やはりあーしの青春ラブコメはどうかしている。   作:Vierres

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第1話 Group1

 

 

 ぱこーん!

清々しい音と共にボールが宙を舞う。

 

「ゆ、優美子!大丈夫?」

結衣に声を掛けられて、ようやくあーしはドッチボールのボールが顔面を直撃したことに気が付いた。

 

「どうしちゃったの余所見なんかしてさ?」

 いや、そこ。

今は突っ込まないで・・・。

 

 体育の授業。

男子の選択はテニスと柔道。

女子の選択はドッチボールと新体操。

 あーしは外で元気に走り回る方が性に合っているので、ドッチボールを選んだんだけど・・・。

 

 あーしは、つい男子のテニスの練習に気を取られてしまっていた。

 

「ナニナニ?優美子ー。気になるメンズでもいるのー?」

冷やかしてくるのは、あーしのグループの海老名姫菜。赤い縁の眼鏡をかけた一見は清楚系美少女だ。まあ、実は腐女子なんだけど。

 

「ち、違うし!ほら!あそこ、戸部とかがまた馬鹿やってるからさ。」

騒いでいるのは、サッカー部の戸部。さっきから大声で魔球だとか、べーとか叫んでいる。

 とにかく、五月蠅い。

あーしは慌てて誤魔化した。

 

「あ、比企谷君もテニスなんだ・・・。あ、でも壁打ち?」

結衣も目聡く彼を見つけてしまったようだ。

 

 そう、さっきからあーしが気になって、自分の事が上の空になってしまった原因の彼、比企谷八幡。

この前の体育の時も、ずっと一人で壁打ちをやっている。

 普段の組になっている、身体の大きい、材木座って子が居ないようだけどその子は柔道を選択したんかな?だから一人で壁打ちをやっているんだろう。なんて初めは思っていたんだけど・・・。

 

 彼の動きは少しおかしい。

 

「優美子、結構綺麗なフォームだよね?比企谷君って。案外スポーツ出来たりするのかな?」

結衣が小さな声でささやく。

 

 そう、フォームは無理のない理想的な形だ。もしかしたらそれなりの経験者なのかもしれない。

 ただ、彼は動かない。

 同じ場所に立ってボールを壁に向かって打っているだけ。

 普通テニスの経験がない子だったら、もう少しボールの軌道が逸れてしまい、左右にステップを踏まなければならないんだけど、まるで精密機械の様にただ同じ動きを繰り返している。

 

「あー!ごめんー!!避けてー!!」

戸部が乱暴に弾いたボールが大きく逸れて、比企谷君の方に飛んで行き驚いて避けようとした時、あーしは違和感の正体を見てしまった。

 

 そして、あーしはその場にうずくまってしまった・・・。

 

 

「優美子?もう大丈夫なの?脳震盪でしょ?もう少し保健室で休んでおきなよ。授業のノートなら後で見せてあげるからさ。」

「いや、結衣のノートとか役に立たないし。借りるなら姫菜に借りるし。」

「えー、それ酷いよー!」

昼休みが終わり、あーしは午後の授業を受けるために教室に戻った。

「まあ、でも折角だから4時間目の授業のノートは後でコピーさせてね?」

「もう!貸さないよ!優美子には!」

結衣はほっぺを膨らませてそっぽを向いた。

「ホラホラ~、機嫌直してよ~。」

あーしは、結衣にチョッカイを掛けるフリをしながら、そっと比企谷君を見る。

 普段通りだ。

さっきのアレはあーしの見間違いだったんだろうか?

