なんなのEDキャンセルとか、それで2回目とか、初見死ぬぞw
そして、本誌はワクワクにつぐハラハラの第2ラウンドです!これ、実質宿儺の負けで良くね?
「そっちがチャレンジャーだから」マジこれですね
それと、今回は完全に次への繋ぎ&説明回です。そんな回を、こんな時間掛けてすんませんでした!
(また、この夢……そして、またあなたですか、灰原)
先に見える光を塞ぐ灰原は――
(何も、言わない。まぁ、これは所詮は私の夢……しかし、そこを退いてくださ…)
*
「うっ」
光が当たって、瞼の奥の目が反応する。妙に頭がクラクラし、視界が数秒ブレるが、どうにか七海は身体を起こした。
「ここ、は?」
大きめのベッドに寝ていたらしい七海は、周囲を見る。木造の家なのはわかる。次に窓。そこから聞こえる人の声と、
「潮の香り……!そうだ、私は、南雲くん達は…」
「無事ですよ、皆さん」
「!」
別の部屋から来た人物の声に七海は警戒しつつ見る。背は少し高めの若い女性。年齢は流石に学生の香織より上。見た感じで言えばティオと同じ、妙齢の言葉が似合う。だがそれ以上に気になるのが耳の部分。海人族特有のそれに目がいき、次に思うのがミュウと顔立ちが似ているなという事。というより、ミュウを大人にしたと言えば最も納得がいく姿だ。
「失礼ですが、あなたはミュウさんの」
「はい。母のレミアという者です。ミュウも心配してましたよ、ナナミンさん」
「…………あの、すいません。私の名は七海です」
「ええ、知ってます」
「…………」
警戒心を解く為のものなのかはわからないが、ニッコリと笑って言い、七海の中でレミアという女性に苦手意識を持つ瞬間であった。
*
ハジメに預けていたいつものスーツと新しいズボンに白のシャツ、青と白の縞模様のネクタイが用意されていた。寝衣から着替えてサラリーマン度が上がった七海はリビングに出ると、ハジメを含めて全員、アンカジに置いて来たはずのミュウと香織もいる事を確認した。
「ナナミン!起きたのー!」
ミュウがピョンピョン跳ねて喜んでいる。無事を祝ってくれるのは嬉しいが、2人がいる疑問は疑問として、現状を知りたいと七海はハジメを見る。
「よう、七海先生。気が付いたんだな」
「何日、寝てました?」
「大体3日位。目覚めは良いみたいだな」
「おかげさまで。私の傷がふさがっているようですが、白崎さん……ではなさそうですね。神水を?」
「ああ。感謝しろよ」
貴重なものを使って傷を治してもらった事に、七海は感謝と多少の罪悪感がでるが、とりあえず感謝をした。
「それで、どういう状況になっているのか、説明していただいても?」
「まず、あの魔人族についてだが、逃げられた。まぁ、ティオの追撃とクロスビットの自爆、元々あんたの攻撃で大ダメージも受けていたから、反撃もできなかった。つか、あれオルクスで見せたやつだよな?他の技と違う感じがした。呪力の流れと使用量で見た感想だけど」
「極ノ番、術式の奥義とでもいいましょうか。今まで使えてなかったんですが、この世界に来たことで上がった呪力量と出力のおかげで、ようやくできました。威力的にはまだ未完成ですがね」
正直言って奥義なら、それでフリードを殺しておきたかったというのが本音だ。術式の開示はしてないとはいえ、自分の戦い方と、何かしらの能力がある事を伝えたまま生かしてしまったのだから。
「詳しくは後で聞くよ。あぁそれと、気絶した先生を俺らの元に運んだのはシアだ。そっちにも感謝しとけよ」
「そうでしたか…シアさん、ありが……なんですか?」
シアが七海をギリィと瞳を細めて睨んでいた。
「七海さん、私、あの言葉を許してませんから」
「あの言葉?」
「自分を置いて行けってやつです!なんですかあれ!カッコつけてんですか⁉︎」
「もっとも多く生き残れると思ってですよ。君としても、優先順位的に私は南雲くんやユエさん、ティオさん、ミュウさん、白崎さんよりも下でしょう?」
「そういう問題じゃないです!……だいたい、仲間に助ける優先順位とかクソもないです!」
仲間と言われて嬉しくないわけではないが、あの場合、助かったのは奇跡に近いと七海は思っている。
