『おお、同志よ!』
--みほちん------------
新「艦娘」グラフティ6
第10話<明石の心証>
---------(第17部)---
「聞こえる?」
受信機から大淀の声が伝わる。
「感度良好、目標へ向かいます」
返事をしつつ私は照り付ける太陽の下、第一歩を踏み出した。
何となく電ちゃんや長波も車内から固唾を飲んで私を見守っている感覚を受けた。
(装甲車内は緊張しているな)
今のところ砲弾も何も飛んでは来ない。
私の電探も総動員され検知信号が逐一伝わってくる。
こっちも緊迫感で一杯。
だが久しぶりの最前線に私自身の血が騒いでいることに気づく。
(はは、やっぱ艦娘だよな)
足場の悪い荒れ地だが。
目標地点を目指して私は歩みを進めた。
(久しぶりの前線か)
今は工廠に居ることが多い私。だから縁の下の力持ちが多い。
前線での緊張感は工廠や机上での作業とは雲泥の差がある。
鳥肌が立った。つい身震いする。
(いや、こういう場合は『武者震い』かな)
その思いは一瞬だったが。
「どうしたの?」
すかさず無線から大淀の確認が入る。
「いや」
私は自分の緊張を解(ほぐ)すように取り繕った。
「前、前線でサ、修理任務をこなしたことを思い出してね」
すると意外にも無線の向こうで大淀も笑っていた。
「ふふふ。貴女、工作船だから修羅場は幾つも通過してるわね」
その言葉に『おお、同志よ!』 と、叫びたくなった。
「そう、今思えば信じられないものをたくさん見てきたわ」
一歩一歩、前進しながら呟き続ける。
「南方の環礁で燃え盛っていた高速戦艦。そして暗闇の敵を貫く探照灯」
誰も何も言わない、ちょっと調子に乗ってみた。
「そんな思い出も、やがて消えゆく。時間と共に」
(この音声は鎮守府の司令部にも伝わっているかも知れないな)
さすがにチョット、お遊びが過ぎたかも。
でも腰の高い叢(くさむら)を越えた瞬間、目標物が見えた。
そこでハッと我に返り反射的に叫んだ。
「目標発見!」
報告と同時に周りを見渡す。
「周囲警戒、異常なし」
続けてドローン本体を確認。
「ドローン確認、送れ」
モニターで画像も行っているはずだ。
すかさず大淀から反応あり。
「実物を直接を見た貴女の心証は?」
これは意外な指示だな、と思いつつ私は観察した。
冷静かつ客観的に。
「武装は無いと思われます。また構造上、自爆装置も無いでしょうから、主電源の停止処置を具申致します。送れ」
私の見解を聞いた大淀は頷いたようだ。
「分かったわ。その如くに処置をお願い」
「イエッサー」
私は、普段と変わらずに、その場で敬礼をしてみた。
参考文献
・連合艦隊のすべて
出版社:双葉社
発売日:2008年8月5日 第一刷
・日本海軍艦艇カタログ
出版社:双葉社
発売日:2010年05月16日 第一刷
・日本海軍「艦これ」公式作戦記録
出版社:宝島社
発売日:2014年3月25日 第一刷
・映画「ブレードランナー」
ディレクターズカット1991最終版
以下魔除け
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほちん」とは
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