乙骨の声優さんが緒方さんなのは合ってると思うと同時にシンジっぽくならないかなぁと不安がありましたが要所要所のところで乙骨だコレ‼︎と感じる部分が多かったですね
そしてテンションそのまま4話書いてます
そう4話目。この話と4話は12月空いた時間使ってほぼ書いてました。まずはこちらを。
4話もレイトで2回目を見た後くらいに出します
「まいったな、降参する」
騎士団の中で最も強い男はこうなることは分かりきっていたのか、あっさりと負けを認めた。
「まったく、なんでこうなるんですか」
一方で勝負に勝ったはずの七海はまるで負けたかのようにがっくしとしていた。ことの発端は訓練の始めに遡る。
*
異世界に来て翌日、訓練の為王宮の訓兵場に来ていた。七海は今日身分証明になる物を渡されると聞いたので、生徒に今日は来て欲しいと頭を下げてお願いし、戦うことがいやだと思う者も来てこの場には全員いた。そして騎士団長メルド・ロギンスが軽快な挨拶の後――
「これから戦友になろうってのにいつまでも他人行儀に話せるか!」
と言ったのに対して、
「勝手に彼らを戦友にしないでいただきたい」
と七海が食ってかかったのが始まりだ。
「彼らに戦い方を教えていただけるのも、慇懃な態度を取らずフランクに接してくれるのもありがたいです。しかし、戦いたくない人もいますし、何より私は彼らを戦場に送る気はありません」
「七海建人だったか?訓練すると言う事は戦うという事だ」
「ええ。彼らにはこの世界で生きる為の最低限の知識と技術、そして力が必要と考えました。しかし、だからといって兵士にする気はないです。それはまず私の許可及び死が必要だと聞いていると思いますが?」
ピリピリとした雰囲気に近く、お互い冷静に喋っているのが逆に恐ろしかった。
「お前こそ戦場を舐めているのではないか?どれほどかはまだわからんが、1人でどうこうできるわけないだろう?」
「並大抵の相手ならいけますけどね」
実際七海は等級3〜2級弱の改造人間の群れを満身創痍で、意識もはっきりしてない状態でも全滅させた。この世界に来て力が上がったことも踏まえて七海はあの条件を取り付けたのだ。
「ふむ。そこまで言うなら実力を見せてもらおう」
メルドは腰の剣を持ち、抜刀の準備をした。
「いえ、結構です。私は私の意見を言っただけですので」
七海がしたかったのは事実の確認。スルーして戦友=兵士として認識されてはいけない為だ。が
「フンッ‼︎」
メルドはその大柄な肉体に似合わない俊敏さで剣を振りかぶるが、
「!」
七海はそれに対して余裕があるように、刀身の刃の付いてない部分を殴り、へし折った。そして冒頭の言葉に移る。
「いいか、お前達も少なくとも白兵戦向けの奴は俺くらいにはなってくれよ」
剣を折られても、メルドの言葉に納得がいく。なぜなら自分達では今のメルドの動きに対応できないとはっきりわかるからだ。
(なるほど、そういうことですか)
納得した七海は後でメルドに謝罪をしようと思っていた。
*
落ち着き出した頃合いに、生徒達と七海、愛子に十二センチ×七センチ程の銀色のプレートが渡された。スマホの画面のように何かが見れるのかと思うが何も映ってはいない。魔法陣が刻まれているだけだ。
「全員に配り終わったな?このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」
「どのように使うのでしょう?それと原理は…」
「あぁ…すまんが建人、原理は聞かんでくれ、そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」
今度は光輝が「アーティファクト?」と質問し、説明を受ける。
アーティファクト: 現代では再現できない強力な力を持った魔法の道具のこと。この世界で神やその眷属達が地上にいた神代に創られたと言われている。ステータスプレートもその1つだが複製するアーティファクトと一緒に昔からこの世界に普及している唯一のアーティファクトだ。因みにアーティファクトは国宝物になるがこれは身分証になるからと一般市民にも流通している。
(まるでゲーム感覚ですね、これを最初に作った人物は)
そう思いつつ、七海は一緒に渡されたまち針程の針を使って指先から血を出し、メルドに言われたように魔法陣に血を擦り付けた。魔法陣が一瞬淡く輝くとステータスが表示された。
(………これは)
七海は自分のステータスを見ながら疑問に思うことがあったのだが、その先を考える前にメルドが説明を続ける。
