現代 ベリアルパレス
ベリアル軍団の本拠地にベリアルを主君とする宇宙人たちが多く集まってきた。
そして、ベリアルはベリアル銀河帝国の再興を宣言した。
ベリアルは初代銀河帝国大皇帝に即位し、戴冠式を挙行した。
帝国の要職にはかつての銀河帝国の幹部が就任したほか、アブソリューティアンやダークネスファイブ、ストルム星人の伏井出ケイ、そして東園転鬼羅もその職にありついた。
また、その場にいないダークジャグラーにも要職が用意された。
銀河帝国の人事は以下の通りである。
ベリアル軍将軍 アイアロン2世
ベリアル軍参謀 ダークゴーネ2世
ベリアル軍首席隊長 ザウラー2世
銀河帝国首相 メフィラス星人・魔導のスライ
銀河帝国防衛長官 ヒッポリト星人・地獄のジャタール
銀河帝国司法長官 テンペラー星人・極悪のヴィラニアス
銀河帝国侍従長 デスレ星雲人・炎上のデスローグ
銀河帝国内務長官 グローザ星系人・氷結のグロッケン
植民惑星統治総督 ストルム星人・伏井出ケイ
全球侵略・併合艦隊最高司令長官兼天の川銀河方面侵略艦隊司令兼太陽系監視委員会委員長兼地球破壊活動推進部本部長 東園転鬼羅
ウルトラマンゼロ抹殺計画本部長 有幻闇魔人・ダークジャグラー
M78星雲光の国消滅計画本部長 アブソリュートタルタロス
M78星雲光の国消滅計画第一副本部長 アブソリュートディアボロ
M78星雲光の国消滅計画第二副本部長 アブソリュートティターン
この人事は魔導のスライの発案でベリアルが採用したのであった。
しかし、実際は人事とは名ばかりで、ベリアルとその側近による独裁体制であった。
スライ「我らはこれからも陛下のためにお命を捧げまする。」
ベリアル「うむ。特にジャタールよ。アイアロンたちの意を汲んで、量産型レギオノイド、量産型ダークロプスそして帝国戦列艦ブリガンテの製造を進めよ。」
ジャタール「御意。帝都要塞マレブランデスの建設や時空揚陸舟艇デルストの製造はどうしますか?」
ベリアル「それはストルム星人やグロッケンに任せる。」
ジャタール「は!」
ベリアルは伏井出ケイの方を向いて続けた。
ベリアル「ストルム星人、お前は植民惑星から連れてきた虜囚を使ってマレブランデスの建設計画を進めろ。」
ケイ「御意。」
そして、グロッケンの方を向くと
ベリアル「デルストの製造を頼む。」
グロッケン「別宇宙にもダークロプス軍団を送り込むのですか?」
ベリアル「それは、まだ実行しない。我々がこの宇宙の全てを制圧してからの話だ。」
グロッケン「わかりました。一応製造しておきましょう。」
ベリアル「うむ。お前ら全員、気を引き締めて事に取り掛かれよー。わかったな!」
全員「は!」
810年 地球
平城京になぜか居座ったダークジャグラー
そんな彼のところにも伏井出ケイの超時空光速思念通信によって、今回の人事案が通達された。
『有幻闇魔人・ダークジャグラー
貴官をウルトラマンゼロ抹殺計画本部長に任命する。
心して任務に取りかかれ。
植民惑星統治総督 ストルム星人・伏井出ケイ』
闇ジャグ「そうか。これは何としても雄斗も含めて殺さなければな。待ってろよ。最後にお前の苦しむ姿を見てやる。ウルトラマンゼロ!」
そこへ仲成・薬子兄妹がやってきた。
仲成「準備ができたぞ。」
薬子「あとは上皇さまのご命令があり次第、いつでも挙兵できます。」
闇ジャグ「そうか。楽しみだ。」
一方、平安京では
雄斗が密かに放った間者の報告により、大体のことがわかってきた。
雄斗「一連の出来事、全てダークジャグラーが仕組んだことでございます。」
田村麻呂「やはりあの男か。」
類洲「それだけではございません。今朝、未来の世界から平城京に発せられた超時空光速思念通信が観測されました。」
嵯峨天皇「超時空光速思念通信?」
ゼロ「ベリアル軍が作戦時に使う通信手段です。」
