やはりあーしの青春ラブコメはどうかしている。   作:Vierres

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すいません。
昨年末にこっちをアップしたつもりで、間違えて前の話を重複アップしておりました。

ご指摘いただいた方々、ありがとうございます。


第15話 Festival 2

 

 

「よお、三浦。調子はどうかね?」

平塚先生が朝から元気に声を掛けてくる。

対するあーしは元気が前年比で80%位低い。

なんなら、昨日より100%は低い。

 

「いやー、なんか不調です。」

っていうか絶不調というやつだ。

 

 原因は、昨日の雪ノ下さんから聞いた話。

 

『比企谷君が相模さんと付き合っている。』

『今年の文化祭では総武高校のベストカップルを選ぶ、それには比企谷・相模のペアがノミネートされている。』

 

 文実内で囁かれている衝撃の噂。

 

 事実、実行委員会の部屋では相模が比企谷君に肩を寄せて何時も親しげに打ち合わせをしているし相談事などでは終始、比企谷君を立てるような言動であるという。

特に過去最高だったと言われる二年前の文化祭よりも準備がスムーズで、地域からの参加のグループ数も過去最大規模になるのだそうだ。

 お陰で文実内では『お互いを高め合っている最高のカップル』なる、不名誉な噂が公然と流れているそうだ。

 

 それだけでは無い。

ここ数日で流れ始めた話。

比企谷君が入学式の日に見ず知らずの子犬を助ける為に走っている自動車の前に飛び出して子犬を助けたという話が校内で囁かれている。

この事を知ってるのは、当事者と当事者から話を聞いたあーし位しかいないはずなんだけど?

学校側はこの事故をトップシークレットにしているハズだし?

 

 で、当然の如くその話は文実の実績の事も相乗効果となって「比企谷君は見た目近寄りがたいけど、実は誠実で心優しい男性」というもっぱらの女子達の評判だ。

おかげでこの処は、クラスの内外の女子達の彼を見る視線が非常に好意的で、以前の『比企谷?誰?それ。』という反応をする女子はもういない。

 

 

 そのせいも有るのだろうか?

僅か数日の事なのに、あーしと比企谷君の間には溝が出来てしまっているみたいにもなっている。

授業の合間の休憩時間も相模との打ち合わせが多くて、あーしが会話に入って行けてないってのも有るんだよね。

 

 いつの間にか休憩時間の比企谷君の隣はあーしから相模のものになった。

 

「ん?どうした。普段の三浦らしくない様子だな。良ければ話を聞くぞ?」

 

 

 

 お昼休み。

あーしは部室での食事を取りやめて生徒指導室に居た。

 

「さて、どうもこの頃落ち込んでいる様だがどうした?比企谷と喧嘩でもしたか?」

「いえ、喧嘩だったらよかったんですけどね。それ以前の話っていうか・・・。」

「ほほう・・・。夏休みはあんなに仲が良かったのにな。」

平塚先生が心なしか嬉しそうに見えるのは、あーしの僻みだろうか?

 

「いやー、三浦を見ていると私の学生時代を思い出してしまってな。私だってこれでも総武高校時代は一年から三年まで裏文化祭ではミス総武だったからな!」

「へ?裏文化祭?」

「ああ、あの頃もそうだが今時も表立ってミスコンとか出来ないだろう?文化祭のSNSに裏口を作ってだな、そこでコッソリとミスコンとかをやる有志が居たんだよ、当時は。」

「へー。そう言うのって今でも有るんですかね?」

「あー、まあ気になったら文化祭の公式SNSの中を探してみたまえ。たしか去年は三浦と雪ノ下が同率で一位だったハズだぞ?」

あーしが知らない衝撃の事実。

恐らく雪ノ下さんも知らないだろうし。

材木座辺りに聞けば何か情報が有るかもだけど?

あいつは友達が居ない割にこういう事にやたら詳しい不思議な奴だしね。

 

「で、三浦が今落ち込んでいる原因は、ずばり比企谷か?」

「はぁ、まあ・・・。」

「二学期が始まって直ぐ位から、君が比企谷に構っているのは例の迷惑メール対策という噂がクラスで流れているようだが?」

「それなんですよ。それに比企谷君もその噂に同調する処があって・・・。あーしはそんなつもりで比企谷君と仲良くしているんじゃないんです。」

「ほほう、三浦は恋する乙女か。」

「先生!茶化さないでくださいよ。」

「いやー、昔の自分を見ているようで懐かしくてな。そういえば当時の私も片思いの相手が中々振り向いてくれなくてな。どうでも良い男は沢山寄ってくるんだが、肝心の本命には相手にされなくてな。私がモテ過ぎて自分は揶揄われていると思っていたんだそうだ。」

「え?その人とは?」

「そいつが結婚した後に同窓会で聞いたんだよ。ほんと、学生時代にもう少し押しておけばと後悔したものだよ。」

 

 うわー。

 

 ヤバイ!

