潮田風夏は、松野唯吹を連れて、デートに出かけている。
「唯くーん!こっち!こっち!」
「ちょっと待ってよ…」
今日は、二人との初デートの日、
何だか、緊張するけど、
むしろ、不安しかないのが、僕の心の中の意見だ。
「ねぇ、アタシ、唯くんのことが、
もっと知りたいな!」
「別に大したことは、無いから」
「えー、だって、唯くんって、女子に人気じゃん!
雅利くん同様」
「雅利って、僕や風夏と同じクラスにいる、
高木雅利くんのこと?」
「うんっ!唯くんと、雅利くんって、
女子からの人気を、一二を争うくらいだよ?」
「そ、そうなんだ…」
「唯くんが、モテるのは…
女の子の姉妹が、いっぱいいるからかな~?」
「からかっているのですか?」
と、僕はムキになって、少しだけ怒った。
「アハハ…ごめん!ごめん!
でも、唯くんって、不思議だよね?
男の子と一緒にいる時なんて、ほとんどないよね?
むしろ、女の子が自然と寄ってくる、
魅力があるからかな?」
「それは、言い過ぎです」
「えーでも、どうして、唯くんの周りに、
カワイイ女の子ばっかり、寄って来るか、
不思議で、不思議で、たまらないんだよね?」
「それは、僕には、わかりません…」
「最近ね、天馬咲希さんが、
唯くんに興味があるって言っていたよ?」
「天馬さんが…ですか?」
「うんっ!同じキーボードだから、
接点があるからかな?」
「実は、無理やりデートに行かされたことがあるんです」
「そうなの?もーう!唯くんって、モッテモテ!」
「はぁ…僕は、まだ13歳ですよ?」
「唯くんは、咲希さんのこと、好き?」
「れ、恋愛的にですか…?」
「もちろん!」
「…秘密…です」
「もーう!唯くんの、イジワル!」
「だいたい、僕は、他人にさほど、興味なんて…」
「無いって言いたいの?
それは、もったいないよ!」
「…」
「ピチピチの美少年だから、
そのルックスを生かさないと!モデルとか、やってみない?」
「身長が足りないと思います。
僕は、165㎝ですよ?」
「まぁ、モデルだったら、もうちょっと、身長が欲しいよね」
「なるつもりは、ないですけどね」
「じゃあさ、唯くんの好みのタイプは?」
「それは、秘密です」
「教えてくれたっていいじゃん!
バンド仲間だし!人見知りにも程があるよ!」
「そんなこと、言われても…」
唯吹は、恥ずかしそうな表情をしていた。
もはや、何を言おうか、混乱するのだった。
「唯くんは、照れ屋さんだな~」
「からかわないでくださいよ…」
不愛想な返事をした。