「なにこれ…」
空や辺りがが紅い霧で覆われる。
太陽も隠れてしまい暗くなっている。道や景色はかろうじて見えるが、明らかに視界は悪い。
それにちょっと息苦しい。多分この紅い霧のせいかな?
とりあえずわかることは、異常なことになっているということ。それだけはわかる。
「これは異変だな…霊夢は動いてるんか?」
「魔理沙これって…」
「涙子、お前は香霖のところで待ってるんだぜ。」
「え?でも…」
「私はこれの元凶を叩いてくるんだぜ。今の涙子じゃ足手まといになるだけだからな。」
「…そうだね。わかったよ。」
はっきりと言われけど事実だしね。
実際に今の私にできることはないだろう。きっと。
例え弾幕ごっこで戦ったところで、弾幕がうまく打てるわけではない。
弾幕もよけられるとはいえ、所詮は素人だ。魔理沙みたいにたくさんの弾幕を打ってこられると、よけ続けるのも時間の問題だ。最悪髪飾りで打ち消しても連発は期待出来ない。まぁ簡単に言えば戦力外ってことだからね。
「そんじゃ私は行ってくるぜ!」
「うん…がんばってね。」
「そう簡単にはやられないんだぜ?じゃあな!」
そう言いながら魔理沙は行ってしまった。
できれば霖之助さんに一緒に事情を説明して欲しかった…行ってしまったら仕方ないか。魔理沙なしの方が話が通じるかもしれないし。
振り向いて再びお店の中に入ろうとしたその時、
「あなたはそれでいいのかしら?」
「え、なにが…」
どこからか声が聞こえたと思った次の瞬間、足元が急になくなり謎の隙間に落ちた。
あまり深くなかったのか着地はちゃんと出来たが、周りの風景はガラリと変わっていた。
紅ではなく紫。
しかも所々に気味が悪い目玉がついていて、居心地はすごく悪い。
穴みたいな場所から落ちたってことはここは地下なんかな?…いや、別の場所だなきっと…
「ここはどこ?」
「いらっしゃい、外から来た能力者。」
「え?誰かいる?」
振り向くと、紫のドレスを着た金髪で長身の女性がいた。
いや、この人いつからここにいた?さっきまで人がいる気配さえなかった。それに私のことを外からきた能力者って…何故この人は知っている?
「どうして私のことをしっているのって顔してるわね。」
「!?なんで知ってるんですか?」
「ふふふ、まぁ…何故でしょうかね…。」
「あなたをここ、幻想郷に連れてきたのは私だからかしらね。」
「な……」
まさかの元凶登場ですよ。
異変の元凶ではなく、私にとってのですけど。
「あなたは何者ですか?」
「この幻想郷を造った者よ。」
「幻想郷を造った…?」
「そうよ。もう何千年も遠い昔の話だわ。」
「何千年!?」
この人はほんと何者だ⁉︎
何千年?もはや寿命がどうこうとかじゃない。目の前にいる人は果たして人なのか?
いやまて、それよりもまず聞きたいことがあるだろ?
それを聞かなきゃ!
「なんで私を幻想郷に連れてきたのですか!?」
「ただの気まぐれって言ったら?」
「ふざけないでください!気まぐれで連れて来られたとか…」
「ふふふ、冗談よ。あなたを連れてきたのにはちゃんとした理由があるわ。」
「理由?」
「あなたはね、今ある能力が目覚めようとしているわ。」
「能力が?」
能力が目覚める?
それはレベルが上がるということ?それはそれで嬉しいことだけど、それがこの世界に連れて来られるのに関係があるんかな?いや、普通に考えたらないだろう。ならなんの能力なんだろう?