類洲「その電波を傍受しましたところ、このような通信がなされていました。」
そう言うと類洲は通信内容を文字化した。
『有幻闇魔人・ダークジャグラー
貴官をウルトラマンゼロ抹殺計画本部長に任命する。
心して任務に取りかかれ。
植民惑星統治総督 ストルム星人・伏井出ケイ』
ゼロ「これは...。」
類洲「そう。奴はあなた方を狙っているのだ。」
雄斗「しかし、なんでこのような人事を再編したのだろうか。」
類洲「ベリアル軍によるかつてのベリアル銀河帝国の再興を宣言し、全宇宙の支配をベリアル軍によるものであると正当化するのだろう。」
田村麻呂「陛下、ご決断を。」
嵯峨天皇は頷くとすぐに決断した。
嵯峨天皇「遷都は拒否する。直ちに伊勢国・近江国・美濃国の国府と関を固めよ。藤原仲成を捕らえて、薬子の官位を剥奪するのだ。」
「は!」
捕らえられた仲成は、右兵衛府に監禁の上で佐渡権守に左遷された。
嵯峨天皇は造宮使だった坂上田村麻呂を大納言に昇任させ、藤原冬嗣を式部大輔に、紀田上を尾張守に任じた。
翌日、嵯峨天皇は、密使を平城京に送り若干の大官を召致、藤原真夏や文室綿麻呂らが帰京するが、平城上皇派と見られた綿麻呂は左衛士府に禁錮された。
綿麻呂「私は無実だ!帝のお味方じゃ!信じてくれ!」
雄斗「すぐに疑いは晴れる。」
田村麻呂「帝は疑心暗鬼になられているだけじゃ。私が進言して拘束を解くように言ってみる。」
綿麻呂「ありがたや。」
平城京
一連の嵯峨天皇側の動向を知った平城上皇は激怒した。
平城上皇「何!?神野め、大人しく余の命に従うと思ったら、背きやがって。このなったら、余自らが東国に行き、挙兵する!」
しかし、藤原葛野麻呂ら群臣は反対した。
葛野麻呂「お待ちください。何も上皇さま御自ら出陣なさる必要はございません。」
平城上皇「それでも余は向かうぞ。ダークジャグラー、お前はどう思う。」
闇ジャグ「上皇さま自ら出陣なされば、士気も上がりましょう。」
平城上皇「そうか。薬子行くぞ!」
薬子「はい!」
彼らがいなくなったあと、ダークジャグラーは不気味な表情で笑った。
闇ジャグ(これで上皇も帝も消える。私はこのままウルトラマンゼロとイカルス星人を倒すためにマガゼットンを出現させるのみ。フハハハハ!)
側にいた貴族たちはダークジャグラーの様子を見て不審に思った。
「ダークジャグラー殿、どうして笑っているのですかな。」
闇ジャグ「これは失礼。笑っていましたか。」
「はい。」
闇ジャグ「この機に乗じて、帝を唆す蛮族ウルトラマンゼロを討ち取る。奴は従二位綿部内大臣兼征物怪大将軍雄斗殿に化けている。」
「本物は?」
闇ジャグ「本物は既に消された。」
すると、1人の貴族が口を開いた。
「変だなあ。従二位綿部内大臣兼征物怪大将軍雄斗殿はウルトラマンゼロと一心同体なんだけどなあ。」
聞いていた他の貴族たちも思い出したかのように口々に言い始めた。
「確かに。」
「そう言えば、帝や上皇さま、それに桓武天皇さまもそのことをおっしゃっていたぞ。」
「じゃあ、なぜ、そのようなことを言うのだろうか。」
そのことが延々と議論されたが、やがてひとつの結論に変わった。
「さてはお主、蝦夷戦争の時にいた男じゃないのか。」
「ああ、阿弖流為殿をけしかけて我らを滅ぼそうとした。」
「どうなんだ?答えてみよ。」
もう逃げ場はないと判断したダークジャグラーは真実を伝えた。
闇ジャグ「いかにも。私はこの世界を滅ぼすためにベリアル様によってこの時代にやってきた。」
「やはりな。雄斗殿から聞いた通りだ。噂は本当だったのか。」
闇ジャグ「何か質問はないのかね。」
「では聞こう。上皇さまもけしかけたのか?」
闇ジャグ「そうだ。仲成・薬子兄妹もじゃ。彼らが行動を起こして、双方とも滅びれば、この星をこの世界を滅びることができる。」