「自分を軽く見過ぎ」
「七海先生、私達にどういう影響を与えているか、わかってます?」
「妾でも引いたぞ」
「ナナミン、メッなの!」
残る4人の女性たちからも批判を受ける。どう言うべきかと七海が考えていると、更にレミアも「私もよろしいですか?」と声をかけてくる。
「七海さん、私はその状況がどうだったか見てませんから、偉そうに言うことはできないです。けど、あなたがとった判断は間違ってないですけど、正しくもないんじゃないですか?少なくとも、ここにいる皆さんにとっては」
レミアの落ち着いた柔らかな声は、静かだがよく通る。耳にも、心にも。
「……ハァ、わかりました。謝罪します。しかし、私も間違ったことは言ってないと思っているので」
「それ謝罪してるって言うんですかぁ?」
シアの呟きに対し、これ以上は聞く気は無いという雰囲気を出しつつ、七海はハジメに説明の続きを求めた。
「で、ティオにはそのまま静因石を持ってアンカジまで行ってもらって、シアが気絶してたあんたを術式使って運んできた」
「術式……もう自分の術式を理解したんですか?」
「実戦で使うのはもうちょっと訓練が必要ですけどね」
シアは頭を掻きつつ言う。あの時できたが、それでもまだ完全に使いこなすには時間がいるそうだ。
「で、マグマドームにあった建物の中で新しい神代魔法、〝空間魔法〟を手にした。恐らく、あの魔人族が使ってた不意打ちや、こっちに気付かれず隠れてたのもこれだろう。残穢は恐らく、マグマに流れたのと、あの付近にも静因石みたいな鉱石があったから、消えるのも早かったんだろうよ」
「神代魔法の情報は、すでに頭にあります。ということは」
七海も試練を突破して合格判定を受けたという事だ。実際、ハジメは預かっていた七海のステータスプレートを渡し、それを見ると空間魔法というものが追加されて…
「!」
「どうした」
「レベルが、上がっている」
ハジメは「マジでか」と興味を持って覗く。たしかに上がっていた。レベル14。一気に上がっている。上がっているのだが、
「ステータス面は変化ないな」
「レベルだけが上がってますね」
喜んでいいのか微妙なレベルアップだった。
(神代魔法を得たから?なんにせよ、あまり意味はなさそうだ)
少しだけ、がっくしと項垂れて続きを聞く。
「脱出は、潜水艇を使った。もちろんマグマにも耐性があるものをな」
「いつの間に…用意がよすぎてちょっと怖いですよ」
ハジメ的には次のメルジーネ海底遺跡攻略に必須だとして、事前に作っていたのだ。それは七海もわかるがそれでも用意が良いにも程がある。
「で、それで噴火する勢いで地上に出ようとしたが、そのままマグマの中に飲み込まれてな……下へ下へ行って、どうにかユエの魔法で船体を固定しながら地下を移動すること丸1日、何処かの海底火山の噴出口から、マグマ水蒸気爆発に巻き込まれて盛大に吹き飛ばされた。衝撃で、船体が著しく傷ついたわけだが、何とか浸水は免れた。まぁ、それよりも心配だったのは」
「何かあったんですか?」
「いや、あんたの方だよ」
「?」
「神水を飲ませても、傷の再生がなぜか遅かったんだよ。あの白竜の攻撃をくらってないのにな」
「私に魔力がないのが原因だったのでしょうかね…まぁ、治ったんでしょう?」
するとハジメは訝しむような目をし、もう一度ステータスプレートを見せろと言ってきた。
「なんなんですかもう」
「……いや、治り出した時なんだが、先生の身体が魔力を出してたっぽくてさ」
「それこそ、神水の影響じゃないんですか?」
「いや、そうだと思うんだが、なんというか……いや、考えても分からんもんを言っても仕方ないな。話を戻そう」
その先は、海に生息する巨大な魔物。クラーケンを思わせる巨大なイカを始めとした巨大海洋生物型の魔物が現れたらしい。話を聞く限りはどれも準1級〜1級呪霊レベルはあると七海は考える。潜水艇の武装とユエの魔法を駆使して、どうにか切り抜けた。その後、海上を移動していたところ、海人族の警備に見つかった。潜水艇なんてない世界では、怪しまれて当然だろう。まして、
「ミュウを攫われたのもあってピリピリしてたみたいで、俺が攫ったんだと思ったらしくてな。どうにか説得(物理)して、エリセンに来て」
