新「艦娘」グラフティ6(第17部)   作:しろっこ

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事態はイヨイヨ核心に近づいていく……が。



第9話<イイかしら?>

「ほぼ人間側の兵器とみてイイかしら?」

 

--みほちん------------

新「艦娘」グラフティ6

第9話<イイかしら?>

---------(第17部)---

 

装甲車は慎重に目標に向かう。

黒煙まで、あと50m近づいたところで大淀は指示を出した。

 

「電ちゃん、止めて」

「はい!」

車両が停車する。

 

と同時に私を見た軽巡洋艦。

「明石、ドローンからの電波発信の有無を確認して」

「はい。明石、確認します」

 

小さく敬礼した私は車内を移動して大淀の隣にある端末を操作。画面の反応を見つつ感度つまみを幾つか切り換えた。幸い目立った反応は出ない。

 

「報告、特定方向への送受信、無し」

そう言いつつ私は内心ホッとしていた。

 

向こうで燻(くすぶ)っている謎のドローンは、まだ得体が知れない。

艦娘とはいえ無敵ではないのだ。敵の素性が知れないうちは下手に動きたくない。

 

人差し指で眼鏡の中央を軽く持ち上げた大淀が呟く。

「深海棲艦の類(たぐ)いではないわね」

「はい、恐らく、かなりの確率で」

 

「ほぼ人間側の兵器とみてイイかしら?」

「しかし正体が分からない限りは対応が面倒です」

私たちは、そんなやり取りをした。

 

二人で改めて車窓から目視する。もちろん電ちゃんや長波も緊張している。

 

再び軽巡洋艦。

「完全に沈黙しているわね」

「はい、反撃する様子は見られません」

 

私の意見に同意した大淀はインカムに呟いた。恐らく司令部とやり取りをしているのだ。

 

数秒待って指示を受けたらしい彼女は軽く頷いた。そして改めて指示を出す。

「電ちゃん、牽引準備」

 

「はいッ」

新たな内容を受けた運転手は反射的にスイッチを操作。直ぐに車外モーターが作動し始める。

 

私は念のために自分と装甲車の電探を使い周囲を確認。

新たな動きはない。

 

「周囲に感無し。意見具申、明石が出ても宜しいでしょうか」

ゆっくりと手を上げた。

 

「お願いね」

ふと見ると笑顔のメガネ指揮官だった。

 

ちょっと機嫌が良くなったか? 正直、ホッとする。

(やっぱり大淀は笑顔が良いよ)

 

軽く頷いた私は天井に近い扉を開けてヘルメットを取り出す。

 

さて、私達の一連の行動から取り残された感のある長波だったが指揮官から指示が出た。

「長波は周囲を警戒」

 

「はい!」

大淀の言葉で急に生き生きと動き出す駆逐艦娘。

 

(艦娘は命令を受けてナンボだなぁ)

ヘルメットを被りながら私は思った。

 

「さて」

軽く運転手との通信チェックをしてから外へ出る取っ手に手をかける。

 

「んしょ」

ゆっくりと扉が開く。緊張する瞬間だ。

 

「周囲に警戒、全員明石を援護」

大淀の指示を通信で受けながら私は車外に出た。

まだ緊張感は持続している。若干の風と共に戦場らしい硝煙と土埃の臭いが漂っている。

 

(地上での最前線は何年ぶりだろうか)

つい、そんなことを考える。

 

 

以下魔除け

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