ありふれたやり甲斐と生き甲斐を探して   作:戦鬼

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今週の呪術廻戦≡を見て、テンションが上がらないファンが…以下略




これから

「えーと、ちょっと待ってください、今伝えられた事をまとめてますから」

 

手に軽く握りしめてグーの形にし、おでこを軽くトントンと叩く。朝から頭の痛い事になった状況に、七海は困惑していた。

 

「アルテナさんが南雲君に色目を使い、それに対してシアさんが怒り、色々とプロレス技をしていたと」

 

もうこの時点でどこからツッコミを入れれば良いかわからない案件だ。『長の娘に何してんだ』とか、『どこでプロレス技を覚えた』とか、色々とだがそれらを我慢し七海は続ける。

 

「でも実際は、アルテナさんはシアさんと友達に」

「親友ですわ!」

 

話している最中、さっきまで恍惚な表情で寝そべっていたアルテナがガバァッ!と起き上がり、七海に文句を言う。シアがドン引きしているのだが、それ以上に七海はイラつくが、我慢して訂正する。

 

「………親友に、なりたかった。しかし、アルテナさんは族長の孫娘で、事実上のフェアベルゲンの王女というのもあり、周囲は特別扱いするからこれまで同年代のとも…親友がいないのもあって、どうすればいいか分からず、シアさんの特別である南雲君にちょっかいをかけて、構ってもらおうとした。ここまでは、まぁ、わかりました。色々とありますが、もうわかりました」

 

(きっと色々とツッコミたいんだろうな)

 

(冷静さを保とうと必死になってる気がする)

 

ハジメとユエの思っている事は、この場にいる状況を見た者達の総意でもあった。ちなみに今ここにいるのはハジメグループの面々と雫だ。

 

「ただ、ただですよ、私の知ってるアルテナさんという方は、聡明で心優しく、物静かな方と、そう思ってたんです。それが、何故、あんな、変態(ティオ)さんと同類のようになっているんですか?」

 

「七海よ!何故か今変な言い方をされた気がするのじゃが⁉︎」

 

無視→「それともシアさんにはトレイシーさん含めて、正直アレな女性惹きつける技能でも習得してるんですか?」

 

「あるわけないですよ⁉︎そんな技能(もの)⁉︎」

 

「シアも無視をするでない⁉︎」

 

「「そんな煌々とした表情で言われても」」

 

「アフん!効くのじゃぁぁ」

 

全員がティオをゴミを見るような目で見るが、七海は同じくゴミを見るような目をしてティオを一瞥して会話を再開する。

 

「話しが逸れましたね。続きとします。それで、どうやって彼女が術師として覚醒したとわかるんですか?」

 

「あーえと、私が友達認定した瞬間に、色んな技かけてくれだの、私で遊んでなど言って絡んで来たので逃げながら技を出してそのひとつで、頭からドカンっていった後、少しだけ気絶したなと思ったら…あ、ちょうど今も」

 

とシアが指差すほうを見ると、アルテナが「はぁはぁ」と恍惚な表情で立ち上がって呪力を放出していた。ただし、安定してないのか、その呪力の色は赤黒いものだ。

 

「なぁ、先生。呪術師ってのは変態な奴ほど適切があるのか?」

 

「張っ倒しますよ?あと、それだと君とシアさんもそうだということになりますけど」

 

七海に対してニヤつきながら言うハジメにカウンターを食らわした事で、「「ウグゥ!」」と胸に何かが刺さったような気がするハジメと、同じくその言葉に同じように反応して落ち込むシア。

 

「さぁ、続きとしましょう!シア!」

 

そしてゆらゆらと近付くアルテナは、もはや七海が最初見た時の優雅さ気品さなど放り捨てたような表情だった。

 

「ぎゃぁぁぁ!来んなですぅぅぅ!」

 

「あぁ!お待ちになって、シア!どこへ行かれるのですかぁぁぁ!」

 

ビューンと脱兎のごとく逃げるシアを追いかけるアルテナ。シアは本気で逃げる為、身体強化を全開にしている。これで追いつけるはずは

 

(って、速い!)

 

弱々しい見た目なのに、さすがにシアほどでないが、なかなかのスピードで追いかけていく。2人のダッシュで土煙が上がる。

 

(それに安定してないが、どんどん呪力が上がっている?術式…なのか?)