「ちょっと待ってください。本当に説得したんですか?」
「お、おう」
「…………嘘をつくなら目を逸らすのをやめたらどうですか?まぁ、今更ですね…続きを」
エリセンに到着しても、潜水艇のことで怪しまれてしまった。その理由もわかるが、条件反射的で敵愾心を出して一触即発になっところに、
「空からミュウが降ってきたんだよ。ティオが竜化して香織とミュウを乗せててな。ただ、ミュウは我慢できなくて飛び降りたんだけど」
「……無茶をしますね。君に似てきたんじゃないですか?」
「ぐっ」
全部否定できず、吃る。
「あとは、ミュウを母親に合わせたんだが、ミュウを攫った連中の魔法で足に怪我を負ってたらしくてな、香織の治療を受け続け、どうにかきちんと歩けて、泳げるようにもなった。ちなみに、その間は装備品の修繕と作成、新たな神代魔法に対する試行錯誤をしてたよ」
「そうですか…ありがとうございます。それで、もう次の大迷宮には向かうんですか?」
「ん?ああ、それは明日だ。まだ準備が完全じゃないしな」
「なるほど。ところで」
「なんだよ?」
七海はスッとミュウがべったりとくっついている女性、母親のレミアを見る。
「レミアさん、南雲君をミュウさんがパパと言う事に対して、なんの違和感もなかったんですか?あと、これは私の勘違いであってほしいという願望なのですが、ユエさん達がどうもあなたを警戒しているような気がするのですが?」
レミアとミュウ以外がビクッと、反応していた。そしてレミアはというと
「うふふ、経緯は聞きましたよ。ただ、私は娘と再会できたご恩を一生かけてお返ししたいと思っただけです」
頬を少し赤く染めて、おっとりとした笑みを浮かべるレミア。そして周囲の反応。それで七海は理解した。
「…………………」
「おい、やめろ先生!そんな節操無しみたいな奴を見る目をすんな!」
「南雲君、白崎さんの事を認めた時点で、これからあなたが誰とどう付き合うのかはツッコまない気でいましたが、さすがに未亡人は」
「わかってるから!言わなくていいから!」
当の話題に上がったレミアは、「あらあら、うふふ」と柔らかで、見る人が見れば小悪魔のような笑みを浮かべていた。
*
「それにしても、迷惑をかけました。白崎さん、あなたは私も診ていたんでしょう?回復魔法をかけたのか、私が寝ていた場所に残穢が残ってましたからね」
「いえ、別に…いつも私達を守って、強くしてきてくれたんですから、このくらいは」
「それもですが………南雲君、本当は準備はできてるんじゃないですか?」
ハジメは目を見開く。
「ほんと、なんでいつもわかるんだ?」
「わかりやすいんですよ。大人から見たら、君の言動なんて。まぁ、全てがとまではいいませんが」
七海の読み通り、ハジメは出立の準備はできている。だが、目を覚まさない七海のことが、彼の行動を阻んでいた。
「南雲君、私は確かに私のわがままでここにいます。ですが、迷惑をかけたいとは思ってませんし、君が早く大迷宮攻略をしてくれたほうが、私の目的達成にも繋がります。縛りにある同行は、あなたの行動にいちいち付いて行くものではない。もしそうなら、君がシアさんとデートする時も、一緒に行動をしなければいけないんですから」
「……………」
「動けない私をここに置き、戻ってくる事を気絶していても私に告げておき、あなたがそれを破らないのであれば、縛りを破った罰は受けない」
「わかってるよ。そんな事は」
ハジメとてバカではない。縛りの事を知ってなかった時とは違い、今はもう七海の教えもあってだいぶ理解している。その抜け穴も。
「けど、それをすんのは、寂しい生き方になりそうだった。だから、やりたくなかった」
「…………」
「これがよ、七海先生がいつか言った呪いなんだとしても、俺は、この呪いを捨てたくない」
七海はその言葉が愛子のものだとわかっている。そして、彼女が呪うつもりでハジメに言ったのではない事も。
「………わかりました。それと、今のは少し言い過ぎましたね」
反省しますと、七海は告げた。
*
