〇〇の(ポケモン)トレーナー   作:カナーさん

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ダイワスカーレット ヌオー まさかの並び


ダービーの開幕

 

20oo:01:30

 

直前までなにをしていたかはもう覚えていない。

唯一覚えがあるのはそのピリついた感覚。

正午のほんの少し前。

ひどく覚えのある感覚が全身を駆け巡りあなたは静止の声を振り切って、弾かれるようにアクセル全開で走り出していた。

 

速度をブーストしようとボールに手をかけて、足を動かしたまま手の動きが止まる。

 過去にペットボトルロケットなどを打ち上げる遊びを目論んだあなたはスピカのトレーナーに見つかり中止した。なんでもある高さを到達するとレーダーに写るので申告が必要なるんだとか。

 

 防衛網__でいいのだろうか。それを侵入、誤認はあなたとしても避けたい事項ではあるが目測百メートル以下を飛ぶ程度の玩具を捕捉する性能の機械があるのだろうか。

 ならば多少この世界の科学力を見直す必要がある。

 

 ポケモン世界では科学力というのは街、町によってまちまちで標準というのが決めづらい。

閉鎖的で自然と共に生きる自給自足。木漏れ日とカンテラだけが足元を照らしてくれる光。

インフラが整備され空へ伸びる高層建築。突き刺す太陽光とネオンが昼夜変わらず輝く。最近では液晶もなかなか。

 社会の教科書を閲覧している気分になる。

 

 発展具合を推し量るなら水を求めるといい。

 前者なら川から汲まれたものを渡される。

 後者なら栓を捻ったものを渡される。

 

 流石に上記のようなはっきりとした差が隣接した土地はあなたは見たことがないが、それでも発展の差が大きいことはよくある。

 けれどこの世界はあまりその差は感じない。公園に水道が通っているのは当たり前だし、道の舗装も進んでいる。むき出しの地面だとしても電線や標識があることから整備されていない未踏の地というわけでもない。人の手が行き届いた、踏み荒らされた場所がほとんど。

 ポケモン世界では振れ幅が大きい科学力もこの世界ではおおよそ皆享受できる標準を測ることはあなたでも容易いことだった。

 

 忠告されたのは物体。生体ではない。そもそも空を羽ばたく生命体が存在する中でそれら全てを捕捉して確認しているのか。それはない。カメラも資源(じんいん)も技術も時間ない。ヘリコプターほどの高度と数なら話は別だろう。事後確認も用意で目撃情報も見込める。

 なのであなたが"そらをとぶ"で距離を短縮する場合は低空飛行ならば危険はない。ラティオスのような雲の上も通るようなものは危険。あなたはそう判断した。

 

 そこで、ずきっと。

 あなたは顔を歪める。脳の内側から何度も針で刺されるような痛みが襲う。

 それに伴ってこの世界の夏の夜に感じた耳障りな羽音の不快感があなたを覆う。それらを払うように頭を振って、あなたは思考を続ける。

 

 なにより今は非常事態。この状態を収めるには神様の力やそれに準ずる力が必要だ。

 そしてその後処理は必ず行われる。

 なぜなら既に事は起きてしまったのだ。事前に食い止めることも可能であったはずなのに、それを処理できる能力はあるはずなのに。

 故に非常事態。不測の事態。対応は既に後手だ。そしてここまで大事なら多少の問題はさほど危険ではない。

 どのように処置するかは不明であるが、例として記憶操作であるとするならばあの○。あの星を記憶から隠すならここであなたがポケモンの力を借りて、それが例え誰かに見られたとしてもあの星を隠す過程であなたのことも忘れるはずだ。当人には関連性は見いだせないだろうが第三者には悲鳴ものだろう。きみが悪い。いい気味だ。

 

 それに例え本当に見つかってネットの広大な海に情報が拡散されたとしてもタイミングから考えてフェイクだと思うものが大半だろう。神様の効力が及ぶなら隠され、例えそうでなかったとしてもこれ以上この世界にポケモンは存在しないのだから、情報の更新はない。後は時間が解決してくれる。

 

 カチッと痛みの最中で選んだのは通常のモンスターボール。それを走りながら前へ投げる。

 空中で開いたボールは中から光を掃き出してあなたの手元に戻す。そして掃き出された不定形の光はボールが手元に戻るころにははっきりとした輪郭を取り戻し、あなたの前を先行するようにバサッと羽ばたいていた。