「まず、最初に『レベル』があるだろう?それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベルは、その人間が到達できる領域の現在値を示していると思ってくれ。レベル100ということは、人間としての潜在能力を全て発揮した極地ということだからな。そんな奴はそうそういない」
レベルが上がる=ステータスの上昇というわけではないという事だ。
「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることもできる。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しいことはわかっていないが、魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている」
(わからないというより、理解できないようになっているのかもしれませんね)
聞けば聞くほどゲームのようだと思う七海だが、確信があるわけではないので黙って聞いている。
「次に『天職』ってのがあるだろう?それは言うなれば『才能』だ。末尾にある『技能』と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する」
(天職……いやなもんですね)
もしこの天職とやらを決めたのがエヒトだとしたら、相当な嫌な奴だなと思いつつも、納得してしまう自分がいることに、七海はため息が出そうになっていた。
説明は続き、最後なのか「後は」とつけて言う。
「各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな!全く羨ましい限りだ!あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」
(…面倒な事になりますね、これは)
七海は(見せないわけにはいかないな)と考えていると早速、光輝がメルドにステータスを教えに行っていた。
「ほお~、流石勇者様だな。レベル1で既に三桁か……技能も普通は二つ三つなんだがな……規格外な奴め!」
「いや~、あはは……」
全てのステータスが100で技能も多数。メルドですらレベル63で平均ステータスは300程。これがどれだけすごいかは素人でもわかるだろう。
(そうなると私は……ん?)
七海は自身のステータスプレートの異常性を考えていた時、ふと見るとハジメが蒼い顔をしていた。
「南雲くん、どうしました?気分が悪いなら言ってください」
「あっ、いえ、その〜」
(ステータスが思ったより低いといったところですか……………)
数秒考え、七海はメルドにハジメのステータスを見るように促す。ハジメはぎょっとした目になる。
「大丈夫です」
と小声で言ってハジメを行かせる。ハジメは七海の言葉を信じて向かうが、案の定ステータスが低いのか、メルドは目を丸くし『あっれ〜』と言うような顔をし目を擦る。
「ああ、その、なんだ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛冶職のことだ。鍛冶するときに便利だとか……」
少々歯切れが悪くハジメの天職を説明するメルドに、七海はもう少しフォローをと思うが、事実なのだからしかたない。
その様子を見てハジメを目の
「おいおい、南雲。もしかしてお前、非戦闘系か? 鍛冶職でどうやって戦うんだよ? メルドさん、その錬成師って珍しいんっすか?」
檜山がニヤニヤしてそう聞く。
「……いや、鍛冶職の十人に一人は持っている。国お抱えの職人は全員持っているな」
「おいおい、南雲~大丈夫かお前〜」
「さぁ、やってみないとわからないな」
ハジメの言葉に檜山は面白がって更に煽る。
「じゃあさ、ちょっとステータス見せてみろよ。天職がショボイ分ステータスは高いんだよなぁ~?」
メルドの対応を見ればどういう結果かはわかってるというのにわざとらしく言い、投げやりにハジメが渡したステータスプレートを檜山は見る。
「ぶっはははっ~、なんだこれ! 完全に一般人じゃねぇか!」
爆笑。次々にそのステータスを見せていき、そのたびに他の男子は笑う。ステータスは全て10、技能は言語理解と錬成のみ。他の者達が軒並み高いにもかかわらず彼だけがである。ここに来て不安になっていた者たちも何かしの笑いのタネが必要になっていたが、その笑いのタネになって喜ぶ人物はいない。平常を保っているがハジメもそうだ。
「そんなんで戦えるわけ?」
しかし、檜山がこの言葉が出たとき……否、この言葉を待っていたのか、