 

 あーしもそのパターンに入って来てる?

でも、比企谷君には本気だって事は2ヵ月以上前に伝えているんだよねー。

その後に色々と騒動が有ってなんか有耶無耶になってしまってるけど。

やっぱ、実力行使しかないかな?

 

「まあ、三浦を見ていると昔の自分とダブってな。三浦もラノベや深夜アニメも多少は嗜むのだろう?ホントに昔の自分を見ているようだよ。」

 

 がーーーん!!!

 

 あーしヤバイ!

 

あーしってもしかしてヤバイ路線を進んでる?

もしかしてアラサーになってもあーし独身なん?

こ、これは是が非でもなんとかしなきゃ・・・。

もうこれは既成事実ってのを作るしかない?

 

 あーしが頭を抱えながら唸っていると平塚先生は、

「それにしても相模まで比企谷に魅かれていたとはな、比企谷もボッチとか言っていたが案外ジゴロ体質なのかもな?」

「それなんですけど、文化祭でベストカップルを選ぶイベントとか有るんですか?」

「ああ、その噂か。さっきも言ったが学校側はそんなイベントを許可はしていないさ、でもまあ生徒が独自に裏でやるのまでは取り締まれん。」

「じゃあ、非公認のイベントって事ですか?」

「大きな声では言えないがそういう事だな。」

「そういうのを学校が注意するとかは出来ないんですか?」

「正式な催しではないし、全校生徒が知っている訳でもないからなぁ・・・。それに裏でやっていたんでは教師も完全には把握できんよ。」

 

 うーん。

ベストカップルのイベントを阻止するのは難しいのか・・・。

「なんだ、三浦。ベストカップルを選ぶのは気に入らないのか?お前だって葉山辺りとなら映えると思うぞ?」

「いや、やめてくださいよ。比企谷君となら大歓迎ですけど・・・。」

隼人との話は確かに楽しい処も有るけれど、今ならまだ小岩君や青砥君の方がずっとましだよ!

「まあ、今の文実でも比企谷と相模の事を盛り立てているのは相模の友人達だしな。そういう外野の応援があれば確かにアドバンテージが有るから焦るのは解るがな。」

「相模の友人?ですか?」

「ああ、実行委員に同じ中学の時の友達が二人いるみたいだな。確かバスケ部の二人だったと思うぞ?」

また、バスケ部か!

どうしてバスケ部は何時もあーしの前に立ちはだかる?

ホントあーしにはどうもバスケ部は鬼門みたいだ。

「その二人が噂とか流してるんですかね?」

「その辺の細かいところまでは解らないがな、実行委員の中ではその二人が比企谷と相模がベストカップルに相応しいとか言っているみたいだな。」

 

 不味い。

あーしの場合は友人っていうか親友の結衣とはライバルだし、姫菜は腐枠だし?沙希は解らないけど、もしかしたら今後はライバル枠に入ってきそうで、あーしを応援してくれる友人がいない!

考えたら、一年の時からこういう事を相談できる友人ってのを作って来なかったツケが回ってきたのかも・・・。

相談できる中学時代の友人の真理ちゃんは学校が別だし!

結衣には悪いけど、なんとか姫菜だけでも味方に引き入れられないものか?

「おいおい、三浦?なんか顔が怖いぞ?大丈夫か?」

「え、あ、大丈夫です。ちょっと色々ショックな事が多くて混乱してるだけです。」

「それ、大丈夫じゃないだろう。」

「ですよねー。」

あーしもそう思う。

 

 とはいえ、昨日はその現実を見てしまって、雪ノ下さんも落ち込んでいたんだった。

彼女の場合はコミュ障だし?下手したら、あーしよりも酷い状態かもしれない。

今日は恐らく、雪ノ下さんもあーしと同じように絶不調なのだろうか?

