死炎の副船長   作:リューカリッカ

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忙しい時期がひと段落ついたので、再開します。
のんびり投稿していきます~


再会

―――東の海《イーストブルー》 コノミ諸島 アーロンパーク リベル視点

 「ところで、この村にノジコとナミっていう子がいると思うんだけど、どこにいるか分かる?」

死ぬ気モードを解いたおれは、風車を刺したいかつい男性にそう尋ねた。

すると男性は、どこか警戒した様子を見せながら答えた。

 「なぜ君がその2人を知っている?」

そう尋ねるとこちらに武器を向ける。

明らかに警戒した様子のその男性の姿に苦笑いをしてしまう。

詳細を話そうと口を開くと、ルフィがおれに話しかけてきた。

 「リベル、ナミのこと知ってんのか~!ナミはうちの航海士なんだ!」

 「…へぇ、とんだ偶然もあるもんだ。じゃあルフィ、そのナミって子のもとに案内してくれ。話があるんだ。」

正直驚きを隠せなかったが、ベールさんの口から直接聞いたほうがサプライズになると考えて黙っていることにした。

すると風車の男性がこちらに詰め寄ってきた。

 「話はすんどらんぞ!どうして君が2人を知っている?」

改めて話があることを伝えようとすると、ルフィがおれを遮って話し始めた。

 「リベルなら大丈夫だおっちゃん!リベルは俺の兄貴だからな!」

そういうと周囲が驚きに包まれる。

特に緑髪の剣士や長い鼻の青年、金髪のぐるぐる眉毛は驚きを隠せないようだった。

「ルフィ!」

オレンジ色の髪の麦わら帽子をかぶった女性がルフィに駆け寄ってきた。

目には涙を湛え、今にも泣きそうな表情で駆け寄ってくる。

 「ナミ!」

ルフィが嬉しそうに声をかける。

あれがナミか…どことなく雰囲気がベールさんに似てるな。

内心そう思いながら彼女に声をかける。

 「あー、感動的な場面で申し訳ない。君がナミ?おれの名前はリベル。ルフィの兄貴だ。よろしく頼む。いきなりで悪いんだけど少し時間をもらえるか?君とノジコって子に合わせたい人がいるんだ。」

そう言うとナミがおれのほうに目を向けた。

訝しげな眼をしながら口を開いた。

 「まずルフィたちを村に運んでからでいい?治療をしてあげたいの。」

 「もちろん。それは優先してくれ。おれの弟なんだ、よろしく頼むよ。」

そういうと負傷者を連れて村へと戻っていった。

 

 

―――東の海《イーストブルー》 コノミ諸島 ココヤシ村海岸 リベル視点

 「それで、会わせたい人って誰なの?」

村で宴会の準備が進んでいる中で、おれとナミ、ノジコと風車の男性―ゲンさんは海岸に来ていた。

最初は2人だけを呼ぶ予定だったが、まだ信用が薄いらしくゲンさんが付き添いでついてきた。

 「もう少しで見えるはずだ。おれは先行してきちゃったからな。」

そう言うと薄っすらと船が見えた。

しかしそれはおれが乗ってきたものではなく、海軍の軍艦だった。

 「チッチッチ。ここに手配書に乗っている海賊がいると聞いた。おとなしく引き渡してもらおうか。」

軍艦から降りてきたネズミのような男性(以降ネズミ)が、開口一番にそう告げた。

にやにやと憎たらしい笑い方をしている。

 「…リベル。あんたが合わせたかったのってこれ?」

ナミが剣呑な様子で尋ねる。

それに合わせて、ノジコやゲンさんからもヒリついた空気が伝わってきた。

 「そんなわけないだろ。…ほら、よく見てみな。」

沖合に船が見えたかと思うと、そこから人影が跳躍してこちらへと向かってきていた。

その人影は銃でネズミを殴り飛ばすと、銃口をまっすぐにネズミへと突き付けた。

 「私の娘たちが世話になったみたいだね。ここで死んでおくかい?」

銃を突きつけた女性…ベールさんのさっきに耐えかねてネズミは意識を失う。

それを確認したベールさんは立ち上がると、振り返ってナミとノジコに抱き着いた。

 「久しぶりだね、ノジコ、ナミ!」

 「「…ベルメール…さん?…お母さん!!」」

そういうと3人は熱く抱擁を交わした。

隣ではゲンさんが信じられないものを見たような目をした後、そっと目頭を押さえて泣き出した。

それを横目で見ながら、おれは海軍の海兵たちを一人残らず簀巻きにして放置していった。

 

 

