風の旋律と夏の煌めき   作:アッシュクフォルダー

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第十五話 唯吹の姉

松野唯吹には、姉が二人、妹が一人いる。

 

女の姉妹って、ロクな目に遭わない…

 

「ねぇ、唯吹。今度、私の友達が、

演奏するみたい。クリスマスライブを、

するみたい。行ってみる?」

 

「まぁ、いいけど…」

 

唯吹の下の姉は、神山高校の一年生で、

同級生の子が、歌う様だ。

 

「一緒に行こ!どーせ、ヒマなんでしょう?

文化祭ライブは、盛り上がったけど!」

 

「まぁ…正月明けまで、何もしないからな…」

 

「それじゃあ決まり!お姉ちゃんとお出かけしよう!」

 

「はぁ…」

 

松野冬子。唯吹の下の姉の名前だ。

 

「冬子ねーちゃんは、俺をこき使うんだから…」

 

「だって、ヒマなんでしょう?」

 

「それもそうだけど…」

 

 

ライブハウスへ…

 

「紹介するね!クラスメイトの白石杏ちゃんと、

私と杏とは、別の高校に通っている、睦ちゃん!」

 

「初めまして!とーこから聞いているよ!白石杏だよ!」

 

「睦。ギターをやっています」

 

「今日はね、あたしとこはねが歌って、

睦がギターで、志歩って子が、ベースをするの」

 

「バンドをしているのですか?」

 

「ううん。あたしとこはねは、歌専門だからね。

それに、睦と志歩は、それぞれ、別々のバンドに所属しているの」

 

「そうなんですね」

 

「唯吹って、ピアノが得意でね、

バンドでキーボードやっているの」

 

「へぇ~じゃあ、演奏とかできたりする?」

 

「賞も取ったことも無ければ、コンクールに出たことは無いです。

ただ、ピアノの教室に、小学生の時から、通っているだけで…」

 

「へぇ~そうなんだね。

あたしと一緒のチームにも、ピアノが上手な子がいるけどね」

 

「一度、会って観たいです」

 

「きっと、会えるよ。

それじゃあ、あたしは、大好きな、こはねにハグしないと!」

 

と、杏はこはねの元へ…

 

「アハハ…杏って、よく、こはねちゃんのこと、

話をしていてね。恋人だって、紹介されるの」

 

「恋人…」

 

ステージの時間となり…

 

「みなさん!こんにちは!小豆沢こはねです!」

 

「白石杏です!こはねと一緒に盛り上げていきます!」

 

「ギターの睦」

 

「ベースの志歩です。よろしく」

 

「それでは、聴いてください!」

 

と、ギターとベースが音を合わせて、

杏とこはねが歌いだす。

 

とても、迫力のあるステージだった!

 

「ふぅ~サイコーに楽しー!

こはね~お疲れ様の、ギューッ!」

 

「も~う!杏ちゃんったら…」

 

と、みんなが、キャッキャッしている中で…

 

 

「楽しい…?」

 

「どうしたの?睦ちゃん?」

 

「ううん、何でもない」

 

睦という、女の子は、どこかで、暗い表情をしていた。

僕は思わず…

 

「僕も…同じ気持ちなのかな?」

 

「えっ?」

 

「楽しい時と楽しくない時って、やっぱり、必ずある事だと思う。

でも、いつでも、楽しいとか、いつでも、楽しくないとか、

それは、無いかもしれない…」

 

「うん。少し考えないとね」

 

「えっ?」

 

「ううん、何でもない」

 

「そうですか…」

 

複雑な気持ちに、唯吹と睦は、何故か、そうなっていた。

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