理解した。
厩戸王「そうか、このぴぐもんとやらは無害なのだな。」
雄斗「昔からこう言われております。突然のピグモン出現はもうすぐ怪獣が現れるから逃げろという知らせ。」
厩戸王「そうか。対処しよう。お前たち、怖くはないぞ。」
橘大郎女と刀自古郎女はおそるおそるピグモンに近づいた。
橘大郎女「まあ可愛い。ねえ太子さま、私たちがぴぐもんのお世話をして差し上げますわ。」
刀自古郎女「お願いします。太子さま。」
その時、門番が現れた。
門番「太子さま金ピカの変な怪獣が現れました。」
厩戸王「もう現れたのか。」
そして、行くと
「お金はどこ?お金を食べないと死んじゃうごん。」
厩戸王「なんじゃ、ありゃ。」
雄斗「カネゴンです。」
厩戸王「あれは悪い怪獣なのか?」
雄斗「微妙...」
ゼロ「この時代にお金なんてない。なんて不運なやつだ。」
カネゴン「あ、そこの人たち、お金持ってない?」
厩戸王「お金とはなんだね?そんなものは持ってない。」
雄斗「ごめんな、これくらいしかないんだ。ほれ3万円。」
ゼロ「お前、そんなに持ってたのかよ。」
雄斗「この時代は物々交換。使わないからな。」
カネゴン「わーい、お金だ。おいしい!」
盛国「なんていうバケモンや。」
あっという間に食べたカネゴンは更にお金が欲しくなったらしい。
カネゴン「ねえ、もっとない?欲しいよ。ないの?」
雄斗を追いかけはじめた。
雄斗「すまん、持っていないんだ。わあやめてくれー。」
雄斗が隠し持っていたヘソクリを全部食べてしまった。
雄斗「ああ...」
カネゴン「ありがとう!じゃあねえ。さよならー。」
雄斗「2度と来るな!」
ゼロ「あーダメだなこりゃ。」
盛国「なんていうバケモンや。」
ピグモンは、その後、雄斗の邸に引き取られることとなり、綿部家の癒し系の存在となった。
盛国「カネゴンと扱いが全く違いますな。」
うん、確かに。
その年の暮れ、河上娘は男子と女子の双子を産んだ。
綿部雄馬と名付けられた男子は妻が蘇我馬子の孫で蘇我入鹿の姉であったことから乙巳の変で蘇我方に立ち、一族諸共処刑されたため、雄馬系綿部氏の血統は絶え、綿鶴娘と名付けられた女子は厩戸王の息子山背大兄王に嫁ぐが、蘇我入鹿によって上宮王家が滅亡した際、山背大兄王らと共に自害し、綿鶴娘系綿部氏も絶えた。
その数ヶ月後の595年には、笠縫皇女が男子と女子の双子を産んだ。
綿部雄人を襲名することとなる男子は大化の改新でも活躍、以降この系統が古代や中世の政治史で活躍することになる。笠綿娘と名付けられた女子は後に舒明天皇の夫人となり、久下氏の祖とされる磯部皇子の母となり、この家系は戦国時代まで有力氏族として続くことになる。
その後、月日は流れ、603年には冠位十二階、翌年には十七条憲法が制定されるなど、大王・王族中心の国家体制が築かれた。
それから2年後の606年
厩戸王は雄斗と共に2人だけで外出していた。
厩戸王「雄斗、覚えているか。この丘を。」
雄斗「ええ。ここはタイムスリップした時、初めて太子さまにお会いした場所。太子さまはあの頃から相談があるとこの丘で2人きりで話をしたいとおっしゃる。しかもその時だけ、この私を本名で呼ぶ。」
ゼロ「2人きりではない。俺もいるぞ。」
厩戸王「はは。そうだな。光の勇者様をいるな。」
雄斗「では本題は?」
厩戸王「私は来年、隋に小野妹子を使者として送ろうと思う。お主らもついてきては行かぬか?」
雄斗「6年前に失敗し、今度こそ成功するでしょうか?」
厩戸王「心配はいらぬ。約1400年後の未来からやってきたお前なら我が倭とあの国がどういう関係を築いているか十分知っているはずだ。対等に付き合っておるのであろう。」
ゼロ(対等どころか周辺諸国の領土・領海・領空を毎日脅かして戦争寸前ですわ。)
雄斗「まあ、そんな感じです。」
ゼロ(そこは否定しろよ。)
厩戸王「それに向こうでも物怪が現れた場合、そなたの力は頼りになる。」
雄斗「わかりました。お引き受けします。」
このようなやりとりがあった翌年、雄斗は妹子と共に隋にむけて出発した。
旅の途中、妹子は雄斗と話していた。
妹子「綿部大連殿、そなたは、この時代の者ではないと聞くが本当か?」
