ってなかんじで、悩んでましたが、もう一度いいますが最初からこうするのは決めてたので、覚悟決めて出します!
「2人とも静かに」
ハジメと光輝の喧嘩(なお、光輝の一方的な)がヒートアップをしそうな時、七海が止め、視線を先に向ける。それによってハジメも〝気配感知〟で近付く生物に気付く。
「それほど脅威のあるような感じはしませんが、油断しないように」
「ああ。ここはそういう場所だ」
2人の警戒態勢に、他の者達も身構える。小さな足音と、茂みをかき分ける音が、こちらに近付いて来る。大きさはさほどないのだろうが、それで安心できるような場所ではない。七海は納刀した剣を、いつでも抜刀できるようにしていると、その姿を現した…のだが
「…ゴブリン?」
「グギャ!」
よく童話やゲームに出るような所謂ザコモンスターのそれだ。七海が呼んだわけはないが魔物の名を告げると、ゴブリンは声を出した。直後、まるで『しまった』と言うかのように口に手をおいてふさぎ、その場に佇んでこちらをジッと見ている。
(なんだ?何をしている)
七海はこれまでの魔物とは行動がまるで違い、知性の無さそうな見た目だというのに、1つ1つの仕草から妙な知性を感じ、行動が遅れてしまう。
「何もさせない!」
迷宮に入ってからまったく戦果も活躍もできていない光輝は焦り、拍子抜けにも程があるが、相手がなんであろうと魔物は倒すべきと考え、七海が思考して行動が遅れていたのもあり、誰よりも即座に動いた。ゴブリンとの間合いを一瞬で詰め、聖剣を横薙に振る。だがゴブリンは何もしようとしない。回避も、防御も、攻撃も。
「っ!天之河君、まっ」
「なにしとんじゃゴラァ‼︎」
七海の静止よりも早く、ハジメが超高速で光輝に追いついてローリングソバットをくらわせた。鳩尾にクリーンヒットし、「ごべぇ⁉︎」とゴブリンの声より酷く醜い悲鳴を出して、ふっとぶ。一瞬見えた限りだが、白目を剥いて、目が飛び出そうなくらい見開いていた。そしてそのまま勢いをつけて、樹海の奥に消えていった。
「ちょっ!な、南雲君!今のは何⁉︎いくらなんでも滅茶苦茶よ!光輝はただ魔物を倒そうとしただけじゃない!」
「かなり本気の蹴りだったけど、光輝君もすごいね。滅茶苦茶飛んでいったけど………うん、無事そう」
雫は怒声をあげ、鈴は冷淡だがそれなりに光輝を心配していたのか、魔力の反応から生存を確認した後に非難の眼差しをハジメに向けた。
「……南雲君、そのゴブリンの様子がおかしいので、天之河君の攻撃を止めようと私も思ってましたが、ちょっとやりすぎですよ。手加減してるでしょうが、彼でなければ、ああではすまない」
「…わりぃ。けど、あのままじゃ、危なかったからな」
ハジメは七海の注意のみ聞き入れるが、それでも目の前のゴブリンのほうが大事なのか、ゴブリンを見つめ続けていると、樹海の奥に飛んでいった光輝が戻って来た。
ダメージはさほどないが、髪には葉や枝が刺さり、服は鎧部分以外は葉や枝だけでなく、ひっつく種や魔物ではない虫がついていた。それらを鬱陶しそうに取りつつ、ハジメを問い詰める。
「……南雲、どういうつもりだ?なぜ邪魔をしたんだ?さっきとは状況が違う。下手な言い訳は許さない。魔物を庇うなんて正気を」
「魔物じゃない」
ハジメは光輝の怒りに対しては特に相手することなく、ただ一言呟いて、佇んだゴブリンの前に跪き、視線を合わせる。その行為に更に皆驚愕していたが、七海も驚愕しつつ、先程のハジメの言葉から、「もしかして」と言葉が浮かんでくる
「ま、まさか」
「それは」
シアも気付いたのか、七海に続くように声を出した。
ハジメは、真っ直ぐゴブリンを見つめ、すぐに「フッ」と口と目を和らげ、その正体を告げた
「……ユエだよな?」
「グギャ!」
光輝達はポカンと口を開け、「は?」と思わず呆ける。そんな中、ハジメは躊躇なくゴブリンの手を取る。
「ユエ」
「グギャ」
優しい笑みと声をで最愛の人の名を呼ぶと、ゴブリンもどこかうれしそうにしている。七海もゴブリン(ユエ)が何を言っているかわからないが、少なくとも今のは「ハジメ」と呼び合っているような気がした。
「えっと、ハジメさん。本当にユエさんなんですか?その、私には魔物に見えるのですが……」
「わ、私も魔物に見えるよ。魔力で見ても、ユエの魔力はないんだけど」
シアと香織の疑問はもっともだ。そもそもただ姿を変えられているだけなら、魔力の視認能力がある者であれば、見ればそこから相手の特定や、何かしらの魔法によって姿を変えていることくらいわかる。そんな2人をゴブリンは見ると、何かを訴えるようにハジメに向けて「グギャ」や「グゴゴ」と鳴くのだが、まともに喋れないことに肩を落とす。が、ハジメは「ん〜」と唸りつつ言う。
「転移した後、気が付いた時にはその姿に変えられていたって?」
「!
