リボーン要素がちょっと出ます。
終着駅の悪ガキたち
―――東の海《イーストブルー》 ドーン島 コルボ山 リベル視点
「この子をここに預ける。2年もしたら迎えに来るからそれまで預かっておいてくれダダン。」
「それはないですよティモさん!ここにはただでさえエースっていう悪ガキがいるんだ!これ以上ガキが増えても面倒見切れないですよ!」
太った女性がそういう。
どうやらこの女性は”ダダン”というらしい。
「なんじゃ。貴様らは儂に返しきれんほどの貸しがあったと思うんじゃが?話が聞けんというのならここで清算してもらおうか?」ゴゴゴゴッ
じいちゃんの指輪から赤色の炎がほとばしる。
じいちゃんが言うにはこの炎は”嵐の炎”というらしく、こうげきのーりょくに長けたじいちゃんがいちばん使う炎らしい。
「わかりましたわかりました!だからその炎を消してください危なっかしい!」
「わかったのならいい。預ける間の面倒は頼んだぞダダン。」
そういうとじいちゃんはこっちをふりむいておれに目を合わせる。
「じゃあのリベル。2年後に必ず迎えに来る。」
そういうとじいちゃんは消えてしまった。
目にもとまらぬ速さで動いたんだと思う…たぶん。
家ではよくあることだった。
「これからよろしくね、ダダンさん。」
「よろしくしてやるかクソガキ!あんたのことなんてティモ…あんたのジジイのことがなきゃ絶対に預かってやらなかったんだ!まったくガープもティモもそろいもそろって面倒をかけてくれる!いいかい、明日からあんた死ぬ気で働いてもらうぞ!!掃除・洗濯・クツ磨きに武器磨き!窃盗略奪詐欺人殺し!ここでさせられたことはジジイにチクるんじゃねぇぞ!」
「一日に一回茶碗一杯の米、コップ一杯の水!これだけは保証してやるから、あとは自分で調達しな!」
「わかったよ。ここにはもともとキャンプのつもりで来てたしね。とったエモノも分けたらいいんでしょ、ダダンさん?」
「もういやだこのガキたくましい!ここに預ける意味ねーだろティモのやつ!!」ガチャ
ドアの開く音につられてそちらを見ると、するどい目をした少年がいた。
その少年はこちらをちらりと見ると、むすっとした顔でくるりと外へもどっていった。
「今の子は?」
そうたずねるとダダンは「あいつはエース。あんたみたいに押し付けられたクソガキだよ!」と答えた。
「おれちょっと行ってくる!」
そう叫ぶとエースの下へ走っていく。
おれを呼び止める声をむしして、エースへ話しかけた。
「おれの名前はリベル!仲良くしようよ、エース!」
その声をむししてどんどん先へとエースは足を進める。
むきになったおれはさらにエースに声をかけようと足をふみ出した。
その瞬間 ドンッ と音がした。
前を見ると木がこちらにむかってたおれてくる。
「うわぁ!」
とっさにかわす。
安心してため息が出た。
「そうだ、エースは!」
まわりを見わたしても、エースはいなかった。
仕方がないので野生の動物や食べられる山菜をとり、ダダンの家へともどる。
次の日からおれはエースに付きまとい続けた。
エースがどこに行くにもついていき、エースがついてこないようにじゃまするのも乗りこえ続けた。
何日もの間エースに話しかけては見失い続け、ついに森をぬけた先にある不確かなものの終着駅《グレイ・ターミナル》へとたどり着いた。
そこにはエースがいた。
何やら金髪でぼうしをかぶった少年と話している。
ばれないように近づくと声が聞こえた。
「おい、サボ。いるか?」
「エース、遅かったじゃないか。俺はもう準備万端だぜ?」
「そうか、俺もだ。早く一仕事して海賊貯金を増やすぞ!」
「へぇ、ふたりは海賊になりたいんだ。」
後ろから声をかけると、ぎょっとした顔で二人がふりむく。
いつもむすっとした顔のエースしか知らないおれは、すこしうれしい気持ちだった。
「おい、お前なんでいやがる!」
「こいつがエースの言ってたリベルか?だからお前もここに住めって言ったのに…山道修行があだになったなどうする?」
「殺す…と言いたいところだが駄目だ。こいつはティモのじーさんの孫、つまりトゥリニセッテの一人だ。」
「トゥリニセッテ!?あの最強の自警団トゥリニセッテか!?」
「ああ、現党首であるジョットは四皇とも張り合えるくらいの猛者らしい。うかつに手を出したら島と消される可能性もある。…そうだ!記憶がなくなるまで頭をたたき続ければいいんじゃないか?」
「それでいくか…早く殴れよエース。」
「お前が殴れよサボ!なんかこいつ…殴りづれぇんだよ。」
「俺もだ…もうこいつを巻き込んで仲間にしたほうが速いんじゃないか?」話に入ることもできないままどんどん話が進んでいく。
どうやらおれは殴られずにすむらしい。
「なんでこいつを仲間に入れなきゃいけねぇんだ!弱い奴はいらねぇよ!」カッチーン
弱い?おれは修行もしっかりやってきたんだ!エースなんかに負けない!!