 

 その背にあなたが跳び乗ると、赤と黒の羽を舞わせて高速で飛翔を開始するポケモン。

 電柱の上を飛び、ただ真っ直ぐ渦中へ急ぐあなた。ポケモンの暖かさと風を切る感触に体がリラックスしたのか痛みは引いてあなたは少し余裕ができた。

 

 変わらずピリついた感覚は拭えず、頭上に浮かぶ星も眼下にごった返す群衆にも変化など見られない。

 あなたにとって誤算だったのは起こった問題が誰の目にも映る頭上にあったこと。当初目撃情報など視線が下向いている現代なら数えれる程度と算出していたが目標が上にあるなら視線が上を向くのは当然。 

 

 ならば逆に陸路への視線が減少したがだからといってそちらを行くなどありえない。

 溢れる人々。首都など考えたくもないがそれから離れたこの地でさえ、障害でしかない。それに経路を決める手間がない。ただ真っ直ぐ進むだけでいい空路はそれ程までに魅力的だった。

 

 とはいえ危険因子を野放しにするほど今のあなたは楽観主義になれない。

 今日はあいにくの晴れ。曇りであればまだ決断を迷うことはなかったというのに素晴らしいことだ。気分は酷くなるばかり。

 上等だと、あなたは即決してその前に電話を掛ける。

 

 

 

 

 膝を震わすバイブレーションにムッとしながらお預けをくらったデザートの刺さったフォークを置いてそのウマ娘は通話に応じる。

 

「なんですの?私の楽しみを邪魔をするほどの大層な用事じゃなかったら承知しませんわよ」

 

しかし顔に浮かべた表情は電話口から漏れた声を聞いて色を変える。

 

「いいですわ。貴方からそんな言葉を貰え__ってちょっと!切れてますわ。言いたいことだけ言って……もう」

 

 

 

 

 地上の景色が模型ほどまで小さくなった高度をあなたは進む。

 "そらをとぶ"のように目的地が把握出来てないため速度は遅めだがちゃくちゃくと目的地に近付いてくるのを感じ取るあなた。

 

 あなたの感性でも遠目に鎮座する星は首都よりも遥か遠く、あなたはまだ知らない地北海道上空__上空という言葉は正確ではないが上に陣取っている。

 それなのにあなたは首都のこの地で強烈なプレッシャーを深く味わった。特性の"プレッシャー"ではない。ギラティナ達から放たれる格上の重圧。蛇に睨まれた蛙の言葉が表すもの、色なきもの。

 それ故にあなたは元凶がこの地にいると考えていたのだがしかし目的の場所周辺にその姿は見えない。

 

 一瞬、ゼルネアスのフェアリーオーラのように残滓に引かれたかと考え、幸いそのまま見送る。

 

 頭上の星が一滴の墨汁が水を染めていくようにがゆっくりとその姿が消えていく。

 それでもあなたの目は誤魔化せない。

 消えたように見える星は未だ鎮座している。あなたにも見えないがそれでも見えてくるものはある。

 星が存在した場所を睨みつけていたあなたは久しぶりに震えるような激突音を拾う。

 

 あなたを乗せたポケモンは指示通り音の発生源へブレイブバードで急行してそこで衝突しているピカチュウと見たことがないポケモンがいた。

 

 ある程度覚悟はしていたあなただが改めてこのウマ娘の世界にポケモンがいることに感動しながらも身を引き締める。知っているポケモンがいる安心、知らないポケモンがいるワクワク。

 それでも危機感は忘れず引き締める。 

 

 あなたはそのまま二体が衝突している所へ割り込むようにブレイブバードを継続させる。

 

 あぁぁぁらららららい!!