雄斗「本当だ。私は1400年後の未来からやってきた。」
妹子「ならば教えてくれ。1400年後の倭はどうなっておる?」
雄斗「まず国の名前が倭ではなく日本となっています。これは今から100年も経たずしてそう呼ばれます。」
妹子「そうか。隋の国や他の国はどうなっておる。」
雄斗「何回か王朝が変わり、皇帝がいなくなります。戦争が世界を巻き込んで2度起こります。日本はその2回目の戦争で敗北します。」
妹子「本当か。大王はいるのかね?」
雄斗「大王は天皇という名称に変わりますが、政治的な実権は持たなくなります。国民から選ばれた者のみで政治を行うことになります。」
妹子「そうか。そなたは元の時代に帰りたいとは思わんのか?」
雄斗「帰りたくないと言えば嘘になります。しかし、私にはこの時代に現れるであろう怪獣を倒す使命があります。」
妹子「私も行ってみたいな。その令和という時代に。」
数ヶ月後、一行は隋の皇帝である煬帝の宮殿に到着した。
煬帝は手厚く迎えた。
煬帝「倭国の使者たちよ。ようこそ我が隋へ。」
妹子「我らは女帝推古より煬帝さまへの手紙を預かっております。」
そう言って妹子は煬帝に手紙を渡した。
煬帝「おー見事な心がけじゃ。どれどれ。『日出づる処の天子、書を日没する処の天子に致す。恙無きや...』なんじゃこの手紙は!倭国の王は朕を愚弄しておるのか!」
雄斗「どうかしましたか?」
煬帝「どうもこうもないわ!天子は世界においてただ1人。つまり、この煬帝ただ1人。それなのに、倭国の王は自らを天子と称しておる!無礼にも程があるわい!もうよい!倭国なんぞ滅ぼしてくれるわい!」
ゼロ(あのおばさん、やらかしたか。)
そして、煬帝は鴻臚卿の1人に命じた。
煬帝「よいか?このような無礼な書は今後朕には見せるな!」
「御意。」
しかし、別の鴻臚卿が声を上げた。
「陛下、お待ちください!倭国は遠い場所にある国、田舎ゆえに何も知らないのです。どうかお許しを。」
こう言われては煬帝も怒りを静めるほかなかった。
煬帝「わかった。近いうちに返書を渡そう。そして倭国に我が使者を送る。その前にこやつらをもてなせ。」
「は!」
宴会の席にて、雄斗は何人かの官僚と話していた。
「倭国には未来から来たという怪獣使いの青年がいて光の勇者さまと一心同体と聞くがそれは真か?」
雄斗「それは、私です。」
「ほう。それは失礼した。今度、皇帝陛下に個人的に会える機会を作っておこう。」
雄斗「それはなぜです?」
「皇帝陛下は、その話をひどく気に入られていつかその者に会ってみたいとおっしゃられていた。」
雄斗「そうですか。」
ゼロ(俺も有名になったもんだなあ。)
数日後、雄斗は煬帝に呼ばれた。
雄斗「参りました。」
煬帝「そなたが未来から来たという青年か。」
雄斗「はい。」
煬帝「未来から来たのならわかるであろう。わしの評判とこの国を末路やらを。」
雄斗「率直に申し上げます。臣民に重苦を押し付け、国を崩壊に導いた暴君だとか。そしてこの国は陛下の跡を継いだ御孫君の代で滅びます。」
煬帝「はっはっはっは。率直に言うそなたのことは気に入った。そうかわしの孫の代で滅びるのか。」
雄斗「そうです。」
その時、どこからか光弾が飛んできた。
雄斗「皇帝陛下、危ない!」
雄斗の言葉で煬帝は危険を回避し、雄斗は持っていた和泉守兼定で光弾を一刀両断し、2つに割れた光弾は後方で爆発した。
煬帝の護衛をしていた武人たちが警戒体制に入り、雄斗も一応警戒した。
雄斗「何者だ!」
ゼロ「雄斗、気をつけろ。この雰囲気どこかで。」
「ご名答。3000年ぶりだな。」
そう言ってダークジャグラーが姿を現した。
雄斗「ダークジャグラー!なんでこんなところに。」
闇ジャグ「貴様らを待っていた。貴様らがあの時代を去った後、俺は大陸を渡ってこの地に辿り着いた。そして、あの山に住んで久しいがウルトラマンやウルトラマンと一体化している知的生命体そして我々宇宙人は何十万年も生きる。それ故、いつしか俺は仙人と呼ばれるようになった。」
煬帝「貴様、この世界を滅ぼす分際で仙人と称し、余の民を手中に収めようとしたのか!」
闇ジャグ「ああ、そうよ。しかし、ここまでのようだ。出よ!風の魔王獣マガバッサー!」
