「ん、………………ここは?」
少し固めのベッド。白いシーツに白い枕。そんな物に包まれて、高町なのはは目を覚ました
閉じ切ったカーテンに、少し雑なベッドメイキング。この場所に見覚えがあり、そしてここが何処かの保健室だと確信した
「うーんと……………確かアイナさんの手伝いでゲームをする事になって、ってことはここはゲームの中なの?」
目をぱちくりさせ、辺りを見渡す。現実の物としか思えない世界になのはは少なからず驚いていた
そして次に驚いたのは自分の身体だ。何気なく手の平を見たらいつもの数倍は大きい。さらに目の高さも普段より高く、寝た状態でこれなのだからきっと自分の身長は数倍になっている事だろう
そして最期、目を下に向けると圧倒的な存在感を発揮しているそれを見た。彼女はまだ小学生だ。よって胸など目立つほどある訳ない。しかし今のなのはの胸は膨らんでいた、凄まじく。いつかはお母さんみたいに大きくなるのかなぁなんて思っていたが、これは余りにも想定外だ。突然過ぎる
「……………………………もしかしなくても、私大人になっちゃった?」
目をぱちくりさせながら、誰に問いかけるでもなく呟いた
*
さて、状況を整理しよう。
高町なのははゲームの中にいる。悪の天才科学者(自称)、アイナの手によって作られた、VRRPGという謎のジャンルのゲームの制作を手伝う為に、プレイしているのだ
だから今ここにいる‘なのは’はゲームの中のキャラクターという事になる。ならばキャラクターメイキングでなのはの身体を成長させる事は可能だろう
だからこそ、彼女はやはりここはゲームの世界と結論付けた
「えー…………………と、藍さん? アイナさん?」
だからゲームマスターである藍やアイナを呼ぶ。流石にこの状況で何の説明なしで放っておく訳がないだろう。そう思って呼んだのだが、いつまでたってもコンタクトがない。もしかしてチュートリアルもなしでいきなり始めろとでも言うのかと若干イラッとしていると
「あら、起きたのね」
そんな声をかけて来る存在があった
それは女性で、見るからに医者をしてますと言った風貌だ。体温計を片手にこちらの様子をうかがっている
「は、はい」
「あなた、うちの学校の通学路で倒れていたらしいのよ。大丈夫? けがはない? 痛い所は?」
「えっと、大丈夫です。どこも痛くありません」
事実、自身の身体の異状はない。身体が成長している以外はむしろ調子がいいくらいだ
「ふむ…………JOJOが女の子を担いで来た時は真っ青になったけど、大丈夫そうね。けど一応はちゃんとした病院で看てもらった方がいいわよ」
「あ、はい。ありがとうございます」
JOJOって人の名前じゃないよね、などとどうでもいい事が頭をよぎるが今は本当にどうでもいいだろう
「あの、ここは何処ですか?」
「ここ? ここは学校の保健室よ。さっきも言ったけど、あなたは通学路で倒れていたの。そこに偶々通りかかったうちの生徒が貴女を担いで来たって訳」
「か、担いで…………」
「女の子に対する扱いじゃないわよねぇ」
その女医は、まるで『人間』の様に相づちを打つ。プログラムされたコンピュータには出来ない様な反応だ。その事も、アイナへの技術力の凄まじさを物語っている。
…………………しかし何処か腑に落ちなかった
「……………………アイナさんって、知ってますか?」
「アイナ? 貴女の保護者の名前かしら」
この人は本当に知らない様だ。と言う事はやはりこのゲームでチュートリアルはなしなのだろうか? まぁあのアイナの事だ、凄まじい無理難題を仕掛けて来たって不思議じゃない。なかばあきらめの窮地に達していると、この部屋………保健室だったか、そのドアが開いた
「よぉ、」
「あらJOJO。先生のお小言は終わったかしら? だったら早くその足を見せてちちょうだい。どうしても岸沢先生がどうしてもって言うから簡単な止血しかしてないのよ」
「あぁ」
どうやら部屋に入って来たのは件のJOJOさんらしい。なにやら足を切っていたのに先生からお説教をもらっていたらしいのだ
しかしその話によると、JOJOさんは止血が必要な程大きな怪我をしていたのになのはを背負って来た事に成る
