本文ですが、もう一話につき1つのスタンドと言った感じで進めて行こうと思ってます。かなり短いですが、次話は出来るだけ早く上げます。では本文〜
エジプト行きの飛行機。その飛行機はなのは達を載せて雲の上にいた
飛行機に載ると言って軽くはしゃいでいたなのはは今は夢の中。その他の者も思い思いの時間を過ごしていた
そんな時、ジョセフは冷や汗を流しながら言った「見られた」と。それに同調する承太郎、そして油断なく辺りを見渡す。この機の中に『スタンド使い』が紛れ込んでいるかもしれないのだ
「……………ぅん………。アリサちゃん、そこはダメだってぇ」
そんな中相変わらず幸せそうに寝ているなのは。一体何がダメなのか小一時間は問いつめたくなるが、どうでもいいだろう
承太郎はなのはの頭に拳骨を振り下ろし、強制的に覚醒させる
「ふぇえ!? なに? 敵!?」
「少なくとも寝てる場合じゃねーよ」
その時、承太郎の目に何かが映った。一瞬それが何か解らなかったが、立ち上がって臨戦態勢を整える。もしそれが『スタンド』であったとしたら、油断して死にましたではすまないからだ
そしてそれの姿を見た承太郎は口を開いた
「カブトムシ………………いや、クワガタムシだ!!」
それが何かまだちゃんとは解らない。そんな中、なのはがのんきな声を上げた
「えっと…………『スタンド』って人間っぽい姿をしてるものなんじゃないのかな?」
なのはの問いは当然だろう。なにせ今までなのはは
なのはの問いに答えたのはアヴドゥルだった
「いや、『スタンド』とは生命エネルギーの具現化。その本人次第でどんな形にもなりうる…………。もちろん虫の姿をした『スタンド』も当然いる」
その言葉を聞いて、なのはも臨戦態勢を整えた。旅が始まっていきなりゲームオーバーは嫌だと考えたのだろう
「……………………」
どこから襲ってくるか解らない恐怖に、全員は身を固くする。座席の陰に隠れた虫を探す彼らは虫の出す羽音を注意深く聞いていた
そんな時、花京院が何かに気付き、声を上げる
「JOJO!! 君の頭の横にいるぞ!!!」
その声に反応して、全員承太郎の頭の横を向いた
そこにいたのは巨大なクワガタムシ。口からゴボゴボと泡を吹き出し、さらにそこから硬質な触手の様なものを出している
「う、気持ち悪い………………」
なのはの言葉がその虫の全てを体現していた。とても気持ち悪い
「同感だ、だがここは俺に任せろ」
そう言いながら『星の白金』を出し、拳を構える承太郎
「気をつけろ!!人の舌を好んで引き千切る虫の『スタンド使い』がいると言うのを聞いた事がある」
なのはは内心、趣味が悪いと思うがそんな場合ではないだろう。なんせ承太郎の、『星の白金』の手刀をいとも簡単に躱してしまったのだから。『星の白金』は至近距離で発射された弾丸を掴む事が出来るほど素早く正確な動きをする事が出来る。そんな『スタンド』の手刀を防ぐと言う事はすなわち目の前の虫は弾丸よりも早く動けると言う事だ
そんな虫が普通に、しかも飛行機の中に存在するはずがない。すなわち目の前の虫は『スタンド』だ
「どこだ………………どこにいる、こいつを操る使い手はどこにいる!!」
花京院はそう呟く。その直後、虫型の『スタンド』は口針を伸ばして『星の白金』攻撃を仕掛けた
その口針を手の平で止めたと思ったが、想像以上の鋭さに貫通して『星の白金』の口に………正確には舌に襲いかかる
「承太郎くん!!」
悲鳴の様ななのはの声。承太郎は歯で口針を止めていた
「承太郎の『スタンド』の舌を喰い千切ろうとしたこいつは…………やはり奴だ!! タロットでの塔のカード。破壊と災害、そして旅の中止の暗示を持つ『スタンド』
『灰の塔』 それは事故に見せかけ大量殺戮をする『スタンド』。イギリスでの飛行機墜落事故もこの『灰の塔』の仕業と言われている
そんな凶悪極まりない存在がDIOの仲間になっていると知り、ますますDIOへの好感度が下がるなのは。そしてそんな事はどうでもいいとばかりに口針を引き抜き、承太郎は高速で拳を放った
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」
もはや承太郎の十八番となったオラオラと叫びながらの連続突き。しかしその攻撃は掠りもしなかった
弾丸を掴む程素早く正確な動きをする『星の白金』。その両手での連続突きまでもいとも簡単に躱してしまう『灰の塔』にアヴドゥルは驚きを隠せないでいた