「彼を笑う資格は君達にはありません。そもそも非戦闘職なのですし、何より私の許可がない限り戦う事は許しません」
七海がその言葉に反応して言う。
「…けどよぉ七海先生、生きる術を得るんだったら南雲は俺らの中で最弱なのは事実なんだから、それをみんなに知ってもらうのはいいんじゃね?」
少しだけイラつきつつ、ケチをつけるように檜山は言う。
「いえ、むしろ彼は1人で生きる技術を手にしました…南雲君」
「は、はい」
「早速ですが、私に武器を作ってくれませんか?」
いきなりだった。ハジメは「いきなり言われても」と言うが
「君は、おそらくこの世界に来たことで脳にインプットされ、今ステータスを見たことでなんとなく理解しているでしょう。素材はここにあります」
差し出したのは先程折ったメルドの剣の刀身。
「これとここにある地面でできるはずです」
「………」
「無理なら構いませんが…」
「あ、いえ、そうじゃないんです。先生の言う通り、頭が理解してるんです。できるって…ただ、どういう剣にしようかと」
『ほう』と七海は思った。すぐに理解できていることもだが、緊張せずそんなことを考える余裕があることにもだ。
「では、大鉈で」
自分が使い慣れている武器の形を選択すると、ハジメは集中して地面と折れた剣に手を寄せ、
「錬成」
それを始める。光をまとい、素材は分解されて再構築されていく光景は、どこか美しくも感じる。
「で、できました」
少ない魔力を全て使いできたその大鉈の形はしっかりとしていた。形はだ。メルドや経験ある騎士ならそれが鈍であるとすぐにわかる。
「鈍ですね」
「うぐっ」
七海がフォローするかと思いきや、事実をズバッと言ったことで、ハジメは傷つく。それにまた男子達は笑う。
「しかし……フンっ!」
大鉈を受け取った七海が、近くにあった木を軽く一振りしただけで斬り落としたのを見て、生徒達も、メルド達も、作ったハジメですら驚いた。
「私には充分すぎですね。わかりますか、檜山君?」
「な、なにが…」
「物を作る技能はこれからこの世界で生きるうえで戦うよりも大切です。これからゆっくりでも力をつければちゃんとした剣を作り、それを売って生計が出せます。一方で戦闘職はまず強くならなければならない。力も技術も少なくともメルドさんに敵わないのですから」
説明されていくことで、檜山を含めたほぼ全員が、自分達はかなり難題がある事を理解した。ハジメは知識技術だけを上げていけばいい。だが彼らは戦う必要のないハジメと違い、戦う技術と知識技術の2つをあげる必要がある。
「実際は大きく分けた2つですからもっと大変でしょう。もちろん南雲君もその力を上げなければ宝の持ち腐れですし、ある程度の戦闘訓練も必要ですが、今の君達は完全に対等なんですよ。思い上がるのはやめなさい」
「…っは、い」
歯軋りをしつつ檜山は言った。
「さて、メルドさん、私のもステータスプレートも見せます」
そうして七海はステータスプレートを渡す。檜山達は自分達より低ければどうしてやろうかと考えていた。渡されたステータスを見たメルドは、目を見開く。
「これは‼︎魔力、魔耐共に0…」
まさかのハジメ以下のステータスに檜山達はブハッと吹きだした。だが次の言葉に凍りつく。
「だが筋力、体力、耐性、敏捷は全て勇者以上…というよりほぼ3000越え」
「なぁ⁉︎」
「「「「⁉︎」」」」
=============================
七海建人 28歳 男 レベル:1
天職:呪術師
筋力:3700
体力:3700
耐性:3700
敏捷:730
魔力:0
魔耐:0
技能:戦術眼・物理耐性・火属性耐性・水属性耐性・魂知覚(弱)・気配感知・魔力感知・言語理解
=============================
「敏捷は他の3つより低いが、それでも700以上。しかもこれでレベル:1だと…とんでもないな」
(やはりこうなりますよね……しかし)
ステータスプレートを見た時から、七海には気がかりがあった。1つは自分のレベルが1である事。七海は1級呪術師、実力は相当上にある人間だ。到底レベル1ですむ実力ではない。
(他の世界から来た人間は誰であろうと自動的に1になるのでしょうか…八重樫さんのような武道に力をいれている人物も1ですし)
「だが魔力が0なのに天職が呪術師というのはどういう事だろうな?」
そしてもう1つは魔力と魔耐が0な事についてだ。
(私の呪力も術式も消えていない。むしろ呪力量は増えている)
実際先程の木を切ったのは、七海の術式を使用したからだ。このことから七海は仮説を出す。