いい人だなぁなんて彼女は思ってると、ズボンを脱ぐとかどうとか言い出したので、慌てて後ろを向く
「…………ん? オイ女」
「ふえぇ?」
突然声をかけられて驚いた様な声が出てしまった
「…………お前、大丈夫か?」
「にゃはは。うん、大丈夫だよ。あなたが私を運んでくれたって言うJOJOさん?」
「さ、ん……………。あぁ、そうだ」
JOJO『さん』と言われた事に抵抗があるのか顔を引きつらせながら答える承太郎
「じゃあお礼を言わないとだね。ありがとうございました!!」
「あ、あぁ……………違う。そうじゃないぜ」
承太郎は被っている帽子の鍔を撫でながら、目を伏せてなのはに向かって口を開く
「お前は………」
その時、承太郎はポケットからハンカチを落とす。それを見たなのははベッドから降りて、承太郎に駆け寄ってハンカチを拾う
「はい、JOJOさん」
「……………………、あぁ」
少しむっとした顔になった承太郎にそれを渡そうとした時、偶々ハンカチが開いた。そしてその中の『文字』が明らかになる
【空条 承太郎 本日中に貴様を殺す。私のスタンドで
花京院 典明】
「花京院っ!!」
「え? なに………これ」
そこには殺すの文字。JOJOの名前の由来は空『条 承』太郎なのだななどという下らない思考と、スタンドとは何かという思考
そして最重要なのが自分は結局チュートリアルを受けてない事だ。何となくこのまま戦闘だかなんだかになってしまいそうな雰囲気なのに全くどうしていいのか解らない。『レイジングハート』が手元にない今、魔法は当然使えないし、ゲームの中でも使える保証はない
「せ、先生!? 何をしてるんですか!?」
「ヒィィ」
ビュン、ビュ!! ビシュ!!
そんな音がして振り返ると、保健室で休んでいたと思われる男子生徒の前でさっきの女医が万年筆を振り回していた
目はうつろで、何処を見ているのか解らない。頭を何度も危なげにガクガク振りながら口からは泡を吹いている
誰がどう見た所で普通の状態ではない
「何を、って、体温計!! を振って!! メモリを! 戻してるんじゃないの!!」
「ヒィ!! 体温計って…………先生、それ万年筆ですよ!!」
男子生徒がそんな事を口にする
そのとき、なのはが思い出したのは錯乱した人間を刺激してはいけないと言う、父の言葉だった
「万年筆!? 万年筆ですって!!? これが万年筆に見えるの!? なんて頭の悪い子達でしょう!!! ガバッ! あなた達にはこの体温計が万年筆に見えるの!? ガボガボッ
じゃあよく見て見なさい!!」
それじゃあよく見て見なさい。そんな言葉とともに、女医はその万年筆を男子生徒の目にぶっ刺した
「ギ、ギィアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
「へは、ヒヒは、フヒィヒヒア!!」
「そ、んな…………」
なのはは口を抑えてうずくまってしまった。それはそうだろう、いくら身体は高校生並みになったとしても中身はまだ小学生。こんな状況で平静なんて装える訳がない
その時なのはは見た。女医の足下から這い上がっている緑色の何かの存在を
「JOJO………まさかあなたまで…。これが万年筆に見えるなんて」
「ッ!!」
「いわないわよねぇ!!」
血の滴る万年筆。先にドロリとした正視に耐えないものがこびりつかせたまま女医は承太郎に向かって振り上げる
彼はかろうじでその手首を掴んで止めるが、あまりの力に押されて行ってしまう
「ぐ、う、おおおおお!! なんだこの腕力。女の力じゃねぇ………」
「JOJOさん!!」
なのはが女医に突撃して、無理やり引きはがす
「が……ぁ…………。あなた、までぇぇぇぇぇぇぇこれがーーmんねんsつだとでも言うのぉぉぉぉぉぉお!!?」
女医は標的をなのはに変え、万年筆を持って襲ってくる。その凶刃がなのはを貫こうとしたとき
承太郎がなのはをかばう様に立ちはだかった
当然、万年筆は承太郎に突き刺さる。女医は腕に突き刺さった万年筆をグリグリと抉り込み、奇声を上げながら承太郎に組み付いている
「ぐぅ…………ってぇなぁ」
(さっきなハンカチ、花京院 典明……………だと? 石段で俺の足を切ったのも奴の仕業か!!?)