これには貴族たちも騒然となった。
「上皇さまと薬子殿は輿に乗って東へ向かわれてしまわれた。」
「どうしようもないではないか。」
「さすれば、こやつをここに捕らえておくのか。」
「ああ、そうするしかなかろう。」
そう言ってダークジャグラーに近づこうとした瞬間、身動きができなくなってしまった。
「な、何じゃ。」
「う、動けぬ。」
闇ジャグ「貴様たちは俺を捕まえようとした。しかし、真実を知ってしまった以上それはできぬ。しばらくそこでこのままにしておれ。さらばだ!フハハハハハハ!」
そのまま闇に消えていった。
彼らがやっと身動きができるようになったのは、それから1時間後のことであった。
再び、平安京
平城上皇と薬子が東へ向かったという情報が入ってきたことで、御所内では動きが慌ただしくなってきた。
そこで、嵯峨天皇は平城上皇の東向阻止を決定した。
嵯峨天皇「田村麻呂、雄斗、類洲は速やかに出発しろ。」
田村麻呂「その前に、ひとつお願いしたいことがございます。」
嵯峨天皇「申してみよ。」
雄斗「綿麻呂殿の禁錮を解いてくださいませ。あの方には何の罪もございません。」
類洲「彼は我らの蝦夷征討の時からの戦友です。お願いします。」
嵯峨天皇はしばらく考えて、口を開いた。
嵯峨天皇「わかった。文室綿麻呂を赦し、参議に命ずる。3人共、頑張ってくれ。」
3人「は!」
3人は平城上皇らの東向を阻止するべく進軍した。
一方、捕らえられた仲成は紀清成と住吉豊継の手により、その日の夜に射殺された。
大和国添上郡田村
平城上皇は、この付近で噂を聞いた。
平城上皇「何!?田村麻呂の軍が守りを固めているだと!?」
「そのようにございます。」
平城上皇「これでは、とても勝機はない。」
薬子「えー。何か方法はございませんの。」
平城上皇「方法は...ない...。」
薬子「そんな!それじゃ何のためにここまで来たのよ。兄上は処刑されたって聞くじゃない。」
平城上皇「我々は、というより余の側の者も弟の側の者も全てあの男の真の目的のためにあの男の手中で踊らされていただけだ。今気づいても遅いかもしれぬがの。」
薬子「あの男...。は!もしかしてダークジャグラーのこと?」
平城上皇「そうだ。忘れていた。父上や雄斗殿、それに類洲殿にあの男が現れてもあの男の話を聞いてはいけないと言われていたのに。」
薬子「私たち、騙されていたのね。」
平城上皇「そうだ。さあ平城京に帰ろう。」
薬子「はい...。」
一行は平城京に戻った。
彼らがいつまで経っても東向してこないのを疑問に思った田村麻呂は、人を使って調べさせると、一行が全てをあきらめ、平城京に帰ったというのがわかった。
その後、平城上皇は剃髪して、出家し、薬子は服毒自殺した。
嵯峨天皇は、ダークジャグラーがこの事件を裏で操っていると出家した平城上皇から聞かされ、事件に関係した者の処分を軽くした。
平城上皇の皇子で皇太子だった高岳親王は皇太子の地位を奪われ、上皇と天皇の弟である大伴親王が新しく皇太弟に立てられた。
事件に関わった他の皇族や貴族は地方に左遷され、全ては解決した。
嵯峨天皇「しかし、奴は消息不明じゃ。」
これは、年が明け、事件から半年が経った頃のことである。
雄斗「きっと何らかの接触はあるでしょう。その時まで待ちます。」
嵯峨天皇「そうしてくれ。そういえば、田村麻呂はどうしておる。最近見かけぬがの。」
類洲「病気になって邸で寝込んでおります。」
嵯峨天皇「回復する見込みは?」
綿麻呂「万に一つもございません。」
嵯峨天皇「田村麻呂がこの世を去るとき、マガゼットンが現れるのか。」
冬嗣「その時はその時です。雄斗殿が倒してくれます。」
しかし、類洲は否定的な見方をした。
類洲「マガゼットンはゼットン種の中では最強の力を持っています。正直、勝つかどうかわかりません。」
