〇〇の(ポケモン)トレーナー 作:カナーさん
追伸コロコロの影響をうけています。体調は今の所安定しています。
○また なにかみえた…
__瞬きの映像が光と共に脳内を過ぎ去った後の感覚は今でも慣れない。
キミに触れて見た映像。久しぶりのめまいの感覚。
時空の叫び。
未来の暗黒の世界ではほぼ使えなかったこの力がこの世界で発動したことに驚く。
そしてそこで見た未来も。
もう探検隊を辞めて久しいけどその時の感覚から推測するにこれは問題が起きる予兆だ。
確か、十一月一日。レース名はわからないけどサイレンススズカが走るレース。誰かが四コーナーを迎えたあたりでレースは中断したはず。
ともかく行動あるのみ。それは昔も今も変わらない。
ポンポンとキミにアピールする。
時刻は深夜、普通の人は明日に備えて寝ている頃。
でもキミは寝ることなく、日記を書き終えて今はレポートを書きしたためているところだった。
僕だった頃と同じくレポートを書くキミ。
でもその書く目的は違う。キミの場合、それは最後の砦だ。
破損してしまったキミの世界。それを補填できるピース。例えキミの世界が完全に終わってしまってもキミから縋れる、頼れるもの。
その作成の手を止めるのは少し心苦しいけど、それでも自身の足を止めるわけにはいかない。
流れていた手を止めてキミはボクを見つめる。
キミの助けも必要だけどボクの言葉が伝わらない。
自身の口に手を当てるボクの姿を見て、キミはボールを投げてゾロアークを呼び出す。
呼び出されたゾロアークは眠たそうに目を擦りながら、それでも呼び出された理由をボクを見て察してその姿を変える。
「先輩とリオル、またというか久しぶりですね」
大きく欠伸をしながらトレーナーメイの姿をとるゾロアーク。
緊張感がないな、とは思わない。
ボクが自ら動いていることからこれが重要性が高いことはここにいるみんなが知っていることだ。
その上でゾロアークはペースを崩さない。
「それでこのタイミングじゃないと行けないんですか?」
その言葉に頷く。
このタイミングじゃないといけない。
念の為確認した未来のヴィジョンに変化はなかった。
昔ならこのまま解決のため動いていたけど今はキミ達がいる。取れる選択は多いから念には念を。
問題の当事者に、サイレンススズカに会おう。
「えっこの時間からスズカに会うんですか?アポなしで?本当に?」
この時間で、連絡なしで、寝ているから会いにいくのだ。
「夜這いのことは考えてないけどそれでもなんのために?」
確認のため。ほぼ確定だけどサイレンススズカの声が知りたい。
キミから見たかぎり、問題はレース中に起きた。
キミは登場時に危険を感じ取っていたけど張り倒してでも止めるレベルではなかった。だからキミは静観して、見守ることを選んだ。
その時はまだ、無事にレースが終わる可能性があったのだろう。
そうだ聞いていなかった。
最後にサイレンススズカを見たとき、キミは危険だと思ったのかい?