「ふむ…七海先生や俺の魔力視認能力でも、ユエの魔力を感じないってことは肉体そのものが変質したってところか…」
「
「装備品も失ったのか。……ああ、俺の残したマーキングを追って来たんだな?」
ここに来るまでに、ユエ達がわかるようなマーキングをしていたが、ユエがここに1番にこれた理由は、もうひとつある
「
「なるほど、爆音が響く場所にハジメありってか?まぁ、間違ってないか」
「……
「そうか、魔法も使えないと……でも、これ以上変質するような感覚もないか」
「
「まぁ、大丈夫だろう。これも試練の1つだろうしな。スタート地点に立った時点で何もできないままゲームオーバーじゃ、さすがに試練の意味がない」
「……
「ああ。あと、ティオと坂上もいないんだ。他の2人だけ特別なんてあり得ないだろうから、何の魔物になってるかまでは分からないが、ユエとおんなじように、魔物になってるだろうな。ただまぁ、そう心配するなよユエ。いつも通り何とかするさ」
「……
ハジメはようやくユエと再会できた喜びを表現するように、笑みを浮かべて全員がいる方を向く。
「じゃあ、香織。取り敢えず再生魔法かけてみてくれるか?」
「いやいやいやいや、待て待て待て待てぇ!」
「違う違う、南雲君。盛大におかしいから!」
「あ?なにが?」
光輝と雫のツッコミに、ハジメは本気で不思議そうにしていた。鈴も声にこそ出さないが、その光景に若干引いている。シアは投げやりに笑い、香織は差を見せつけられたかのようのに唖然としていた。
「いや、何がじゃなくて!おかしいでしょ!どうしてごく自然に会話してるの⁉︎グギャーとかグゴゴとか人語じゃないし⁉︎」
「うーん、そこは、ほらアレだフィーリングで……目と目でも会話は出来るし」
「いえ確かに、普段から見つめ合ってますけど、なんかそこから進化しすぎじゃないですか?今回に関して言うなら、雫さん達の方が正しいですからね」
香織とシアにまで言われ、どうも変人扱いされているのが納得いかないのか、ハジメは「恋人ならおかしくもないだろ?」と言うが
「普通じゃないからね、どう考えても…」
香織はハジメにとっての大切だが、その上位互換である特別を目指しているが、それがとてつもなく遠い場所にある気がし、若干落ち込んでいる。
「っていうか南雲。どうやって気がついたんだ。俺を止めたってことは最初から分かっていたんだよな?」
事態を把握し、怒りが収まった光輝が質問する。
「どうやってって、そりゃお前… 姿形が変わったくらいで、俺がユエを見失うわけない。それだけのことだ」
さも常識みたいに言うハジメに、皆が疲れたような表情をするなか、
「おそらく魂魄魔法の影響だと思います」
先程から顎に手をおいて考えていた七海が声を出す。ハジメは否定された気がして睨むが、構わず七海は続ける。
「前に…私がいた世界で、相手の魂を見ることができる呪霊と戦ったことがありましたが、それによって奴は私が表情に出さなかった感情も見極めていました。それと似たような現象…魂魄魔法の習得によって、ユエさんの魂をなんとなくでも知覚したんでしょう」
「でも、それだと私やシアでもわかるんじゃ」
同じく魂魄魔法を習得している香織の疑問はもっともだが、七海はそれについても答えた。
「おそらく、繋がりの強さでしょう。魂の繋がり…絆とでもいいましょうか。ともかく、並大抵の繋がりでは見極めることはできない程の絶対的な深い繋がり。それを互いに持ち合わせ、且つそれを見極める為の行為…今回で言うなら、見つめ合うことでしょうね。普段からやっていたのもあり、誰でもできる事ではない。南雲君とユエさんだからこそできたことでしょう。実際、私も違和感を感じただけで、ユエさんだとわからなかったですし、言葉も理解できませんでした」
七海の冷静且つ、納得できる分析に全員が「おおー!」と声をだす。シアに至っては拍手もしてる。少なくとも、ハジメのわけわからない説明よりは、説得力がある。ハジメのほうも別に否定されたわけでもないし、なんならハジメの言葉をより正確に伝えているので、怒れないが、
(なんだ、この敗北感は)
よくわからない敗北感を感じ、それに気付いた
「それより白崎さん、再生魔法を」
「あ、はい。それじゃ、いくよユエ。〝絶象〟!」
香織は七海に言われて今度こそゴブリンになったユエに向けて再生魔法を行使する。だが、
「あ、あれ?」
「グギャ?」
間違いなく行使されたはずだというのに、戻らない。正直ハジメですら再生魔法ならば元に戻ると考えていたが、ユエの姿は戻らない。香織はもう1回〝絶象〟をかけるが、やはり変化がない。間違いなく発動もしているし、香織の魔力も減っている。