 

アルテナの術式、 受難悦楽(私をイジメて)

自身がその日に受けた痛みとダメージを呪力に変換する術式。術式使用中は痛みを受ける度に興奮する。他にも機能はあるのだが、アルテナ本人はまだそれを含めて、何も知らない

 

「それにしても、ここ最近は変態をよく目にするような気がするぜ」

 

「全部あなた方が原因かと思いますけどね。あと、止めなくていいんですか?」

 

「まぁ、大丈夫だろ。本当に嫌なら、どキツイ言葉と一撃を喰らわせてるだろうし」

 

七海はそれもそうだと思いつつ、アルテナの事を考える。

 

(トレイシーさんが言うには、死に際に呪術の力に覚醒した。ただ、トレイシーさんの成長速度は彼女の性格と彼女の術式によるもの。一方、アルテナさんは頭部、術式の根幹であると言われる部分への強い衝撃。術式の有無とあった場合の効果は分かりませんが、少なくとも成長率はトレイシーさんほどではないでしょうね。こうなる可能性はありましたが、あまりにも早い。呪力量と出力が上がっているとはいえ、私程度が関わるだけでここまでなるか?)

 

考えられるとすれば、ただひとつ。

 

(やはり、宿儺が来た時点で、この世界の何かが変わったのもあるでしょうが、大きな要因としては、私や宿儺よりも、呪力だから、でしょうかね)

 

呪力は感情由来のエネルギー。それも負の感情だ。人は正の感情よりも圧倒的に負の感情の方が発生しやすく、溜まりやすく、そして伝播するのは早い。

 

そこにそれを主とするエネルギーである呪力を受けて且つ、宿儺が来たことで変化し、下地ができた世界なら、南雲達の地球よりも、変化が早いのもある程度頷ける。

 

「まぁた何か考えごとかよ」

 

とハジメがそんな七海の心境を察したかどうかはわからないが、声をかける。隣のユエに関しては、呆れているかのようなため息をしている。

 

「おおかた、アルテナが呪術師として覚醒した事を気にしてんだろ?」

 

「少し違いますね。いや、それもですが……本格的に世界が変わっていくのが、早いなと思い。ただ、もう受け入れてはいますよ。色々とね。…南雲君」

 

「フェアベルゲンを出るまで、まだ時間はあるさ。ただ、そんなに長くはいないけどな」

 

「…まだ何も言ってません?」

 

「アルフレリックへの報告に、アルテナに呪術の基礎を教えるのと、他の長老衆への牽制と警告。ある程度の事はやっておきたいんだろ?あ、迷惑かけるとかは、もういいぜ。聞き慣れた」

 

ふっ、と七海は思わず笑みがでる。1度は多くを捨て去った生徒が、成長と共にそれらを拾いあげるのを見て、

 

(そうか、嬉しいのか私は。五条さんも、こういう気持ちになってたんでしょうかね)

 

今まで味わってなかった気持ち。それを、心地よく感じていた。

 

 

時間は変わり、ライセン大迷宮

7つの神代魔法の内の1つ、重力魔法を習得する為の試練を挑戦者に与える大迷宮。その場所の見つかりにくさ、内部の魔法を分解する作用による魔法の使用の困難さと、魔力で感知できないトラップの数々。そしてこの大迷宮の製作者であるミレディ・ライセンの性格をモロに出した石版のメッセージによる煽り。どれもここを挑む者の心身を削るものである。当時はまだ現在よりも遥かに未熟であるものの、その時点で特級術師に認定されるだけの実力はあるハジメとユエ、1級に近い実力のあるシアをしても、攻略までに1週間の時間をかけた。

 

「終わりですか!いままでの罠の方がやっかいでしたわ!」

 

そして、彼女はそれ以上の時間をかけたが、本来なら1ヶ月はかかっていただろう場所を、半月もかけずに攻略した。

 

「ま、まさか、その力を使える人間が、現れるなんてね、害徒」

 

「?なんですかそれは、私は呪術師ですわ!」

 

「へぇ、呪術師なんだ。異世界ではそう言うのかーんーそうかーあと、早いとこ足をのけてくれると助かるんだけどぉー」

 

今、トレイシーに踏まれているのは解放者、もしくは反逆者と言われる、ミレディ・ライセンである。失った肉体の代わりに、魂魄魔法でゴーレムにその魂を移し、この時代まで生きながらえている、唯一の存在

 

「ここまでの事を考えて見れば、そうなるのも仕方ないと思いますけどね」

 

