文化祭当日、風夏の姿が無かった。
倒れてしまって、それから、参加が出来なくなったと、
先生が、僕達に伝えるのだった。
ボーカルがいないと、演奏が出来ない。
どうしたらいい…と、絶望感に見舞われていた。
そんな時だった。
「唯くん!」
「潮田さん!?」
そこには、目を疑っていたが、
紛れもなく、潮田風夏の姿だった!
「どうして…熱は?」
「熱は下がって、治ったばかりだけど…
でも、アタシ、歌いたいから!やるよ!」
「えっ…?」
参加をキャンセルしかけていたが、
風夏が突如、やって来たため、
急遽、やることになってしまった!
頭に包帯とシートを巻いり、貼ったりする状態で、
風夏は歌い上げるのだった。
「唯くん、言ったでしょ?
アタシじゃきゃ、ダメだって!」
と、風夏が笑うと…
「で、でも!」
「何、弱音吐いているの?ライブ!やるよ!」
「わかった」
「よし、それでこそ、私達のボーカルね」
「やってみようよ!」
「よっしゃぁ!」
僕は正直な気持ち、嬉しかった。
強引さはあったけど、風夏ちゃんの歌声を、
聴くことが出来て、僕はハッキリ思って、幸せだ。
無事に文化祭ライブを終えて、
大勢の拍手が響き渡っていた。
みんなで、ハイタッチした。
「唯くん!やったね!」
「ありがとう。潮田さん」
「えぇ~お礼は、むしろ、アタシが、言うべきだよ~?
だって、ライブが出来て、成功したんだよ?」
「そうだね」
「じゃあ、すぐに病院に戻るから!
早く治すね!」
「うん」
その後、完全に回復したとはいえ、
医者に怒られたようだ。
それでも、人と関わるのが苦手でできなかった僕に、
元気を与えてくれたのは、事実だ。
潮田さんと出会って、僕は変わった。
潮田さんの隣は、とても居心地が良くて、
僕は、もう一人じゃないと確信した。
「潮田さん」
「どーしたの?唯くん?」
「これからも、よろしくお願いします」
「うん、よろしくね!唯くん!
でも、なんで、かしこまるの?」
「ご、ごめん…同い年なのに…」
「へんな、唯くん、でも、頼りにしているよ?」
「あ、ありがとう…」
僕の目には、満面の笑みを浮かべた、
潮田風夏の表情が、写るのだった。
その後、バンドメンバーと一緒に会話をしていた。
「ねぇねぇ、クリスマスライブ!何する?」
「はぁ…気が早いですよ?」
「でも、俺たち、中学生にしては、
出来てる方じゃねーのか?」
「それは、ただの勘違いよ?」
「はぁ…そうだったか…」
「でも、文化祭ライブ大盛況だったね」
「そうですね」
「また、やりたいね、唯くん!」
「はい」
「よーし!クリスマスまで、曲を作るぞー!」
と、風夏はやる気に満ち溢れていた!