「大迷宮は、幾つもの神代魔法によって作られている…そうだとするなら、再生魔法を阻害する何かが働いてるのかもしれません」
「そもそも、入るのに再生魔法が必須なんだ。挑戦者が再生魔法を使えるなら、逆説的に再生魔法でどうにかなるような試練は用意してないだろ」
七海とハジメの考えに「確かに」と全員頷く。七海はそういえばと思い、ゴブリンとなったユエに聞く。
「ユエさん、一応聞きますが、身体に異常はありませんか?苦しいとか、痛いとか、思うように身体が動かないとか」
「グギャゴ、グギャ」
「特にそんな感じはしない。自由に動かせるって」
「そうですか」
ツギハギの呪霊によって変えられた改造人間のように、何かしらの異常がある可能性があったが、それがない分、マシではあるなと七海は思っていた。
「南雲君が先程言ったように、さすがにこのままということはないでしょうが、本当に先へ進めば解決できるんでしょうかね?」
「間違いないだろ。スタート地点に立つだけで終わりなんて、さすがにありえない。必ず元に戻る方法はある。だからユエ、心配すんな…っとそうだ…ユエ、これを持ってみ?」
ハジメは〝念話石〟の付いたイヤリング型のアーティファクトをゴブリンとなったユエ〈以降ユエゴブ〉に渡す
「この状態でも使えるのでしょうか?」
「魔物に変えられているなら、おそらく全ての魔物がもってるだろう〝魔力操作〟の技能でなんとかなると思う」
ハジメの考えは
【ハジメ?ハジメ、聞こえる?】
竜化したティオと同じく、空間そのものに、ユエの声が響いたことで証明された。
「ああ、聞こえるぞ、ユエ。姿は変えられちまったが……無事でよかった」
【……んっ。ハジメなら気が付いてくれると思ってた】
愛し見つめ合う2人の甘い空間…なのだが、片方がゴブリンの為、なんとも異様な光景である。
「正直半信半疑なところがなかったと言えば、嘘になりますが、これでようやく証明されましたね」
とそんな雰囲気を前にして、皆が死んだ魚のような目になる中で、真っ先に七海はユエゴブに話しかけると、ユエゴブが七海方を向くのだが、表情はゴブリンの無機質なものなのに、どうにも不満そうな感じがした。
【七海、もう少し空気読んで】
ユエはどうやらこの甘い雰囲気の中に入られて、中断されたことが不満のようである。
「空気を読んでるからこそ声をかけたんです。いつまでもその身体でいるのはいけないですし、先で戻れるのなら、さっさとした方がいい。どうせ愛するなら、元の身体のほうがいいでしょう?」
【むぅ、そうなんだけど】
「それと、無事で何よりです。南雲君、先を急ぎましょう」
「お、おう」
すぐさま先へと進む七海だが、生徒を大切にしている七海と同じものが垣間見えた。その姿を見た者は、光輝を除いて(不器用な人だなぁ)と思わずにはいられない。これまでの大迷宮内ではハジメの少し後ろを進んでいたのに、ハジメよりも先に進むのも、光輝達と、戦力外なったユエがいるのが大きいだろう。
(遠いな、なんか)
実力は圧倒的なのに、大人の背中というものにどうしようもなく憧れしまっている自分がいて、それが遥か彼方にあるように、ハジメは感じていた。
「あとは、ティオと坂上か…2人ともユエと同じ状況なら、確かに急いだほうがよさそうだ」
同じ魔物になっているなら襲われない可能性もあるかもしれないが、いずれにせよ力を無くしているのなら、危機的状況なのは変わらない。だからそこからは急いだ移動になった。………のだが
「ハジメさん、今度は私にも分かりますよ。あれがティオさんだって」
「私も分かるよ。むしろアレがティオじゃない方が大変」
【同意】
ハジメ達は冷めた目でソレがいる場所を見て、雫はドン引きし、光輝は直視できないのか顔を背け、七海は呆れを通り越して怒りすらある。言葉にだすのだとしたら
(先程まで心配していた私の時間を返してほしい)
であろう。そして鈴は
「あんなのが私の師匠、あんなのが私の師匠、あんなのが私の師匠、あんなのが私の師匠」
別の意味で壊れていた。というか、理解したくないから壊れたいというところだろう。
「恍惚としてるわよね、どう見ても」
雫の言う先にいたのは、ゴブリンの集団に囲まれて殴る蹴ると暴行をされている、所謂リンチを受けている1匹のゴブリンだった。これだけなら仲間内の序列争いかイジメの類なのだが、問題はそのリンチを受けているゴブリンが顔を赤らめて、恍惚な表情をしている事だ。こんな状況でそのような事ができるのは、彼らの中で1人しか思い浮かばない。
「南雲、認めるよ。懐の広さでは、お前に負ける」
