風の旋律と夏の煌めき   作:アッシュクフォルダー

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第十二話 突然の出来事

日曜日の事だった。

潮田風夏は、松野唯吹の家にやって来た。

 

「おーい!唯くん!」

 

「潮田さん」

 

「早速だけど、文化祭のセトリ、

考えようよ!」

 

「僕たちだけでは、決められないけどね」

 

「うーん、何がいいんだろう?」

 

「僕がメールで、内容を送るね」

 

「うん、ありがとう、唯くん」

 

彼女は携帯電話を持っていないため、

僕のスマートフォンで、

他のメンバーと意見交換する。

 

「うーん、オリジナル曲を書くとしたら、

時間がかかるし、ボカロやJPOPも、悪くないけどな…」

 

「作詞を書いてみるとか!」

 

「オリジナル曲がいつ完成するか、わからないし…」

 

「でも、やってみなくちゃ、わからないでしょう?」

 

「う、うん…」

 

「じゃあ、ケーキを食べながら、考えよう!

という訳で、ケーキ屋さんにレッツゴー!」

 

「貯金あったかな…」

 

 

僕と潮田さんは、さっそく、ケーキ屋さんへ、

 

「フルーツタルトを一つ!」

 

「…同じので」

 

完全に振り回されていた。

でも、不思議と嫌な気持ちにはならない。

居心地がいい。そう思った。

 

文化祭まで、後、二ヶ月、どうしたらいいんだろうか…?

 

 

食べ終わった後。

 

「それで、曲は思いつきそう?」

 

「うーん、なんとなく!」

 

「そ、そうなんだ…」

 

「練習したら、もう少しで、思いつきそう!」

 

「わ、わかった…」

 

 

こうして、放課後の教室、僕たちは、文化祭に向けて、

練習をしていた。

 

 

しかし、突然、潮田さんが倒れてしまう!

 

「うぅ…」

 

彼女は眼を開けたまま、倒れている。

 

僕は担任の笹井先生を呼んで、

保健室へと、送り届けた。

 

「潮田さん、急に発熱が出てきたみたい」

 

「…」

 

「文化祭のボーカルは、他の人がやるべきだと思うけど…」

 

「笹井先生!僕は、彼女じゃないとダメです!

彼女ほど、魅力的で、心に染みて、

自分の世界を創造できる、女の子は、他にいません!

過信すぎるかも知れないけど…」

 

「松野さんの気持ちは、よくわかるけど…」

 

「せっかく、オリジナル曲を文化祭で、

初披露するのに…彼女が歌わなくちゃ、ダメなんですよ…」

 

 

 

翌日、僕は潮田さんがいる、保健室へと向かった。

 

「大丈夫ですか?」

 

「唯…くん?」

 

「無理はしないでください。

勝手な気持ちがあって、ごめんなさい」

 

「ううん、アタシも歌いたい。

だって、文化祭だよ?オリジナル曲だよ?

初披露だよ?これを見逃したら、

いつ、歌うの?」

 

「今…ですか?」

 

「そうよ!ベッドで寝ているだけじゃ、

つまらないから、歌詞を書いているの!」

 

「潮田さんらしいですね」

 

すると、彼女が僕の手を握った。

 

「唯くんの手、あったかいね」

 

「そうかな?」

 

「もう少し、こうしても、いいかな?」

 

「うん」

 

「文化祭、成功させようね、絶対に」

 

「わかりました」

 

「約束!絶対に治ってやるんだから!」

 

こうして、不確かな約束を、

二人はするのだった。

 

文化祭まで、一か月と三週間、

一体、どうなる?

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