〇〇の(ポケモン)トレーナー 作:カナーさん
FGOのイベントをしながらBwのゾロアークを話を見てました。あの話ってN様よりも後の話なんやな。
そして次回にオーキド博士がロトムと戯れる回。声を聞いて感情がごちゃごちゃになりました。
ポケットモンスター縮めてポケモン。
この世界の不思議な不思議な生き物。あるものは空にあるものは陸に。またあるものは海に。この世界の至るとこで見ることができる。その種類は600.700.800それ以上かもしれない。
ポケモンの数だけの出会いがありポケモンの数だけの別れがあり、ポケモンの数だけの物語がある。
ポケモンと人間は友としてパートナーとして、力を合わせ、またあるときは敵として対立し、争うこともあった。そうしていくつもの物語を紡ぎ出してきたのだ。
そしてまだ見ぬポケモンがこの世界のどこかにいる。
もしかしたらそれは私達の知らない世界からやってくるかもしれない。
〇チリーン
「ぞろあーく?ぽけもん?」
あなたの正面に座る、祝杯の主役であるトウカイテイオーは未知の言語をオウム返しした。
…。この世界での犬で例えよう。
犬は生物名だ。最も正確にはイヌ科哺乳類、と詳しく分類できるのだが割愛。そして品種として柴犬、プードル、チワワ等存在する。
ポケモン、正式名称ポケットモンスターは生物名であり、品種としてゾロアークという種が存在している。
犬という括りに柴犬が内包されているように、
ポケモンという括りにゾロアークが内包されている。
ウマ娘的にはウマ娘という括りに彼女やメジロマックイーンが内包されているのと同じである。まあ違うのだが頭にひよこが回っている彼女には一番わかりやすいだろう。
更に分かりやすくゾロアークがポケモンである証明はできる。それこそゾロアークにしかできないやり方が。
「例えばこんなことできるよ」
ニシシッと笑いながら彼女にはない赤黒い毛先を撫でてから、あなたの横に座るゾロアークはスッと壁に向かって指を向ける。
指に釣られて伏せたままの彼女とメジロマックイーンは壁を見つめる。
ただ壁だ。特質すべきことはない。…なにも変化はないようだ。
「なにもないようですけど_!!」
「どうしたのマックイーン?」
彼女の隣に座るメジロマックイーンへと壁から視線を変えるため体を起こせば、正面にはあなたといつの間にかその横にメジロマックイーンの姿が。
「あれ?ボクの偽物は?あといつからそこに座ってるのさ」
「"私"はテイオーの横の席から動いていませんわよ?」
「声まで同じですの!?」
なにを言って_と彼女は口を動かそうとして隣にいる存在に声を掻き消される。
素早く横を見れば尻尾を逆立てるメジロマックイーンの姿が。
あなたの横に視線を向けて、丁度あなたの横にいる存在と彼女の横にいる存在の中間地点に視線を固定する。
「_マックイーンが二人いるぅぅぅ!!?」
○
「そんなに驚くことでもないでしょうに。世の中には瓜二つのドッペルゲンガーなる存在がいるとまことしやかにささやかれているでしょう」
まことしやかは本当と思っていないときに使う言葉だ。
「あらそうですの?なら瓜二つの姉妹とか」
「とぼけないでくださいましっ」
メジロマックイーンの言葉が強くなる。あなたもゾロアークも驚かせる腹積もりであったが怒らせるつもりはない。
あなたを見るゾロアークに頷けば、一瞬だけメジロマックイーンの眉が吊り上がる。
素直にゾロアークはメジロマックイーンの姿を歪ませ、トウカイテイオーの姿になる。
メジロマックイーンの顔を見れば不服そうではあるが先ほどの怒りの感情は見えない。
「ってなんでそこでボクの姿になるんだよ。マックイーンの姿になれるくらいならボク以外にだってなれるだろ、なんでボクなんだよ」
それはあなたも気になっていることだった。おおよその理由は把握しているが具体的な事情までは知らない。この世界に来る前のメイちゃんポジになぜ彼女が選ばれたのか。
「そんなの簡単だよ。ボクが一番長く見てきたのがテイオーだったってだけさ。ボクは他人に化ける時はその人の仕草や口調を模して本人ですら戸惑うレベルを目指してる_キミ達にわからないだろうけど化けるものとしてプライドがあるんだよ。だから一番レパートリーがある、キミなんだ。あと趣味」
最後が大部分を占めているとわかったのはあなただけだった。他二人は意外と納得の顔だった。走ることに脳を囚われいるウマ娘には、会長への憧れとメジロ家の矜持という誰にも譲れないものをもっている二人はすんなり理解できた。…なんで?