「おいやめろ天之河。俺があの変態を受け入れているかのような言い方は心外だ。……ただ、諦めているだけなんだ」
心底嫌そうにハジメは言う。
「どうしますか?」
普通なら早く助けましょうくらい言うはずの七海ですら、これである。
「どうもこうもねぇよ、あいつはもう手遅れだ。残念だが諦めよう」
「そうですね」
悲しげに言うハジメと、早くこの場から去りたい七海と鈴は早々と踵を返し、続く形でユエ達も躊躇いなく追随する。
「………」(プイっ)
本来なら「仲間を見捨てるのかっ!」とか言いそうな光輝ですら、もう一度見てすぐに見なかったことにしようと思うほどのものであった。が、それがいけなかった。それによって目が合い、そこから先に進もうとしているハジメをロックオンした
「グギャギャギャ‼︎」
周囲を囲むゴブリンですらドン引きする動きでそこから脱出し、空中ダイブをしてくる。何を言っているかなどわからないはずなのに、今回だけはなんとなく分かる「ご主人様ぁ〜会いたかったのじゃ〜‼︎」辺りが無難だろう。
そして直後、ゴブリンとなったティオ〈以降ゴブティオ〉は、頭にガントレットを装備したハジメの拳骨を受けて、地面にめり込んだ。
「殴るぞ変態」
「もう殴ってます」
ピクピク、ヒクヒクとするゴブティオだが、何故かいい笑顔だった。
*
「これは…」
ハジメはゴブティオにも〝念話石〟を渡して、もっと殴ってくれとねだるゴブティオを無視しつつ、さらに先に進んだ先には、また異様な光景があった。
【全部首がない】
ユエゴブが言う通り、進んだ先にはオーガと思われる魔物の死骸があったのだが、それら全てが首を捻じ切られていた。
「ハウリアの人達がいる……わけないわよね」
雫が首を取られている点でそう思うのは無理ないだろうが、当然違う。
「まさか」
チラリと七海はハジメを見る。ハジメも同じ考えが出ていると、先の方から足音が聞こえる。ドンドン近くなり、視界に捕らえたのはオーガなのだが、ハジメ達を見つけて襲い掛かるというより、逃げるような感じだ。とはいえ、魔物の本能で襲ってくるので、近付く前にハジメは撃ち尽くした
「……行くぞ」
倒した後、意を決して前に進むと、ひらけた場所に着いた。そこには、山積みにされたオーガ含めた魔物の死骸があった。それに目を奪われていた時、茂みからオーガが1匹出てきた。すぐさまハジメは撃ち抜こうとしたが、それよりも早く上から別のオーガが現れて、チョークスリーパーをかけてドスンとのしかかり、そのまま一気に首を捻り、引きちぎる。
「グルルルぅ……グァァアァ!」
そしてこちらを見つけて突貫してくる。
「フン!」
ハジメは速攻で懐に入り、腹に強烈な拳を決めた。オーガは苦しそうに嗚咽を吐いているが、収まると
「ゴ、ゴォォ、ゴ、ゴァぁ」
とこちらに語りかける。
「やっぱり、龍太郎なのか」
唐突な状況に全く動けてなかったが、光輝はそう察した。いきなり突貫してきたが、その動きが武術の動きをしていたのが大きいだろう。
「今のは襲おうとしてたのではなく、こちらを見つけて向かってきただけでは?」
「そうなんだが、修行の時のノリでやってしまった…あー坂上、大丈夫か。それ使えば言葉が分かるから」
〝念話石〟を渡した龍太郎が最初に発した言葉は
【ハッ!申し訳ありません!ありがとうございます、マスター!】
敬礼してそう言う。敬礼するオーガの姿もなんだが、それ以上に龍太郎の変化がやばかった。
「オイ、龍太郎!戻れ!戻ってこい!」
「キャラが崩壊してるから!お願いだから!」
【ハッ!申し訳ない、光輝殿、雫殿!この身を変えられるとは不覚にも程が】
「「そういうことじゃなぁーい‼︎」」
ある意味完全に壊れていた。
「アレ、元に戻るんですか?というか、マスターって」
「お、おぉぉ、俺が言わせたわけじゃないぞ!…ごめん、嘘です。修行の際にこっちもハイになって妙なこと言いました」
「正直でよろしい。で、続きですが、戻りますか?」
「戻らないなら、普段のアイツはいねぇよ。ただ、もうちょいショックがいるか、時間を置く必要があるかも」
「ああならずに本気になれるようになれば、一人前というところですね」
不憫に思いつつ、力がない状態なのに無傷でオーガ集団をほぼ1人で殲滅した龍太郎のことを、七海は評価をしていた。
*
全員合流し、先に進む。ちなみにユエとティオはハジメ達に囲まれるように移動している。安全の確保の為だ。その2人よりも戦闘のできるオーガの姿の龍太郎はいつでも戦闘態勢ができるようにしている。ちなみにあの後ハジメの拳骨で龍太郎は元に戻った。
「あの、七海先生」
「なんですか」