 結局、今日は部活に行く気分になれず、結衣に駅まで付き添ってもらって家に帰った。頭を打っているから念のため、と結衣が言い張ったからなんだけど・・・。

 

 

 

 翌日の昼休み。

あーしはジャンケンに負けて自販機まで皆の飲物を買い出しに来たんだけど、テニスコート裏に見覚えのある人影が。

 

「比企谷君?こんな処でパン?どうりで何時もお昼は教室に居ないわけだ。」

「ん?ああ、三浦か・・・。どうしたんだ?」

「あー、ジャンケンで負けてね。罰ゲーム。」

「いや、俺と話するのが罰ゲームとか、泣いちゃうよ?俺。」

「ち、違うって!ジュースを買って来るだけだし!偶々、見覚えのあるアホ毛が見えたから来て見ただけだし!」

「お、おお・・・、そ、それならよかった・・・。」

 

「あれ?三浦さんと・・・、比企谷君?」

「よっす!戸塚!」

「よっす!三浦さん」

「・・・、なぁ?三浦?誰?知り合い?」

「・・・、アンタねぇ・・・。いい加減クラスメイトの顔位覚えなよ・・・。」

あーし、また頭がクラクラしてきた・・・。

 

「?三浦さんと比企谷君って、話するんだね?ボクちっとも気が付かなかったや。」

「あ、ども・・・。同じクラスの比企谷八幡です・・・?」

「えー?どうして疑問形?ボクも同じクラスの戸塚彩加です。」

「ごめんねー戸塚。彼、人の顔と名前を覚えるのが苦手なんだよ。」

一応、フォローを入れておこう。

「あー、いや、俺。女子とはほとんど関わりが無いから・・・。」

いや、そもそも男子とも関わり合いが無いでしょ?

 って、違う。

「ちょ!戸塚は男だよ?」

 

「うん、ボク男の子です・・・。」

 

「えぇぇぇ・・・。最近流行りのボクっ子かと思ったら、男の娘だったとは!」

あ、今、戸塚の顔が露骨に嫌そうな顔になった・・・。

何とか話題を変えなきゃ!

 

「戸塚って昼もテニスの練習?真面目だねー。」

「ボク才能とかないしさ、努力するしか無いんだよ。せめて比企谷君位に上手ければなぁー。」

「あ、だよねー。比企谷君って、フォームとかすごい綺麗じゃん?中学の時とかやってたの?」

「え?俺か?いや?しいて言うなら、テニスの王子様は良く読んでたな。」

「・・・。」

「マンガとか読んで上手くなるわけ無いでしょ?パパやママも昔、エースをねらえを読んでたって言ってたけどさ!他になんかやってないん?」

 

 なんか、戸塚も必死に聞き耳を立てている。

 

「いや?まあ、図書館で入門書は読んだな・・・?それだけだケド?」

「あーしも経験あるけど、そんだけであの綺麗なフォームは、普通は身につかないっしょ?」

「そうなの?まあ、俺の場合一緒にテニスをやる友達も教えてくれる知り合いも居なかったからなぁ・・・。」

 

「でも、独学であんなに上手に出来るなんて凄いよ!ねぇ、比企谷君?もし他に部活とかやってなかったら、テニス部に入ってくれない?ボク、比企谷君に教えてもらいたいんだよ!」

戸塚はあーしでもクラクラするようなキラキラ笑顔で、彼にお願いをしている。

 

「あー、すまん。戸塚?俺さ、担任の平塚先生に言われて別の部活やってるんだ。お誘いは嬉しいけどちょっとな?」

比企谷君は、迷うことなく即答で断りを入れた。

 あれ?アノ部活止めたいんじゃなかった?

やっぱり、アレのせい?

 

「そ、そうだね、掛け持ちとか厳しい部活もあるもんね・・・。」

 

 

 三人で話し込んでいたら、午後の予鈴が鳴った。

「三浦?ジュースの買い出しはイイのか?」

「あ!忘れてた!戸塚、ゴメン!先に教室に帰る!」

結局、ジュースを買いそびれたまま、あーしは教室に走って戻った。

 

 