とそんな姿を見ても、なんの擁護もしないもう1人の人物(・・・・・・・)は苦笑しながら言うが、助ける気はゼロである。むしろまだ何かしてくる可能性もあるので警戒してる。

 

「正直言って、君らみたいなのが来るのは想定外なんだよ!魔力と近いようで全然違うエネルギーだからこっちはなんもできないしー、卑怯じゃなーい!そんなんで勝って嬉しい?ねぇ嬉し…おごぉ!」

 

「い、い、で、す、か、ら、さっさとよこしなさい、神代魔法を!そして今度こそ、シアとの逢瀬を楽しむのですからぁ!」

 

「し、真性の変態って、マジめんどぅ…ねぇ、君もそうは思わない?」

 

「それが、彼女の魅力だからね」

 

「うえぇ、この人もガチだよ。君もさぁ、ちょっとズルくない?なんで君だけトラップが全然反応しないのさ!」

 

とミレディが言うが、

 

「……できるなら、発動してほしかった」

 

「あ、なんかゴメ」

 

マジでそんな狂気じみた事を言うので、引くプラス同情していた。

 

「あと、君も害…あ、呪術師?なの?今の僕はさ、一応それを見る力だけはあるんだけど」

 

 

時間は変わり、魔人族の国、ガーランド

 

魔王城とされる場所の外れに作られた新たな場所は、魑魅魍魎の巣と化していた。

 

「これ、本当に人間なのか?」

 

1人の魔人族がソレを見ながら呟く。人間族は自分たちの神の敵である存在。それは変わらないが、流石にソレには同情を隠せない。

 

「あまり迂闊な事は言うな。お前も、アレにされるかもしれんぞ」

 

もう1人の魔人族がツレでもある彼にそう言うとその人物はぶるりと身を震わせる。ここ最近、死刑囚が集められたが、その大半が死に絶え、生き残っている者も醜い魔物以下の怪物となり、そうでない者でも、彼にとっては忌み嫌う存在となった。

 

「死ねれば楽だろうに、それもできないとは、もはや哀れにも感じる。っと、そういえば、フリード様は?」

 

「………例の力を得る為に、あいつの元にいるはずだ」

 

それを聞いて愕然とする。

 

「本当にか?魔王様も、よく許したな」

 

彼らは、その力が害徒と言われる存在がしたこと、そしてそれが忌むべき力だと聞いている。

 

「我らに仇を成さず、協力するならという名目でな。だが、お前も見ただろう?」

 

「………」

 

事前に害徒の事を聞いてが故に、反対した者達もそれなりにいたが、その者達はもうこの世にはいない。闘技場で、多くの魔物と多くの魔人族が挑んだ。1対多。あまりにも、不利、あまりに理不尽な状況だが、それを望んだのは、彼らが戦った者その人物だった。そして、その存在、彼女は勝った。理不尽な状況を、完全に覆した。挑んだ者は死ぬか、実験の生贄となった。

 

「おい、お前達、ここはいい。魔王様がお呼びだ」

 

そして、それは彼らも同じ。この後、彼らもその実験の失敗作となる。魔王が、神が必要とする、力ある者のみを選定する為に

 

その場所から少し離れた訓練場では、フリードが新たに得た力を振るう。その力が強すぎて、制御に時間がかかっていたからだ。外にいた生贄達はこれから得るような事を言っていたが、実際は既に得ていた。勿論、失敗すれば醜い怪物に成り下がることも理解してだ。そうでなければ、同意がなければ、その力を得るなど不可能だから。忌むべき力だが、それでも欲した。

 

「やぁ、フリード、調子はどぉ?って、その様子なら大丈夫かな」

 

「恵里か。私の認識に干渉するなと言っていたはずだが」

 

簡単に他者を裏切った者が、他の所で信用などされるわけがない。更に彼女は自分の力で神代魔法に近い魔法〝縛魂〟というオリジナルの魔法を生み出し、呪術師として覚醒してからは、術式との相性もあり、脅威的な成長をした。フリードは推定、特級術師並の力の持ち主。神代魔法を2つも所持する強者。そんな彼が、魔力にも、気配にも、呪力にも、反応できなかった時点で、警戒するのは、無理もない。その上

 

「えぇー硬いこと言わないでよー僕は見ての通り、か弱い女の子だよ?それに、その身体を治すことができたのは、誰のおかげかな?」

 