そんな時、『灰の塔』から耳障りな声が聞こえて来る。
『へっへ、例えここから1cmの距離より10丁の銃から弾丸を撃ったとして、俺の『スタンド』に触れる事すら出来ん。最も、弾丸で『スタンド』は殺せんがな』
「喋った!?」
なのはの驚きの声。驚く所はそこかとアヴドゥルは思うが、今は当然そんな場合ではない
『星の白金』でも捉える事が出来ない『スタンド』だ。本体を叩いた方が早い。そう考え、辺りを見渡す一行
しかしその一瞬目を放した隙に『灰の塔』姿を消した
「消えた!!」
「あそこに移動したぞ!!」
ジョセフの声と花京院の声が連続で響く。花京院が指した場所は後ろのシートだった
「なにをする気だ…………」
まさか、と言う思いが一行を駆け巡る。そしてそのまさかが実行されようとした瞬間
「アクセルシューター!!」
なのはが両手の人差し指と親指で四角を作ったポーズでそう叫んだ。刹那、『灰の塔』がいた周囲の座席は粉みじんになってしまう
「ふう、………このままだったら無関係な乗客に迷惑がかかる所だったよ」
そう言ったなのは。なのはは無関係な人間が死ぬのは嫌だと考える。そしてそれが決定的な隙を作ってしまった
『後ろだよ、バァァカが』
なのはの背中から数cmの至近距離に『灰の塔』はいた。全員の目がなのはによって壊された座席に向いている隙にそこに移動したのだ
そしてなのはの『勇敢な心』(レイジングハート)には1つ重大な欠点がある。なのはの『スタンド』は一瞬の内に遠距離型の『スタンド』よりも遠くに行く事ができ、そこに至るまでの全てを自身のパワーの範囲で粉砕しながら突き進む能力だ。そしてそのとんでもないパワーの前には殆どの障害は無意味だろう
しかし問題はその能力を使った後。『勇敢な心』は着弾地点で消滅し、その後なのはは直に『スタンド』を出せない状態に陥ってしまう。それはまるで大砲の再装填の為の時間の様に
つまり今、‘なのはは『スタンド』を出せない’
『俺の目的はMassacro!! 皆殺しだ!!まずは女!! おまえだぁぁあああーーー!!!』
声に反応して振り向いたなのはの顔に、『灰の塔』の口針が迫る
『俺に舌を引き千切られると、狂い悶えるんだぞ!! 苦しみでな!! ひぃぃひゃひゃひゃひゃ!!』
その速度は反応できるそれではない。なのははせめてもの抵抗にと歯を食い縛り、唇を閉じた
そしてその口針がなのはの口を捉える寸前
「何? 引き千切られると狂い悶える? 私の『法皇の緑』は……………」
四方八方から伸びて来た『法皇の緑』の触脚によって、『灰の塔』は貫かれた
『な、なぁぁにいいぃいぃぃぃぃいい!!!?』
「引き千切ると、狂い悶えるのだ。喜びでな!!」
『法皇の緑』の触脚は座席の中から伸びている。よく見るとそれは至るかしこに仕掛けられていた
『な、何故だぁぁ!? なぜ俺の場所がぁぁぁああ!!?』
「お前の様なおぞましい『スタンド』の考えなどスグに解る。どうせ最初に女性であるなのはさんを狙うであろうと思っていた。だから彼女のすぐ傍にハイエロファントの触脚を仕掛けておいたのさ。お前が彼女を狙ったらスグに殺せる様にね」
花京院は語る
「私は彼女と始めて出会った時に、彼女に『危害』を加えた。操られていたといえ、私は『危害』を加えてしまったのだ。なのに彼女はそんな私を仲間と言って接してくれる、優しく接してくれる。だから私は誓ったのだ、そんな優しく正義感の溢れるなのはさんをこの旅で傷つけようとする者は………………」
ギチギチと音を立てながら『法皇の緑』は『灰の塔』の身体を引き裂いていく。そして
「この私が必ず殺し尽くすと!!」
その言葉と共に『灰の塔』を引き千切った
*
「ぐぎぃぃぃえぇぇえええええあああああああああああああ!!!!」
『灰の塔』がバラバラになったと同時に、近くの座席で悲鳴があがる。結局誰が本体かこの戦闘中には解らなかった
しかしその悲鳴で本体の位置は特定出来た。確認する必要はないが、死亡を確認しにジョセフとアヴドゥルはそちらに向かった
「大丈夫か、高町」
承太郎の心配する様な声、当然と言えば当然だろう。なにせ『法皇の緑』が一瞬でも遅れていたらなのはは死んでいたのだから
「にゃ、にゃはは……………うん。大丈夫…………だよ。ちょっとビックリしただけだから」
口ではそう言うが、大丈夫そうには全然見えない。顔面蒼白で今にも座り込んでしまいそうだ
「ったく………てめーは余計な事をすんじゃねーよ。てめーの『スタンド』は威力はあるがデメリットも大きいんだからよ」
