3月1日になり、中学二年生も今月末で終わりを迎える。
思い返せば、ハチャメチャな一年だと、僕は思った。
4月の春休みは、盗撮扱いされて、見知らぬ女の子にビンタされ、
新学期の時にやって来た転校生は、
その見知らぬ女の子だった。そう。潮田風夏だった。
彼女との出会いが、僕の人生を大きく変えてくれた。
(ねぇ!一緒にバンド組まない?)
と、誘われた時は、ビックリしたな…
ピアノは習い事で無理やりやらされたけど、
昔は水彩画やバイオリン、書道に水泳までと、
小学生の時は習い事に追われていたが、
結局、続いたのは、ピアノだけだった。
どうして、ピアノを選んだのかは、僕にもわからない。
でも、姉からはピアノを弾けたらカッコイイと言われて、
それで、習い事の中でも一番楽しくやれたこともあって、
結果、長続きしている。
ピアノに出会って、それだけが楽しくできたこと。
それに、潮田さんに出会って、バンドをして、
楽しく過ごしている。
居場所かどうかはわからないけど、
でも、それっぽくは感じている。
松野唯吹は、どういう訳か、女子ばかり寄ってくる性質で体質らしいが、
彼自身に自覚は無い。
あるクラスの男子曰く
(松野が男子と絡んだことは、一度も無い)
と、言われている。
小学生の時から、とにかく女の子にモテモテであり、
ラブレターもしょっちゅう貰っていたが、
松野唯吹自身は、満更でも無かった。
夏の合宿や秋の文化祭のバンド演奏と、
クリスマスで、ストリートピアノを弾いた時と、
思い出が沢山出来た様だ。
3月のある日、松野唯吹は、潮田風夏と一緒に教室にいた。
「もう、2年2組も、解散か…
3年生も一緒のクラスがいいなー
それに、高校も一緒が良い!」
「うん。僕も潮田さんと一緒が良い」
「ねぇ、どこの高校受けるの?」
「か、神山高校だけど?」
「じゃあ、あたしも神山高校!受験する!
約束だよ?」
「う、うん…」
風夏と約束した。
「でも、唯くん、ピアノの才能あるから、
音楽学校とか…考えてないよね?男子校はダメだから!」
「男子校も音楽学校も…僕には通えないよ…」
「なら、良かった!」
松野唯吹は高木雅利とも会話をしていた。
「松野くん」
「雅利くん…」
「3年生になっても、松野くんと一緒が良い。
1年生の時から、一緒だったけど2年生の3学期まで、
会話していなかったけど、3年生になったら、
その…知りたい。松野さんのこと。
もし、同じクラスになったらだけどね」
「はい。わかりました。
3年生で同じクラスでも違うクラスでも、
雅利くんと話がしたいです」
「そっか。俺も同じ気持ちだ」
それぞれの思いを胸に二年目の中学生活は、終わりを迎えようとしていた。