ゾロアークを通じた、ボクの質問にキミはレポートではなく日記を取り出し、ペラペラとページを飛ばしていく。そしてキミは答える。
その答えは予想通り。
危険ではあるが問題はない。
キミによるとほとんどのウマ娘から危険は感じるのだと言う。それがほぼなかったのがハルウララで、だからキミは驚いていた。
キミもだけど命に関わる問題だとそれがレース中であろうと乱入するのだろう。自分の命を顧みずにね。
つまり、登場時とスタート、千メートルの地点でもまだ大丈夫だった。
ということはこれはサイレンススズカが自分の判断で、またはトレーナーの指示による行動で危険が問題となって浮き出てきた。
そう考えるのが自然だ。
でもあのトレーナーの性格を考えるとのびのびとやらせていると思う。
なら本人が無理な走りをしたのか。いや楽しむと言っていた。
ならならなら__
まだまだ情報が足りない。
やっぱりサイレンススズカに会うのが大事だ。
「私はいいですけど……」
言い切らないゾロアーク。
わかっている。キミのことを考えるなら下手な行動は慎むべきだ。
それでも防げる悲劇なら、たとえ防げなかったとしても最小に。そんな考えは傲慢だろうか。欲張りだろうか。
「なわけないでしょ。その欲こそ先輩やリオルがここまで走ってこれた原動力。言ってることは否定しないけど言っている感情は”違う”て言うよ。だから顔を上げて、この世界唯一の探検隊さん」
まるでメイ本人が喋っているような気迫だけど吐き出しているのはゾロアーク本体だ。
だからといってもこの言葉が薄っぺらいなんてことはない。
ごそごそと音が消えてボクに影が覆う。
スッと肩に置かれるのは手放したはずのバッグ。
キミがずっと黙っていると思ったらなんてことをしてくれたんだ。
ボクが先導するといっっってもこれは、これは。
動揺するボクを今度はキミがポンポンと優しく叩く。
よし、落ち着いた。
他にも色々あったけど一先ず全部しまってキミの提案でウマ娘のカフェを探していた。
サイレンススズカの部屋に侵入するのと脱出するのはサーナイトの力を借りられれば容易い。
つくづくエスパータイプは頼りになる。いくら”かみつく”で返り討ちできるとはいえ、敵にまわると効果抜群なので恐ろしいけど。
でもキミの考えでは確かにカフェの協力が不可欠だった。
サーナイトの”テレポート”はラグがある。対象に触れて移動先を決める。サーナイトだけならその隙はほぼないけど緊急脱出をメインに考えているキミはその負担を肩代わりできる存在、ボク達のところでいうゴーストタイプの助力を求めていた。
鍵を開けるとき、鍵を閉めるとき。そのタイミングで誰かに気付かれると先の不安が現実になる。
でもサーナイトに離脱だけに専念させればその不安は解消される。
道中キミの語った考え。役割分担は大切だし筋は通ってる。けどそれはカフェにボクとサーナイトの姿を晒すことを意味する。
ゾロアークとギラティナもその全貌はまだ未開。
ボク達ポケモンを本当の意味で発見した者はまだこの世界にはいない。
明かしたからなんだって話だけど大事な話だ。
朧気でしっかりとした像でまだこの世界は落とし込めていないはず。
落とし込めるとこの世界にポケモンとの繋がりが強くなる。
それはつまりこの世界にポケモンがやって来る可能性が高くなるということ。
それ自体はいい。だってそうなればキミが帰りやすくなるだろうから。
でもこの世界の土台はポケモンの力を前提とした設計じゃない。
火山はまだ行ってないけど体温が一万度あるマグカルゴに地表は耐えきれるのか。
普通のポケモンでも大丈夫か心配になるのに伝説のポケモン、グラードンなどもう影響が計り知れない。
でも今あげた二匹の心配はしていない。だってこの世界は陸続きじゃない。
不安になるのは空間に関係したポケモンだ。
ドータクン、クレッフィ、パルキア、フーパ。
更にそのポケモンに紐付けで連鎖して輪が広がっていけばこの世界はポケモン世界の一部になってしまう。
パルキアならディアルガが。
クレッフィなら鍵の先の世界から。
ドータクンならポワルンが。
フーパならもうわからない。
それにカフェからゴース等のゴーストタイプのポケモンの輪が広がることも考えられる。
もちろん全部空想だ。でもボク達も来れた以上他のポケモンがこの地に来れないなんて考えは甘えだろう。
でもキミは知ったことかってボクの心配を一蹴する。