その夜、七海は外に出て、どこまでも続く海を見る。外の空気を吸い、海に浮かぶ町をみて、ようやくここがエリセンなのだと再確認しつつ、潮の香りを感じていた。
「何か、お考えですか?」
「レミアさん?」
七海は皆が寝静まったのをみて、外に出た。だから彼女がここにいるのが正直に言って不思議だった。
「私も、たまたま目が覚めてしまった時に、物音がしたので見たら、七海さんが外に出ていたので」
「………別にここを離れるつもりはありませんよ。そもそもできませんし」
レミアが縛りの事をどれだけ知ってるのか。そもそも、自分の事、ハジメとの関係をどこまで聞かされているのかはわからないが、とりあえずここを去ろうとしているのではないと七海は告げる。
「なら、お悩みごとですか?」
「いえ、別に」
「………私は、子供じゃないですよ」
「………」
「子供の前で、弱い所を見せるべきではない。そんな感じですか?」
「そこまでは……いえ、そうかもしれませんね」
レミアもまた、七海の言う、様々な小さな絶望を重ねてきた大人。だからこそ、彼女も七海の気持ちをほんの少しは理解できる。
「私は、多くの人を呪ってきた。後悔があるもの、ないもの、様々です。だからこそ、彼には、彼らには、呪いを背負って欲しくないと、そんな、できるはずもない希望を抱いていた」
トータスに来る前から、教師として生きてきた時から。教師という役職の限り、自分の口からでる教訓というものが、誰かを呪うのだと、理解しつつ。
「子供に溜まった呪いという毒を、処理するのは大人で、そして彼らの教師でもある私だ。しかし、今の行動も、これまでも、本当にできていたのかと言えばわからない」
呪術師時代は、教師には不向きな五条の事を、もうちょっと教師としてちゃんとしろと思うところがあったが、いざ自分が教師になったら、わからないことが、悩みが、多くでる。
「置いてきた生徒が、どうなっているのか、どういう扱いをされているのか。信じている人達がいる。それでも、私がここにいる意味と、天秤にかけてまでやるべきなのかと、思わないことはない」
ハジメの事を、信じてないわけではない。それでも、わざわざ縛りまでして、他の生徒の帰還を約束させた。それによって、光輝が負わなくてもいい呪いを負った。そして、魔人族の呪いを上書きする為に、さらに呪いを彼にかけた。その彼がどうなるか見守ることなく、ここにいる。
「すみません。愚痴を言いたかったわけではないんですが」
「………七海さんの悩みは、本当の意味で私には理解できない。けど、少しは和らげることくらいはできると思ってます。それがどれだけ偽善でも、その場凌ぎのようなものなのだとしても。同じ1人の大人として、寄り添うくらいはできる。その上で言います。その想いは、きっと、誰の為になっている。でも、救えない人もいる」
救えない人間がでても、それを嘆いて立ち止まる事は七海はないだろう。わずかな会話だけではあるが、レミアはそう確信している。
「でも、救えた人達はきっとわかって、七海さんの救いになってくれる。ハジメさんは、七海さんに感謝してる。だから、救いたい、助けになりたいと思った。それはけして、呪いのせいとかじゃないと思います」
「……………」
わかっている。七海とて、わかっている。それでも、その言葉が、ありがたかった。
「いけませんね。教師でもある私がこれでは」
「いいじゃないですか。大人同士なら愚痴の言い合いの1つや2つくらい」
ふっと小さな笑みを出して、すぐに元の冷静な顔になり、七海は聞く。
「ところで、話は変わりますが………本気で南雲君を?」
「うふふ」
「いや、そんなにこやかな笑顔を返されても」
夜の海の、大人2人の会話は、誰に聞かれるでもなく、そんな気の抜ける言葉で締められた。
*
翌日は七海とレミアの最終の検査として休息に使い、更に1夜明けた日、ついに出発だ。
「白崎さん、一応言っておきますが、グリューエン大火山で私はほぼ足手纏いでした。真の大迷宮はオルクス大迷宮前半とは、比べることができないくらいのレベル。それでも、あえて言います。死ぬ覚悟は?」
「命は賭けても、死ぬ気はありません」
「よろしい」