ゾロアークが二人の相手をしている間にあなたはいそいそと準備を進める。どうやら全寮制というのは事前に外出届けなるものを提出しないと色々面倒らしい。時間は有限。
あなたは道具がなくて断念していたポフィン、ポフレに急いで挑戦するつもりだ。とはいえここまで長く作らない期間はなく、また手に馴染んだ道具でもない為、調子が出ないと思っていたのだが思いの外違和感はない。
メジロマックイーンが呼んだじいやの腕が確かなのかあなたの腕が鈍っていないのか、真実は定かではない。
「ところでキミはさっきから鍋や器具を持ったりして、なにをやってるのさ?」
会話に興味がないことに気が付かれたのかあなたへ話の矛先が向く。
祝い事に隠し事はしない。素直にポフィンとポフレというお菓子を作ると答える。
それにウマ娘三人の表情が変わる。
ポロックキットだけは運良くバックに入っていたのでポロックの作成は出来たのだか言ってしまえば他の美味しいお菓子を我慢させるどころかむしろ恋しくさせていたのをあなたは知っているので楽しみしていてくれと彼女の姿のままのゾロアークを撫でる。
「キミ料理できたの!?」
「貴方料理できましたの!?」
心外である。
あなたは旅の息抜きでポケモンに振る舞う料理の半分はあなたが作っている。もう半分は面倒なので市販だったりきのみをそのまま出している。
ちなみにガラル地方のカレーライスという料理を振る舞うと手持ち全員が喜ぶので作りたいのだが、これも材料と器具がない。ヤドンの尻尾を使うしっぽのくんせいなどはもう使えない食材だ。
…手持ち達にもないしょだが実は食材自体はある。ただもう手に入らない代物であり、旅先で補給をしようと考えていたので数がとても少ない。マスターボールと同じくらい数がないと言えば、トレーナーであればあなたがどれほどこの世界で希少扱いしているか理解してもらえるだろう。
そういう訳であなたはレシピさえあれば不格好であるが料理は人並みにはできる。
確かにきのみを面倒なので生で食べるあなたであるが アイリスちゃんのような野生児ではない。
「りんごを素手で潰して食べる人の発言と思えない」
面倒なので素手で及ぶこともあるが爆散してしまうのでこの世界ではもうしていない。
※爆散したりんごはスタッフ(ポケモン)が美味しくいただきました。
適度な茶々を貰いつつ完成した。
「「…えっ?」」
ゾロアークを呼んで味見を頼む。自分でするのが普通なのだが先に食べてズルいと言われるので仕方なくだ。
「待ってください。今鍋に果物と水を入れて掻き回していましたわよね?なのになんで型に入れて冷やしたものが鍋から出てくるんですか」
せっかく作ったので食べてほしいのだが、やはりお嬢様には過ぎた配慮だったようだ。ゾロアークに全部食べていいと指示する。
「誰も食べないと言ってませんわ!」
パクッと一口。
目を見開いたかと思えばそのままパクパクと無心にポフィンを口に消失させていく。
ゾロアークに食べさせる予定のものを全て口に含んで飲みんこんだ後、妖艶な表情を浮かべたと思えば赤から青へ顔色を変えていく。
ゾロアークの分まで食べてしまったのに気が付いたのだろうか。
「カロリー…」
違うようだ。
しかし、たかがお菓子を十個ほど食べただけなのにそこまで顔色を変えるのか。
「マックイーンは体重の変化がスゴイんだよ。いつも減量に苦しんでるんだ」
それを横目にさぞ美味しそうに彼女は食べるのだろうなとあなたは思った。やはりクソガキだ。
あなたは次の調理をしながら考える。
さて、しかし減量。
あなたには縁のない話だ。そもそも食事を摂らなくていいあなたは料理は趣味の範疇を越えない。
ポケモン達も大食いのカビゴンを含め、重さを気にしたことはない。カビゴンはやる時はきっちり、その巨体から想像出来ない俊敏を見せるのでやはり痩せさせるということをあなたはしたことがない。
バトルでけたぐりやくさむすびは相手が重いほどダメージは大きいが食後だからといってダメージが増えた経験がない。
そしてあなたはそこで逆なのではと仮説をたてる。
そもそも。あなたは旅の中で問題になるレベルでお腹が大きい相手というのがやまおとこくらいしか見たことがない。けれど彼らのアレはむしろ意図的にそういう体型をしているのだと何処かで聞いた。そしてその体型を維持するのも難しいとも。