ギラティナのいる反転世界が存在している時点でもう条件は整っている。
きのみも栽培している。
土地、という観点ではもうアウトだと。
だからってより状況を悪くするのはどうかと思うけどまぁ確かに仮定をいつまでも恐がっていたら先に進まない。
カフェの部屋の前に着いたキミは扉を叩くこともせずカフェの名前を呼ぶ。
この時間。いくら夜に自主トレしているとはいえ、いやだからこそ寝に入ったばかりなら疲れてグッスリですぐには反応はないはず。
そんなボクの考えとは裏腹に扉はゆっくり、音がしないまま開く。
半開きの扉から覗くのは眠たそうな表情のカフェ。
手伝ってほしいとキミがお願いすると顔を引っ込めて扉は勝手に閉まる。
kawaii、写真ホシーと小さく呟くキミとその言葉に呆れるボク達は待つ。
数分後に制服に着替えて、あげませんという言葉と共にカフェは出てくる。
「写真はあげませんが……手は貸せます。それでは不満ですか?」
「先輩の願望だからそっちはいいよ。それにしてもよく起きて手伝ってくれる気になったね。なんの説明もしてないのに」
「……どなたですか?」
「あれ、あったことも姿のことも知ってるはずだけど……もう忘れちまったのかこのゴルシちゃんを?」
メイの姿からウマ娘ゴールドシップの姿を象るゾロアーク。その変化にカフェは驚く。
「あなた……ウマ娘ではなくとも化けれるんですか」
「まあなー」
パンパンとあなたは手を叩いて注目を集める。
「そうでした……それで私はなにをすれば?」
キミはサイレンススズカの部屋の開け締めをカフェ達に頼みたいことを説明する。
「……。手伝う、それ事態は嘘ではありません」
言葉を続けずにキミを見つめるカフェ。
意外な事実だけどどうやらもう言葉を言い切らなくても通じ会える仲らしい。
キミは口を開く。
サイレンススズカに問題が発生する。生命に関わるレベルの問題がレース中に。その未来が見えたと。
これから隠密して行動する理由は余計な心配を増やさないため。それを未然に防ぐことが目的だと。
ボクが予め説明したことを噛んでカフェに伝えていく。
「……ツッコミが足りませんね。とにかくわかりました。あなたは嘘を言う人じゃない……信じます」
○
扉が触れてもいないのに勝手に開いていく。
それをあなたは眺めながら廊下を見張る。中にはカフェとリオル、ゾロアークがいる。
あなたの傍らにはサーナイト。
人がいた場合あなた達は緊急離脱。
住人が起きた場合は一瞬でゾロアークが姿を隠してサーナイトに頼る。大雑把に決めたこと。
その関係であなたはカフェにリオルを紹介することになった。
おっかなびっくり、恐る恐る、リオルと接する姿は子供の機嫌を伺う大人。もしくは猛獣の機嫌か。
でもそんな色は手を握った瞬間に吹っ切れたようで今は同じ空間にいても落ち着きがある。
目的の人物と隣人は夢の中。
慎重にリオルがススズ(サイレンススズカ)の手に触れて、それから頭を抑えて、そのまま撤退の合図を送ってくる。
最後まで気を抜かず、あなた達はアグネスタキオンの研究室へ足を進める。
ノックもせずあなたは部屋に突入する。
そしてアグネスタキオンがあなた達の方向を振り返る前にあなたアグネスタキオンを縛り上げる。
目隠しに猿轡、手錠に縄。
組織とぶつかったときに相手を逃さないために標準装備としてあなたは採用している。
ウマ娘の力なら紙切れ同然と思うかもしれないが、もちろんポケモン相手には時間稼ぎができるくらいの強度な上、体の構造は人間と同じなのだ。やりようはいくらでもあるのでアグネスタキオンは未だ混乱も手伝って抜け出せずにいた。
はやわざだったもんね。
あなたは誰にも相談せず独断でアグネスタキオンを縛ったので誰も止めることが出来なかった。
がこれは必要な行為だった。
あなたは騒ぎ立てないことを条件に口を自由にさせてやる。
「おいおいこれはどういうことかな?まさか私をモルモットにするとでも?ハハハ面白い冗談だな」
声が震えているのは全員スルーした。
あなた達が話すことを踏まえるとどう考えた所でアグネスタキオンの好奇心を抑えることが不可能とあなたは結論した。
リオルの姿を見せるつもりはないが声は聞こえてしまうのは割り切った。
あなたはアグネスタキオンにとくに説明をせず、リオルにどうだったかと、望む物は見れたかと質問する。
頷くリオル。
-気力も体力も今までで最高
-まだまだ私は走れる!