冬嗣「そうか。」
田村麻呂は、年が明けてから病気となり、このところ寝ている時間の方が多くなった。
ある日、雄斗は、いつものように田村麻呂の見舞いをし、昔の思い出話に花が咲いた。
田村麻呂「そういえば、雄斗殿は、この地に来て何年経ちましたかな。」
雄斗「38年になります。その間に孫も何人か生まれました。」
田村麻呂「そうでしたな。私の娘たちも嫁いだなあ。帝の父君やあなたの息子のところにも。」
雄斗「ええ。」
田村麻呂「その間に何人が亡くなったか。」
雄斗「井上内親王、他戸親王、光仁天皇、早良親王、高野新笠などなど覚えている限りで10人以上ですな。」
田村麻呂「阿弖流為殿が生きていたら、彼はどんな姿になっていただろうか。」
雄斗「最近はそればかり言いますな。」
ハハハと笑って田村麻呂は続けた。
田村麻呂「私はね、この頃、同じ夢を何回も見るんだよ。」
雄斗「どんな?」
田村麻呂「私が亡くなってすぐにマガゼットンが現れ、平安京の周りが焦土と化すが、雄斗殿は辛うじて勝つ。」
雄斗「そのような夢ですか。」
田村麻呂「ええ。」
雄斗「奴との邂逅ももうすぐか。」
ゼロ「そうだな。」
それから2ヶ月後のこと
雄斗は邸で休暇を楽しんでいた。
縄努摩内親王「もう35年になるのね。」
雄斗「初めて会った日からか?」
縄努摩内親王「ええ。あの頃は怪獣っていう言葉も存在も私は知らなかった。御所の外に出たこともなかった。でもあなたに出会ったことで色々と知ることができた。」
雄斗「そうかい。」
縄努摩内親王「父上や兄上から聞いていたけど、あなたが未来から来た人間でウルトラマンっていう巨大生物と一体化することで怪獣を倒している。でも、近いうちに怪獣はいなくなるんでしょ?」
雄斗「そうだよ。今日かもしれないし明日かもしれない。」
縄努摩内親王「私も清子も、いつかこういう日が来るかもしれないって理解してた。でも違う時代で同じように怪獣を倒すんでしょ?あなたがいた時代が滅びないためにも。」
雄斗「ああ、それが私の使命だからな。」
その時、田村麻呂の邸から使者が到着した。
雄斗「なんだ?」
「田村麻呂殿が危篤状態です。至急、邸にお越しください。」
雄斗「わかった。」
雄斗が田村麻呂の邸に到着した頃には、多くの貴族が集まっていた。
田村麻呂「雄斗殿はおるか?」
雄斗「私はいますよ。」
田村麻呂「これからも帝のお側にいてくだされ。マガゼットンを倒し、この都を守るのがそなたの役目じゃ。」
雄斗「必ず、約束します。」
田村麻呂「達者でな。」
そう言うと満足そうな顔で息を引き取った。
54歳であった。
訃報を知った嵯峨天皇は、その日を一日中政務の取らない日にした。
孫が皇族であり、また国家に忠誠を尽くした功績により田村麻呂の葬儀は盛大に行われた。
それから1ヶ月後
雄斗はいつものように宮中に参内して、政務を取り仕切っていた。
その時、1人の貴族がふとつぶやいた。
「内大臣殿、都の外れが大変なことになっております。」
雄斗「何!?」
よく見ると都の外れが気味悪いほど不吉な感じになっていた。
類洲「悪い予感がする。」
廣松「すまないが、我らは抜ける。」
「わかり申した。」
3人は他の貴族たちの了解を取り付けると、宮殿を飛び出し、真っ先に都の外れへと走り出した。
多数の通行人が、その現象を目の当たりにし、怖がっている様子であった。
ゼロ(彼らには正確な情報が回っていない。怪獣が現れるのは知っているが、それを災いによるものだと考えている。真実を知ったら、今以上に怖がる。そう桓武天皇はおっしゃって貴族や官人それに口の硬い行商人にしか教えなかった。)
都の外れに到着すると、待っていたかのようにダークジャグラーが立ち上がった。
闇ジャグ「遅かったじゃないか。待っていたぞ。」
雄斗「ダークジャグラー!やはり貴様か。」
