地球上に怪獣が現れない場所がなくなって1週間が経過しようとしていた。
首相官邸の怪獣対策特別本部では被害状況の報告が上がっていた。
嵯峨「では、吉岡副総理から経済的損失について報告していただきましょうか。」
吉岡「財務省といたしましても、今回の被害損額が1000億円を超える見通しがついております。直ちに補正予算を組むべきかと。」
嵯峨「なるほど。的場防衛大臣、防衛費だけでもどのくらいかかる?」
的場「低く見積もっても9000兆円です。」
嵯峨「そんなにかかるのか。」
吉岡「この未曾有の危機に際して、我々は1年前から対処してきました。この爺、政界を引退する気持ちを抑え今日まで頑張って参りました。ですが、もう限界のようです。辞表を提出させてください。」
嵯峨「内閣改造まで今しばらく待ってくれ。雅君も何か言ってくれ。」
雅「お義父様、官房長官として私からもお願いします。」
吉岡「わかった。希子さんがそういうのならもう少し続けよう。」
嵯峨「産業の方は経済産業省の方ではどうなっている?岸辺経済産業大臣よ。」
岸辺「現在、真田重工が兵器開発に力を注いでおり、他の産業分野には手がつけられていないのは事実です。」
嵯峨「戦時体制をほぼ同じだから仕方ないことか。」
1年前、官房長官は雅と岸辺の2人で輪番制のようなものだったが、戦時下ということもあり、党内の非主流派の立場にある岸辺は、兼任していた経済産業大臣ただ1職という扱いになっていた。
ベリアル襲来と共に経済的危機に全世界が襲われていたのは明らかだった。
一方、光の国がある次元宇宙では、ウルトラマンヒカリが科学技術局で新装置の開発を行なっていた。
局員の1人であるソラが声をかけていた。
ソラ「ヒカリ長官、これは?」
ヒカリ「ああ、これはね、物質を内部から動かして別宇宙に移動させる装置だよ。もはやこの宇宙では怪獣大災害が発生しなくなった。そこで宇宙警備隊大隊長であるウルトラの父と隊長のゾフィーの発案で、今、ゼロがいる次元宇宙に光の国を転送
させるという計画がスタートしたのさ。」
ソラ「そうなんですね。」
ヒカリ「まずはウルトラ戦士が修練に使うK76星を試験的にその次元宇宙の座標に転送させる。場所はK76星が存在する星雲と同じ場所だ。」
ソラ「新装置の完成を急がなくてはですね。」
ヒカリ「ああ。」
そして再び、ゼロが滞在している次元宇宙。
大マゼラン星雲のサレザー恒星系第4惑星には2連星があった。ガミラスとイスカンダルだ。
後のガミラス帝国の前身となるガミラス大公国もベリアル軍の襲来に遭っていた。
ベリアル軍はイスカンダルにも来襲したが、イスカンダルの持つ波動砲の圧倒的な力により敗北、不可侵条約が結ばれた。争いには無縁の立場にあるイスカンダルはベリアル軍との軍事同盟を拒否、戦争には中立的な立場を取った。
この戦いに巻き込まれるのを嫌ったイスカンダル人たちは、王都イスク・サン・アリアの地下にサンクテルという大記憶庫を作り、管理者である王族のみを残して、肉体を捨て、結晶の集合体となり、長き眠りに入った。
一方のガミラス大公国も有力貴族のデスラー家の当主であるエーリク・ヴァム・デスラーを中心にサレザー恒星系内でゲリラ戦を展開し、辛勝した。
この戦いで活躍したエーリク・ヴァム・デスラーは、それまでバラバラになっていたガミラス大公国を統一し、デスラー家が名実ともにガミラスの支配者となる礎を築いたのであった。
そのガミラスが地球と戦うことになるのは、150年後の未来になるのだが、そんなことは誰も知らない。
白色彗星帝国のガトランティス人たちもまた、ベリアル軍と戦っていたが、白銀の巫女と呼ばれるシファル・サーベラー丞相と大帝ズォーダーの決死の指揮により辛勝していた。
このようにベリアル軍に抵抗する勢力は、ザルツ人やジレル人、デザリアム人、ボラー連邦人など数多くの星人がいたのであった。
ところで、ベリアルはどこにいるのだろうか?