進んでいる最中、光輝が声をかける。
「次は、俺が1人でやるんですか?」
「…別に順番にしてるわけではないですがね」
これまでの戦闘はメインに光輝グループから1人出て、残りはサポートや討ち漏らしを倒すようにしていたので、今の龍太郎の事を考えても必然的に自分が次にまわされると考えた光輝が訪ねたが、否定という否定でもない為、そうだと確信し、気合を入れていると
「止まってください」
七海が告げ、先の茂みが動く。何かいるのが分かる。
「んじゃ、頼んだぜ天之河」
ハジメに軽く言われることが気に入らないのか、「言われなくても」と光輝が前にでると同時に、姿を現した
「いぃぃ、せんざい」
「いで、しょう、ゆ、しょうゆ、かけないで」
「ハン、はんが、ハン、ガー、ハンガー、かけ、なきゃ」
現れたのは奇怪な形をした生物。だが異様なのはどれも同じ形をしていない事。色も、手足も、口も、毛も、何もかもが統一性のない生物。ぶつぶつと何かを言い、這いずるように来る。
これまで見たことのないのもあるが、統一性のなさと吐き気を催すような醜悪な姿と動きをする生物に、女性陣は気持ち悪さを感じる。ハジメですら「キメェ」と呟くほどに
「もう全員いるなら、アレは間違いなく魔物だ!今度こそ!」
これまで全く活躍できていない光輝は、今こそ力を示さんとばかりに聖剣を構えて果敢に向かって行こうと前へ飛び出し…たと思った瞬間、何者かに鎧の襟部分を引っ張られる。一瞬とはいえ首を絞められたことで「グェ」と声が出て、力ずくで後ろへ放り投げられた。
(また南雲か⁉︎)
と光輝が思うが今度は違う。七海だった。光輝を強制的に後ろに下がらせたと同時に駆け出し、剣を抜刀する
「シッっ!」
七海は敵の視線が抜刀したことで武器にいったのを見逃さず、あえて反対の腕で殴る。ゴキャッと何かが砕ける音をがした直後、拳を受けた相手は吹っ飛び、近くの大木に叩きつけられ、残りの2体のうち1体は、真っ二つに切り、残りは飛びかかって来た瞬間、足を大きく上げて踵落としのように踏み付け、グチャリと音を出した。
「いきなり何するんですか!七海先生!俺が活躍するのがそんな…に…?」
光輝の怒りの言葉が止まる。倒した生物が崩れていき、先程相手をしていた猿もどきの魔物になった。
「…………邪魔をして申し訳ない。見たことない相手でしたし、異様な感じでしたので」
七海は納刀しながら謝罪するが、それで納得などできるはずもない。今の七海の行動は、明らかに不自然だ。だが先に進もうとする。何事もないかのように。
「まてよ、七海先生」
だが納得できないなら説明を求めるのは当然だ。ハジメは少し脅すように止める。
「なんですか?また先走ってしまったことは謝罪しますが、大したことではないと思いますが?」
「じゃあ聞くがな、今の相手をもし天之河じゃなくて、俺が殺そうとしたら、あんたどうしてた」
「…‥‥…」
【ハジメ?どういうこと?】
「七海先生、答えろ。命令だ」
ハジメは縛りによる命令と伝える。縛りの恐ろしさを知って以降、普段はふとした時に使わないように心掛けている強制命令をしたことに、ユエ達が驚きつつも、気になるのか、七海を見る。そして
「………同じことをしたでしょうね」
七海はそう言う。そこで光輝達にも疑問がでる。七海で倒せるならハジメ達なら確実に倒せる。そんな相手をわざわざ止める意味と、そして魔物がわざわざ姿を変えている点。つまりはアレはこちらの何かを揺さぶるものであるということ。
「ティオ、この大迷宮のコンセプト、なんだと思う?」
ゴブティオは考えこむような仕草をし、告げる
【おそらくじゃが、ハルツィナは『絆』を試しておるんじゃろう】
「絆…確かに入り口の石版にもその言葉はあったな」
【うむ。あれは単に亜人族による大樹までの案内だけでなく、攻略において絆を試すという意味でもあったのではなかろうか。ここまでの道中は仲間の偽物を見抜くこと、変わり果てた仲間を受け入れること、まさに『紡がれた絆』が試されているように思う。…じゃが】
「そうなると、さっきのはなんなのかってやつだよな?ただ、ここに来る前に、谷口の記憶から作られた中村に化けた魔物がいた。つまりアレもこの中にいる誰かの記憶を読みとって作られたってことだ。…一応聞くがな、七海先生以外でアレに見覚えのあるやついるか?」
全員が知らないと言うような仕草をする。
「つまりアレは、七海先生の記憶から作られたもんで、ティオの読みが正しいなら、こっちの絆を乱す原因になるもの。そしてたとえ俺でも殺させるのを躊躇う存在。ましてそれが天之河なら尚更か?」
「…………そうですね」