   ~~~~~~~~~

 

 

「じゃーん!」

雄叫びと共に結衣が部室にやって来た。

 

「こんにちは、由比ヶ浜さん。」

「よっす!結衣!」

「うっす・・・。」

 

「ねぇ、みんな?今日はさ、相談者を連れてきたよ!さ、入って?彩ちゃん!」

 

 

 戸塚の悩みは、弱小のテニス部でヤル気が無い部員にヤル気を出させるため、自分がテニスを上手くなって他の部員たちにヤル気を出させる事。

その為のテニスの特訓に付き合って欲しいという依頼だった。

 

 

「では、先ずは死ぬまで走ってから、死ぬまでスクワット、終わったら死ぬまで素振りね。」

「ボク何回死んじゃうのかな・・・。」

「ちょ!成長途中の高校生にそんな大昔の根性特訓なんて、意味ないじゃん!雪ノ下さんってSなの?それとも馬鹿なの?」

「まぁ、雪ノ下は容赦ないからな。でも確かに身体が出来ていないのに必要以上の負荷を掛けるのは良くないって聞いたな。」

「だっしょ?日本のスポーツ選手は大抵意味のない過度な練習で選手生命を終わらせるんだよ?とりあえず、あーしがフォームとかを教えるし!正しいフォームで打たないと直ぐに肘を壊すからね?」

「もしかして、三浦さんって花園中学の三浦さん?」

「え?あーし?そう、かな?一応、花園中学出身だけど。」

「やっぱり!すっかり変わったから気が付かなかったけど、ボク中学の時に三浦さんのテニス試合を何度も見に行ったたんだ!」

「え?三浦ってテニスやるの?なるほど、どうりでドリルみたいな髪型なんだな。」

なによ、ドリルって。

「うんうん、優美子って中学の時女テニで大会とか出てたんだよね~。」

「そ、そう・・・。三浦さんもテニスが出来るのね?じゃあ、昼休みのテニスコートの使用許可を取って明日から特訓をしましょう。」

雪ノ下さんもテニスやるんかな?そういえば中学の時にイギリスに留学してたって聞いたし、案外本格的にやってるんかも?

 

「じゃあさ。お昼になったらこの部室に集合してお昼を食べてからやろうよ?」

「え、食後に運動はキツくない?」

「言ったでしょ?先ずは正しいフォームを身に付けるって。激しい運動はしないよ?午後も授業あるし。」

「そうだな、俺もフォーム位なら見てやれるかもしれん。」

「うん、じゃあ明日からお願いするね?みんな。」

 

 

 こうして、あーし達奉仕部は昼休みになると部室で4人でお昼を食べ、そこからテニスコートで戸塚の特訓を行った。

 昼食を食べた後だし練習のメニューは、柔軟体操と素振りだ。

 素振りだけだったら、ホントは屋外より姿見がある屋内の方が効果が有るんだけどね。姿見が有る体育館の方は別の部活が使っているので使えなかったんだ。筋トレとかは、食後の昼休みより放課後の方が効果が有るし授業にも差し障りが無いから、フォームを見て鍛えるべき筋肉とトレーニング方法だけを伝えた。

 

 雪ノ下さんも柔軟と素振りをしているけど、身体の柔らかさも抜群だし、素振りのフォーム綺麗だ。

 結衣は・・・。まあ、お察しだけど・・・。比企谷君の視線を釘付けにしているのは、いただけないな。

 

 

 こうして、戸塚のフォームが徐々に良くなった頃。

 

「じゃあ、今日からは実際にボールを打って行こうか。比企谷君がボールを投げてあげて。で、戸塚は、あーしが指示した方向にボールを打ち込む事。結衣はゴメン。球拾いでをお願い。」

「あら?ボールなら私が投げてあげるわよ?比企谷君も球拾いをなさい。由比ヶ浜さんだけ走らせるつもり?」

 

 しまった。

ココで雪ノ下さんが余計なことを言うとは・・・。

 

「あ、でもフォームの矯正するときに戸塚の身体を触るけど、お互いにイイ?傍でボール投げるだけじゃなく、矯正もお願いしたかったんだけど?」

「そう言うことなら仕方がないわね。いいわ。私が球拾いをやってあげるわ。」

「ご、ごめんね?雪ノ下さん、由比ヶ浜さん。」

「い、いや!気にしなくていいよ~。それより彩ちゃんも頑張ってね!」

 

「おい、三浦。何を考えてるんだ?俺も球拾い位は出来るぞ?」

球拾い位・・・ね。

「結構走り回ると思うよ?午後の授業、寝られたらあーしが困るんですけど?」

「何が困るんだよ?」

「あーしも勝負に参加してんですけど?依頼を達成しても、あんたの成績が落ちたら差し引きゼロであーしのポイント無くなっちゃうでしょ?」

「ま、それもそうだな。じゃあ、指示の方よろしく。」

 

 

   ~~~~~~~~~