そんなことを考えていたら、平塚先生につい彼女の事を聞いてしまっていた。

 

 

 

 

 

 

 

「ん?雪ノ下か?彼女も比企谷と同じである意味では高二病だからな。」

 

 あーしは話のついでに以前からの疑問もあり、夏休み前に比企谷君から聞いた事を平塚先生に聞いてみた。

 

「高二病?中二病の酷いヤツですか?」

「まあそうだな・・・、比企谷は目に見えて高二病だが雪ノ下も中々負けてはいないぞ?いや、より酷いと言った方がイイのかもしれん。なにせ自分は既に世界を見渡していると思い込んでいる処が有るからな。」

「あー。」

そう言えば、雪ノ下さんって結構、世間を上から目線で論じる処があるよね。

「大人の世界の話を自分の尺度で語ってしまうんだよ。その比企谷が雪ノ下に聞いた話、というのが良い例だな。」

「え?事実は違うんですか?」

「まあ、当たらずとも遠からずなので余計にややこしいんだよ。大人の事情は。」

「じゃあ、まったく的外れでもないんですか?」

「まあ、こういう事だ。」

 

 

 あの入学式の日。

通常よりも更に一時間程早くに学校に来て、入学式の準備をしていた私たち教師連中に雪ノ下の乗った自動車が事故に巻き込まれたとの一報が入った。

 なんでも、通学途中の学生の自転車が急に道路に飛び出して来て自動車にぶつかってしまったのだと。

 学生はどうやら総武高校の生徒らしい。

こんな朝早くに学校に来る予定の生徒は生徒会の一部、今日の入学式に参加するメンバーか、今日の入学式に参加する新入生だ。幸いにも学校の近くであった為に、体育の厚木先生に現場に行ってもらい状況を把握するようにした。道路に飛び出した生徒は新入生で、自動車に轢かれそうになった子犬を助けようとして自転車で道路に飛び出したという事だった。

 

 通常、道交法では自転車は車両扱いの為、今回のように自転車の方が道路に飛び出して自動車にぶつけてしまった場合、事故の責任割合は圧倒的に自転車の方が高くなり最悪の場合、自動車への修理代や運転手、同乗者への慰謝料請求をされる場合もある事案だ。

事実、昭和33年の交差点を信号無視した自転車が自動車と起こした事故では、自転車に乗っていた方が死亡はしているが事故の過失割合が9割で、自動車の運転手の過失が1割という判例も有るのだそうだ。

 その為、遺族が死亡した自転車の男性の代わりに、自動車の修理代などを負担しなければならなかったという事もあったのだとか。

 

 また、事故の自動車には同じく通学中の女生徒が同乗しており、その生徒は学校の招聘により自動車での来校を許可されていて、保護者からは同乗の女生徒が事故でショックを受けているので、女生徒の扱いについては配慮してほしいとの要望が入った。

その為に学校としては今回の事故の取り扱いが微妙になってしまった。

 

 通常、学内の生徒が係わる事故や地域で起こった事故などは全校集会や各クラスのホームルームで注意喚起を行うのだが、同乗していた女生徒の心情を刺激しない方が良いのではないかという判断の元、学内では事故の事を一切報じない事にした。

もちろん、コレには怪我をした生徒が暫く入院する必要が有るが怪我自体は大した事がないという医者の判断と、当事者同士の示談交渉の内容による判断であり、決して何処からか圧力がかかったと言う訳ではない。

 なので、職員室での教員同士の会話では、両者の学業の事も絡めて普通に話題にしている程度の内容だ。

 ただ気を付けていたのは、その女生徒の近辺では事故の話をしないように注意していた位だ。

 

 又、我々教員は二人の生徒を見守りつつ、注意深く経過を観察するようにした。

男子生徒と女生徒が不用意に遭遇する事で、不要なトラブルを防止するためでも有ったんだが。

 

 入院していた男子生徒の方は休んでいた分、数学や物理などの学科で多少の躓きが有るモノの、文系科目は総じて成績が良く学年でもトップクラスである。体育においても短距離走、持久走などでは平均レベルよりも上の成績であるので、それ程の問題は無いのでは無いかと思われている。

 

 問題は女生徒の方だった。

学業自体は問題が無く、定期試験では常に学年一位なのだが、事故の相手を探している様子で、情緒が不安定になっているようなそぶりが見受けられた。

 

 その為、専門のカウンセラーとも相談し彼女の心の問題に対処すべく考え付いたのが、奉仕活動を通じて彼女の心のバランスを取り戻す方法だった。

 

 

「えー、っていう事は・・・。」

「まあそうだ、雪ノ下の深読みのし過ぎ。っていうか、こう言う思考が高二病なんだよ。あと、その辺を普通に受け入れる比企谷もだがな。」

「あー、なるほどー。なんか雪ノ下さんの家の圧力が有った。って言うのは勘違いなんですね?」

「当たり前だろう。全くいつの時代だよ?県会議員がそんなことをしてバレたら大変だぞ?第一事故の責任割合で言えば、圧倒的に比企谷の方に非が有るからな。そもそも圧力をかける必要がないよ。まあ、我々学校側も必要以上に慎重になってしまっていたから、誤解を受けていたのはしかたがないがね。」

確かにあーしも比企谷君から聞いた話には少し違和感があった。

 何故なら、相模や雪ノ下さんが職員室で聞いたという、比企谷君が数学の教師からされていた注意の言葉。数学の教師は職員室で毎回普通に事故の事を話してんじゃん?