「その通り」
声がした
そちらの方は窓。そこには窓際に腰掛けた青年がいた。青年は薄ら笑いを浮かべながら、本を開いている
「その女医には私のスタンドが取り憑いている。私のスタンドを攻撃する事は女医を傷つける事だぞ」
「…………く」
「そんな!!」
承太郎は苦痛の、なのはは泣きそうな声で反応する
なのはの心はひどく荒れていた。ここがゲームの中と解っていても、いきなりこんな悪質な手を使う敵が現れるのかと。また、目の前の敵に憤っていた。どんな状況かちゃんと理解はしていないが、自分より弱い物を利用して承太郎を陥れているのは解る。なのはにはそれがたまらない程に許せなかった
「貴様……」
「私のスタンドの名はは
私は人間だが、あの方に忠誠を誓った…………だから貴様を殺す!!」
女医が承太郎の腕に万年筆をさらに食い込ます。ミチミチとヤバめな音を立てだしていた
(そんな…………このままじゃ………)
このままでは自分を助けてくれた人がやられてしまう。そう考えた時、なのはの中の甘えは消えた。ここがゲームの中とか目の前の存在はゲームのキャラクターだとかそんな些事も消え失せた
だからこそ行動する。目の前の彼を助ける為に
「や、ぁああああああああ!!!」
なのはの行動は簡潔だった。さっきから女医の足下から這い上っている緑色。それを踏んづけたのだ
しかし踏みつけたのはただの冷たい床だった
「な、なんで!?」
「ほう、見えるのか。私の
『スタンドはスタンドでしか攻撃出来ない』。スタンドとは精神力の具現、すなわち物理現象ではないのだ。だからこそなのはの足はすり抜け、触れれない。スタンド使いを倒せるのはスタンド使いだけなのだ
しかしなのはにはそんな事解らない。何度も何度も
「なんで……………っなんで!!」
「しつこいな女。撲は消えろと言ったぞ。これでも忠告してやってるんだ。死にたくないなら…………」
「逃げろって? そんなのありえないよ」
そういったなのはの瞳は怒りの炎が燃え上がっていた。足を止め、花京院に向かって叩き付ける様に言う
「JOJOさんは私を助けてくれた。私の知らない所で、今この瞬間も。そんな彼を見捨てて私だけここから逃げるなんて、そんなのは『ありえない』!!」
決定事項の様に、必ず救うと言う様に、高町 なのははそう宣言した。これこそ自分だと、これこそ高町 なのはだと言う様に
「ったく………………黙って聞いてればテメェが俺を助ける様な口ぶりだな」
「え、えぇっと………………だめ?」
なのははえへへ、なんて笑いながら可愛らしく小首をかしげて聞いた
「………………………フー。悪いが間に合ってるぜ。センセーを助けてなおかつこの薄汚ねぇスタンド野郎を叩きのめす方法も思いついたしな」
「え?」
ドキューーーン
そんな音がした様な気がした
承太郎は女医の唇に自らの唇を押し付けた、つまりキスをしたのだ
「ふ、ええええぇえ!!!」
重ねて言うが、なのはの精神は小学生である。よってキスの知識はあるが実物を見た事などあるはずもなく、とんでもなく動揺したのだった
「ぶ、がぁあああああ!!」
承太郎の気合いととも、女医の体内にいたスタンドは引きずり出される。口内に潜んでいた
「センセーを傷つけはしねーさ」
「………………あ、なるほどそう言うこと」
なのははなにを勘違いしていたのか、ホッとした様なため息をついていた
そこで改めて承太郎の『スタンド』を見る。やはりと言う気持ちが強いが、承太郎もスタンド使いなのだ
「こうやって引きずり出してみれば……………なるほど、取り憑くしか芸のなさそうなゲスなスタンドだぜ。これがテメェの『スタンド』か!! 緑色でスジがあって………まるで光ったメロンだな!!」
「ぐ……………………、引きずり出した事を後悔する事になるぞ。JOJO……………」
承太郎のスタンドは
「強がるなよ、額に指の跡がくっきり浮き出てるぜ。このままこのスタンドの頭をメロンの様に潰せば………」
そう、締め付けられた
『スタンドが受けたダメージは本体も受ける』。どうやらそんなルールも存在している様だ
「このまま締め上げてジジイの所に連れて行く、お前に凄く会いたいだろうよ。俺もDIOとかいう男に凄く興味があるしな」
承太郎は勝ち誇っているが、なのはは嫌な予感がしていた。頭を万力の様な力で締め上げられているはずなのに挑発すらする『余裕』を見せる目の前の男に嫌な予感を感じていたのだ
そしてその予感は的中する
