「ゲームのデバック…………………ですか?」
研究所にて、アイナはなのはを呼んで指を組み、なんか無駄に光る眼鏡をかけて重々しい口調で言った
「あぁそうだ、シンジ。お前が乗れ」
「ふえぇ!! シンジって誰!?」
そして傍にいた藍はアイナの頭を鋼鉄のハリセンでぶん殴る
ズガンとハリセンが出す音ではない音がして、アイナは地に沈んだ。死んでないのが不思議だ
「まったく…………」
「えっと……………アイナさん起きてこないんですけど」
なのはは完全に陥没してる様にしか見えないアイナを若干引きながら見つめて、その死体を指で突く
幸い、ピクピクと痙攣しているので死んではいない様だが、力尽きる寸前だろう
「さて、このアホは放っておいて……………」
「ほって置くな…………。つーか鉄で出来たハリセンなんて用意するくらいなら普通に殴れよ…………」
アイナはそれだけ言ってついに力尽きた
「さて、なのは様。今日来て貰ったのはアイナ様が作ったゲームのデバックをしてもらう為です」
「デバック……? それって確かゲームの不具合がないかどうか確かめるお仕事の事だよね」
「まぁゲームだけに限った話じゃないいんですが………その認識で大丈夫ですよ」
藍はアイナの屍を超えて、研究所の奥へ進んで行く。そしてその奥からヘルメットの様な物を取り出した
そのヘルメットにはごてごてした機械やコードが取り付けられており、そのコードの先には巨大なベッドが置いてあった
「これはアイナ様が作ったゲーム機でバーチャルリアリティ……………、まぁ精神をコンピュータの中に入れる装置ですね。VRRPGって言ってましたけど、いったいなんのつもりなんだか…………
なのはさんも嫌だったら嫌って言っていいんですからね」
藍は大きなため息をついて、めんどくさそうになのはを見ていた。なのははにゃははーなんて笑っている
「それはそうと、私はどうしたらいいんですか?」
「これを被って、あのベッドに寝てください。後はこちらでするんで」
藍はなんでこんな事になってるのでろうかとぼやきながら、パソコンを弄って準備を進めて行く。何のかんの言って、藍はやはりアイナの言う事には逆らわないのだ
なのはは藍に言われた通り、ヘルメットを被ってベッドに横たわる
「えっとこれでいいんですか?」
なのはの問いかけに藍は笑顔で答える。そんな頃、ようやく復活したアイナが、死にそうな顔をして呟いた
「………………3徹の人間を気絶させるなよなぁ。本当に死ぬぞ」
「死んだら死んだでその時です
さてなのはさん、私やアイナ様で実験してるので大丈夫だと思いますけど、気分が悪くなったり、頭が痛くなったら合図して下さい。すぐに装置を止めますから」
「はい、わかりました」
なのははそう言って、ゆっくりと目を閉じた
とある世界で海底から棺桶が引き上げられた
システムオールグリーン、問題は見られない
今回、なのはに一般的な人間の反応をしてもらう為、大した説明はしてないがアイナがVRゲームを作りたいと言って3日で作った物だ。アイナの仕事は基本的に間違いはないが、外的要因が絡んだり本人が関与しない所ではとたんに脆くなる傾向がある
今回のはまさにそれだった
「ア、アイナ様!! この数値は………」
「ッ!! なんだよこれ………誰か、いや違う。‘何か’がアクセスしてる!? つーかネットワークに繋いでないし繋げないのにどうして………」
また、アイナは不測の事態に弱い。なぜなら、殆ど不測の事態などほとんど起きないからだ。全てを記憶する完全記憶能力に卓越した思考力。それを利用すれば不測の事態など起きる訳ないのだ
だからこの前の様な魔法と言った知らない事にはめっぽう弱い。そして今、この事態もアイナにとって、解らない事だった
「何で………、くそ。なのはをこっちに引き戻して!! 何が起こるか解んない!!」
「ダメです。解除コード受け付けません!! なのは様の人格データがどこかに送信されて行きます!!」
画面に映るのはアイナにも藍にも理解出来ない数字の羅列。その中で解る物だけを読み取って、今の状態を理解する。そして出た結論は……………最悪
「これはっ……………強制転移魔法!? ダメです。止めれません!!」
刹那、端末の全て電源が落ちた。端末の中にはなのはの精神が入り込んでいる。本体にどんな影響が出るか解らない。そう思ってアイナは滝の様な汗を流していた
その後、さらに思いがけない事に全てのPCが再起動。そしてその全てがたった一つの単語を映し出した
「D………………I…………O……。ディオ?」
アイナがその言葉を言った瞬間。なのはの周囲は真っ白な光に包まれて、そしてその光が収まる頃には、なのはの姿はなくなっていた
「やれやれ、だ」
そう呟く青年がいた。その青年は通学途中に階段で足を滑らせ、木の枝で足を切ったらしい。しかし腑に落ちない事に、どう考えても落ちる前に切って、それが原因で落ちたとしか考えられない。しかし何で切ったか解らないのだ
その後、転校生を名乗る男からハンカチを貸してもらい、再び学校に向けて歩き出した時にそれは起きた
「っ? なんだ?」
突然、目の前の空間がバチバチと音を鳴らし始め、空間に亀裂が生まれ始める
その亀裂はどんどん大きくなり、次第に人が通り抜けれる程の大きさ辺りで成長を止めた。そして
16歳程度の女性を吐き出して、その亀裂は消滅した
「………………………………………………………………はぁ」
青年は、少し大きめのため息をする
それはそうだろう。なんせ少し前から妙な事が続き過ぎているのだ。数ヶ月前、自分に悪霊が取り憑き、それが凶暴になって行くから入りたくもない独房に入り、おとなしくさせる方法を探していると祖父が現れ、その悪霊の正体を知っているなどとぬかしやがった
そしてモハメド アブドゥルなどと名乗る占い師は炎を操り、ジジイはここでない何処かを念写する。さらにその様な力が自分にも備わっているなどと言い、その原因はDIOとか言うご先祖様の宿敵らしいのだ
もはや『やれやれ』ではすまない所まで面倒ごとを背負い込んでいる気がしていた所にこの女が現れた。女はぐったりしていて、気絶している様だ。格好は制服、しかし何処の物か見当がつかない。栗色の長い髪をサイドポニーにして括っている
病院に運んだ方がいいのだろうが、生憎と遅刻寸前だ。しかも次に遅刻すれば留年だと先公からありがたい忠告を貰っている。しかしそのまま放っておくのは彼の性質が許さない
「……………………フー。やれやれだぜ」
二度目の口癖を呟きながら、青年…………空条 承太郎は女を担ぎ上げ、学校への道を再び進み始めた
To Be Continuing
こんな感じです。ぶっちゃけ飽きたらスグに切ると思うので、そんな軽い気持ちで読んでください