「うん、これからは気をつけるね…………。でもよかったぁ………誰も怪我らしい怪我をしなくて。乗客の人も護れたし」
屈託なく笑うなのはの少しの不安を覚える承太郎と花京院。自分より何より人の心配をし、人の命を護ろうとする少女。そのあり方は少し歪に見えた
「こほんっ………………、それと花京院くん。すこしそこに直りなさい」
少し紅くなった顔を隠す様に手を口にあてて咳払いをし、ジトーとした目で花京院を見るなのは
「なんだいなのはさん?」
「あのね、戦闘中とは言えそんな…………こ、こ、告白みたいなのはどうかと思うな?」
「コクッ!!!?」
そのなのはの言葉に驚愕と言った様子で仰け反る花京院。承太郎は承太郎で「フーやれやれだぜ」とか言って飽きれている。きっと彼は母親のホリィでこの手の暴走には馴れているのだろう
「べ、別に嫌と言う訳ではないんだよ? でも私たちまだ会ったばかりだし………お互いの事を良く知らないし…………」
「ま、待ってくれ!! 今のは別に告白とかそう言うのではなくただの決意表明というかなんと言うか……………深い意味はなくてだね!!」
動揺する花京院。飽きれてタバコを取り出し、ここが飛行機の中と言うのを思い出してそれを仕舞う承太郎。そしてひたすた照れるなのは。彼らは同時に切に願う、早くジョセフ達が帰って来る事を
「あ、あ〜。いいかな? 『灰の塔』の『スタンド使い』の確認が終わったから話をしたいのだが…………」
「そうだな!! はやく『スタンド使い』の話をしよう!!」
そして帰って来たアヴドゥルに飛びつく様に話しかける花京院。それに向かってなのはは最後に
「でも……………ありがとね。‘典明くん’。すっごく嬉しかったよ」
「っな!!!」
「フー、やれやれだぜ」
「全くどいつもこいつも……………」
「っ……………………」
全員が全員様々な反応をした所で話題を戻そう。閑話休題
*
さて『灰の塔』の本体であったのはなんの変哲もない老人であった。まぁ花京院からおぞましい『スタンド』にはおぞましい本体がついてると言う言葉を頂戴していたが
「こいつの額には、DIOの『肉の芽』が埋め込まれていない様だが…………」
「『灰の塔』は元々、旅行者を事故に見せかけて殺し、金品を巻き上げている根っからの悪党『スタンド』、金雇われ、欲に目がくらんで、そこをDIOに利用されたんだろう」
「そんな…………」
花京院とアヴドゥルの会話を聞いていたなのはは軽く絶望する。なのはは元々いた世界では根っからの悪党というのには出会った事がなかったからだ
悪人というのは納得出来る理由や同情できる境遇があって、キチンと‘お話’すればどんな人間でも何かしら共感出来る所がある。なのははそう思っていた
(わたしは…………やっぱり甘いのかな)
そんな事を思う。しかし今はそんな場合ではない
なぜなら事態は急展開、最悪の事態に向かって進行していたからだ
「………………? 変じゃ、さっきから気のせいか機体が傾いて飛行しているぞ?」
ジョセフの言葉に皆はそれぞれの反応を示す。そして大した衝撃もないのに乗客が置いてあったコップが床に落ちた
「やはり傾いている…………っ!! まさか!!!!」
ジョセフは何を思い至ったのか、コクピットに向かって駆け出したその様子を見て、全員は最悪の結果に思い至る
ジョセフはコクピットに無理やり押し入り、そして中を確認して叫んだ
「なんてこった…………………、してやられたぁああ!!!」
そこにいたのは、舌を引き千切られ無惨な姿をさらしているパイロット2人の姿だった
「舌を抜かれている、あのクワガタ野郎。既にパイロット達を殺していたのか」
承太郎の台詞に愕然とするなのは。しかし事態はどんどん先に進んで行く
自動操縦装置も破壊され、高度もどんどん下がって行っている。このまま何の処置もしなければ間違いなくこの機は墜落するだろう
「そんな………………、どうすれば………………ッ!!!」
刹那、なのはを何者かが羽交い締めにした。それは全身から血を滴らせた『灰の塔』の本体である老人であった
「ゔぇゔぇゔぇゔぇぇぇぇあぁぁぁああああああああああああががぎゃあぁあぁぁあぁあああ!!!!!!! ワシは事故と旅の中止を暗示する塔のカードを持つ『スタンド』。お前らはDIO様の所には行けぇぇぇぇえええん!!! 例えこの機の墜落から逃れたとてエジプトまでは一万km。その間、DIO様に忠誠を誓った者どもが四六時中貴様らを付けねらうのだぁぁあがぁがああ!!」