煬帝「何じゃ、あの怪物は。」
宮中の者たちは逃げ惑うばかりであった。
雄斗「ここは私に任せてください。行こう、ゼロ!」
ゼロ「おう!」
雄斗&ゼロ「ジュワ!」
煬帝は1人で逃げ惑い、いつの間にかマガバッサーの下にいた。
闇ジャグ「いけ!マガバッサー。煬帝を踏み潰せ!」
ダークジャグラーの命令に応えるようにマガバッサーは鳴き、真下にいる煬帝を踏み潰そうと足をおろした。
煬帝「もはやこれまでか...」
その時、
ゼロ「ウルトラゼロキック!」
ゼロのキックでマガバッサーは吹き飛ばされた。
雄斗「皇帝陛下、ご無事ですか?」
煬帝「ああ、無事じゃ。」
人々は突然現れた巨人を目にして驚くばかりであった。
「あれは?」
「あれが倭国に現れたという光の勇者様。」
闇ジャグ「くそ!マガバッサーよ、ウルトラマンゼロを倒すのだ!」
ゼロ「貴様の思い通りにはさせん!」
雄斗「被害を少なくさせるために空中決戦だ!」
そのまま空を飛んだため、マガバッサーはついてきた。
そこへゼロがゼロスラッガーを投げたため、マガバッサーは飛翔能力を失い、落下した。
しかし、瞬時にゼロがゼロビヨンドにネオ・フュージョンライズして百烈キックしたため、マガバッサーはさらに上空までいった。
雄斗「とどめだ!」
ゼロ&雄斗「ワイドビヨンドショット!」
マガバッサーは爆散した。
地上では、煬帝が護衛の武人たちに守られながら、ダークジャグラーと対峙していた。
煬帝「似非仙人、覚悟せい!」
闇ジャグ「フハハハハハ、アハハハハハ!」
煬帝「何がおかしい。」
闇ジャグ「この俺を普通の人間だと思うなよ!」
そう言うと真のジャグラーとは異なる全身真っ黒の魔人態へと変化した。
煬帝「者ども、かかれ!」
「ウオー!」
闇ジャグ「無駄よ。」
そのまま武人たちは吹き飛ばされた。
煬帝「何!?」
闇ジャグ「隋帝陛下、お覚悟!」
そして、煬帝を斬りつけようとした瞬間、雄斗が戻ってきて和泉守兼定で応戦した。
闇ジャグ「もう戻ってきたのか。貴様との最終決戦はもうしばらくお預けだな。さらばだ。」
そう言うと闇に消えていった。
雄斗「皇帝陛下、大丈夫ですか?」
煬帝「大丈夫だ。」
それから数ヶ月後、遣隋使の一行は返使裴世清らの随行で倭国へ帰国した。
その頃から厩戸王らは留学生・留学僧を隋に留学させて、隋の文化を大いに取り入れて、国家の政治・文化の向上に努めた。
その出来事から13年後の620年
雄斗は厩戸王や蘇我馬子と「天皇記・国記、臣連伴造国造百八十部併公民等本記」を記した。
これをもとに統治がなされた。
しかし、その頃から厩戸王の体調は優れず、病床に伏す日々が続いた。
馬子「大連殿、ちょっとお話が。」
雄斗「何でしょうか?」
馬子「太子さまも先が長くないように思われる。次の大王はやはり御子の山背大兄王さまでいいだろうか?」
雄斗「良いと思います。」
馬子「話は変わるが、そなた、この前、大きな龍を倒したそうだな。」
雄斗「宇宙竜ナースのことですか?」
厩戸王が病気になる数日前、宇宙竜ナースが上空に現れた。
すぐにゼロによって倒されたが、都中の人々は良くないことが起きる前兆だと噂した。
馬子「そうじゃ。あれからだろ。太子さまがご病気になり、看病しておられたお妃もご病気になった。あの龍は凶となったのだな。」
雄斗「因果関係は不明です。」
馬子「杞憂で終わると良いのだが。」
それから数日後、厩戸王の妃である膳部菩岐々美郎女が亡くなった。
馬子「やはりあの龍は悪い前兆だ。太子さまも今晩が山場ではないのか。」
ゼロ「縁起でもないことはやめてくれ。」
翌日、厩戸王は危篤状態となり、雄斗は馬子と共に病床に呼び出された。
雄斗「太子さま、お気を確かに。」
厩戸王「大連殿、あなたに予言する。」
雄斗「なんでしょうか?」
厩戸王「物怪は大王さまの死去から2年を最後に200年近く現れなくなる。お主がこの時代にいられるのも残り9年ほどだ。」
雄斗「かしこまりました。」
厩戸王「馬子よ、そなたは残り5年の命、大切に生きよ。」
馬子「この爺、長く生きすぎました。十分でございます。」
厩戸王「そうか。」
それを最後に厩戸王は死去、多くの人々がその死を悲しんだ。
5年後、蘇我馬子が死去する。