闇ジャグ「ウルトラマンゼロ、今度こそお前を倒す。」
ダークリングを掲げると、ゼロが今まで倒した怪獣のカードを通した。
類洲「まさか!」
闇ジャグ「そう、マガゼットンを出現させるのだ。」
そう言うと18枚のカードを通した。
[ゼットン、EXゼットン、ハイパーゼットン、ハイパーゼットン デスサイス、ファイヤーゼットン、宇宙恐魔人ゼット]
廣松「させるか!」
廣松はダークジャグラーに斬りかかろうとするが、ダークジャグラーに抑え込まれた。
闇ジャグ「ただの地球人は引っ込んでろ!」
そのまま少し離れた場所まで吹き飛ばされた。
廣松「う、あ...。」
類洲「廣松!廣松!しっかりしろ!しっかりするんだ!」
廣松「私は無事です。」
その間にも怪獣カードは挿入されていく。
[アントラー、キングパンドン、ブラックキング、ベロクロン、タイラント、シーゴラス、ベムスター、ハンザギラン、バラバ、レッドキング、キングクラブ]
闇ジャグ「うーん、1枚足りない。そうか、あいつの力が足りないのか。」
何かに気づいたダークジャグラーは類洲めがけて、エネルギー吸収の電撃を放った。
雄斗「類洲、危ない!避けて!」
ゼロ「イカルス星人、今すぐ避けるんだ!」
しかし、彼らの声に気づくのが遅れた類洲は、電撃に襲われ、悶え苦しんだ。」
類洲「うっ、あ!ぐああああああ!」
闇ジャグ「フハハハハハ!」
[イカルス星人]
闇ジャグ「これぞ、光の魔王獣マガゼットンの襲来である!」
辺りは暗くなり、19枚のカードが合成され、マガゼットンが出現した。
類洲「すまん、私のせいだ。私が早く逃げていれば、こんなことにはならなかった。」
雄斗「そんなことを言うな。どっちにしろマガゼットンは現れた。だったら、倒すまでよ。」
類洲「頼もしいな。うっ!あ!」
雄斗「廣松!」
廣松「はい!」
雄斗「私はあいつを倒す。お前は類洲を連れて邸に戻れ。」
廣松「はい!ご武運を!」
雄斗「おう!」
類洲は、廣松に背負われ、これから戦地となる所を脱出した。
雄斗「さあ、やってやろうか、ゼロ!」
ゼロ「おう!ブラックホールが吹き荒れるぜ!」
雄斗は、いつものようにウルトラゼロアイを取り出すと変身した。
雄斗&ゼロ「ジュア!」
神々しい光が辺りに漏れ、ウルトラマンゼロが降臨した。
ゼロ「俺は、ゼロ!ウルトラマンゼロ!」
マガゼットンはゼロに気づくと、まっすぐ向かってきた。
ゼロ「おりゃー」
パンチをしようと拳を突き出したが、ゼットンバリアで防がれた。
ゼロ「痛えな!」
雄斗「まずは、あのバリアを破壊するしかなさそうだ。」
ゼロ「そうだな。ウルトラゼロショット!」
ウルトラゼロショットを腕から発射したが、マガゼットンは瞬時にテレポートし、回避した。
ゼロ「何!?」
闇ジャグ「ふっ。馬鹿め。散々、様々なゼットンと戦っていたくせにもう方法を忘れたのか。まあ40年近くもこの時代に暮らして痛そうなるか。でも、こちらとしては好都合。十分に楽しめそうだ。」
ゼロ「こうなったら、これしかない!」
ウルティメイトブレスレットを変形させ、エネルギーを溜めてファイナイルウルティメイトゼロを放とうとした。
ゼロ「これで、決める!」
対するマガゼットンもエネルギーを溜めて、巨大な光弾を放とうとした。
ゼロ「ファイナイルウルティメイトゼロ!」
ゼロがファイナイルウルティメイトゼロを放った瞬間、マガゼットンも巨大な光弾を放った。
2つの強大なエネルギーはぶつかり、大爆発を起こし、周囲を巻き込んだ。
雄斗&ゼロ「うわああああ!」
闇ジャグ「危ねえ。」
ダークジャグラーはその場を離脱した。
マガゼットンはファイナイルウルティメイトゼロの直撃を食らい、しばらくの間、機能停止となった。
ゼロも光弾直撃を食らい、雄斗は変身を解除され、地面に投げ出され気を失った。
相当なダメージを食らったせいかウルティメイトブレスレットは石化した。