その段階で、シークレットでもなんでもないよね?

職員室なんて普通に生徒も出入りしてるんだし。

 確かに入学式でも始業式後のホームルームでも事故に対しての注意等が無かったから学校が隠蔽しているっていう発想は出来なくなないんだけどさ?

 

「あ!」

「ん?どうした?」

「だったら、もしかして平塚先生が比企谷君を、無理やり奉仕部に入部させたのって・・・、もしかして?」

「ああ、そうだよ。二人を引き合わせる為だ。コレには雪ノ下の家の方でも納得済みの話だよ。表立ってはいないが、彼女の休み時間の奇行が目立って来たからな。」

「奇行って?」

「比企谷に対するストーキングだよ。本人は気が付いていないんだろうが、職員室では一年の三学期頃から結構話題になっていたんだ。」

 

 あー!

 やばい!

 雪ノ下さんはそれなりに教師達にマークされてたからバレていたけど、あーしや結衣、相模も同じような事をやっている。

 

「まー結果論で言えば、雪ノ下の両親も雪ノ下と比企谷の接触についてはいい方向に雪ノ下が変わってきているので、概ねは良しとしているようだ。元々は雪ノ下の性格上、事故の相手にとんでもないことを言い出しそうなので、接触しないようにと両親が言い含めていたんだそうだ。あいつの性格だと自分が加害者で、それこそ『一生かけて償います』とか言い出しかねないだろ?」

ってか、まさに今その状況なんじゃ?

 雪ノ下さんが比企谷君に固執するのって下地にはそういう負い目があるんじゃ?

コレは早い段階で、雪ノ下さんの目を覚まさせないと!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうした三浦、少しは気分が晴れたのかね?」

「へ?」

「いや、今朝ほどのどよーんとした雰囲気が、無くなっているようなのだけど?」

 

 平塚先生に指摘されてようやく、あーしは自分の中のモヤモヤが少し晴れて来ていたことに気が付いた。

 

「先生、色々ありがとうございました。後で部室で色々対策を考えてみます。」

「おいおい、あまり教師を悩ませるようなことは考えないでくれよ?私は陽乃の時みたいに苦労したくはないぞ?」

 

 何だかんだでお昼休みを使い切ってしまっていたけど、あーしはもう一度前に進む心の準備が整った。

まあ、おかげでお昼ご飯を食べ損ねたんだけどね。

 

 

「あら?三浦さん今お弁当なの?」

放課後の部室。

雪ノ下さんが、お弁当を食べ始めたあーしに温かいお茶を入れてくれた。

 

 ほんと、こうやって冷静に見ると、雪ノ下さんって外見が可愛い材木座だよね?

ってか材木座を美少女化したら、こうなるのか・・・?

なんか、可笑しな発想が次々に頭を横切る。

 

「うん、ちょっとお昼に色々あってねー。」

「そう。ならば食事が終わったら文化祭の対策を打合せしたいのだけれど?」

「あー、そうだね。一緒に考えるからちょっと待ってね。」

「なんか、優美子とゆきのんって今日は凄く仲がいいね!」

「あら?そうかしら?」

「うーん、そうなんかな?」

まあ、あーしと雪ノ下さんの今の立場は、『相模という強大な敵に立ち向かう、ななはちゃんとアンジュちゃん』みたいになってるのかも?

 

 

 

「で、何故に拙者らがココに呼ばれたのでしょうか・・・。」

 

 あーしは遅いお昼を食べ終わると、早々に材木座と遊戯部の相模弟、秦野を奉仕部の部室に呼び出した。

「それにしても三浦さんは良く彼等の連絡先を知っていたわね?彼等に何かを協力させたいのかしら?」

そう言われると意外かもしれないけど、あーしは遊戯部の二人と併せて材木座の連絡先も先日の遊戯部での騒動の時に交換している。

なんなら、四人で一緒にななはちゃんの映画も見に行っている(本当は比企谷君を誘うつもりだったけど、比企谷君の都合がつかなかったんだよねー。)

 

「一応紹介しておくと、そのメガネの二人は遊戯部の部員でね。メガネのフレームの細い方が相模の弟で、緑の方が秦野ね。」

「ええ?さがみんって弟がいたの?」

結衣は一年の時に相模のグループにいたらしいけど聞いてないんかな?

