日曜日の事だった。
潮田風夏は、松野唯吹の家にやって来た。
「おーい!唯くん!」
「潮田さん」
「早速だけど、文化祭のセトリ、
考えようよ!」
「僕たちだけでは、決められないけどね」
「うーん、何がいいんだろう?」
「僕がメールで、内容を送るね」
「うん、ありがとう、唯くん」
彼女は携帯電話を持っていないため、
僕のスマートフォンで、
他のメンバーと意見交換する。
「うーん、オリジナル曲を書くとしたら、
時間がかかるし、ボカロやJPOPも、悪くないけどな…」
「作詞を書いてみるとか!」
「オリジナル曲がいつ完成するか、わからないし…」
「でも、やってみなくちゃ、わからないでしょう?」
「う、うん…」
「じゃあ、ケーキを食べながら、考えよう!
という訳で、ケーキ屋さんにレッツゴー!」
「貯金あったかな…」
僕と潮田さんは、さっそく、ケーキ屋さんへ、
「フルーツタルトを一つ!」
「…同じので」
完全に振り回されていた。
でも、不思議と嫌な気持ちにはならない。
居心地がいい。そう思った。
文化祭まで、後、二ヶ月、どうしたらいいんだろうか…?
食べ終わった後。
「それで、曲は思いつきそう?」
「うーん、なんとなく!」
「そ、そうなんだ…」
「練習したら、もう少しで、思いつきそう!」
「わ、わかった…」
こうして、放課後の教室、僕たちは、文化祭に向けて、
練習をしていた。
しかし、突然、潮田さんが倒れてしまう!
「うぅ…」
彼女は眼を開けたまま、倒れている。
僕は担任の笹井先生を呼んで、
保健室へと、送り届けた。
「潮田さん、急に発熱が出てきたみたい」
「…」
「文化祭のボーカルは、他の人がやるべきだと思うけど…」
「笹井先生!僕は、彼女じゃないとダメです!
彼女ほど、魅力的で、心に染みて、
自分の世界を創造できる、女の子は、他にいません!
過信すぎるかも知れないけど…」
「松野さんの気持ちは、よくわかるけど…」
「せっかく、オリジナル曲を文化祭で、
初披露するのに…彼女が歌わなくちゃ、ダメなんですよ…」
翌日、僕は潮田さんがいる、保健室へと向かった。
「大丈夫ですか?」
「唯…くん?」
「無理はしないでください。
勝手な気持ちがあって、ごめんなさい」
「ううん、アタシも歌いたい。
だって、文化祭だよ?オリジナル曲だよ?
初披露だよ?これを見逃したら、
いつ、歌うの?」
「今…ですか?」
「そうよ!ベッドで寝ているだけじゃ、
つまらないから、歌詞を書いているの!」
「潮田さんらしいですね」
すると、彼女が僕の手を握った。
「唯くんの手、あったかいね」
「そうかな?」
「もう少し、こうしても、いいかな?」
「うん」
「文化祭、成功させようね、絶対に」
「わかりました」
「約束!絶対に治ってやるんだから!」
こうして、不確かな約束を、
二人はするのだった。
文化祭まで、一か月と三週間、
一体、どうなる?