七海が肯定した。そこでハジメは「なるほどな」と呟く。
「アレ、人間か?」
【【【「「「「⁉︎」」」」】】】
全員が信じられないとでも言うような表情になり、ハジメを見た後すぐ、答えをだすように告げるごとく、全員が七海を見る
「……正確に言うなら、元人間…改造人間…いえ、それに化けているなら、改造人間もどきですかね」
静寂と旋律が全員に走る。
「あ、あれが、人間?」
雫は見た瞬間に感じていた嫌悪感が、一気に大量に押し寄せつつ言う。
「元な、元」
その様子を見てフォローしたわけはないが、ハジメが言うのだが、雫達の蒼ざめた表情は変わらない。それを横目に七海は続けて言う。
「ええ。私がいた世界で、私を殺した呪霊によって改造されてしまった、元人間です」
そう告げた瞬間、雫が先程の改造人間モドキの姿を思い出したのか、「オエッ」と吐き出してしまいそうになり、香織が魂魄魔法をし、シアが背中をさする。鈴は両方の二の腕を手で強く握り、震えている。オーガの龍太郎がそれに気付いて【大丈夫か?】と聞き、「平気」と短く伝えるも、震えている。
「あ、あんなこと、に?なんで、何でそんな」
そんな事ができるのだと言いたいのか、震えた声で光輝は聞くが、その質問はナンセンスだ。
「天之河君、部屋にゴキブリが現れたら、どうしますか?」
「そ、それは」
「殺しますよね」
間髪入れずに七海は聞き、そのまま光輝は頷く
「なぜ?」
「な、なぜって?」
「理由はないんですか?」
「ッ!それとコレとは違うでしょ!」
「違いませんよ」
そう告げたことに、「は?」と光輝は呆けたように呟く。
「呪霊が人を殺すのに理由は特にないです。奴らにとって人間なんて、ゴキブリと同じ害虫。いるから襲う、殺す、それだけです。が、あの呪霊は人間のような姿をし、人間のように意思疎通ができ、人間のように思考ができ、他の呪霊よりも悪辣でした。まるで、人間の持つ悪意が集合したような存在でしたよ。まぁ、そういう意味で言うなら、他の呪霊も同じですけど」
「んな事はどうでもいい。この世界で呪霊が確認されてない段階で、その呪霊と同じタイプがいきなり現れるなんて流石にないし、仮に出現していたとしても、ここは大迷宮の中だ。俺ら以外の人間がホイホイ入れるはずもないんだ。何より、あれに呪力はない。…少し考えれば、あれが偽物なんてわかるだろう?あんたが冷静になってないなんて、珍しい」
ハジメの言葉に、七海は目線を少し落として言う。
「……そうですね。久しぶり見て、何も知らないまま君達が殺す状況を、どうにも容認できなかった。君の言う通り、その可能性が低いことも理解していましたが、ほんの僅かの可能性を考えて行動してました」
「余計なお世話なんだよ」
「ちょっと南雲君、そんな言い方」
雫が止めに入るが、七海は「いいです」と静止する。
「この大迷宮コンセプトが絆を試すのだとしたら、確かにいまの状況を見ればわかります。私の知り合いを出すより、改造人間を私の前に出す事の方がいい。現に君の言う、軽率で余計な事で、不破を起こしかけている」
「…わかってんなら、さっきみたいなのはやめてくれ。つか、こんな事俺に言わせんなよ」
七海の言う僅かな可能性を考慮し、その考えの下、彼らに意識しない殺人をさせない為には、あの行動は正しい。が、冷静で的確な判断であったかと言うなら、微妙なところであろう。ハジメも七海がそれを理解しているのは、先程の改造人間もどきを殺した瞬間の僅かに歪めた顔をした七海を見てわかっている。
「そうですね。というより、どのみち先程と同じ事はもうできそうにないでしょう」
そう七海が言うと、周囲から数十体の改造人間もどきが現れる
「うあおーうあおーうあおー」
「あい、あい、あい、あぃぃぃn」
「っぽーん、いっ」
「くえ、くえぇ、くえぇぇ」
また先程とは違う姿しており、同じ形が1つとしてない。更にそれが元は人間の姿だったらという真実が彼らに大きな影響を
「影響受けてんじゃねぇぞ」
ハジメは真っ先にドンナーとシュラークで確実に殺せるであろう頭部を狙い撃つ。その一撃で絶命し、形を崩して元の猿もどきの魔物になる。
「こいつらは魔物だ。魔物としてみろ」
「っ!言われなくても‼︎」
気持ちを入れ直し、光輝も聖剣を構えて切り裂く。
(こいつは魔物、こいつは魔物、こいつは魔物)
光輝は目の前にいるのは魔物と自分に言い聞かせる。雫と鈴、龍太郎も思うところあれど、見た目が人でないのもあり、僅かな抵抗感を感じつつ、確実に対処していくが、ここにきて改造人間もどきの数が増えてくる。