「そう、相模さんの弟さんなのね?コレは有難いわ?さすが三浦さんね。」

雪ノ下さんの目が獣の様に怪しく光る。

 

「えーっとさ、先ずは総武高校の文化祭のSNSの裏垢ってのを教えてよ。」

「「は?」」

結衣と雪ノ下さんがビックリする。

「そ、それを知ってどうしるのだ?言っておくが我らは無関係だぞ。というか、文化祭自体が我らには無関係だからな・・・。」

「あー、そういう自虐ネタはいいんで質問にだけ答えて?」

「あ、はい。えっと、コレです。」

即座に材木座は自分のスマホを使って総武高校の公式ページから、裏の文化祭ページを開いて見せてくれた。

 

「ほえー、こんなのが有ったんだ・・・。」

「ミス総武高校?こんな事を裏でやっているの?」

「そうみたい。因みにその歴代のページを遡ると平塚先生も出ているらしいよ?」

「おおー、ちょっと探そうぜ?あの先生の歳が判るよな、コレ。」

「あ、あった。ほほう、なんと平塚教諭は今年で29歳なのか。来年にはアラサーではなく、三十路だな。あっははは。」

「あー、平塚先生に歳の事いうと殴られるからね?」

「あら二年前と三年前のミスは姉さんなのね。」

「去年はあーしと雪ノ下さんだったらしいけど。」

「今年のミスの予想ページまで有るよ?」

「あら?今年は三浦さんが単独一位予想なのね?」

「あー一年には、いろはちゃんもエントリーされてるねー。」

あー、サッカー部のマネージャーで隼人に付きまとってる子だよね。

「「げー、一色かよ勘弁してくれよ・・・。」」

秦野と相模弟はゲンナリだ。

「裏とはいえ、私が三浦さんに大差を付けられて2位というのは、納得がいかないのだけれど?」

あーし等はついミスコンの処で盛り上がってしまった。

 

「で、ミスコンがどうかしたのであるか?」

材木座はこんな事で呼び出したのかと言いたげだ。

「いや、そこはどっちでもいいんだけどさ。今年はベストカップルを選ぶってもの聞いてるんだけどね・・・、あ、これか。」

あーしが目的のページを見つけると。

「ええ?」

雪ノ下さんは身を乗り出して、材木座と肩が密着するのもお構いなしで、材木座のスマホの画面を見つめてるよ?

 

 ベストカップルへ推薦されている中には、噂通り比企谷・相模のペアもある。

不名誉なのは、あーしと隼人のカップルが有ることだ。

 

「ゆきのんとカップルになっている本牧君って誰?」

結衣が見つけたのはどっからそんな噂が出ているのかも怪しい組み合わせだ。

「さあ?さすがの私でも全く知らない人と噂になるのはいただけないわよ・・・。」

「過去に告白とかされた人じゃないの?」

「そんなの一々覚えてなんかいないわよ・・・。これならまだ、由比ヶ浜さんとカップルの方がマシだわ。」

 

「ところで、このベストカップルというのは誰がエントリーさせているのかしら?」

「それは、ほらココからエントリー申し込みのページに行けるのでそこから申し込みをするのだ。」

材木座は雪ノ下さんの問いにすぐさま答えて、申し込みのページを開く。

 

「うーん、これって申し込んで受理されないとエントリーにはならないですねー。って事は、このサイトって管理者が居るのか?」

「おお、本当だ。試しに申し込んだけどすぐにはエントリーには反映されないな。」

って、秦野!アンタ自分とななはちゃんでエントリーするなよ。

「一応総武高校の生徒限定ってなっているから、実在の人物かを確認してるのかもしれないな?」

うーん、なるほど・・・。

「じゃあさ、材木座と平塚先生でエントリーしてみてよ。」

あーしは思いついたことを口にする。

 

「おー!それいいっすね!よし俺がエントリー申し込みますよ。」

相模弟が二つ返事で申し込む。

 

 暫くすると、秦野の申し込みは受理されなかったようだけど、相模弟が申し込んだ「平塚静と材木座義輝」の組み合わせは受理され、エントリーリストに名前が挙がった。しかも平塚先生の写真は高校の時に撮影された、ミス総武の時の写真だ。

 

「ちょ!我を陥れる為にこのような場を設けたのであるか?」

材木座の反論を、あーしと雪ノ下さんの睨みで黙らせてから、あーしと雪ノ下さんはしっかりと見つめ合う。

 

 

 うん。

これだよ!

 相模。

あーし等の逆襲を見ていなよ?

 

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