 

 

「だー!ゆきのん!ごめん!」

戸塚の打ったボールは、あーしの指示どうりの場所に飛ぶようになったんだけど、丁度それが結衣と雪ノ下さんの中間地点だったので、二人はボールに突っ込み互いの頭を激しくぶつけてしまった。

 ってか、雪ノ下さん体力無さ過ぎない?そんなに走ってないけど、もうフラフラじゃん?そんなんで、よくも死ぬまで走れとか言えたねー。

 

「大丈夫?二人とも!」

戸塚が声を掛ける。

「取り合えず二人は保健室で治療してきて!後は、あーしと比企谷君で続けるから。」

 

 

「戸塚は、あーしに向かって打ってきて。で、あーしも打ち返すから今日はこのラリーで終わりにしよう。」

 

 あーしと戸塚のラリーが始まったけど、戸塚も疲れてきていたのか転んで膝を擦りむいた。

「戸塚~、疲れたら言えって言ったっしょ?昼の練習の目的は型を覚える事なんだからね?」

「ごめん、三浦さん。みんな頑張って教えてくれるから、つい・・・。」

「とりあえず、戸塚も保健室に行ってこい。今日はこの辺にしないか?三浦。」

 

 

そのタイミングで・・・。

 

「おー!優美子じゃん?ナニナニ?テニス?俺っちもやりたい!」

「おいおい、戸部。部活の邪魔だろ?俺達は見てるだけにしよう。」

「えー、でも、優美子ってばテニス部じゃないじゃん?なら俺達も混ぜて貰おうよ~隼人くーん。」

「あー、良いねー!それならウチも混ざりたーい!」

「おお!南ちゃん、中学の時軟式テニスで県大会2位だもんねー。見たい見たい!」

「マッジ?相模さん?いやー俺もソレ見てみて~。隼人クン、相模さんとダブルスを組んでよ~。」

「えー、戸部っち~。葉山君?どう?」

なんか、コートの外が勝手に盛り上がってるけど・・・。

 

「あー、悪い。俺達はテニス部の正式な依頼で戸塚の練習に付き合ってるんだ。部活の邪魔だからコートに入らないでくれ。」

おお?比企谷君。こういう時はちゃんと話できんじゃん。

「べー。ヒキタニ君はテニス部じゃないんしょ?だったら、俺達にも使わせてくれよ~。」

「そうだよ~。丁度、戸塚君もケガして今日はもう終わりでしょ?だったら少し位はウチらにもテニスさせてよ~。」

 

「えー、いやー、その・・・。」

 

 あ、コレはアカンやつだ。テニス部の戸塚がしっかりと断らないとイケないパターンなんだけど・・・。

 

「大体さー、三浦さんがどれだけ上手か知らないけどー、ウチ県大会で2位の実力だから~、見学だけでも勉強になると思うよ?」

相模南。

 このクラスになって直ぐ、あーしにチョッカイを掛けてきた子。

隼人に気が有るみたいだけど、見え透いててうっとおしい。

 今までは実害がなかったから、放置してたけど・・・。

 

 ココで潰しておく?

 

「まぁ、そう言うことならいいんじゃないかな?みんなで楽しもうよ?な、ヒキタニ君?」

出たよ!隼人のみんな仲良く、楽しくってヤツ!

 大体、ヒキタニって誰さ?