ハジメ達は龍太郎と違い、現在戦えないユエとティオを守る為に集中し、七海も数の多さと先程ハジメに言われたのもあり、注意はしつつも自分の相手に集中していた。
「次は、お前だ‼︎」
だから、光輝が聖剣で突き刺した改造人間もどきの元になったであろう存在に気付けなかった。突き刺された小さめの改造人間もどきは聖剣ごと樹木に突き刺さり、文字通り死にものぐるいでもがいていたが、トドメを刺す為に光輝が聖剣を引き抜こうとした瞬間だった
「お、にぃちゃん。あそぼうよ」
「⁉︎」
そのひと言で、それの素体であっただろう人間に、光輝は気付いてしまった。手から力が一瞬抜けてしまう。
「光輝!危ない!」
「!」
雫の忠告は遅かった。横から来た別の小型の改造人間もどき数体が光輝に覆い被さる。光輝が振り払おうとした瞬間
「いたいよ、助けて、助けて」
「⁉︎」
動揺した光輝を動けなくする為に改造人間もどきが近付いてくるが、光輝はどうにか転がって振り払う。聖剣から離れた為、予備としてつけていた剣を抜こうとするが、這うように近付いていた改造人間もどきが、光輝の両足をがっちりと抑えていた。
「なん、で?ころ、すの」
「⁉︎この、魔物がぁ!」
足を大きく振り、無理矢理離すが、あまりにも悪手であった。大振りの足運びのせいで次の体制に入る予備動作ができず、更に向かって来た改造人間もどき達に取り押さえられる
「だすけで」
「!」
取り押さえていた改造人間もどきがまた声をだす。輪唱するかのように同じ言葉を発し、光輝の心を乱す
「光輝!ぐっこの!」
相手の数が多い為、雫含めて全員目の前の敵を屠るのに手一杯だ。胸に座った改造人間もどきが光輝の首を容赦なく絞める。
「だすけで」
「死にたくない」
「助けて、ねぇ」
光輝を取り押さえた改造人間もどきはその合間も、すがるように助けを求める声をだす。それが、人間が出すそれと、完全に同じだと、光輝は理解してしまった。この改造人間もどきは魔物が化けているにすぎないが、そこから発しているものが、本物の改造人間が求めているものだと、理解してしまった。
「たす、けるから。だず、けるから。だか、ら」
光輝は首を絞められ、意識が朦朧となるなか、その声を聞き届ける。
「くそっ!…南雲君!」
七海は迫り来る改造人間もどきの対処をしており、しかも光輝がもがいて動いた事で距離もできていた。故にハジメに声をかけると、ハジメもわかっているのか、片手で向かってくる改造人間もどきを撃ちつつ、もう片手で光輝に覆い被さる改造人間もどきに狙いを定める
「たず、けるよ。おれ、は」
その数秒前、光輝は意識がついに消え出す。その最中、彼は自分の首を絞める改造人間もどきの言葉を聞いた
「おねがい」
「助けるよ」と、相手が助けを求めてくると思い、光輝はもう一度その言葉を言おうとした時、そこから発せられたのは、別の言葉
「ころして」
瞬間、光輝の中で何かが砕ける音がした。それとほぼ同時に、ドンっ!と音がして、びちゃりと光輝の顔に液体がかかる。赤錆色をしたドロっとした液体は、今の光輝には、血に見えた。…そして、
「うあああああああああああ!」
光輝はボンと魔力を放出し、残りの改造人間もどきを肉体ごとふっとばす。その最中、消える直前も、「助けて」「殺して」という声を出して
*
「どうにか、殲滅したようだな」
周囲は魔物の死骸と赤錆色のスライムの跡で満たされており、戦闘が終わった者達の表情は、暗い。
「正直、ある意味メルジーネよりも嫌な演出でした」
ドリュッケンを下ろしたシアは、改造人間もどきの悪趣味を超えた姿と、それらが出す声に、苛立ちを感じていた。ハジメグループは割と平然しているが、それでも本物の改造人間の事を考えないということはできないでいた。ハジメですら嫌悪感があったくらいだ。
「七海、先生」
そして、もっとも影響があった光輝が、回復を受けてすぐに七海の方へ詰め寄るように近づく。
「改造人間の中には、子供も、いたんですか?」
「行方不明のリストや、改造人間の言動を見ても、間違いないでしょうね」
そう告げられた真実に、ユエ達にも憤りがある。改造人間にした呪霊にだ。だが、光輝は
「なんで」
七海に、憤っていた。
「なんで殺した⁉︎なんの罪もない子供を!なんで‼︎」
そしてそのまま胸ぐらを掴む。ハジメとシアが動こうとするが、七海が片手を軽くあげ、静止するように伝え、光輝の質問に答えた。
「改造人間にされた者は、こちらを殺す気で襲って来ます。それに対して黙って死ねと?」
「助けようとは思わないんですか⁉︎あんな、あんな姿にされて!助けを求めた人達を、あんたは!」
「……改造人間にされてしまった人は、2度と元に戻りません。たとえ反転術式でも…いえ、おそらく再生魔法と魂魄魔法を使っても無理でしょう」