一息
「世界中にはお前らの想像を超えた『スタンド』が存在する。DIO様は『スタンド』を極める御方、DIO様はそれらに君臨出来る力を持った御方なのだわぁば、たどり着けるわけがない。貴様らは、け、して、エジプトには行けんのだぁぁぁあああああああ!!!!」
老人は満身創痍の身体を無理やり動かしているのだろう、あと数秒もしないうちに息絶える。しかし確かな意思の力で自らの身体を無理やり動かし、n万力の様な力でなのはの動きを抑え続ける
「そ、して………、今ここに、ワシは確かなDIO様への忠誠の証として、この女をころすぅぅぅぅぅうううぅううぅうぅううう!!!! 」
老人の手には心臓まで簡単に届くであろう長さのナイフ。それをおもっきり振り上げ、なのはの心臓めがけて振り下ろした
「………………………………………………………ほんと、バカみたいだね」
「DIO様万歳」と叫びながら振り下ろしたナイフは、『勇敢な心』にいとも簡単に止められる。なのはだって『スタンド使い』、油断がなければ満身創痍の老人相手に遅れを取る訳がない
「がぁぁああぁぁぁぁああぁぁあぁあああああぁ」
「ねぇおじいさん。どうしてこんな事をしたのかとか、なんでDIOなんて悪人に忠誠を誓ったりなんてしたのかなんて聞かない。きっとそんな時間はないから」
『勇敢な心』は老人を引きはがし、万力の様な力で締め上げる
「だから、私は覚悟を決める。あなたという『悪』を倒して、もうためらわないって誓う。この旅で、わたしが許せない『悪』と決めた人は」
指を放して一瞬だけ自由にする。そして何もかもを破壊する力を『なのはが決めた悪』に叩き込んだ
「わたしが裁く
やぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
とんでもない音がして、老人の身体は粉々になった。そしてそれをみて冷たく呟く
「あの世で、頭を冷やそうか」
*
しんと静まり返るコクピット。フライトアテンダントの小さな悲鳴だけが少しだけ響いた
「なのはさん……………」
「ごめんなさい。でも大丈夫、わたしは大丈夫です」
本当に大丈夫なのか、皆の心配は当然だろう。しかし今はなのはの事ばかり気にしてる場合でないのは事実
だから承太郎はフライトアテンダントに乗客の安全確保に向かわせ、ジョセフは飛行機の操縦桿を握った
「うーーむ、プロペラ機なら経験あるんじゃがのう…………。このサイズの飛行機を不時着か」
「プ、プロレラ………」
花京院が信じられないと言った顔でジョセフを見るが、それを気にせずジョセフは操縦桿を握った
「なのはちゃんや、もし本当にこの旅をやめたくなったらスグに言うんじゃぞ。本来君は安全な所にいるべき人間だ」
そしてそのままなのはに語りかけるが、なのはの答えは当然決まっていた
「続けさせてください。わたしは大丈夫です」
そう、しっかり宣言した
それを見て、とりあえずは安心したのだろう。ジョセフは続けて口を開く
「しかし承太郎。ワシはこれで三度目じゃぞ。人生で三回も飛行機で墜落するなんて……………そんな奴あるかなぁ」
「「「「………………………」」」」
きっとジョセフは辺りを和まそうとその言葉を口にしたんだろう。しかしハッキリ言って最悪の皮肉だった
「二度と…………」
そして承太郎はこの場にいる全員の気持ちを代弁して言った
「二度と、てめーとは一緒に乗らねぇ」
なのはは「にゃはは……」なんて笑いながら、それに同意したのだった
To Be Continuing
やっぱり『灰の塔』だけだとそこまで長くならないですね。一応は一万文字を目安に書いてるのですが…………
そして今回、なのはさんが始めて自分で敵に手を下しました。書いてて自分でも違和感があったのですが、この先、いちいちDIOの手下に情けをかけてられないので、なのはさんには今後、自分が『悪』と定めた相手には躊躇しないと覚悟を決めてもらいます。そしてDIOの手下って殆ど超悪人…………いったい何回OHANASIされるんだろうと書いてて恐々としてます
没案
な「アクセルシューター」
花「あぁ!! 飛行機のそこに穴が!!」
ジョセフ「そして『灰の塔』が気圧の差で外に放り出された!!」
アブドゥル「さらにそのままエンジンへダイブ!!? と言う事はこの機は墜落する!!」
承「……………もう二度と、てめー(なのは)とは一緒に乗らねぇ」