「治す…か、作り替えたの間違いだろ?」

 

七海の術式とユエの魔法により、フリードの肉体、特に内臓部分は回復魔法でも完治は難しい物だったが、それは既に完治した。恵里の術式による肉体の進化によって。

 

「いずれにせよ、治したのは変わらないでしょ?それに、僕の作った屍獣兵も、こんなにしてさぁ…ま、これはもう正直いらないから、別にいいんだけど」

 

屍獣兵:中村恵里の固有魔法【降霊術】によって生み出された不死の軍勢。元は魔物の死体と王都で殺害した騎士達。それらの魂の欠片や魔力を定着させ、恵里の命令に従う操り人形として再構成したもの。魔物と融合したその姿は、生命の全ての尊厳を破壊した歪。真人と呼ばれる呪霊がした事と、変わらない、改造された生命。

 

そんな強力な存在でも、もう必要がないという。彼女は既に、それ以上のものを作ったから。

 

「忘れちゃいけないよ、君は僕と契約をしたことでその身体を得た。拒否権はある程度あるけど、本格的に僕が相手をすれば、君は何もできないんだから。あっと、そんな睨まない。こっちから仕掛けるつもりも、裏切るつもりもないからさ」

 

フリードは心底イラついたが、「フン」と流す。

 

「それにしても、ふむ」

 

彼女はいつぞやのように手をグーパーとしている。

 

「どうした?」

 

「んーなんかねぇ、もう一段階上を目指せそうな気がして、それがもう本当に後1歩って感じがしてさぁ、モヤモヤしてるんだよ」

 

これ以上強くなる。そう言っているのだとフリードは思い、警戒は強くなる。訓練場での場面は彼も見ている。事前に使うと言っていた人間2人が、怪物になり、彼女に挑んだ者達を蹂躙していく様と、彼女に向かった者達が、消し飛ぶ様子を。

 

「あ、実験用の生贄を用意してくれたのは助かるよ。あの試合で、王都から持って来たのは、殆ど使ったからね」

 

「死刑囚達の魂は?」

 

「保管済み♡もう一度分はあるね」

 

「…哀れだな」

 

死刑囚とはいえ、フリードもそう思ってしまう。だが、必要な犠牲だとフリードは自分に言う。

 

「それより、使徒ちゃん達は?あんなにウジャウジャいたのに、今朝は1匹も見ないんだけど?」

 

流石の恵里でも、見た瞬間冷や汗を流した。王都でも見た神の使徒と言われる存在。それが500以上、顕現したのだ。1体1体の力が王都だ見たものと同じなら、まさにそれは神が下す神判を行う天使そのもの。こちらに来たのは間違ってないと確信する、絶対な力。

 

「…招待客を迎えに行った。とりあえず、メイン以外をの客をな」

 

恵里は一瞬首を傾げたが、すぐに理解した。

 

「あぁ、そういうこと。それじゃあもうすぐなんだね。楽しい楽しいパーティーの時間が。待ち遠しいね、再開の時が」

 

笑い、ステップを踏み、回転しながら、恵里は言う。その途中、「あ」と同じ思い出したかのような声をだす

 

「王都の方、この前言ってた2人。1人はもう寝てないか、まだ寝てるかわからないけど、いたらそいつは僕の元に連れて来てよ、ちゃんと」

 

「もう1人はどうするのだ?お前の元に送ればいいのか?」

 

「いや、そっちは別にいいよ。他の皆と一緒でも。ただ、まぁ、試したいことがあるのと、それと」

 

クルンと1回転して、恵里は言う

 

「言われたんだ。この世界に来た害徒を消す為の、依代にしたいってね」

 

時間は戻り、再びフェアベルゲン

 

「はい?」

 

と、そんな素っ頓狂な声を出したのは、光輝だ。そう、光輝である。そしてそんな声をだす原因となる人物は、

 

「もう一度言います。天之河君、君は次の大迷宮に来てもいいですし、来るべきです」

 

少しだけズレたサングラスを戻し、そう言う。

 

「あの、七海先生、正直俺はもう帰る気満々だったんですが?」

 

(お前がそんな事言うのが、驚きだよこっちは)

 

フェアベルゲンを発つ前、光輝は大迷宮で自分が言うように、王都へ戻る事をハジメに宣言した。その時のハジメが驚いた顔は、言い表すことができないものであった。

 