死ぬ覚悟で向かっては確実に命を落とす。大迷宮はそういう場所だと七海は考えた。もちろん、そういう可能性が充分ある場所なのも理解している。命は賭けても捨てはしない。まぁ、聞く前から、それを香織が理解できてないとは思わないが。
「パパほんとに行っちゃうの?」
物凄く寂しそうに、グスりと涙を流すミュウ。後ろ髪を引かれつつも、どうにか振り切って、
「ミュウ、必ず戻ってくるから、心配すんな」
そう言いハジメは潜水艇に乗り込もうとすると、
「パパ、いってらっしゃい」
気丈に、手を振り叫ぶミュウ。そして、
「いってらっしゃい、あ、な、た」
七海ですら、冗談なのか本気なのかわからないレミアの言葉に、ハジメはどう反応すればいいかわからない。
「まるで…」
「言うな、先生!」
「仕事に行く夫を見送る妻と娘…」
「だから言うなって‼︎んなことしたら…」
ズイっとユエ含めた女性陣がハジメをガッと掴む。とてつもなく不機嫌そうである。
「言わなくても、こうなったと思いますが」
「だからってわざわざ口にだなくてもいいだろうがぁぁぁ‼︎」
ハジメが叫ぶもスルーする七海であった。
*
エリセンを出て、しばらく。メルジーネ海底遺跡を探しているのだが、まるで見つからない。
「そういえば、前から気になっていたんですが、南雲君は何故大迷宮の場所を把握しているんですか?」
「完全に把握してるわけじゃなって。今回みたいに、正確な場所がわからないのもある。……ただ、聞いたんだよ」
「誰に?」
「解放者の1人に」
その発言に、ある確信が七海の中に出てくる。
「生き残りがいたんですか?」
「あぁ、まぁな」
苦虫を噛み潰したような顔をしてハジメは言う。
「なんですかその顔?」
「いや、ひたすらに、うっっっざい奴だったからな」
(なんでしょう?この既視感は)
ハジメの言うミレディ・ライセンという解放者に、どこかで感じた事のある気持ちがふつふつと出る。
(五条さんと同タイプなんでしょうかね)
「つか、解放者が今も生きてる事には驚かないのかよ」
「別に、私の世界にもそういう人はいました」
「そうなの?」
「ええ。と言っても、そのミレディとは違い、天元様の場合は不死の術式を持った、1000年前の術師なんですが……まぁ、直接会ったことはないですがね」
「「「「「……………」」」」」
「どうしました?」
5人が七海をジッと見つめていた。
「いや、1000年前ってのも、すごいが、なんていうか」
「七海先生が他の人に様付けしてるのが」
「うむ、驚きじゃ。まさかとは思うが、この世界の神のような…」
「そういうのじゃないです」
七海が自然に、当たり前のように天元に様をつけて呼んだのを、彼らから見れば、天元=神のような存在と七海が扱っているように見えたのだろう。
「天元様はその存在そのものが日本の呪術界の基底なんです。日本国内のあらゆる結界の強化・行使を行っている為、私みたいに結界術が苦手でも、簡単な結界…帳なら安定したものを張れる。それ故に、多くの術師から敬意を込めて様付けされているだけです。そもそも、超目上ですしね」
「……ニュースとかで皇族を様付けで呼んでるようなもん?」
「まぁ、そんなもんだと思っていいです」
「………そういや、俺も前から気になってたんだが」
ハジメはふと、この流れからある事を思い出す。
「七海先生は、最初からこの世界の神を疑ってたっていうか、嫌ってたって感じがしたんだけど、なんでだ?」
「……いきなり呼び出して戦えなんて言う神を、信頼なんてできないでしょう?」
「それでもだ。それにそれは疑う理由になっても、最初から嫌う理由には弱い」
七海は少し、目線を落として、何を思っているのか、サングラスのせいで目が見えないのでわかりにくいが、言葉はハッキリ告げる。
「別に、たいした理由はないです。ただ、私が神という存在を、好きになれないだけです」
ちなみに
七海の神に対するものについては後々にも書きますが、七海は宗教そのものを否定はしないですし、神も否定しません。ただ、本編で起こった事を考えると、果たして神を好きになれるのかと言われたらNOだと思い、こうしました。
そもそも身勝手に連れて来られてますしね
このまま短いですがありふれさんぽ出します