厳しいポケモンの自然界のことは考えれば、常にその身にプレッシャーが掛かる。ワイルドエリアなるところでジムリーダーですら遭難するという話も聞くので間違いでは無い筈だ。
…仮説までたてたがあなたが出したい結論は、きのみで作ったこのお菓子はカロリーはそれほどないのでは?という話だ。
スッと出来上がったお菓子を差し出す。
「えっヘルシー?」
きのみのアイスならいざしらずこれは水ときのみである。きのみよりも圧倒的にカロリーがえげつないヒウンアイスやいかりまんじゅうやフエンせんべいを食べまくってお顔が少し丸くなっている彼女を見ればきのみのカロリーなど気にすることなどないことは明白だろう。
「!?」
「で、では」
ことポフィンに限っては遠慮ないらないだろう。
恐る恐る出来上がったお菓子を掴み口にくわえる。
「貴方は神か」
お嬢様なのに食い意地があるお嬢様というのはあなた好みだ。しかしあなたはポケモントレーナーだ。二柱に加わるつもりはない。
「待ってボクの顔が丸いってどういうことさ!?」
ゾロアークとメジロマックイーンがパクパクと消費していくのを後目にあなたはポフィンを作り続ける。
そこに復帰した彼女があなたに詰め寄る。
自覚がないようなのであなたは一旦手を止め、彼女の顔を引っ張る。程よく伸びるそれはいい反応を見せて引っ張る側にやすらぎを与えるだろう。
「イテテテ」
安心してほしい。あなたはこの感触を放漫させる気はない。程よく肥えさせて感触も調整してみせる。楽しみにしてほしい。
「ゼンゼンウレシクナイヨー!?」
結局、あなたが彼女の為に作ったお菓子は主役の口に入ることはなく、ほとんどがメジロマックイーンに吸い込まれた。
解散した後に、ゾロアークだけズルいと手持ち達に抗議され、あなたは再びメジロマックイーンに会いに行くことになる。
彼女…トウカイテイオーは後日からダイエットを始めた。
「テイオーが先に帰ったのでお聴きしますが貴方のその…ポケモン?でしたか異世界から来た話も含め私に話しても良かったのですの?」
勝手に言いふらすつもりだろうか。それならばあなたも然りとした対応を示すつもりである。手持ち達を出し惜しみせず十全に発揮して徹底的にやる。ダークライがいれば手っ取り早いのだが仕方ない。
「い、いえけっしてそのようなことは。墓場まで持っていきます。ですが私と貴方に信頼足る要因がないのも確かなはずです。どうして私に話しても大丈夫だと思ったのかよろしければ教えて頂きたくて」
いやなら忘れてください、とあなたを気遣うような言葉。
…。
あなたは誰か漏れたなら誰かがあなたの敵となった場合容赦はしないがただ疑問に思ったことを質問されたくらいでうるさいと、はかいこうせんを撃ったりしない。
バトル後、対戦相手から質問されることはよくあるのだ。いやなら嫌と突っぱねる意思表示さえあれば配慮する。少なくともそういう人間でありたいとあなたは思う。
なのでそんなに神妙な面持ちをしなくていい。あくまで漏らされた対応を答えただけであなたはまだなにもしていないのだ。まるで前科があるような対応はやめてほしい。
…。
あなたがメジロマックイーンを信頼できる理由。
それはメジロマックイーンだから。
それ以外の理由はない。
「…はい?」
あなたは記憶の限りでは今日初めてメジロマックイーンに会ったはずである。
なのにあなたはメジロマックイーンの名前を覚えている。まだトウカイテイオーの名前すら覚えていないので彼女呼びしているのに。
「…!」
メジロマックイーンがいきをのむ。
あなたが意図的名前を覚えた相手。ならばそれだけであなたがメジロマックイーンを信頼するのに十分だ。
「…そうですか……ありがとうございます」
チリーン チリーン
ポロック
ポフィン
ポフレ きのみから作るお菓子。アニメでも活躍する。セレナとミルフィの回だったかな。サトシのセリフもけっこう印象的。ゲームだと意図的にポフレを落とすとポケモンが悲しむ。ゴメンネ…。
喋るゾロアーク アニメではジョーイさんに化けて会話し、ゲームでは迷いの森に女性に化けてその姿のまま襲ってくる。対戦画面はお察し。
特性はイリュージョンなのだが音すら欺けるのはやはりポケモンである。
あなたのゾロアークは肩車が好きである。暇な時はテイオーの姿であなたの上にいる。
あなたはせめてジャージ姿でやってほしいと思っている。制服は流石に問題だろう。