どんな最後だろうと、受け入れるさ……(/ _ ; )
「よし、さっさと出発しようか」
と言ってようやく立ち直れたハジメが告げて、進もうとした時、1人の亜人族の女性、森人族が現れた。足元まである長い金髪と、スッと長く尖った耳は、伝承や物語などで出てくるエルフに近い。その森人族の女性はハジメを呼び止めた。金属の手枷、足枷を鳴らしているのを七海は痛ましく思うが、とりあえず内容を知る為に今は黙っておく。
「南雲ハジメ殿で、間違いありませんか?」
「ん?ああそうだが、なんで俺の名を?お前は?」
「あ、申し遅れました。わたくしは、フェアベルゲン長老衆の1人、アルフレリック・ハイピストの孫娘、アルテナ・ハイピストと申します」
その自己紹介した相手、アルテナにハジメは驚く。以前樹海に来た際にそれなりに長老衆と話したが(物理的もあり)、その長老の孫娘が捕まった事実に驚く。間違いなく森人族のお姫様の彼女なら、警護はもちろん、万が一の時の逃走経路や手段も多い。そんな人物が捕まったということは――
「どうやら、我々が想像する以上に、樹海は…いえ、亜人族達は大きな被害を受けているようですね」
「みたいだな。それで、なんのようだ?」
「一応、確認です。祖父から、あなたは種族に対する価値観が平等だと聞き及んでいますが、その」
王都の人間であるリリアーナとその護衛が目について、そちらをチラチラと見ている。以前のウルの町であった神殿騎士のように声に出したり、露骨に蔑む者はいないが、やはり護衛の騎士は差別的な目をしている。おそらくアルテナは、自分達が囚われて奴隷になった亜人族達のように、弄ばれると感じているのだろう。
「ご心配のようですが、その点に関しては大丈夫です。我々の目的は樹海ですが、あなた方を奴隷にするつもりはありません」
「それを、どう信じれば?」
七海の言葉に、アルテナは僅かな疑心の瞳を向けて言う。
「信じたいなら、信じるでいいです。ただ、あなた方を偶然とはいえ助けたのは亜人族の兎人族であり、彼らは南雲君と親交がある。それを踏まえた上で、お願いします」
ほんの少し考え、アルテナは「わかりました」と言って納得した。
「しかし、この調子だと樹海がどうなってるんだか、それは道すがら聞くとして……お前ら、亜人族をまとめてついて来させろ。ついでに樹海まで送ってやる」
先頭にいたバルトフェルトことパル(以降パル)に指示をだすと敬礼と「Yes、Sir‼︎」と高々に声を出した。
「ボス、申し訳ないんですが、帝都近郊に潜んでいる仲間に連絡がしたいんですが、途中で離脱させて頂いてもよろしいですか?」
「ああ、それならちょうど、こっちも帝都に送る予定だった奴等がいるから、帝都から少し離れた場所で一緒に降ろしてやるよ」
「ありがとうございますっ!おい、おまえ達!ボスが樹海まで送ってくださるそうだ!死ぬほど感謝しろ!家に帰りたくない奴以外はさっさと来い!」
10歳の兎人族の少年がしていい表情ではなく、しかも張り上げた声は、他の亜人族の大人ですら心底震えていたが、家に帰れると言われれば、不安や恐怖よりも想いは上になる。パルが先導しつつ、フェルニルへと向かい、ハジメ達も戻ろうとする。
「きゃ」
「っと、大丈夫ですか?」
足枷のせいでバランスを崩したアルテナがつまずきかけたとき、近くにいた七海がそれを支えて止める。
「あ、ありがとう、ございます」
「ふむ……バルトフェルト君、少し待ってください。南雲君、彼らの手枷と足枷を外すのを手伝ってくださいますか?このままでは、あまりに痛々しいですし、移動にも時間がかかる」
それにハジメは「あぁ?」と面倒だなと言いたげな表情になる。
「あんた1人でも壊せるだろ?亜人族につけた物だから、特殊な素材じゃなくて頑丈な金属ってところだろう。それなら術式使って破壊できんだろ?」
術式。ハジメから出た言葉に光輝達は七海がもつ力に興味が出る。
ここに来る前に、七海から呪術師が使う術式というものがあることは聞いていおり、どういったものかを質問したのだが、それを持っているシアも七海も、いまは言えないと断った。光輝は、共に旅をするなら、お互いの力はちゃんと知っておくべきではないのかと言っていたが、術式の開示による出力アップのことを聞き、その場は諦めた。
「確かに、この程度なら簡単に壊せますが、人数が多い。君が分析して、錬成で鍵を作ったほうが手早く済むでしょう?おそらく別々の鍵を使うなどという面倒は、この人数ではしないでしょうし」