「じゃあ勝負しろよエース!何もおれのことを知らないで弱いとは言わせねぇぞ!」
「望むところだ!これでお前が負けたらこのことは全部忘れて俺に二度と近づくな!」
「こっちこそ!勝ったら謝ってもらうからな!」
―――東の海《イーストブルー》 ドーン島 不確かなものの終着駅《グレイターミナル》 とある開けた空き地
二人の少年がボロボロになって向かい合っている。
それを眺めるような、心配するかのようなまなざしで見つめる少年が一人。
その少年の目に映る二人は、立っているのもやっとのようだった。
「ハァッ…ハァッ… やるじゃないかお前…」
「ハァッ…ハァッ… エースこそ…やるじゃん…次の…一撃で…決着をつけよう…」
「あぁ…俺もそのつもりだった…」
((勝負はおれ(俺)のほうが不利(有利)だ…でも(だから)…エース(こいつ)には…))
「「負けたくねぇ!!」」
「「うおおぉぉぉぉおおおおお!!!!」」ドンッ
お互いの鉄パイプがぶつかり合う。
拮抗しているように見えたが、徐々にエースが優勢になっていく。
「これで…終わりだ!」
エースが押し切ろうとしたその時
「まだ…まだ負けてねぇ!!」ボウッ
リベルの額から、鮮やかなオレンジ色の炎が吹き出した。
それに目を奪われるのと同時に、エースの鉄パイプを押し切られた。
そして、
「おおおぉぉぉぉぉぉおおおお!!!」ドンッ
リベルの振るった鉄パイプが、エースの腹をうち抜いた。
ドサリ…とエースが倒れる。
「ヘヘッ…おれの…勝ちだ…」ドサリ
その言葉と同時にリベルも倒れ伏した。
それを聞いて我に返ったサボは、二人を秘密基地まで連れ帰った。
―――東の海《イーストブルー》 ドーン島 不確かなものの終着駅《グレイターミナル》 秘密基地 リベル視点
「あんなもんずるだろ!やり直しだやり直し!」
「やだね!勝ちは勝ちだ!早く謝れエース!」
自分の言った言葉におれはエースに勝ったんだなぁ…と喜びを覚える。
それと同時に負けたにもかかわらず謝ろうとしないエースの往生際の悪さがなんだかおもしろかった。
「負けは負けだよエース。ところで、あの炎は何だったんだ?」
とサボが尋ねる。
「あれは”死ぬ気の炎”だよ。トゥリニセッテが最強って呼ばれる理由でもあるんだ。詳しくはおれもあんまりわかってないし、あんなのになったのは初めてだ。」
「じゃあやっぱりお前の実力じゃないじゃねぇか!まぐれだろあんなの!」
とエースが吠える。
「それでもおれの勝ちだよエース。で、何か言うことがあるんじゃないの?」
おれは笑って尋ねる。
勝ったことによる精神的な余裕があった。
「グッ…悪かったよ。お前は別に弱くねぇ。俺たちの仲間になるのも認める。ただし、上は俺たちだからな!」
「なんでだよ、勝ったのはおれだぞ!おれたちは対等、友達だ!おれたちは強くなって、いつか海に出よう!おまえたちがおれには必要だ!」ドンッ
「チッ…仕方ねぇな。」(俺が必要だと…)
エースがしぶしぶ認める。
口調こそしぶしぶだったが、どこか嬉しそうだったようにみえた。
「これからよろしくな。エース、サボ!」
「おう」
「よろしくな!」
―――3か月後 東の海《イーストブルー》 ドーン島 コルボ山 ダダンの家 リベル視点
ドンドンッ アケンカーダダンー
朝からうるさい音がする。
どうやら誰か来たみたいだ。
ダダンが見知らぬ男とやり取りをしている。
そして一人の麦わら帽子をかぶった少年を置いて山を下りて行った
その少年はおれに気が付くと嬉しそうに近寄ってきた。
「俺の名前はモンキー・D・ルフィ!仲よくしよう!」
前回よりも長めに書いてみました。思ったより難しい…