(おそらく、私に本来なら手に入るはずだった魔力が呪力に取り込まれたのでしょうね。天与呪縛のようなものでしょうか?何よりこの世界の魔力と呪力は少し似た力を感じましたし)
天与呪縛:縛りと呼ばれるリスクを背負う事で力を得る方法の1つだが、これの発現の形は個人によって様々。先天的に重い身体障害を持つ代償が強大な呪力を得る場合と、逆に本来持って生まれるべき呪力や術式を持たない代償として超人的な身体能力を得る場合等がある。
(呪力と術式がステータスに映らないのは世界が違うからか元々ないものだからか、もしくは私が普通とは違う生まれだからか)
どちらにせよ力が上がって好都合だと七海は思った。思ったが、
(結局私はどこでも呪術師ということですか)
これだけは分かっていたとしても少し嫌なものがあった。なぜなら呪術師はクソだと七海は今でも思っているからだ。
(火と水耐性それと魂知覚というのはよくわかりませんが、おそらく私が戦った経験からきているのでしょうね)
3体の特級呪霊との経験がここで表れているのだという事は喜んでいいのか悪いのか。3体とも死ぬ理由となった相手故に、尚更である。
「まぁしかし、これなら魔耐が0でも並大抵の魔法は効かない…というより、ここまで敏捷が高いと並大抵の魔法は当たらない上に放つ前に攻撃する事も可能だろうな。いやしかし、なんで呪術師なんだ?」
疑問はもっともだが、それでも能力は1番のチートだと誰もが思い、同時に檜山達は圧倒的な力の差にもはや何も言えなかった。
余談だがあまりの差に唖然と絶望していたハジメは
「南雲君、気にすることはありませんよ!先生だって非戦系?とかいう天職ですし、ステータスだってほとんど平均です。南雲君は一人じゃありませんからね!」
そう言って愛子はハジメに自分のステータスを見せた。が
=============================
畑山愛子 25歳 女 レベル:1
天職:作農師
筋力:5
体力:10
耐性:10
敏捷:5
魔力:100
魔耐:10
技能:土壌管理・土壌回復・範囲耕作・成長促進・品種改良・植物系鑑定・肥料生成・混在育成・自動収穫・発酵操作・範囲温度調整・農場結界・豊穣天雨・言語理解
=============================
魔力だけなら光輝に匹敵し、技能数は超えている。さらに愛子の能力は食料生産向上に長けている。糧食問題は戦争には付きものだ。とにかく励まそうと思って言った言葉だった為にハジメは再び絶望していた。が、「力を上げて適材適所でいきましょう」と七海からフォローされた。
だが、自分を不器用ながらも庇ってくれた七海に応える為、ハジメは頑張ろうと思っていた。
一方、コケにされたと思った檜山は憎悪が増す。敵わない相手だから何もできないのが、さらに怒りのボルテージをあげる。そしてそのきっかけであり、自分の好いている相手の好きな男というもともとあった嫉妬も憎悪をだす原因になる。
これが後にある事件を起こす事をまだ誰も知らない。
*
その日の夜、七海の部屋に
「建人、いるか?」
「…メルドさんですね。どうぞ」
「邪魔するぞ…ん?」
扉を開けると1人の女性がいるのにメルドは気づく。
「七海先生、ありがとうございます。話せてよかったです」
「えぇ。さっきの自分の意思、しっかりと聞かせていただきました」
七海がそう言うとその女性、雫は七海にお辞儀をし、メルドにも軽くお辞儀をして部屋から出ていった。
「話があったなら席を外してもよかったんだがな」
「構いません。話はちょうど終わったところです。…彼女で5人目ですけど」
「悩み相談といったところか?」
「そんなところです」
雫達が七海の所に来て話したのは、今の自分の覚悟と恐怖。
「皆さん、親元を離れて見知らぬ土地で暮らすことでも不安がありますが、そこに自分の命も関わっているのが余計に不安を後押ししています。私にできるのは彼らの不安を少しでもやわらげる事だと…そう思ってたんですけどね」
「どういう事だ?」
「……メルドさん。戦争は無理ですが、実戦訓練の城壁外にいる弱い魔物での訓練を許可します。とりあえずしばらくは私の許可した人のみですが」
「…もう少し後にすると思っていたんだがな」
それを聞いて七海はやはりかと思った。
「あの時、私に挑んだのは実力を測るのと、彼らの現状を教える為ですね」
クラス全員の成長速度はおそらくこの世界の人より早い(ハジメを除く)。だが戦う相手が少なくともメルド以上だとわからせるには良い。『自惚れるな』と、メルドは言葉でなく、行動で見せた。
「まぁ、お前の強さは想定以上だったがな。…本当の事を言うと悩んでいる。神が定めた事でも、彼らを戦争に巻き込む事を。これは俺たちの世界の戦争なのだから」