「チッ…わーったよ。たく」
文句を言いつつもハジメはアルテナの方に行く。その光景をみたハウリア達は――
「ボスが他人の言葉を、頼みを断らなかった、だと⁉︎」
「や、やっぱりあの方は、ビッグボスだ」
と七海にはよくわからない会話を繰り広げていた。
ハジメはしゃがんでアルテナの足枷に触れる。
「んっ」
と枷ごしとはいえ、足に触れられてくすぐったいのか、アルテナは動揺したような、恥ずかしいような声をだす。紅い魔力が光りを放ち、次の瞬間ガシャンと金属の音を出し、足枷が外れていた。次に手枷に移る。今度は何をしているかがなんとなくでもわかり、動揺はしていない。先程と同じように外す。
(魔力の使い方が更に洗練されている。おそらく呪力もでしょうね。幾つもの死地を乗り越えたことと、神代魔法を手にした影響もあるのでしょうが、成長率が著しい)
「んだよ」
「いえ、力を得たとはいえ、胡座をかくようなことはしてないようですね」
「当たり前だろ。今更なに言ってんだっと…完成だな」
いくつもの鍵を、外れた枷を素材に錬成し、パルへと投げ、一部を七海に渡す。
「言い出しっぺなんだから、先生も手伝え」
「わかりました。バルトフェルト君、手伝っていただけますか?」
「Yes、Sir‼︎お任せください‼︎」
「あと、私に対しては、なるべくその受け答えはやめてください。それは、君達を鍛えてくれた、南雲君だけでいいので」
「あの七海さん、わざとではないんでしょうけど、彼はパル君です。そこんところよろしくお願いします」
「というか、さりげなく俺を利用して自分は逃げようとすんな」
そうして全員の枷を外して、フェルニルへと乗り込むと、再び空の旅へと戻る。最初は空を飛んでいるという光景に度肝を抜かし、放心する者、こんな鉄の塊が浮くはずがないと右往左往して震える者といたが、それは大人達のみ。子供はすぐに大歓喜となり、先程まで奴隷にされるという恐怖で染まった顔は、すっかりなくなっていた。
「ありがとうございます」
そんな様子を見ていた七海に、アルテナが従者の森人族の女性と近づいて感謝の意を伝えた。
「私はただ提案しただけです。それは私ではなく、南雲君の方にお願いします」
「そうですね。あとで伝えておきます………正直言って、私はあの方以上に、あなたの事を不審に思っていました。あの方、南雲ハジメに関して言えば、お祖父様から聞き及んでいたので」
良くも悪くも亜人族に対して思うところがない人物だと。
「いえ、正確に言えば、興味がないのでしょう。手間がなければ助けて、このような凄まじいアーティファクトにも乗せていただける。その上自由行動許可までつけていただけました」
「…大体あってますが、多少違いますよ」
「え?」
「彼は多くの物を捨てた。今は、それを拾い集めている真っ最中です。ですから、これから先、きっと、彼は今よりもっといい人になる。私は、そう信じてます。まぁ、なにが言いたいのかと言うと、本質である彼の優しさは、消えてないということです。あなたの言う通り、手間がないから助けたのでしょうが、そこには彼なりの優しさはありますよ」
「「…………」」
彼らから見れば、特に従者の方はハジメが戦闘力のある熊人族且つ、長老衆の1人を再起不能にした事実があるのと、彼女自身にある人間族への不信感の強さが、不安と恐怖感を押し出す。ここにいる亜人族の全てではないが、他も似たようなものであろう。そんなハジメを、優しいと表する七海に、疑問もあったが、それは信頼しているからであろうともわかった。
「1つ聞いてもいいですか?あなたは、我々亜人族に対して、思うところはないんですか?」
あのハジメがある程度とはいえ、したがっている存在である七海。アルテナはそんな七海が亜人族に対する思いが分からないのもあり、不信感があった。支えてもらった時、ハジメに提案した時のもあり、善人寄りの人物であることを含めてもだ。
「……強いて言うのだとしたら、あなた方が奴隷になっている姿は、どうにも不快ではありますね。まぁ、異世界の倫理観など、ここでは役に立たないのでしょう。故に、あなた方は変わるべきでないかと思います」
「変わる?」
「今、大迷宮を攻略した南雲君達が現れたこと、弱者たる兎人族が強くなったこと。これらは全て、あなた方にとっての兆しです。その兆しをどうするかは自由ですが、個人的には変わっていくべきだと思います。その変化は良いものかはわかりません。逆にあなた方をより落とすものとなるかもしれません。それでも、現状を変えようと動くことが悪いとは、思いません」