『いいのか、お前?』

 

『自分の言った事を覆すのは、もう嫌だからな。力が欲しくないのかって聞かれたら、正直言ってそんな事はないんだけど』

 

未練はあるが、それでもというところだろう。ハジメは『まぁ、いいけどよ』とゲートを出そうとした時、七海が来て、先程の言葉を言ったのだ。

 

「理由は3つ。1つは、君が強くなるには、大迷宮で試練をする事だと思いました。結果がどうなってもね」

 

「それは、俺がこの世界に残る事を許可するってことですか?」

 

光輝はそのつもりではいた。たとえ試練ができなくても、この世界に残りたいと思っていた。以前とは別の理由、自分の為に。

 

「少なくとも、試練で君が死ぬ可能性は低い」

 

「勘ですか?」

 

「いえ、実力を見てです。それと、2つ目…そんな未練たらたらの状態で王都に戻っても何もならない上に、最悪迷惑を周囲にかける。強さを得る為と、君の精神を心配した結果です」

 

死ぬ可能性は王都に戻る方が低いだろうが、今後の事を考えてのものだが勿論、それだけではない。フェアベルゲン滞在中、七海は光輝達勇者グループと模擬戦をした。そこで見た結果も加味している。4人とも、1級呪術師として認めていいほどの実力があったから。もはや1対1でなければ、七海は勝てないほど、彼らは成長していた。

 

「そして3つ目。君は、自分で言った言葉を蔑ろにするんですか?中村さんと、会うべきだと、言うべき事があると、大迷宮で言ったのは君ですよ。ま、最終的に決めるのは君ですが、どうします?」

 

「うっ」

 

以前の光輝であれば2つ返事で「行きます!」声を荒げて言っていただろうが、色々と決意を固めて帰る事を言った現在は、自分の言葉を自分で撤回するという事なので、正直なところ、微妙である。だが断るともう一方を蔑ろにする。光輝がそう悩んでいると

 

「うお!」

 

「ウダウダ考えんなよ、親友!」

 

龍太郎が光輝の肩を組み、そう告げる。

 

「色々と考えんのは悪くねぇけど、チャンスはチャンスで、掴みに行こうぜ。それに、少なくとも俺はお前がいてくれた方が嬉しいぜ」

 

「……他の皆は?あ、南雲とユエさん達はいいです。どうせ『どうでも良い』とか言われるのがオチなんで」

 

(オチを自分で言うあたりも成長してんな)としみじみとハジメは思う。

 

「私は、正直来ないってあんたが言ってるのを見て、驚きすぎたけど、まぁ、心強いとは思うわよ」

 

と雫は言いながら、鈴を見る。

 

「…不器用でも、私の為に動いたことは、感謝してる。次の大迷宮で、私がどこまで役に立つか、わからないし」

 

「鈴も認めるってよ」

 

「いや、言ってな」

「違うのか?」

「……………」

 

龍太郎の言葉に、俯き、小さく鈴は「いいよ」と言う

 

「ホラ、認めてんだからよ、行こうぜ」

 

「…っっ……いいですか、先生、あの時の言葉、撤回しても」

 

どこか悔しそうな表情で、光輝は言う。

 

「ええ。構いません。ただ、あとは南雲君次第ですが」

 

「俺の答えはもう先に言われたよ。迷惑かけねーなら構わない」

 

そして、フェアベルゲンに来た時と同じ人数で出発する。最後の大迷宮がある、極寒氷雪の地帯。そして、魔人族領の近くへと

 

 




ちなみに
アルテナの術式の詳しい説明と拡張術式を書くのはいずれしますが、しばらくはないです。ただ、これだけは言いますが、ティオの痛覚変換とはだいぶ違う所がありますし、同じ使い方はしません。(というよりアルテナは戦闘力そのものはないので使えても宝の持ち腐れ)

ちなみに2
今回トレイシーが登場したシーンですが、今のハジメ達と時間軸違います。今頃使徒達が招待客を迎えに行ってるとこくらいかな。そしてトレイシーと共にいた彼はずいぶん前に独断行動してます。七海も気付いてません。術式は王都の時くらいに覚醒してます。
トレイシーを彼のヒロインにするかは、少し悩み中。しなくてもいいかな?

ちなみに3
フリードの肉体は戻りましたが、まだ七海の術式は身体の中に植え付けられてます。これだけ言っておく

フリード、ガンバw
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