「では金額的なお話を」
--みほちん------------
新「艦娘」グラフティ6
第3話(改1.3)<進展>
---------(第17部)---
大淀は続ける。
「まずは長波回収の経緯から伺いましょうか」
軽巡洋艦ながら笑顔が素敵な彼女。美保鎮守府で5本の指に入ると思う。
「あ、そうですね」
ちょっと慌てたオッサン。
「艦娘が兵器なのは、ご存知ですね」
笑顔とは裏腹に大淀の口調は厳しい。相手が一般の男性だろうが関係無い。
「あ、はい。知ってマス」
相変わらず不自然な敬語になっている彼。
「艦娘を確保した時点で直ぐ連絡下されば話は早かったのですが」
「……」
大淀の態度に緩みはない。笑顔との落差が緊張感を高める。
「こんな僻地に連れてきたり人目を憚(はばか)る事情は察しますが余計な手を回すと痛い目に遭いますよ」
ジリジリと詰めていく大淀。何しろ鎮守府の主計課長である。しかも前線に出れば日本海で深海棲艦を撃破する実力の持ち主。
気迫に押されタジタジのオッサン。
「あ、お……」
少し青ざめながら額の汗を拭う。もはや呂律(ろれつ)が回らない。
彼は堪(たま)らずショップの姐さんを見る。もちろん彼女も圧(お)されているな。
「もう、そのくらいで」
ここで私は助け船を出した。彼が既に限界っぽいので。
「……細かい事情は、ひとまず置いて話を進めましょう」
この言葉にホッとする二人。
「では金額的なお話を」
さすが大淀、切り替えも早い。
『金額的?』
この時、急に私のD帯無線が受電……長波だ。人間には聞こえないが、場の艦娘には聞こえる。
『貴女を買うの』
私は単刀直入に返した。大淀もこちらをチラッと見ている。
『……』
長波は複雑な表情を見せた。
『大丈夫、私たちを信じて』
私は口を閉じたまま微笑んで応える。
『大淀は提督から全ての交渉権を受託しているから』
それに今回は急がなければならない事情もある。
姐さんとメモで数字を見せ合うオッサン。一瞬、躊躇し慎重に電卓を叩いた。
「では、これで」
大きめな電卓の液晶画面に表示された金額。オプションを付けまくったワゴン車の新車くらいの価格だな。
彼の躊躇(ためら)いも何となく分かる。そして私たちも、この取引は何しても成立させたい。
わずかな沈黙、応接室に緊張が走る。長波に大丈夫と答えた私自身も一瞬、固くなった。
だが大淀は笑顔になった。後光が差した。
「この金額で、お受けします」
「おぉう」
オッサン、安堵した溜め息交じりの返事だ。
大淀は私を振り返る。
「明石、例のマル3で出して」
「はい」
私は工具箱の底から「3」と書かれた封筒を取り出した。私たちの連携には長波だけでなく業者の二人も驚いたようだ。
もちろん中身は札束であるのは明白。様々な状況を想定して既に複数、番号が入れてある。
ここで大淀は今までとは違う満面の笑顔を見せて封筒を机上に置いた。ゴトッという鈍い音。
「現金で600あります。ご確認下さい」
「オイっ」
「はい!」
少し上ずった声でオッサンが若者に促す。彼は部屋の隅から玉手箱みたいな機械を持ってきた。
以下魔除け
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほちん」とは
「美保鎮守府」の略称です。