-まだまだ__っ
メイちゃんの声でリオルの言葉を伝えるゾロアーク。
それを聞いてあなたは表情は良くない。
最後の言葉の後、サイレンススズカは加速をしようと踏み込んで、そこで問題が発生した。
それは最初の仮定。
レース中に問題が発生。
トレーナーの見落してでもあなたの経験が外れたわけでもなく、サイレンススズカが望んだ行動が体に耐えきれなかった。
ただそれだけだった。
さらにそれはサイレンススズカが決意を胸にレースに挑んだわけでもなく本当に事故で故障だった。
「なら出走取り消すよう取り合う?無理でしょ。そして今から頑丈にすることも工夫することも無理、無理無理」
語るほどもない。
お前は壊れるからとレースを勝手に出走禁止にもできやしない。
挑む思いもなにも、変えさせれない。
あなた達は部外者なのだから。
これがあのトレーナーならまた違った結論に辿り着くのだろう。これはあなたが対処していい問題ではなかったのだから。
もちろん一切手段がないわけではない。レースそのものを繰り越させるなどあなただからこその手段がある。
しかしそれをあなたはよしとしない。
「質問なのですが……」
カフェの質問は予想できる。なぜ原因と箇所を本人とトレーナーに伝えないのか、少なくともトレーナーには伝えるべきだろうと。
あなたもあのトレーナーが違和感を抱いていたのなら話を共有したと思う。けれどあなたも含めてウマ娘の状態が確定でわかるチート特殊技能は身につけていない。
例え共有して、策を講じたところで既に手遅れの域なのだ。そもそも一応気をつけるか程度の注意であろうし、深刻に受け取ったとしても出るなとはあのトレーナーは言えるのだろうか。
レース中のサイレンススズカの心の昂りを抑えれるのか。全てを加味してもう手遅れに近い。
「ですがその口振りからして……走らない、または期間があればどうにかなると言っているようですが。……それに……なんというか怪我をしても大丈夫だって感じるんです」
あなたとしても気の進まない話ではある。
全てカフェの仰っしゃる通り。
あなたのてもちであるならあなたはどうにかできる上に例え怪我をしてもひんしまでならどうにかなる。
またレースに走れるだろう。
それならなぜ?というカフェの視線にあなたはなんと答えるべきか悩む。
けれど隠す理由もないのであなたは素直に残酷に答える。
あなた自身には関係ないから、と。
無関心ではないが無関係なのだ。
ただ縁はあった、話す機会も。ゾロアークだってそうだ。けれどそれはあなたがてもちやカフェ達に向ける感情とは無縁だ。
救えるなら救いたい。けど己の身を賭けて助けるほどではないのだ。
「生徒会長が聞いたらなんと言うかね」
そのまま喋られると厄介なので口に手を噛ませて、空いた片手は耳の添える。
耳からの刺激に遠慮なく歯型が刻まれるがあなたは慣れているので気にしない。
そのままあなたはポケリフレで培った技術をアグネスタキオンの耳に注力する。もちろん本当に嫌な場合は辞めるがこの表情は条件反射だとあなたは理解しているので手は止めない。
程々に噛む力がなくなったタイミングで手を外す。手と口に付着した汚れを拭き取ることも忘れない。
不健康そうな印象のアグネスタキオンだがよだれの状態を見るに健康だ。意外ね。
「そういえばどうしてタキオンさんの研究室に来たのですか?」
「そういえばそうね。理由聞いてなかった、なんで?」
あなたが最初に指標にしたのがアグネスタキオンで予防できる怪我であるならばアグネスタキオンの出番があるだろうと侵入が無事に終わった後に元々行く予定をしていた。
ただ問題がなんであるか浮き彫りになった結果アグネスタキオンの出番はなくなり、用もないのに滞在していることになってしまった。
興奮をかなり抑える精神安定剤という出番はならあるかもしれないが。
「それくらいタキオンさんなら……作れるのではないですか?」
作れるのと服用させるかは別の話である。
それはサイレンススズカのレースを否定するのではないかという考えがあなたはある。気にしすぎかもしれないとも思う。
「それは……そうですね。私も……走る目的を失ってまで走る気力は……ないでしょう。見えなくなっても私はまだ……走っていられるのか」