「っ!? なんだ。奴のスタンドの手から緑色の液体が………!!」
「JOJOさん!! よけて!!」
なのはがそう叫んだのと、花京院が立ち上がるのは同時だった
「言ったはずだJOJO。後悔する事になると。喰らえ!! 我がスタンド、
『エメラルドスプラッシュ!!!』」
それは、緑色の濁流だった
水が、宝石が、承太郎の身体とスタンドを貫く。凄まじい威力を発揮した『エメラルドスプラッシュ』は承太郎の身体を壁に叩き付けるに至った
「ぐ、はぁ!!」
「J、JOJOさん!!」
なのはの悲痛な声が響く。そして自分を責めた。あんな事を言っておいて結局は何も出来やしない。無力だ、と
「どうだね、我がスタンド、
よって貴様の内蔵はボロボロだ。そしてその女医も………」
その言葉がトリガーになった様に、女医の顔から血液が飛び散った。なのはは慌てて駆け寄るが、意識はなく、意味のない言葉を呻くばかり
「そ、……そんな」
「言ったはずだ。私の
一息
「お前のせいだ、JOJO。お前が悪いのだ。これはJOJO…………お前の責任だ。お前がおとなしく殺されていればこの女医は無傷で……」
「ふざけないで!!!!」
花京院の言葉に重ねて言葉を発した存在があった。それは女医を抱いて介抱していたはずのなのはだった
「ふざけた事を言わないで。どう考えてもあなたが悪いじゃないですか。そんな戯れ言を言って、JOJOさんを惑わせないで!!」
「…………………………………最終勧告だ、女。スタンドが見えるからと言って使える訳ではないだろう? ならばスタンドに触さわれない。と言う事は一方的に攻撃されるのも解っているだろう? 死にたくないなら今すぐ失せろ」
「絶対に、いやだ!!!!」
全身をつかって怒りをあらわにしながら拒絶する。そして花京院の起こした行動は解りやすかった
「エメラルドスプラッシュ」
宝石がなのはめがけて飛ぶ。それに当たれば命はないだろう、あったとしても重傷は確実だ
(でも私は、こんな人の前では絶対に挫けない。こんな人間なんかの言う事を聞いてたまるか!!)
もはやなのはの心にはこの世界がゲームだという思いはなかった。あるのはただ怒り、戦う意思。なのはの心の形、不屈の心、勇敢なる心。そしてそれは奇しくも、不思議な力を覚醒させるトリガーになってしまったのだ
辺りが土煙に包まれる。本来ならなのはの身体はバラバラになっていてもおかしくない一撃。圧倒的な破壊の前に為す術もない。しかしなのはは立っていた。土煙が晴れた中心に
「な、んだ………と」
そして『それ』もなのはの傍に立っていた。Stand by me それは何処からどう見ても間違いなく、高町 なのはの『スタンド』だった
*
花京院の顔が驚愕に染まる
「ば、かな………っ!! まさか『目覚めた』と言うのか!! こんな短時間で、こんなにも簡単に!!」
なのははなのも答えない。答えないまま承太郎の元に駆け寄り、声をかけた
「JOJOさん。大丈夫?」
「……………………あぁ。しかしお前、それは」
「解らない。でも、『解る』。これがなんなのか、この力がなんなのか」
その言葉を聞いて、承太郎は立ち上がる
「…………………死に体がっ、もはやお前に戦闘能力はない。立ち上がるのはボクサーを前にしたサンドバッグに成ると言うのと等しいぞ」
承太郎は花京院をみすえ、怒りすら滲ませ、花京院の言葉を無視する。そして怒りに満ちた声で語りだした
「…………………………この空条 承太郎は、いわゆる不良のレッテルを貼られている。喧嘩の相手を必要以上にぶちのめし、いまだ病院から出てこれねぇ奴もいる。威張るだけで能無しなんで、気合いを入れてやった教師はもう二度と学校に来ねぇ。料金以下のまずい飯を食わせるレストランには、代金を払わねぇなんてのはしょっちゅうだ」
「………………………JOJOさん、最期のは完全に犯罪」
承太郎は一瞬こめかみを引きつらせたが、構う事なく続ける
「だが、こんな俺にも、吐き気のする悪は解る
悪とは! テメェ自身の為だけに弱者を利用し、踏みつける奴の事だ!! ましてや女を〜!! 」
承太郎の言葉は続く、なのはも今度は茶々を入れないで聞いていた。そしてその言葉に共感すら覚える
心が、魂が震える。承太郎の言葉が続くにつれ、自身の心が叫び声を上げる
「貴様がやったのはそれだ、あぁ〜あん!? オメーの『スタンド』は被害者自身にも法律にも見えねぇし、わからねぇ!! だから!!