 

 そんな咆哮と共に突っ込んだからか二体ともお互いを弾くように離れてその間をポケモンは通過し、あなたは飛び降りて着地する。

 

 あなたは手を挙げながら呼びかける。どうか戦うのは待ってほしいと。

 

 ピカチュウの方は頬を稲妻で瞬かせ、にらみつけたような視線は健在だが動き出す様には見えない。

 だがもう一体。ドククラゲの様な風貌にプルリルの様な可愛らしさをもったポケモンの動向が覗えない。

 フワフワと空中を漂う未知のポケモン。その体にある触手があなたに矛先が向けられたタイミングであなたは高らかに攻撃を宣言する。

 

 周囲を旋回していたポケモンはあなたの指示通り"はがねのつばさ"を未知のポケモンに叩きつける。

 それに目標がブレてあなたの周囲を"パワージェム"の四本の光が空間を走る。

 屋上の地面を削る威力を見るに明確にあなたを害そうとしている。

 

 感触を見る限り効果は抜群のように見える。タイプがみず・どくの想定ではがねタイプのワザでHPの調整をする選択したのだがまさかの事態。はがねタイプが効く上に"パワージェム"を覚えるポケモン。

 こおり・いわ・フェアリーが未知のポケモンのタイプ候補。まぁいわタイプはないだろう。あなたの経験談だが"パワージェム"を覚えるポケモンは大抵いわタイプじゃない。いわタイプで習得できるのはサニーゴ、ルナトーン、ダイノーズ、ギガイアスにメレシーの五体ほど。進化前は省いているが数いるいわタイプの中でこのコ達しか使えないのだ。いわタイプのワザなのに。

 むしろいわタイプ以外のデンリュウやムウマージ、ビークインの方がこのワザのイメージが強い。

 他のスターミー、ヤミラミ、ブーピッグなどを含めて六体は覚えたはず。この時点でいわタイプが他タイプの習得数で負けている。のでいわタイプのイメージがない。その上で未知のポケモンのタイプを予想するならエスパー・フェアリーだろうか。

 

 とそこまで思考を回して未知のポケモンが地面に倒れる。タイプ把握に、防御のタフさを推し量る為の一撃でHPが赤いラインまで到達してそのまま振り切れる。

 様子見で指示したワザでまさかの確一を決めるとはあなたも予想出来なかった。相手の装甲が薄いのかそれとも四倍弱点か。

 

 未知のポケモンはブルブルとシャンプーハットのような、かさを触手で抑えたままビルの屋上から立ち去ろうとする。仕草だけ見るなら少女が大きな帽子を抑えているように見えるが多分あれは嫌がっているのだろう。

 

 ここで追撃して叩き落とすのも手ではあるが弱っているポケモンにこんな高所から墜落させるのは気が咎めた。 

 ここはピカチュウの様子で判断しようと顔を向ければピカチュウは先の"パワージェム"で削れた隙間から内部に侵入していた。

 情報の更新はないという想定も崩れつつあるが飛行手段のあるポケモンをあなたは優先させる。決してトレーナーとしての知らないポケモンをゲットしたいとかそんな欲求に負けたわけでは断じてない。ない。

 

 

 

 

 ポケモンの背に乗り追いかけるが長いこと飛行するのは目立つためあまりよろしくない。

 なのである程度進行方向に先回りさせることで進路を限定させる。それでも都会なので良い立地がない。

 ウマ娘界隈に力のあるメジロ家に頼ってもジャンル違いで力になってくれないかも知れないがあなたは迷わず周囲を木々で覆われた豪邸付近に誘導する。

 果たしてそれは成功した。

 

 飛び降りて、あなたの対角線上にポケモンが割り込む。瞬時に捕獲の為にポケモンを入れ替えようとボールを取り出したタイミング。

 弱って体はもうフラフラのはずなのにそのポケモンは建物の窓に突撃して中に侵入する。

 弱っていることもそうだがポケモンは元々人間の作った建物にむやみに入ったりはしない。はがねタイプであったりチリーンだったりとこれまた例外は存在するがいくら非常時だとしても弱っている状態で外敵が多い場所へ自ら飛び込めるか。

 

キャーー!!

 

 という叫び声と共に地面を蹴る。手に持ったサーナイトのボールをしまい変わりに投げるのはどこで手に入れたかあなたにもわからないプレシャスボール。

 ボールと一緒に建物の中に突入すれば未知のポケモンが人間に迫っていた。

 

 コン、パッと地面接触したボールが開かれ中から電光石火が如き猛スピードでリオルがまきつこうとしていたポケモンに滑り込む。

 

 建物の中はなにかのパーティーの途中だったのか大きなホールのような大部屋に大きなテーブルが多数に多くのケーキなどの料理。壊れた窓を中心として離れていく人々。

 