そう言うと七海はその場をさる。ハジメ達のもとに向かう為だろう。
「っと、そうでした、大事な事を忘れてました」
七海は再びアルテナに向き合って、問いかける。
「『害徒』と言う言葉は知ってますか?」
*
「おっ、戻ったか先生。どうだった?」
ブリッジに戻った時にハジメ達と、ハウリア達の視線がこちらに来る。七海は彼らが初めての空の移動に困惑し、恐怖するのを心配して彼らについていただけではない。
「今のところはダメですね」
*
王都を出た際に話した2つの話の1つ。亜人族は呪力が見えるもしくは使える者がいるかもしれないということ。
『亜人族が、呪術師になれる存在だっていうのか?』
『あくまで可能性です。魔力がないこと、シアさんという事例があったという点でみました』
現状、ハジメ達の世界で呪力を見えたのは3人。内、呪力を使えるのは2人。だが
『確か、前に七海先生の事を教えてもらった時に聞きましたけど、ハジメ君は元々は使えないし、見えない側だったんだよね?』
『ああ。先生曰く、この身体になったのが原因らしいがな』
香織とハジメの会話に、「そうなのか」という表情をする光輝達。
『より正確に言うなら、脳の変化ですね。脳と呪力の関係は私のいた世界でもブラックボックスでしたが、脳が何らかの変化が起こった時に呪力を使うようになった事例がありましたから』
あえて改造人間のことには触れず、七海はそう話す。
『君達の脳の作りが、私の世界の一般人とも微妙に違うのか、それとも別の要因か。清水君は見ることはできてましたが、あれは私の世界の一般人が極限状態で見えるのと同じだと思ってます。中村さんは術式も持っていましたが、元の世界では使うことも見ることもできなかった。これらを考えるなら、トリガーの1つは私が率先してこの世界で呪力と術式を使ったのと、この世界に来て上がった呪力量と出力であるのは、ほぼ明白でしょう。この辺は、シアさんも南雲君も同様ですが』
『つまり、先生が呪力を使わなければ、恵里が新しい力を得ることもなかったってことで』
言い終える前に、シアがドリュッケンに付けられた銃口を、ハジメがドンナーを光輝に向けていた。2人だけでなく、ユエとティオの眼は、「それ以上余計な事を言うな」と、脅しの眼をしていた
『2人とも、別にいいですよ。彼の言っていることは正しい。善悪は関係なしに、私が彼女の力を呼び覚ましたのは事実です。そして、ことによってはこの世界、君達の世界の在り方も変えようとしているということも』
在り方を変えるという言葉に、リリアーナがこの世界の代表として「それはどういう?」と聞いた。
『清水君のような、私の世界の一般人が増えた場合、この世界と、南雲君達の世界で、呪霊が誕生する世界になる可能性です』
その言葉に、戦慄をしていた。王都で七海は自分の事を説明する際、呪霊についても説明していた。その厄介さも、リリアーナは理解していた。
普通の人には見ることもできず、人を襲い、時に殺す存在。そんな存在が出てくれば、魔人族や魔物以上に厄介だろう。しかも対処のしようもない。呪力を扱えない者は、呪霊を祓うこともできないからだ。
『けど、あくまでまだ可能性の問題だろ?それも結構ごく僅かな。フューレンで捕まってた亜人族含めた子供やミュウも認識してなかったし、仮に見える一般人が出るなら、シアみたいに術式が使える奴も増えるってことじゃね?』
『子供の場合、術式を自覚するのが、4〜6歳前後…それでも呪いが見えるのが一般ですが、ここは私の世界とは違う。なんらかの変化や違いが出てもおかしくはない。それと、シアさんのように術式が使えるという点ですが、君のそれは楽観的な考えです。力を持つ=その人物が善人であるとは限りません。中村さんのような人が、率先して呪霊を祓うとおもいますか?』
それはないなとハジメは納得した。
『とはいえ、南雲君のいう通り、可能性の段階です。それにこれほど関わって来た生徒達ですら、ちゃんと見え、且つ呪力を扱えるのは中村さんのみ。ですから、私がいた世界のように、呪霊が誕生する世界になるのは、今のところ可能性としては薄いです』
だが、否定もできない。故に、
『亜人族と関わって、それを確かめてみようと思います。それだけでわかるかどうかは、まぁ、別として』
*