戦いの様子を政務を中断して嵯峨天皇は、遠くから戦闘の様子を見ていた。
嵯峨天皇「やったか!?」
爆風が晴れると機能を停止したマガゼットンと地面に倒れこみ、ゼロへの変身を解除される雄斗の姿を発見した。
驚いたものの、すぐに我に帰った嵯峨天皇は、その場にいた貴族たちの命令した。
嵯峨天皇「すぐに雄斗とゼロを救出せよ!。そして、邸に運ぶのだ。」
「は!」
気を失った雄斗はすぐに邸に運び込まれた。
縄努摩内親王「あなた!しっかりして!」
清子「あなた!私たちの声が聞こえる?」
あまりにも慌てふためく2人の様子を見て、類洲がなだめた。
類洲「大丈夫です。彼は生きています。でも、ゼロが。」
嵯峨天皇「ゼロがどうしたのだ。」
いつの間にか嵯峨天皇が邸の中に入ってきていた。
廣松「ウルティメイトブレスレットが石化しています。」
嵯峨天皇「どういうことだ。」
縄努摩内親王「私たちには、もう希望は残されていないってことよ...。」
清子「縁起でもないこと言わないでよ!」
縄努摩内親王「ごめん。」
その時、類洲が何かを思い出したかのように声を発した。
類洲「そうだ!ギガバトルナイザーNEOは無事か?」
廣松「無事でした!」
嵯峨天皇「そうか!その手があったか。しかし、使いこなせるのは雄斗と田村麻呂のみ。雄斗は意識不明、田村麻呂は既に亡くなっている。」
類洲「ならば私が出る。私が本来の姿に戻って、マガゼットンを倒す。」
しかし、冬嗣が静止した。
冬嗣「雄斗殿が意識不明の中、類洲殿まであの化け物に負けたらこの世界はどうなる?今やるべきことは雄斗殿とゼロ殿の回復だろ?祈祷するしかあるまい。」
廣松「それしかございません、陛下!」
嵯峨天皇は頷いた。
嵯峨天皇「わかった。国中の坊主どもを呼んで祈祷させるのだ。」
「は!」
雄斗の寝室の外には多数の僧が集まり、護摩を焚き、回復するためのお経を唱え始めた。
側には縄努摩内親王と清子が座り、一緒になって唱えていた。
雄斗の精神世界
「起きろ、起きろ。」
聞き慣れた声に雄斗は目を覚ました。
雄斗「うん?あなたは田村麻呂殿!ということは私は死んだのか?」
田村麻呂は否定した。
田村麻呂「そなたはまだ死んではおらぬ。マガゼットンとの戦いで負けて意識を失ったが、死んではいない。」
雄斗「そうか。ゼロは?ゼロはどうなったの?」
見るとウルティメイトブレスレットが石化していた。
田村麻呂「莫大なエネルギーが直撃してダメージを負い、ウルティメイトブレスレットは石化した。だが、ゼロ殿は無事じゃ。生きておる。耳を澄ましてごらんなされ。」
すると弱々しい声が微かに聞こえた。
ゼロ(雄斗、俺は無事だ。)
雄斗「ほんとだ!無事だ!」
田村麻呂「ゼロ殿を引き戻すのです、雄斗殿!そして、マガゼットンを倒すのです。帝を民を、この都をそしてこの世界を守るのです。さあ、行きなさい!光の勇者よ!」
雄斗「はい!」
夜が明けた頃、雄斗は目を覚ました。
両隣を見ると、疲れたのか手を握ったまま寝落ちしてしまった縄努摩内親王と清子がいた。
雄斗「2人ともずっと側にいてくれたんだ。ありがとう。」
その時、様子を見にきた廣松と目が合った。
雄斗「廣松...。」
廣松「雄斗殿!誰か、誰か来て!雄斗殿が目を覚ましたぞ!」
騒ぎを聞きつけて、多くの人が雄斗の無事を確認した。
やがて目を覚ました縄努摩内親王と清子も安堵し、知らせを受けてやってきた類洲、冬嗣、嵯峨天皇も笑みを浮かべた。
雄斗「皆さん、心配をおかけしました。」
縄努摩内親王「もう、これ以上心配させないでよー。」
清子「そうですよー。」
雄斗「すまない。」
そこへ嵯峨天皇が咳払いした。
嵯峨天皇「夫婦3人でお取込み中、失礼するが、雄斗、もう身体は大丈夫なのか?」
雄斗「生死を彷徨いましたが、田村麻呂殿に助けられ、ここまでやって参りました。」
