風の旋律と夏の煌めき   作:アッシュクフォルダー

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第五話 内気なベーシスト

放課後になり、自分のペースで、話を進めていく、

風夏を横目に、突拍子もないような、言葉を語り、

僕の手を、ギュッと、握りしめるのだった。

 

「唯くん…?バンド、だめなの?」

 

「ダメって訳じゃないけど、過度な期待はしないでね…

それに、少し距離が…」

 

「あっ、ごめん!いきなり、手を握ったりしてごめん!

でも、一緒にやってくれるのは、本当に嬉しい!

ありがとう、唯くんっ!」

 

「うん、いいよ、別に…これから、よろしく…」

 

「じゃあ、メンバー探さないとね!

唯くん、他に楽器が弾けそうな人とかいる?」

 

風夏に、そう言われて、クラスメイトを頭に思い浮かべるが、

見当が付きそうな人が、誰もいなかったので、

僕は、横に首を振った。

 

「じゃあ、ふたりでしよう!」

 

「ボ、ボーカルとキーボードだけじゃあ、厳しいよ…」

 

「やっぱり、ムリか~じゃあ、探すしかないか…」

 

「そうだね」

 

「あれっ?唯くん、誰かが、こっちを見ている…」

 

風夏は、覗いていた女の子に、笑顔で話しかけた。

 

「ねぇ!ひょっとして、バンドに興味があったりする?」

 

「ご、ごめんなさい!覗いたりしちゃって…

私、前にベースをやっていて…もうやめちゃったけど…」

 

「えー!もったいないよー!

じゃあ、一緒にバンドをやってみようよ!

ねぇ、名前は何て言うの?」

 

「倉谷愛理です…でも、私がやっていもいいの?

後はイラストぐらいしか、できないけど?」

 

「愛理ちゃん、イラストが出来るの?

じゃあ、宣伝とか出来るかも!

チラシやポスターとか、必要になるから!」

 

「う、うん…出来ると思うけど…」

 

風夏のキラキラした瞳を、愛理に向けてる。

愛理は不安そうな表情を浮かべる。

先ほどの、僕同様、無理やり感があったので…

 

「でも、倉谷さんが、バンドをやりたいって、

まだ、言っていないし…」

 

「やりたい!私!バンドがやりたいの!

お姉ちゃんが、ステージに立ったように、

私も、ステージで、キラキラ輝きたい!」

 

僕は、驚きを隠せなかったが、

愛理は風夏と同じく、キラキラした瞳で、

その言葉を投げかけたのだった。

僕の気持ちは、戸惑いと困惑で沢山である。

 

「うんうん!私は大歓迎だよ!

じゃあ、ぜひ入って欲しいな!

あたしと唯くんのバンドに!」

 

「うん、私、頑張る」

 

「それで?唯くんは?」

 

「バンド…やるよ」

 

こうして、三人でバンドグループを結成した。

 

翌日、放課後の音楽室を借りて、

僕たちは、練習を始めるのだったが…

 

「うーん、やっぱり、三人じゃダメだな…」

 

「そりゃ、そうだよ…」

 

「誰かいないのかな…ギターとドラムをやってくれそうな人…」

 

数分の沈黙の後、最初に口を開いたのは、

意外にも、倉谷愛理だった。

 

「…あ、一人いるかも」

 

自信なさげな声色に、風夏は勢いよく、愛理の方を向いて、

期待の眼差しを向けるのだった。

 

「愛莉ちゃん!それって、誰?」

 

「田中真由ちゃん、ギターが上手だけど、

あんまり、話したことが無くて…」

 

「そうと決まれば、今すぐに会いに行こう!」

 

「あっ、練習は?」

 

「それは、後で!」

 

「ハァ…わかったよ」

 

こうして、ギターのメンバーになりそうな子を、

探しに行くのだった。

 

 

 

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