そして結果として、呪力を見える亜人族はいなかった。死地に立っているような特殊な状況でないが、空を飛んでいるという未知の状況で戦慄し、恐怖する者達が見えてないということで、仮説の答えの1つとして。
とはいえ、ここにいる者だけなのと、子供は恐怖などをしてなかったのでまだわからないが、とりあえず彼らは呪力を使えも見えもしないとわかった。少なくとも、亜人族ならシアのように見える、使えるという者ばかりではないことは、改めて理解した。
「のわりには、なんか安心してないな」
「まだ一部ですからね………」
沈黙が数秒続く。
「どうした?」
「いえ、別に。それより、彼らから現状を聞いていたんですよね?」
ハウリアの方を見て七海は言う。なんか敬礼していたのでとりあえず会釈したが、なぜか感動していた。そして、話を聞こうとたずねたが、周囲の反応はなんというか、お通夜のようだ。シアに関して言えば、もうどうすればいいのかがわからず、ハジメをジトっと見ている
そして聞くと、どうもフェアベルゲンに魔人族が攻めて来たらしい。樹海にある神代魔法、つまりは迷宮を攻略するためだろう。魔人族が引き連れた新種の魔物は樹海の霧の影響を受けない。魔力を持たず、奴隷にされる亜人族達の住むフェアベルゲンが今まで他の種族に攻めらなかったのは、この霧によって亜人族以外は感覚を狂わされるのがあった。だが、それを受けない魔物によって、その優位性がなくなり、奇襲というのもあって文字通り一方的に蹂躙された。容赦なく。道中の集落にいた者は皆殺しにされ、交渉をしようとした者もいたが、それも徒労だった。なぜなら、彼らは最初から亜人族を全て殺すつもりだったのだから。
そんなフェアベルゲンを救うべく……なんてことはなく(むしろ捨て駒にした)、ボス…つまりはハジメが後に挑む真の大迷宮が魔人族の目的と知り、その道を閉ざされる可能性と、何よりボスたるハジメのものに勝手に手を出そうとする輩を許すはずもない。
それまで弱者だった兎人族が生きてこれたのは、索敵能力と気配を消す隠密行動力に長けていたからだ。だがそれが活かされることはこれまで無かった。兎人族が争いを好まない種族でもあり、戦闘の訓練など、したこともないからだ。では、そんな彼らが戦闘訓練をし、尚且つ争いを好まない性格を消し去り、敵への容赦がなくなり、ついでに勝利の為のやり方に非情さも加われば?
他の亜人族を囮として利用して、司令塔の魔人族から離れている者を端から潰し、追ってくる者をワイヤーや毒で時間を稼ぎ、樹海の霧と兎人族の気配遮断で姿を隠して奇襲しては下り、時には狙撃し、精神、肉体どちらも削り挙げ句の果てには一騎打ちにさそうが、相手が応じたが、こっちは提案しただけでしませんと死角からの一撃。やり方はもはや
(呪詛師のそれですね)
七海からしたら、褒めたものではない。が、評価はしている。肉体的に強くなろうと、魔法を持たない能力的な弱者たる彼らの戦い方は、理にかなっているからだ。それにやり方は酷くとも、一方的に蹂躙していたのは魔人族だ。そういう意味では彼らの方がよほど呪詛師のやり口に近い。
「戦い方とやり口は別として、少数精鋭で軍隊を壊滅に追い込んだのはすさまじいというしかないですね」
「おお!さすがはビッグボス!」
「ボスの言う通り、素晴らしいお方だ!」
が、それそれとして、別に褒めていないし、この対応には七海は少々困惑……を超えてそろそろ鬱陶しく感じてきた。悪意がない分余計にタチが悪い。
「いったい何を彼らに言っていたんですか、南雲君?」
ハジメは「おまえ俺にコイツら押し付けようとしてんな」と眼で言われた気がした。
「いや、そのなんだ、七海先生の事を色々と教えていたんだぜ(ちょっとだけ誇張して)」
「まったく……それで、そこまで聞いて次が見えました。そんな疲弊してるフェアベルゲンに、帝国が侵攻してきたのですね」
「少し違いますビッグボス。侵攻ではなく、人さらいが目的でした。しかもやつら、樹海の特性を看破する為に、樹海に火を放って」
これまで帝国のやり口も、彼らを奴隷にしていた者のやり口も見てきた七海であったが、やはり不快なものである。
「おまけに魔人族と魔物を狩る為にトラップや消耗系の武器をこちらも使い果たしてたのもあって、集落に引っ込んでたんで気付くのにも遅れてしまい、フェアベルゲンは碌な抵抗もできず、同族含めた多くの亜人族が連れて行かれました。どうも殿の部隊から聞いた話だと、帝国も魔人族が作り出した強力な魔物の襲撃を受けたそうで、皇帝とその近衛兵集団が撃退したそうですが、そこで消費した労働力を補充する必要が……?」