「どうして、ですか?」
聞いたのは光輝でなく、香織だ。再生魔法の適性が高く、魂魄魔法もしっかりと使えるからこその質問。実物を見ておらず、且つその術式についても知らない彼女には再生魔法なら、戻す事もできるだろうという考え。だが
「白崎さん、今シアさんに再生魔法をかけても、意味はないでしょう?」
「え?ええ。だって怪我もしてないですし、元の身体のままですし」
「改造人間もそうです。魂の形状を操作することで対象の肉体を形状と質量を無視して思うがままに変形、改造をする。言わば改造された瞬間に、それが元の姿なんです」
【なら、魂魄魔法でも無理って言える理由は?】
魔法のスペシャリストのユエも気になるのか、香織が聞く前に尋ねた。
「先程も言いましたが、元の肉体の形状と質量を無視している。魂の形は元とはまるで違うでしょう。粘土の人形をバラバラにして且つまったく違う形になった物を、寸分違わず元通りにできますか?しかも大抵が元の肉体がどういう形かもわからない状態で」
そう言われた瞬間、この場にいる全員が理解した。改造人間になった者は、2度と戻らない。だが理解しても尚、光輝は叫ぶ。
「もしかしたら、何か方法が見つかるかもしれないのに!」
「形を無理矢理変えられた為、僅かな時間しか生きられない…もって数分の命です。改造されても自我を残している彼らの気持ちを考えるなら、尚のこと、殺す以外に手段はない。彼らを救う方法もね」
「殺す事のどこが救いなんだ!」
「なら、今の説明を受けて、君はどうしますか?相手は死ぬまで襲ってくる。治す手立てはない。数分後には死ぬ相手を、君は殺す以外でどう助けるんですか?」
「‼︎」
光輝は言葉が詰まってしまう。
「前に言いましたよね?根拠のないなんとかしてみるでは、相手は救えない。そして、王都でも言った、殺す以外のどうしようもない人というのが、あの改造人間達です。君のエゴで、化け物になってしまった彼らをそのままにし、苦しませ、他者を襲わせる可能性を放置し、どうする事もできないまま苦しませて死なせる事が、正しい事だと思いますか?」
「お、おれは、そうじゃない!俺は!」
七海の質問に答えられず、それでも認めたくない気持ちが、光輝を突き動かす。
「そこまでだ。それ以上言う事がないお前に、七海先生を責める権利はねぇ」
光輝が更に力を入れて七海の胸ぐらを掴もうしていたが、流石にこれ以上は会話の無駄だと考え、ハジメが止める。光輝は怒りが収まらないが、これ以上したら殺すぞというハジメの威圧感を受けて、手を離した。
「やっぱり俺は、あなたを、呪術師を認めない。殺す事が、救いであってたまるか」
光輝はそう悪態をつくが、
「お前も殺したじゃねーか。助けを求める奴を」
いい加減イライラしていたハジメがハッキリと言い、光輝は「なんだと」とそちらを向く。
「アレは人じゃない!魔物だ」
「そうだな。けどよ、もし本当に改造人間だったら、お前はあの時どうしてた?つか、あの時のお前は、あれを魔物として見てなかっただろ?」
「そ、そんなこと!」
「そこまでです。こんな所で喧嘩すれば、それこそ大迷宮の…いえ、解放者の思う壺です」
「こいつとの間に絆なんてねー」
「そうだとしてもです。それに、時間をかけてますよ」
言い争いをしてる暇なら先へ行くのが先決だ。ハジメならそれがわかるはずだが、光輝の言動にいつも以上にイラついていた。七海に言われて、落ち着きを取り戻す。
「たしかに、こんな奴にかまってたら、いつまでもユエを戻せないな。先を急ぐぞ」
大きな溝ができても、進まなければいけない。
(あれ魔物だ。あれは、魔物)
光輝は再び自分に言い聞かせている。それでも、耳に残る。改造人間もどきの出した声と、七海の言葉が、呪いとなって
ちなみに
前にも書きましたがが、この樹海の大迷宮編は「ここをもし1人で入ったら、変身する魔物はどうなるんだろう」という自分の考えのもとに書いてます。大迷宮に入ってない者でも入っている者からの記憶からその姿になり、本人もしくは入ってきたメンバーとの絆を乱すだろうと考えました。
その上で、七海との絆のあるハジメ達に七海と不破を起こさせる材料で、更に私からの光輝への試練、光輝に助けを求める者を(擬似的でも)殺させる為に改造人間もどきを出しました。
次回は夢回ですが、ここもちょっと自分なりの解釈があります。そして、多分そこである事を察する人も出てくると思います。………不安だけど、ここもこうするのは決めてんので、腹括ります
あと、改造人間もどきが喋ってたやつの元ネタわかるかな?