ベリアルは謎の空間に潜伏し、ダークネスファイブにストルム星人こと伏井出ケイそして地球人の東園転鬼羅と一緒にいた。
ベリアル「報告を聞こう。まずは魔導のスライからだ。」
スライ「申し上げます。我がスライ艦隊は、ガミラス軍と交戦し、敗北しておりますが、奴らの双子星イスカンダルとは不可侵条約を結びました。」
ベリアル「負けたのか。でもイスカンダルを仲間に引き入れたのは心強いな。」
スライ「ありがたきお言葉。」
口ではそう言いながらもスライは、地球だけ侵略すればいいのではと思っていた。
ベリアル「地獄のジャタールはどうだ?」
ジャタール「我がジャタール艦隊は、白色彗星帝国と交戦しましたが、奴ら、滅びの方舟とかいう物騒なモン持ってやらあ。迂闊には手を出せんのやわ。」
ベリアル「そんで負けたと。」
ジャタール「御意。」
ベリアル「まあいい。俺が欲しいのは地球だ。地球さえ手に入れれば邪魔なウルトラマンゼロを消すことができる。極悪のヴィラニアスの方はどうだ?」
ヴィラニアス「我がヴィラニアス艦隊は、ザルツ人やオルタリア人と交戦、これらに打ち勝ち、ザルツ星とオルタリア星を支配下に入れました。」
ベリアル「おおよくやった。して、炎上のデスローグの方は?」
デスローグ「グーガーゴー。」
グロッケン「我がデスローグ艦隊は、デザリアム軍と交戦、自動惑星ゴルバの力が強く敗北しました、だそうです。」
ベリアル「なるほど。氷結のグロッケン、お前はどうなんだ?」
グロッケン「我がグロッケン艦隊は、ジレル人と交戦しましたが、奴らの持つ精神感応波により多くの兵士が惑わされ、敗北しました。」
ベリアル「厄介だな。わかった。ジレル星は諦めろ。ストルム星人、お前はどうだ?」
ケイ「我が艦隊は、ボラー連邦と交戦、ボラー星を降伏させ、支配下に入れました。」
ベリアル「よくやったな。どうだ。地球人でありながら俺様の配下に加わった東園は?」
東園「我が艦隊は、ガルマン人と交戦し、ガルマン星を支配下に入れました。」
ベリアル「よくやったぞ。」
東園「ですが、興味深い話を手に入れました。」
ベリアル「なんだ。言ってみろ。」
東園「ガルマン人とガミラス人は共通の祖先を持つと言われているそうです。」
スライ「これは面白い。すぐ降伏したガルマン人が我が艦隊を打ち負かしたガミラス人と共通の祖先を持つとは笑止。」
ジャタール「全くだ。腑抜けの所業。ワッハハハハハ。」
東園「それだけではありません。テレザート星に立ち寄った時、集合意識生命体であるテレサからもとある情報を手に入れました。」
ベリアル「なんだ。言ってみろ。」
東園「この次元宇宙に存在する全ての知的生命は皆、古代アケーリアス文明の者どもの子孫だそうです。」
ヴィラニアス「ますます笑止。」
デスローグ「グーガーゴー。」
グロッケン「全くだ。共通の先祖を持つのに星系ごとに力も違うとは。」
ケイ「そうですな。地球さえ手に入れば、こっちのもんだ。」
このようにベリアル軍の最高幹部は大笑いしていた。
そして地球
JAPAN EDA本部では嵯峨総理による階級授与が行われていた。
嵯峨「各国EDAでは、本部以外の観測所や研究所の職員にも階級を授与している。日本もそうするべきだと考えている。」
官房長官である雅希子も言う。
雅「ただ陸海空軍どちらの階級にしようかと思いました。宇宙空間での作戦もありますからね。」
的場哲朗防衛大臣も続けた。