説明を聞いていた際、七海の表情が変わる。思考していた。
(おそらく、規模は王都よりも下回る。それでも退けることができたということは)
「あの、ビッグボス?」
「……いえ、すいません。後で話します。止めてしまい、申し訳ない」
同族。つまりは兎人族。ハウリア以外の者だろう。兎人族は、労働力としてではなく愛玩奴隷としての価値が高い。フェアベルゲンはどうなってもハウリアは別にどうでもいいが、同族が悲惨な未来となることは、我慢できなかった。
ハウリアの族長且つ、シアの父親であるカムは少数精鋭を引き連れ帝都へ向かったのだが、帝国内部へと侵入した後、伝令役との待ち合わせ場所に誰も来なかった。カム達からの連絡が途絶えてしまい、彼らの身に何か起きたと考えたハウリア達は選抜部隊を編成して帝都へ向かうことにし、まずは内部の警備態勢、出入り関係といった情報収集をしていた際、大量の奴隷を乗せた輸送車を見つけ、奪還と内部の情報収集を兼ねて襲撃していた時、ハジメ達が通りかかった。とのことだ。
「あと、こっちも魔人族が王都にも現れたことは伝えておいたし、シアと俺、そんでもってあんたが呪術師だってことも教えておいた。なんでアルテナのところにいたかの理由も含めてな」
他の亜人族に話すことをせず、彼らハウリアのみに話した。
「まぁ、どのみち話すことですしね。それで、聞いた上で君達は」
「ビッグボスはただのきっかけでしょう?それに、ボスやシアの姉御を鍛えて強くしてくれたんなら、言うことなしですし」
そう言えるのはハウリアくらいなものだろう。何より
「………」
「ビッグボス?」
「バルトフェルト君、いや、ハウリアの皆さん、君達に1つ、謝らないといけないことがあります」
「?」
「まだ確証があるわけではないですが、おそらく、今の帝都の戦力、まだ一部でしょうが、以前よりも強くなっている。そしてその原因は、私にあります」
以前、七海は王都で王国の魔法師達に講義をしていた。魔力の視認と、魔力による身体強化の原理。それらを知った王都の者達は、懐疑的であったが、情報は帝国にももたらされた。あのガハルド皇帝の思想と実力。七海への興味を考えれば、おのずと答えが出てくる。
「関係ないですよ。ビッグボスは悪意があったわけでもない。それに、仮にビッグボスがいなくても、帝国は退けてたでしょう」
ラナインフェリナこと、ラナが言うが、七海は首を横にふる。
「これからの君達に迷惑をかけるのは事実です」
「この人はこういう人なんだよ。自分のした事、した結果からは逃げないし言い訳もしない」
呆れつつも七海の事を説明するハジメは、どこか敬愛があるようにも見えていた。
((((((あのボスが、このような顔されるとは))))))
ハウリア達は七海の人間性に惚れ惚れしだしていた。
彼らも、七海もまだ知らない。後に七海が彼らに与える影響を。
*
「………」
声を出さず、先ほどアルテナが言ったことが反復される。
『その言葉、どこで?』
だが彼女は言葉は知っていても、それがなんなのかは知らないそうだ。だが、彼女の祖父である族長は知っている可能性はある。
「さて」
知るべきなのだろう。もしかすると、エヒトへの対抗策になるかもしれないのだから。
*
「アルテナ様、どうかされましたか?」
「いえ、別に…」
「先程の男の言っていた害徒というものと、何か関係が?」
「そうではなくて」
一幕おいて、アルテナは言う。
「魔力を垂れ流しにしていたので、何かしていたのかと思ってしまい」
「?魔力を、ですか?」
「ええ、あなたも見ていたでしょう?」
「いえ、私は見えませんでしたが?」
「………え、はい?」
ちなみに
たぶん感想に書いてたと思いますが、ハジメの世界とトータスでは呪いが見える人or呪力を扱える人はあまり出ないから味方側は出さない的な事を書いたと思います。が、敵の強化をするとどうやっても勝つのが無理ゲーになる可能性もあり、味方を増やす為、こうしました。つまり、彼女も最終決戦では大いに活躍する…………かな?わかんなぁい(ギャル風)あと、原作と違いますが、結局彼女はシアと友達になり、ついでにとある理由でMになります
ちなみに2
七海がハウリアに現状キレてはいませんが、ある事でキレます。そしてそれがきっかけで多くのハウリアが七海の人間性を知り………