―――東の海《イーストブルー》 コノミ諸島 ココヤシ村 リベル視点

それからベールさんは、長い間自身の身に起こったことを話した。

アーロンにやられた後海に捨てられたこと。

そこを通りがかった父さんたちに拾われて一命をとりとめたこと。

体が治っても記憶が戻らなかったため、父さんの下で働いていたこと。

おれの旅に途中まで同行するという軽い休暇のような任務の際、バラティエで記憶が戻ったこと。

そして今に至ることをすべて伝えた後、おれに向き直って深く頭を下げた。

 「あなた方に救われてなかったら、今こうやって家族との再会を喜ぶことすらできませんでした。そこに深い感謝を。それと同時に身勝手をお許しください。私はもう、二度と家族から離れたくない。トゥリニセッテを辞職する。」

そういながら頭を下げ続けるベールさん。

おれはあえて重たい空気を出しながら、死ぬ気モードになってベールさんに口を開いた。

 「頭を上げろベールさん…いや、ベルメール。トゥリニセッテ現ボスであるジョットからメッセージを預かっている。拝聴!」

そういうと死ぬ気モードを自分が出せる限界まで引き出し、炎を強く滾らせる。

オレの本気の威圧にだれも動けなくなったところで口を開いた。

 「ベールへ。この旅が君にとって大きな転換点になると俺の超直感が告げている。おそらく記憶が戻って家族の下へと帰ったことだろう。そこで辞令を言い渡す!その島をトゥリニセッテの守護下とし、その島を守ることに従事せよ!その際の生活に指示は出さない。好きなように生きなさい。…ただ、困ったことがあってもなくてもいつでもおいで。君はすでに、俺たちのファミリーだ。」

そういうと死ぬ気モードを解いて、ベールさんに手紙を渡す。

それを受け取ったベールさんは、顔をくしゃくしゃにしながら手紙を大事そうに懐にしまった。

 「任務、承りました。以降万事お任せください!」

そういうとベールさんは倒れこんだ。

ここに来るまでまともに睡眠をとっていなかったツケが来たらしい。

ナミとノジコの2人が家へと運ぶのを見送ると、おれは宴会場へと足を向けた。

 「ルフィ!最初に巡り合ったのはお前だったな。」

そう声をかけると、ルフィは食べる手を止めないままに話し出した。

一度落ち着かせて話を聞くと、ルフィは満面の笑みを浮かべながら言った。

 「リベルは俺の副船長だからな!」

その言葉に笑みを浮かべたおれは、クルーを紹介してもらうことにした。

鷹の目とやりあった緑髪の剣士…ゾロ。

長鼻の狙撃手…ウソップ。

バラティエの元コック…サンジ。

そして、ここにはいないがナミ。

それに、ゴーイング・メリー号。

我が弟ながらよくもこんなに個性的なメンバーを集めたものだ、と感心するとともにおれが副船長でいいのかとも思った。

それを尋ねると、それぞれ一番の理由は船長命令であるからだということ、次にさっきの辞令を言い渡すときの威圧感が実力者であることの証であると認められ無事に副船長の座に就任した。

そこで、副船長の最初の仕事としてナミが航海についてこれないかもしれないことを話した。

各々当然反応や反発があったが、ベルメールさんという母親が帰ってきたことによる心境の変化があるかもしれないことを説明したうえで、次の出航まで待つという結論に落ち着いた。

そして、一味は出航の時を迎える。

 

 

 

―――東の海《イーストブルー》 コノミ諸島 ココヤシ村海岸

出航の準備は着々と進み、ナミの到着を待つばかりとなった。

船に乗り込んだ一味たちは今か今かとナミの到着を待っていた。

 「ルフィ!船を出して!」

ナミが村人の間をすり抜けながら船に向かって一直線に走ってきた。

後ろではノジコとベールさんが呆れたように笑っている。

村人たちがざわつく中、ナミは船へと飛び乗ると村人たちから盗んだ財布をこれ見よがしに見せつけながら、いい笑顔でいってきます!と叫んでいた。

村人たちの怒号と歓声を一身に受けて、ゴーイング・メリー号はコノミ諸島を旅立っていった。

 「ねぇねぇリベル。あとでベルメールさんの話を聞かせてね。」

 「もちろん。おれに会う前のベールさんの話も聞かせてくれよ。」

親睦を深める2人の下へ、サンジが割って入る。

騒がしい雰囲気のまま、船はどんどんと進んでいく。

 

 

 

これから、リベルの冒険が始まる。

 

 

 

 

 




久々に書いたので、ブランク気味です。
より一層読みづらくなっていたと思いますが、勘弁してください。
精進します。
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