3月31日。今日は中学二年生、最後の一日だった。
今日は潮田風夏ちゃんと一緒にデートに行く日である。
数日前に、フェニックスワンダーランドに行っていたにも拘わらず、
今日は水族館に行くようだが、
ただでさえ、疲れているのが、松野唯吹である。
「ねぇねぇ!唯くん!早く!こっち!こっち!」
「ちょっと、風夏さん…」
「最後の中学二年生だよ!思い出いっぱい作りたいなー!」
「はいはい…」
「デートだったら、手を繋がない?」
「別に良いよ…」
と、風夏が無理矢理、唯吹の手を繋ぐ。
「ちょ、ちょっと…」
「行こう!」
「う、うん…」
まずは、大きな絶景のパノラマ。
いくつかの魚が、泳いでいる風景が広がっていた。
「幻想的…」
「唯くんを、海の生き物に例えたら…何だろうね?」
「そうですね…クラゲとか?」
「わかるかも!唯くんって、こう何て言うか…
のんびりしているって感じもする!
クラゲって、のんびり泳いでいるイメージが、
あたしにはあるからなー」
と、風夏はご機嫌だった。
他にも、色々な水槽を観に行った。
「あっ、エビもいるし!あっちには、ウナギ!あっ、タコがいる!」
「お寿司…?」
「そうかもね…あーお腹空いちゃった…」
と、昼ご飯に、シーフードカレーを食べた。
「これ、一度、食べてみたかったんだ!」
「案外、美味しいですね…」
「海の幸たっぷりだからね、本当に口に合うよ」
と、風夏がモグモグと、シーフードカレーを食べていた。
「次、どこに行きますか?」
「イルカのコーナーとか、後、ペンギンのコーナーもあるよ?
どっちに行く?あたしはペンギンが良いな!」
「じゃあ、ペンギンで…」
二人はペンギンコーナーを観に行った。
「あっ、向こうにいるのって、
ひょっとして、アイドルの桐谷遥ちゃん?」
「えっ?そうなの?」
「唯くん。知らないの?あの、アイドルの桐谷遥ちゃんだよ!」
「知らないですね…」
「それにしても、遥ちゃんの隣にいる子は…誰なんだろう?」
と、風夏が気にしていた。
「友達かな?」
「多分、そうでしょうね」
「って、日野森雫ちゃんまでいる!桃井愛莉ちゃんまでいるし!
今日、メッチャ付いてるじゃん!」
「その方たちもアイドルですか?」
「そーだよ!唯くんって、アイドルに詳しくないんだねー」
「そりゃ、そうだよ…あまり、関心が無いし…」
「そっか…でも、アイドルに会えたから、良かったよ!
にしても、遥ちゃん。ペンギンに夢中だね…」
「風夏さんも、ペンギンに夢中だと思いますが?」
「そうかな?」
「そうですよ」
しばらく、ペンギンを見つめながら、会話をしていた。
途切れ途切れとは言えだが。