 リオルが大きく腕を震わせ拘束を解き放ちポケモンが空中へと離れる。

 サーナイトと同じサイコパワーの予兆を感じ取り、あなたは"でんこうせっか"ではなく"こらえる"を指示する。

 不思議な念波が螺旋を描きながら直進してリオルに直撃する。その衝撃が周囲に伝わり人間が驚いて弾かれてもリオルは動かない。

 

 "サイコキネシス"を危険予知したあなたからすれば肩抜かしだったがそれでもエスパータイプのワザを覚えれるのは脅威だ。エスパータイプの可能性が高い中でもあなたはタイプ相性不利の一番はやいリオルを選択した。

 

 自分の攻撃を正面から受け止められたのがショックだったのかそれともリオルの眼光に怯んだのか。ポケモンはリオルから逃げ出す。

 

 明確な隙。あなたは捕獲の為にバッグからクイックボールを手にして投げようとした所でポケモンの進路方向に一人の小さなウマ娘の影が。

 

 あなたは不味いと駆け出す。

 その一人が逃げていたのならあなたのボールがポケモンに接触するほうがはやい。しかし一人はその場でポケモンと対峙するように留まっていた。

 例え物理攻撃が得意でないポケモンでも大人を弾き飛ばすくらいの力はある。おそらくポケモンは特殊の方が得意だろうがサザンドラのように物理も申し分ないレベルは存在する。なにより今のポケモンはとても攻撃的だ。

 

 あなたの視界で触手が前方へ、一人へと向けられる。

 でもあなたの決断の方が早かった。

 空洞になっているように見えるポケモンの中から紫色の液体"アシッドボム"が吐き出される。

 

 空いている左手でウマ娘を抱き寄せ、ボールを掴んだままの右腕で被せるように頭を守り、右肩に被弾する。

 

 溶ける衣類と繊維。落ちる肩掛けバッグ。

 阿呍!!と覚えてもいない"ほえる"が炸裂する。それはワザではないためなにも起こらない。しかし確かにその動きでポケモンの進行は一瞬停止する。

 タイムロスを考え、あなたが手を伸ばすのはバッグではなくて他のモンスターボール。ただ伸ばすのは灼熱の痛みを発する右腕でだ。ポケモンに背を向けたままの体勢のあなた。カチッと飛び出すあなたのポケモンに目を向けずあなたは"サイコキネシス"を指示する。

 

 プルプルと震えていた未知のポケモンの動きが完全に抑え込まれる。

 

 そのまま膝を折ってウマ娘を掴んでいた手を離してバッグに突っ込む。目をくれる必要はない。

 

 掴み取った紫色のボールを体を大きく使い、左手で投げやりに放つ。

 

 コツンと接触したボールは開いて接触したポケモンを白い光として中に吸収する。ここからポケモンの抵抗が始まり、捕獲が失敗することもあるため近付くのは危険だがあなたは歩みよる。

 

 一切の抵抗なくゲットした音が煩い部屋の中で響く。

 後処理とか口封じとか詰問とか様々なやらなくてはいけないことが増えているがトレーナーとしてこれだけはやらずして終われない。

 紫色のボールを頭上に掲げてあなたはこの世界に来て一番嬉しそうな声で叫ぶ。

 

 ポケモン、ゲットだぜ!!

 

 

 




手持ちの公開情報
サーナイト ゾロアーク リオル ??????(New)
????? ?????

応じた理由
「上から順に電話されてると言われて一番上にあったから、と。それとたすけてほしいと申されたので。決して一番上であったことが嬉しくて聞き入れたわけではありませんわ」
「モルモット君からコールなんて珍しいからねぇ。三番目であることは不服だがそれはそれとしてあんな声を聞いて断ることができるほど私は人格は破綻してはいないよ?」

AAAALaLaLaLaLaie!! イスカンダルの咆哮

パワージェム 
あなたはまだアローラに進出していないのでペルシアンが覚えれることを知らない。メテノも知るはずがない。
おそらくこのワザの選定理由は結晶である。ペルシアンなら額の。スターミーなら真ん中のコア。なのでいわタイプの習得者が少ない。

確一 確定一発。一撃で相手を倒せること。未知のポケモンことウツロイドはLV50想定。一応計算しても確一でした本当にありがとうございます。

リオルが一番はやい この作品で事前になんの強化もなかったら確定で先手が取れる。元不思議のダンジョン出身。

紫色のボール マスターボール。絶対にポケモンを捕獲できるボール。あなたにとってもとてもとてもかなり本当に貴重なモノ。
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