3月3日、今日はひな祭りである。
男性である、松野唯吹にとっては、
バレンタインデーと同じ位、憂鬱な日である。
何故ならば、姉たちと妹達が、七段もあるひな人形を飾り、
お祝いするからだ。
そして、ひなあられとお餅も強制的に食べさせられるからだ。
今年のひな祭りは…例年より、騒がしそうである。
「おーい!唯くーん!」
「潮田さん…」
「今日は、ひな祭り!唯くんの家のひな人形!
すっごく、おっきいね!」
「松野家のひな人形は、とにかくデカいですからね…」
潮田風夏は2日に、松野家のひな人形を観に来たらしく、
興奮状態だった模様。
「ねぇねぇ、唯くん。ひな祭りしようよ!」
「はぁ…で、誰を呼ぶの?」
「アタシの友達!
アタシが転校した後、すぐに仲良くなった子だから!
唯くんのことも、前々から気になっていたみたい!」
「あっそ」
「唯くん!不愛想にも程があるよ!」
「はいはい」
潮田風夏の友達、安藤流歌がやって来た。
「紹介します!流歌ちゃんです!」
「あっ、あの…松野さん…
小学生から、ずっと一緒のクラスだった…です…」
「覚えていませんね…」
「唯くん。酷い」
「だって、そもそも…」
「酷いですよ!小学生の六年間と中学の二年間、
別クラスに一度も無ったことが無いですよ!
ずっと、ずっと、好きだったのに…!」
「唯くんって、鈍感でシャイだからね…
って、好き!?」
「はい…」
「唯くんの、どこが好きなの?」
「カッコよくて、ピアノも弾けて、
女の子達にモテモテですから…チョコレートも渡せなかったな…」
今更感だが、3月3日に作った、チョコレートを、
松野唯吹に渡した。
「今日、作ったんだ…」
「ひな祭りだし?」
「関係ないですよ…」
「じゃあ、唯くんの家に遊びに行っていい?」
「姉貴達もいないし、妹も友達と遊んでいるから」
「じゃあ、決まり!」
松野家。
ひな人形、七段がリビングに飾られていた。
「すっごく、大きい…」
「僕は女の子の姉妹が多いですからね…」
「唯くんって、あんまり、男の子と遊ばないイメージだね」
「人は好きじゃない」
「でも、その癖、関わっているよ?」
「巻き込まれてるし、何だろうね…
よくわからない。自分が何をやっているか」
「唯くん!流歌ちゃんが、何か言いたいみたい!」
「えっ、えっと…松野さんは…そ、その…」
と、流歌が倒れ込んだ!
「緊張しちゃったみたい…」
流歌をソファーに寝かせた。
「唯くん。流歌ちゃんを困らせたら、ダメだぞ!」
「僕は何もしていないし…」
流歌は数分後に起きた。
その後、流歌は吹っ切れて、松野唯吹に対して、
好きな気持ちを、ズバズバと言うのだった…!