理解を得られたようであなたも嬉しい。
しかしあなたはだんだんと考えるのが億劫になってきた。
やはりあなたのてもちでないというのがネックである。
これがメイちゃん達であれば意見を交えて話し合いで全てが解決するのだが今回はとてもややこしい。
面倒という気持ちをリオルに伝える。もうあのトレーナーに全部投げて終わりでいいのではないだろうか。
回復についてはまだサイレンススズカが折れていなかった場合、それとなく助けるという方針で。
あなたはそんなことを話ながらアグネスタキオンの拘束を解いていく。
「ですが……もしもの時はサイレンススズカさんは……」
悲しいことではあるがあなたからすればそれだけの話である。
あなたは見逃したわけでも無視したわけでも貶めたわけでも嵌めたわけでもない。
スルスルと縄が解けていく。手錠を解除して、後は目隠しを取ろうと手に掛けたところポンッとズボンから主張を感じて手を止める。
あなたの結論に文句があるのだろうか。少なくとも私はない。
あなたは自分の腕が長く、力強いものでないことを知っている。その手に大切なものが零れ落ちないよう必死なのを昔から知っている。
「私からもお願いします」
あなたを見つめ続けるリオルの行動があなたを止めるためのものと解釈してカフェが頭を下げる。なんでそこまでという感情よりもやめてくれという感情が湧く。
あなたはカフェに日頃からお世話になっているので頭が上がらないのだ。そのカフェに頭を下げられるとあなたの立つ瀬がない。……。
「話が戻るのはいいがいい加減外してくれないか?カフェが見ている景色を私にも見せたまえよ」
あなたは拒否する。
「なぜだい!?キミと私は取引で対等の関係のはずだ、そんな私を差し置いてカフェが許されるのか」
カフェは信用と信頼があるので大丈夫だ。
「待遇の改善を求めるぞ。我々は対等な関係ではないのか!」
アグネスタキオンはあなたを好きに実験する。
あなたはアグネスタキオンを好きにする。
対等な関係である。Q.E.D。証明終了。
「くっ言い返せない」
「普段からなにをしているんですか」
あなた達のやり取りに思わずカフェが頭を上げる。
ちなみにあなたは亀甲縛りをできない。
組織の奴等は数が多いので一々時間を掛けている余裕はないし、縛り上げたところであまりモチベーションは上がらなかった。なのでできない。
こういう時に相手に黙ってもらうために今度覚えようかと騒ぐアグネスタキオンを眺めながら考える。
そうしてあなたが折れることで重い空気は流れていった。
後日トレーナーに話し、そのままあなたを交えてサイレンススズカに通る。
トレーナーが言葉を選んで伝えて、その反応は手で口と鼻を隠す驚愕というか信じられないというようなものだった。少し予想と違う反応を見ながらあなた達はサイレンススズカがどうしたいかを聞く。
視線を下に自分の足に向けたサイレンススズカ。そうして戻されたものはあなた達を射抜く眼光だった。
そうなればあなた達が言えることはなにもない。
「ありがとうございます。伝えるのもとても大変だったと思います。けどレースも故障も心配もなにもかも振り切ってみせます。先頭に立つのは私です」
決意の言葉。頼もしいかぎり。
例え途中に故障が発生してもあなた達は近付かない。まだゴールを目指して進んでいるかぎり仲の良いスペシャルウィークだろうとトレーナーだろうとあなたは行かせる気はない。
隣のトレーナーから驚いた声が聞こえる。
「それでお願いします」
はっきりと答える。同年代と比べて覚悟が極まり決まり過ぎではないだろうか。好感は持てるが心配になるレベルだ。
そこであなたは納得する。先の発言の心配も振り切るという言葉。
あなたはカロス地方を旅をしたあなたよりも才能のある少女のことを思い出していた。
もしあの少女と同じ才覚ならリオルの見た未来を越えるかもしれない。
あなたはほんの少しだけ期待した。
「楽しんできます」
その言葉を最後にサイレンススズカはチームから離れていく。あなたはリオルが言っていたことが理解できていた。あんなもの見ただけでわかる。
確かにまだ許容範囲が残っている。
レースが始まり、先頭はサイレンススズカ。