「……私が言えたことではありませんが、教育者に向いてませんね」
七海の言葉に「違いない」とメルドは苦笑する。
「だが、おまえは教育者に向いてるぞ。少なくとも俺よりは」
「どうでしょうかね…今日、相談しに来た1人の八重樫さんは、自分よりも天之河君の心配をしてました。彼は私を除けば現状最も強く、そして最も成長するであろう人物です。けどそれは技能面のみです」
「あぁ。俺も、1番の心配だ。強いから尚のことな。すぐに俺を追い越すだろう…ステータスはな」
その光輝が相談もない。自分は大丈夫。自分がなんとかすると本気で考えている。
「彼はある意味1番の子供です。理想と現実のすり合わせができておらず、これからしようとしている事に気付いてない。八重樫さんもそこに不安があったようです」
「勇者という肩書きに酔い出していると言っても良い」、と付け加える。実際七海がいなければずぶずぶ戦争に参加し、その現実を目をして何もできず、誰か他の生徒が犠牲になっていただろうとメルドと七海は考える。
「いずれ、この世界にいる限り、なんらかの形で戦いに巻き込まれていく。その時戦えないの人を、守りたい人を守れないのも嫌です……今のは八重樫さんの言葉ですが、他の人も大体似たり寄ったりですね。しかし、八重樫さんは間違いなく無理をしている。自身で気付いているかどうか知りませんが心が弱い。いずれそれが彼女を蝕む事にならないか」
「だからこそ、ここを臨時のカウンセリング場としているんじゃないか?」
「まだあります……もうひとり別の意味で危うい人物もいました」
「?」
*
『大好きな人と大切な友達を守りたいんです』
彼女が来て最初に言った言葉がこれだ。友達でなく大切な人を最初につけている事に気づいたが、相談でもなくいきなりのこれだ。冷静になって話すとようやく落ち着き、少し赤くなっていたが『いつでも守れるよう、誰かが死なないようにまず私が死なないための力が欲しいんです』という治癒能力を持つ故の言葉なのがわかり、七海は更に質問する。
『それは、誰かを殺してもですか?この世界で生きる限り、更に戦うと決める限り、どこかで人を殺す可能性がでてきます。それでも?』
『実際にまだしてないからたいしたことは言えません。けど、私の好きな人を失うよりはいいです』
(……南雲くん、相当好かれていますよ)
香織の本気と良い意味?でイカレている部分を見て、七海は戦闘訓練を許可することを決めた。
*
「またため息が出ているぞ建人」
「…すいません。やはり畑山先生に手伝っていただきたいのですが」
「明日には各地の食料問題解決のための遠征だからなぁ」
「護衛の方は大丈夫ですよね」
「当然だ。今は魔人族側に存在を知られていないだろうが、知ったら勇者より先にと躍起になるだろう。護衛達も優秀で命を捨てる覚悟もある。何より今回は戦地からかなり離れている田舎だ。心配はない」
七海はそれを聞いて、多少だがホッとする。
「戦闘にいくわけでもない故に、私の約束にも関わらない。彼女は残りたかったようですが、他の生徒にも説得され、私自身が適材適所と言っていたのもあり、引き受けたみたいですが」
「難儀だな」
会って間もない2人はまるで昔からの親友のようにしばらく話した。
「そろそろ行くとしよう。建人、次は酒でも飲みながら話そう」
メルドが去ったあと部屋は静寂になる。七海は鍵をかけて、自分のネクタイとハジメの作った大鉈に呪力を込める。
「ネクタイの方は
自身が呪術師であったことを忘れないために続けている日課の1つを終え、寝ようとすると扉がノックされる。
「七海先生、いま、いいですか?」
「えぇ、どうぞ」
七海は『まだ寝られないな』と思いつつ、頼られている事に気を引き締めて、扉を開ける。
「どうしました?南雲くん」
「僕に、戦い方を教えてください」
ちなみに
天淵之差: 違いの差が非常に大きいこと。
七海のステータスは迷いました少なくとも勇者(笑)の最終的な強さよりは絶対上にしたいのと七海らしい数値にしようと想い↓
730、低いな。→7300、今度は高すぎ。→3700ってな感じ。
ただ敏捷3700速すぎだろと感じて730(それでも速い)五条だとこの20倍以上直哉なら敏捷4桁いきそう。でも後々の設定の事考えるとやっぱりわからない
ちなみに2
七海はクラスの皆を戦争に参加せる気はありませんが同時に不可能とも思っています。自分1人で戦争が終わらせる事などできないと思っているので。だから愛子と違い犠牲者が出る事も想定していますし全員で帰れるとは全く思ってません