俺が裁く!!」
この瞬間、なのはは理解した。この人はいい人だ、と
正義感、優しさ、思いやり、人が人を好きになる要素を全て持っている。だから決めた。この先、何があったとしても、例えこの世界がゲームの中でこの人はただのプログラムだとしても、『高町 なのはは空条 承太郎を信じる』と
「悪? それは違うな。悪とは敗者の事、正義とは勝者の事。生き残った物の事だ!!!」
花京院は自身の『スタンド』その場に出す。そしてこの形状を変えながら、言葉を続けた
「過程は問題じゃあ…………ない!!」
紐。
「やぁああああ!!」
『スタンド』を使い、花京院本体に殴り掛かる。それを花京院はかろうじで躱したが、かすった部分の肉は削りとられていた
「ぐっ………女ぁ。お前解っているのか? 今、撲はJOJOを捕らえているのだぞ。撲に攻撃すると言う事は…………」
「誰が捕まったって?」
その言葉とともに、承太郎は『スタンド』出し、
「エメラルド………」
「させない!!」
花京院の『スタンド』から宝石が放たれようとしたとき、なのはの『スタンド』がそれをぶん殴る
ドグシャッなんて凄まじい音がして、
「お、お、んなぁああああ!!」
「敗者が悪と言ったな…………」
殴り飛ばされた衝撃で、承太郎の拘束は解けていた。そして承太郎の『スタンド』は
「だったらやっぱり、テメェの事じゃねぇかぁあああああ!!!
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!!!!」
揺らす、揺らす。揺らしまくる!! ガクガクと
「やぁぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!!!!」
一撃、しかし激烈。吊り上げたの顔面になのはの『スタンド』が拳を叩き込む。ミシリっと嫌な音を立てた
「オオオオオララララララララララララララララララララララララララララララ!!!!!!!!!」
「やぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
殴る、殴る、殴りまくる!! 承太郎は首を掴んだ反対の手で、なのははおもっきりの一撃を、
「「裁くのは!!」」
そして上に放り投げ、承太郎となのはの一瞬のアイコンタクト
「俺の」
「私の」
まるで長年連れ添った関係の様な息の合い方で、ピッタリのタイミングで
「「スタンドだぁぁあああああ!!!!!!!!!!!」」
*
「なんてパワーの『スタンド』だ…………。そして女の『スタンド』、一撃の威力だけならJOJOのをも上回っている………………」
「フン、さっきは不意を突かれただけだ。しかし………ますます凶暴になって行く気がするぜ」
やれやれと呟いて、なのはの方に向く承太郎
「……………で? お前の正体はなんだ? その『スタンド』は隠してたのか?」
「え、えーと……なんと言いますか、余りにも突拍子もないのでなのはも困ってると言いますか……………」
しばらく見つめ合っていたが、承太郎は埒が開かないと思ったのか花京院を背負って扉の外に歩き出す
「来な、」
「え?」
「来いって言ったんだよ、女。お前の話もこいつの話もジジィとした方が早い」
「おじいさん?」
なぜそこで祖父の事が出て来るのか解らないなのはは首を傾げる
「あぁ、俺は『スタンド』もDIOとか言う男についてもジジィから聞いていたんだぜ、女」
そこで承太郎は気付いた。なのはがおもっきりほほを膨らませて怒っている事に
「………………………なんだ」
「なのは」
「は?」
そこでなのははおもっきり息を吸い込んで叫んだ
「私の名前は高町 なのは!!! さっきから女女って言い過ぎだよ!! ちゃんとなのはって名前があるの!!」
「な……………、だったら俺も言わせてもらうがJOJO『さん』ってなんだ。そんな気味の悪い呼び方するんじゃねぇ」
「だったら交換条件!! 私の事をなのはって呼ぶ事。そしたら私も名前で呼ぶから」
ピキピキと承太郎のこめかみが引きつる
「……………もういい。とっとと行くぞ」
「よくない!! ちゃんと………」
「いいから行くぞ。『高町』」
「む……………………、ってそう言えば私あなたの名前知らないよ」
「……………………ったく。空条 承太郎だ。好きに呼べ」
「うん、承太郎くん!!」
こめかみに血管が浮かび上がるが、ここでキレては話が進まないと思い
「ふー、やれやれだぜ」
そう呟いて、なんとか怒りを抑えるのだった
To Be Continuing
というわけでなのはスタンド能力覚醒です、弓も矢もなしでスタンド覚醒ってダメですかねぇ、まぁこのまま続けますけど(どうやってもこの段階で弓と矢を絡ませるのは無理)
『裁くのは〜』が書けて若干満足してる私がいますが、まだ日本ですねぇ。先は長いなぁ
没案
承太郎「オラオラオラオラオラオラオラオラ!!」
なのは「なのなのなのなのなのなのなのなの!!」
花京院「いや、『なの』ってなんだい!!」