冬嗣「そうか、田村麻呂殿に。あのお方もあの世から助けてくれたのですな。」
雄斗「ええ。」
類洲「雄斗殿、予想では今日の日没頃にマガゼットンは全回復します。それまで休息を。そして必ず勝利しましょうぞ。」
雄斗「おう!」
力強い返事に、その場にいる誰もが笑った。
その日の午後
平安京の外れにダークジャグラーが立っていた。
闇ジャグ「ほう、回復のスピードが早いな。この分だと日没前には回復するだろう。奴はウルトラマンにはなれない。レイブラッドの力だけで、どこまで勝てるかな。」
更に1時間後、マガゼットンは回復した。
雄斗は邸で休んでいたが、類洲が突然入ってきた。
雄斗「なんだ?どうした?」
類洲「大変です!マガゼットンが動き出しました。まっすぐこちらに向かってきます。」
そのことに全員が驚いた。
縄努摩内親王「回復するにはまだ先だったんじゃないの?」
清子「まさか、予想よりも早いスピードで回復したってこと?」
類洲「そうです。ですが、既に周辺の民衆の避難は完了しております。」
雄斗「じゃあ、今度こそ行くしかないな。」
廣松「ご武運を。」
雄斗「ああ。」
縄努摩内親王「約束して。」
清子「必ず帰ってくるって。」
雄斗「約束するよ。私は必ず帰ってくる。」
そして、まっすぐマガゼットンを見据えた。
雄斗「必ずお前を倒してやる。」
今度はウルティメイトブレスレットを見て、語りかけた。
雄斗「ゼロ、もう1度一緒に戦おう。一緒にこの世界を守るんだ。それとも僕には2万年早すぎますか?」
ウルティメイトブレスレットの石化が解け、元に戻った。
ゼロ「遅えよ。俺の相棒だったら、もう30分早くしろ。」
雄斗「ゼロ!」
ゼロ「俺が死ぬのはな、2万年早えんだよ!行くぞ!雄斗!ネオ・フュージョンライズだ!」
雄斗「おう!」
目の前にライザーとニュージェネレーションカプセルα・βが出現した。
雄斗「ギンガ、オーブ!」
[ニュージェネレーションカプセルα!]
ゼロ「ビクトリー、エックス!」
[ニュージェネレーションカプセルβ!]
雄斗&ゼロ「俺たちに限界はねえ!」
[ネオ・フュージョンライズ!ウルトラマンゼロビヨンド!]
ゼロはマガゼットンの通り道に立ち塞がった。
その様子にダークジャグラーは驚いた。
闇ジャグ「お前は、再起不能のはず!」
ゼロ「ベリアルの下僕にわかるはずもないだろうな。俺は不死身のゼロ様だぞ!」
雄斗「自分で言うかね、自分で。」
ゼロ「そうだな。行くぜ!」
ゼロはマガゼットンにパンチした。
マガゼットンはバリアを張ったが、強烈なパンチであったため、バリアは破壊され、後ろに吹き飛んだ。
闇ジャグ「くそ!」
ゼロ「まだまだ!」
そのままキックすると、マガゼットンは上空に飛ばされた。
それを上からキックして下に落としたり、下からキックして上に浮上させたりと繰り返したため、大気圏外まで行った。
雄斗「とどめだ!」
ゼロ「バルキーコーラス!」
マガゼットンは、またバリアを張ったが、強烈なバルキーコーラスに耐えきれず、直撃を喰らい、爆散した。
地上でもマガゼットンの爆散が確認され、人々は歓喜した。
ダークジャグラーはよほど悔しかったのか発狂して、闇の中に消えていった。
雄斗の目の前に田村麻呂が霊体となって現れたが、微笑んだ様子を見せてすぐに消えた。
変身を解き、地上に戻った雄斗を多くの人が出迎えた。
縄努摩内親王「お帰りなさい。」
清子「おかえり。」
雄斗「ああ、ただいま。」
嵯峨天皇「ご苦労だったな。」
雄斗「ええ。」
廣松「お疲れ様でした。」
雄斗「ありがとう。」
そして、類洲が近づいてきて告げた。
類洲「観測の結果、ワームホールが出現するのは1週間後であることがわかった。私も一緒にワームホールに入ることができるが、2人とも同じ時代に行くことができない。だからしばしの間の別れとなる。」