「あなたの考えている開発した能力とは違うわよ?私が言ってるのはあなたの本質…元々秘めている能力の方。」
「私が持っている能力?」
「あなたにはまだわからないわ。まだ目覚めるかどうかさえ……ただ、その能力はあなた次第。使えるようになるかどうか、その能力を生かすか殺すか…」
「私次第…」
「あなたがいた世界では、あなたのそれは日の目を見ずにそのまま埋没していったでしょうね。ただそれではもったいない。ならこっちの世界に来てもらって活かせるかどうか任せた方がいい。だから連れて来たのよ?」
「はぁ…」
言ってることが飛躍しすぎてて頭の処理が追いつかない。私さえ分からない…ただ使えるようになるかは私次第って…そんな能力私には必要なのだろうか?私には明らかに荷が重そうなことのような気がする。
そんな能力に目覚めるくらいなら平穏な学園都市生活に今すぐ戻りたい。
「…今度は私から質問してもよろしいかしら?」
「…なんでしょうか。」
「あなたはあの魔法使いについて行かなくてよかったのかしら?」
「え!?だからなんでそういうのを知ってるの?」
「ふふふ、常にあなたのことは見てますからね?まぁそんなことはどうでもいいのよ。」
「じゃあ何を聞きたいんですか?」
「足手まといと自覚してそれを受け入れてしまったこと。あなたは何か感じることはなかったのかしら?」
「それは…」
思わず言葉が詰まった。
私自身足手まといになると思ったこともそうだ。ほんとに行ったところで何も出来ないだろう。
だから仕方ない。自分にそう聞かせていた。
「…あなたに一つ教えてあげる。」
「え…」
「あなたは自分が思っているほど弱い人間ではないわ。あなたには弾幕が打てなくても、そのマジックアイテムがある。弾幕ごっこは別に相手を倒す必要はないわ。攻撃をよけ続け、相手の攻撃時間を削り切ればいい。」
「被弾させなくてもいいの?」
「そうよ。スペルを発動してもそれには制限時間はあるわ。それを切らせるまでよけ続ければいいのよ。簡単に言ってるけど、いざやると大変難しいことでしょうけど。」
怪しげに笑いながら彼女は喋る。
確かによけ続けても大丈夫だというルールは聞いたが、果たして可能かどうか…
魔理沙と弾幕ごっこをした時は無理だと感じてしまった。さっきもやる前から諦めてしまった。
……本当にそれでいいのか?
もしかしたら魔理沙は今頃1人で必死に戦ってるかもしれない。私はこのままここで待ち続けててもいいのか?
…そんなのダメに決まっている。ああみえても魔理沙は命の恩人だ。それなのに見捨てるような真似は出来ない。いや、したくない。それに未知数だが私にある能力が目覚めれば…私にも手伝えることがあるかもしれない。
そんなことを考えていると、目の前の女性はある提案をして来た。
「…もしあなたがこの異変に介入したいのなら、私はそれまでの道を用意してあげるわ。」
「道をですか?」
「そうよ…こうやってね。」
そう言うと、彼女の隣に謎の隙間が出来た。
この隙間が道?
「もし覚悟があるなら、ここをくぐりなさい。あなたを異変の元凶の近くまで送ってあげるわ。まぁあなた1人でがんばってもらうことになるでしょうけどね。」
「私1人で…か…」
「怖気ついたかしら?」
「…少し怖いですけど、覚悟はできてます。」
そう言いながらその隙間の前まで歩き出す。
一歩一歩、ゆっくりだがもう後には引けない。いや、引かない。
そして…
「……行ってらっしゃい。あなたを連れて来てよかったと心の底から思ってるわ。」
「そんなことないですよ。むしろ私が感謝してます…最後に1つ…あなたのお名前は?」
「私の名前は八雲 紫。もしあなたがこの異変で無事だったらまた何処かで会いましょう。」
「わかりました。そんじゃ行って来ます!」
決意を胸に私は隙間に飛び込んだ。
私の異変解決が始まった。
最近急に寒くなったせいか風邪引いたナキツセです。
馬鹿は風邪引かないらしいですがそんなことないようですね。
それはさておき次回からいつも通りのグダグダ&駄目文で紅魔郷編をお送りします。よかったら次回もお願いします。
感想等も気軽に待っています^^;