その時もやはり怪獣が現れ、この時は火山怪鳥バードンであった。
2年後、女帝推古が崩御、その時は宇宙有翼怪獣アリゲラだった。
630年を最後に怪獣は現れなくなった。
雄斗はゼロと共に飛鳥時代を去る決意をした。
時の帝であった舒明天皇や馬子の息子である蝦夷、厩戸王の息子である山背大兄王らは雄斗を引き止めようとしたが、雄斗の一族の説得に応じ、最終的には雄斗の意思を認めた。
雄斗「では、お元気で。」
ゼロ「あばよ!」
ワームホールが出現し、雄斗は入っていった。
多くの豪族や官人たちが無言のまま、ワームホールが消滅するまで見送った。
現代 地球
綿部雄斗子爵邸では、第二夫人の春香がいた。
第一夫人である美郷から雄斗がゼロと共に時空の彼方に消え、過去の世界を放浪しているということを聞かされていた。
既に事件から9日が経過していた。
義父である雄樹伯爵と父である子二本春信伯爵が時折、心配して訪ねてくるくらいで何もすることがなかった。
自分には雄斗の無事を祈ることしかできないというのが事実であった。
そんな折、EDAから第一夫人である美郷が1人の使者を送ってきた。
EDA隊員でウルトラマンオーブの人間体であるクレナイガイだ。
ガイは心配する春香を案じて遥々、東京から来たのだ。
ガイ「春香さん、雄斗やゼロさんのことは心配いらない。だから安心してください。彼らは必ず無事に帰ってきます。」
春香「どうしてそんなことがわかるんですか?」
ガイ「俺は別の宇宙でゼロさんと戦ったことがある。俺が1人で戦っても勝てない怪獣を1人で簡単に倒してしまう。それで今までたくさんのウルトラ戦士を救った。もちろん光の国もです。あの人のおかげでベリアルの脅威から滅亡に瀕した光の国を復活させることができた。それに雄斗はレイの孫です。レイオニクスの血を受け継いでいる。普通の人間とは違います。だから春香さん、心配は入りません。」
春香「はい!」
ガイ「なんかあったら連絡してください。俺と美郷それにジャグラーがいつでも相談に乗りますから。」
春香「ありがとうございます。」
ガイは邸を出た後、1人で呟いた。
ガイ「雄斗、ゼロさん。早く帰ってきてくれ。みんな心配して待ってる。春香さんに美郷それにお前の親父さんもな。」
不意にジャグラーが現れた。
ジャグラー「帰るぞ。」
ガイ「おう。」
773年 地球
この時代は桓武天皇がまだ山部親王を名乗り皇太子の地位についたばかりの頃である。
雄斗は平城京の外れでワームホールから出てきた。
雄斗「さてと、ここは平城京か。あれ?髭がない。」
ゼロ「ほんとだ。ワームホールに入っている間に若返ったのか。」
雄斗が飛鳥時代にいた時間は37年、実質的には62歳になっていた。
しかし、ワームホールは若返りの作用があるのかどういうわけか元の25歳に戻っていたのである。
雄斗「しかし、この時代に怪獣が現れるのだろうか。」
すると、後ろから声がした。
「現れるさ。あんたと厩戸王さまが予言したんだぜ。そして今はそうなりそうな時期だ。都では不吉なことが立て続けに起こっている。あんたらの力が必要だ。」
雄斗「何者だ!?」
ゼロ「気をつけろ!」
「警戒されちゃ困るな。俺はあんたの子孫だよ。従三位綿部中納言雄人5世だ。つまりあんたの玄孫ってわけだ。よろしくな。」
雄斗&ゼロ「?」
雄人「ほれ、行きますよ。あんたを待っている人がいるんだ。俺が仕えている日嗣の御子山部親王さまがな。」
雄斗「か、か、か、桓武天皇!」
〈次回予告〉
雄斗とゼロが辿り着いたのは、奈良時代の終わり頃の世界。
自身の子孫の主君である後の桓武天皇に出会う。
異母弟で廃太子にされた他戸親王とその母である井上内親王が死去したことで起き始めた様々な現象にダークジャグラーが絡んでいることを直感した雄斗はゼロと共に戦う決意をする。
第15話「奈良時代末期から平安時代初期の漂流記〜平安遷都の章〜」
次回もお楽しみに!
如何だったでしょうか?
1つの時代を書くとこんなにも長くなってしまうものなのだと実感しました。
次回も更に長くなるかもしれません。
場合によっては事前の予告なしに前編・中編・後編などと分ける可能性も出てくるかもしれません。
あらかじめご了承ください。