雄斗「どういうことだ?」
類洲「伏井出ケイと東園転鬼羅はウルトラ戦士を過去の世界に追放する際、そのワームホールに入れるのはウルトラ戦士のみと想定していた。だから私が彼らを裏切るとは想定していなかったようだ。私は一足先にEDAが存在する時代に帰り、君の無事を君の仲間たちに伝えるつもりだ。おそらく、何らかの形で私はEDAの下部組織に関わることになるだろう。君が帰ってきたらまた会おう。」
雄斗「ああ、達者でな。」
ゼロ「頼んだぜ、イカルス星人。」
1週間後
類洲の観測通り、ワームホールが出現した。
雄斗と類洲は人々に別れを告げ、ワームホールに入っていった。
そのワームホールに入った瞬間、雄斗と類洲がいるところが分かれ、2人は次第に離れていった。
類洲「しばしの別れだ。また会おう。」
雄斗「さよならー。」
ゼロ「イカルス星人、元気でなー。」
類洲は、見えなくなるまでEDA式の敬礼をした。
現代 地球
雄斗が時空の彼方に消えて、21日が経過していた。
美郷たちはディレクションルームにいてくつろいでいた。
そこへ警報が鳴り響き、異常事態が発生したことを知らせた。
正順「なんだ?」
画面を確認した美郷が声を上げた。
美郷「EDA基地上空に巨大なワームホールが出現した模様。」
晴子「このワームホールは811年の世界から来た模様です。」
憲三郎「雄斗だ。雄斗とゼロが戻ってきたんだ!」
李莉子「決めつけるのはまだ早いわ。そうでしょ隊長。」
正順「念の為、重武装して、対応にあたれ!」
全員「了解!」
全員が重武装して、ワームホールから人が出てくるのを待った。
すると、ワームホールから光が飛び出して、着地し、人の形になった。
類洲「あらよっと。どうも皆さんこんにちはー。斑鳩類洲でぇーす!」
あまりのチャラさに全員が逆に警戒した。
勝子「あんた何者?」
類洲「私、こういう者ですが。」
そう言って、イカルス星人の姿になった。
ガイ「イカルス星人!」
ジャグラー「貴様、何しにきた!」
あまりの剣幕に人間の姿になった類洲は慌てた。
類洲「私、雄斗殿と一緒にあの時代にいました。」
美郷「そうなの?」
類洲「そうなんです。私は元々、東園によって、あの時代に送り込まれましたが、私は闇の勢力には身を置きたくない。そのために奴等を裏切り、雄斗殿やゼロ殿を裏から支えました。」
ジャグラー「嘘をついているようには思えん。こいつは本当のことを言っている。」
正順「雄斗は無事なのか。」
類洲「無事です。彼は今頃、藤原道長のいる時代に来ているはずです。」
憲三郎「そうか。」
その後、類洲は真田グループホールディングスの傘下である真田造船に再就職することになり、身の安全を保障された。
類洲(さて、雄斗とゼロを救出するために船に新機能を搭載しますか。)
なんと、戦艦大和の改造を任されたのである。
985年 地球
この年は藤原道長が初叙されて、5年が経過した頃のことである。
ワームホールから出てきた雄斗は170年余りの時代を感じた。
雄斗「なんかまた元の年齢に戻ったようだ。」
ゼロ「マジか。しかし、たった170年でこんなにも変わるんだな。」
雄斗「そうだな。」
すると、後ろから声が聞こえてきた。
「待っていたぞ、光の勇者さま。」
雄斗「どちらさまですか?」
「私は従五位下藤原右兵衛権佐道長だ。よろしく。」
雄斗「よ、よろしく。」
[次回予告]
平安時代中期の摂関政治最盛期にタイムスリップした雄斗とゼロ。
彼らはそこで藤原氏の全盛期を誇らすことになる藤原道長に出会う。
この時代で雄斗は何を思うのか。
第19話「平安時代中期の漂流記〜摂関政治全盛期〜」
次回もお楽しみに!
雄斗とゼロの初めての敗北シーンも挿入しました。
次回も1話にまとめられなかったら、前編・中編・後編というふうにします。