 

 幾ら普段仲良くしてるからって、彼を侮辱するのは許さない。

 

 コイツもここで潰しておこう。

 

「どうする?戸塚?アンタがこの場の責任者だし、決めていいよ?」

「えっと、じゃあ時間もないからワンゲームだけで・・・。」

 

「じゃあ、ウチは葉山君とペアね?そっちは三浦さんとヒキタニ君だっけ?でイイよね?戸塚君はケガしてるしさ。」

 

 しまった。

それが狙いか!

 

 抗議しようとしたあーしを比企谷君は押しとどめた。

「お前、俺の身体の事知ってるみたいだな?まあ、ワンゲームだけだ。お前には負担を掛けるけどその位なら、持つと思う。」

 

「解った。あーしが後ろで拾うから比企谷君は気にせず、返せるのだけお願い。」

「なーに、負けても何もペナルティーは無いんだ。気軽にな?」

 

 

「じゃあ、ワンゲーム始めます。」

 

 ジャンケンの結果、サーブは相模からだ。

 

「でも、アレだな。サッカー部は昼休みに他の部活に乱入するんだな?今後も相模達がチョッカイを出すようなら、俺達もサッカー部の部活に乱入させてもらうぞ?いいよな?」

「相模さんはサッカー部じゃないんだけど?」

「相模を後押しした時点で同罪だろ?まあ、せいぜい頑張れよ?王子様?」

「ちっ。」

「あと、下手な真似をしたらテニス部の顧問と生徒指導にもチクる。サッカー部は公式試合に出れんくなるかもだから、気を付けてプレーしろ?なんせ、他所の部活の練習に割り込んだんだからな?」

 

 

 あーしと相模が際どいラインを責めあうラリーをしている最中に、比企谷君と隼人は壮絶な舌戦を繰り広げている。

 まあ、隼人を口先で足止めしてくれているだけで、役には立っているんだけどね?

 

 ホント、斜め下すぎる活躍だよ・・・。

 

 それに相模も県大会で2位ってのは、ホントみたいだ。確かにあれだけ走ってもフォームが崩れない。

 普通のゲームならまあ、あーしの相手じゃないんだけどさ・・・。

 ワンゲームだけの短期戦ならそれなりにやれそうだね?

 

 でも!

 

 所詮は軟式。

 

 硬式の怖さは知らないだろ?

 

 あーしは相模の軸足の足元を狙って打ち込む。

「イタイ!」

跳ねたボールが相模の脛を直撃する。

 

「ほら、硬式のボールは当たったらイタイからね?ちゃ~んとラケットで受け止めなよ?」

いや、自分で言っておいてなんだけど、あーし悪役臭がプンプンするんですけど?

 

 その状態で今度は左右のコーナーを狙って、相模を走らせる。

ほら、もう息が上がって足元がフラフラじゃん?

 とどめのスマッシュを打った瞬間、相模は足も縺れさせてすっころんだ。

隼人はそんな相模を只見つめているだけだった。

 

「ゲーム終了。三浦、比企谷チームの勝ち。」

戸塚のコールでゲームは終了し、相模は取り巻きの友達に連れられて帰って行った。

 

「一体、何の騒ぎなの?コレは。」

「ねー?さがみんがボロボロになってたけど?」

 

「えー!さがみん優美子に試合を挑んだの?優美子中学の時に硬式テニスで全国大会

4位だよ?ちょっと上手いくらいで勝てるわけ無いじゃん!」

あー、結衣・・・。

ばらしちゃった・・・。

 

 

 で、

あーしは事の顛末を雪ノ下さんに話したんだけど・・・。

 

「あなた、何も変わっていないのね?本当に失望しかないわ?葉山隼人クン。この事は、いずれ部長会で追及させてもらうことにするから、覚悟なさい。」

そう言って、雪ノ下さんも教室に帰っていった。

 

 

 

 それからしばらくして、テニス部の他の部員たちも少しづつ昼休みの自主練を行うようになり、あーし達への依頼は完了した。

 

 ただ、コレがあの事件の引き金になっていたのかも・・・とは、その時のあーしは思いもよらなかったんだ・・・。

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