的場「防衛省の見解としては、EDAは対怪獣作戦の重要任務がある。どちらでもいいという見解になりました。」
嵯峨「そこで、総監を大将と決めました。」
四竈「私は大将ということですね。」
嵯峨「きっちりやってくれたまえ。」
四竈「はい!」
嵯峨の叙勲で隊員たちの階級が決まった。
総監 大将
副総監 中将
補佐官 少将
秘書官 大佐
隊長 中佐
副隊長 少佐
そして雄斗たち実務派隊員は大尉、美郷たち戦闘時の通信担当は中尉という扱いになった。
観測所や研究所の職員所謂文官は、所長が少尉、副所長が准尉、各部門リーダーが曹長、各部門サブリーダーが軍曹、一般職員は伍長、兵器などのメンテナンスを担当する者はリーダーが軍長、サブリーダーが上等兵、一般メンバーが一等兵ということになった。
来るべき時に備える訓練生や候補生は二等兵という位になった。
雄斗「これも統制の一つですよね。」
四竈「ああ、組織のあるべき姿だ。命令違反は、軽くて謹慎処分、重くて軍籍剥奪つまり除隊だ。そのための訓練生と候補生なんだ。」
雄斗「そうですね。ところでゼロの身分は?」
ゼロ「え?俺?」
四竈「お前は、雄斗と一心同体だから大尉だ。」
ゼロ「そんなー恨むぞー。宇宙警備隊でもウルティメイトフォースゼロでもそんな位になったことはないのにー。」
全員「アハハハハハー。」
その頃、別次元にある光の国では、
ソラ「ヤッター、大型物体別宇宙転送装置が完成した!」
ヒカリ「よし、よくやった。ウルトラの父に報告だ。」
この話はウルトラの父に届けられ、
父「完成したか。よし、K76星の試験転送を開始する。超特殊ディファレーター陽電子ビームをK76星に照射する。」
ゾフィー「照射10秒前、9、8、7、6、5、4、3、2、1、照射!」
マン「照射を確認、続けて、転送座標入力。」
セブン「転送座標、第27宇宙銀経−37、銀緯−73。」
ジャック「転送座標、我々の宇宙と同じ座標にある物体なしと確認。転送します。」
エース「転送開始!」
そして、別宇宙のその場所にいたタロウの部隊から通信が入った。
タロウ「K76星、確認できました。作戦成功です!」
父「本当か!よし、光の国と兄弟星に当たる多種族のウルトラ戦士の母星も照射開始だ!彼らにも了解を得ている。
母「光の国で最後ですね。」
レオ「そうです。これが成功すれば、ゼロとの通信もスムーズにいくはずです。」
その後、ウルトラ戦士の住む星全ての転送が完了した。
地球で夜空を見上げていた雄斗や美郷はなにやら話をしていた。
雄斗「ついに叙勲か。」
美郷「頑張りましょ。」
雄斗「ああ。」
そして、雄斗の目に飛び込んできたのは、見慣れる黄金に輝く文字だった。
雄斗「あれは何?」
美郷「え?何も見えないけど?」
ゼロ「当然だ。あれはウルトラサイン。ウルトラ一族と彼らと一体化している種族にしか見えないんだ。」
美郷「そうなんだ。それでなんて書いてあるの?」
ゼロ「『光の国とその関連する天体をこちらの宇宙に転送した。これからはスムーズに通信ができるだろう。』って書いてある。」
雄斗「おお。」
ゼロ「さあて、頑張りますか。」
雄斗&美郷「うん。」
それを物陰で見ていたのは東園だった。
東園「チェ。邪魔なウルトラ一族がこの宇宙に星丸ごとやってきたか。これはベリアル様に報告せねば。」
闇に消えていった。
〈次回予告〉
ついに暗躍を開始する東園。
その影響で現れる地底怪獣たち。
第6話「地底からのお客様。」
次回もお楽しみに!
斬新なアイデアを思いつきました。