千メートルのタイムも聞いた通り。
加速に加速を重ねていく。既に実況が把握できないほどバ身差があるのにもかかわらずサイレンススズカは加速をやめない。
文字通り振り切るつもりなのだろう。
壊れるよりはやく壊れ切るよりはやく浮き彫りよりはやく。
そしてその成果は現れている。リオルの話では中断したレースなのに実況が残りの距離を響かせている。
このまま大逃げを誰もが熱く期待している中、あなたはゆっくりと変色していく彼女を冷めた意識で見ていた。緑が黄色、そして赤に。
変化は顕著で一瞬だった。沸き立つ空気が静止するのを肌で感じる。
速度が保てない、フォームが崩れる。
他の人にはそこが限度なのだろうがあなたにはくっきりとその顔色が見えていた。
なんという表情。喜色が掻き消え、顔を伝う汗すら不快に感じれず、下唇を噛みながらそれでも、足を止めない。一歩の度、雷が脳を突くだろうに。
倒れず進む。それはあまりにゆったりであれだけあった絶望的な差が刻々と縮まる。
誰も割って入れない。止めれるわけない。
あんな決意を誰が。
長い長い時間。流れていく筈の景色が停滞している。
彼女達も足を緩めない。みんな揃ってゴールなんてそんなもの彼女は望んでいないのだから。
きちんと勝ったものと負けたものを区別しなければ彼女にとって最悪はやり直しだから。
倒れそうになる彼女に地面を抉る音が近付いてくる。
スズカ!
スズカさん!
走り抜けたウマ娘に聞こえたのは喝采でなくそんな声だった。
○おくそこに ひそむもの
届いたのは感情だった。
天を衝くような悲しみだった。
そしてそれはディアルガもまた感じ取り、遥かな果ての女神まで及んだ。
失った悲しみ。会えない悲しみ。思い出す悲しみ。失墜の悲しみ。
ありとあらゆる悲しみだった。
もう失うものかと決意は折れ、探す気力もそこがついた。
そんな存在を女神は見つけた。
そして思う。このコなら、と。
あのトレーナーを連れて行ってくれるではないか、と。
女神が力を振るう。ポケモン世界に通ずる穴を作るのはこれで二度目であるが故にその道は簡単に開く。
サメハダー岩、そこに異界の扉が開く。
しかし、女神が行ったのはあくまで繋げることので引き寄せることはせず、異界の入口を作っただけだ。
ただの穴。だがポケダンにも似たものがある。
それはダンジョン研究家のブラッキー達が作り出したエンターカードと呼ばれるダンジョンの入口を作り出せる代物。
星の接近や時空の乱れなどにより発生する不思議のダンジョン。それは異界と呼ばれても不思議ではない。
そうしてこの二つは似通った効力を発揮する。
女神が作った方向性のないただの力はその形を定められる。
故に女神が作り出した入口は名は未来ではこう呼ばれる。
マグナゲート
時空の叫び
時間が流れている場所のみ発動する能力。触れたモノに関係する過去や未来を見聞きできる。
ただリオルが使い方がわかっていないため不安定。
時間の流れていない所だと発動しないことをリオルは知らない。
なので未来世界でも僅かにでも時間が流れていれば発動する。つまりこの世界は時間が流れていることがわかる。
探検隊
男の子夢憧れ。でもやっていることは死者の最後の寝床を荒らす不届き者で冒涜者。
未知の暴く侵略者。でもロマンある。
カフェの信用と信頼
カフェ・マックイーン>ウララ・オグリ>タキオン・ゴルシ>理事長・カイチョー>女帝の図。
カフェの好感度高くて草。テイオーは秘密。
他ウマ娘はタキゴルの≧のイメージ。
マグナゲート
ポケダンマグナゲートと∞迷宮。サザンドラすき。
○また なにかみえた…orわきあがるふあん
時間は止まったまま。
他にもスペスズ部屋ではおやすみなさいのbgmの候補もあった。
ポケダンの話をする時は基本それにあったbgmを添えている。みんなも考えて聞いて見よう。ウマ娘bgmもよき。
サーナイトがこの物語に登場するのにも裏設定ではちゃんと意味があります。ストーリーがそこまで続けばいいですね。
週一投稿じゃない?ちゃんと意味ありましたとも。
今まで?それはあるやつとないやつ混合してます……。
そして更新速度は戻る予定です。まだポケダンやれる時間を捻出できるので……