死炎の副船長   作:リューカリッカ

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幼少期後編となります。
2,3話を予定してますが、どうなるかわかりません。
幼少期編が終わると旅立ち編となります。
旅立ち編の前に旅立つ前の主人公のスペックを記載しようと思いますので、そこであらかた何ができるかを把握しておくのも楽しいかも…?
特に見なくても問題ないようにしようと思っているので、話が進むにつれて知りたい方は閲覧を推奨しません。


大海賊編
新たな出会い


―――東の海《イーストブルー》 セッテ島 リベルの家 リベル視点

サボがいなくなって3カ月が経った後、じいちゃんが迎えに来た。

話を聞くと、偉大なる航路《グランドライン》をいろいろ旅してきたらしい。

その過程で何人かの仲間が増えたみたいだった。

東の海《イーストブルー》に帰ってきたときに、ボロボロの状態でほぼ息をしていなかった女性を拾ったらしい。

母さんの炎のおかげで一命はとりとめたらしいが、よほどひどくやられたのかいつ目が覚めるのかもわからない状態らしい。

……やはりこの海は残酷だ。

何処までも自由に生きるのならば、力はどれだけあっても足りないかもしれない。

力こそがすべてだ…

自分の無力さに嫌気がさしていたおれは、今まで以上に修行に取り組んでいた。

体が出来上がっていない今、死ぬ気の炎を使った鍛錬は禁止されていたため、父さんや母さん、じいちゃんが得意な武器術や体術を教わった。

他にもガープの爺さんから昔教わった、六式の習得にも勤しんだ。

そのまま修行を続けて4年が経った。

 

 

―――東の海《イーストブルー》 セッテ島からほど近い無人島 

 「ハァッ…ハァッ…」バタリ

前のめりにリベルが倒れる。

その体には無数の傷ができており、そこで行われていた戦闘が生半可なものではなかったことを示している。

たおれたリベルの正面には、これまでリベルの相手をしていたジョットが無傷でたたずんでいた。

 「…肉体面は出来上がりつつあるな。六式の出来も悪くはない。俺達が仕込んだ戦闘技術も、あとは自分で伸ばしていく領域までもっていった。」

ジョットはそう告げる。

リベルは倒れ伏しながらも、ジョットの言葉に耳を傾けた。

 「最後の仕上げだ。お前に”時雨蒼燕流”の継承を行う。この継承は一度しか行われない。心して目に焼き付けろ。」

そういうとジョットは巻藁を準備しだした。

一つの巻藁を設置した後に、それに向かって紫色の炎…”雲の炎”を放出し、合計で九つの巻き藁を作成した。

その間にリベルは、何とか体を起こして目に焼き付けようとしていた。

そして、数分後。

巻藁は霧散し、唯一オリジナルの巻藁のみが残った。

時雨蒼燕流の継承は終わり、あとはリベルが己を高めていくのみとなった。

 「これをもって、基礎修練および戦闘技能の基礎訓練を終了とする。以降は死ぬ気の炎を使っての訓練及び戦闘を許可する…よく頑張ったな、リベル。」

そういってジョットがリベルの頭をやさしく撫でる。

そのねぎらいに安心してか、はたまた戦闘訓練の厳しさゆえか、リベルは意識を失った。

 「だがなリベル…今のお前に死ぬ気の炎がうまく扱えると、俺は到底思えないよ。」

すでに意識を失ったリベルに、その声は届かなかった。

そんなリベルをジョットはもう一度撫でると、そっとリベルを抱えてセッテ島まで飛んで行った。

 

 

 

 

―――東の海《イーストブルー》 セッテ島 リベルの家 

ガツガツガツガツッ

そんな効果音が聞こえてくるほどの勢いで、リベルは食事を急いでとっていた。

それは傷を癒すためでもあったし、失った体力を取り戻すためでもあった。

彼らの一族が扱う特殊な炎…”死ぬ気の炎”と呼ばれるそれは、生命力を炎として顕現させ扱っているため、戦闘で失う体力は人一倍多かった。

そのため一族では、死ぬ気の炎を修得するよりも先に、”生命帰還”という技術の修得が必須であった。

なお、死ぬ気の炎に対しての才能がずば抜けていた…不自然なほどにずば抜けていたリベルは、生命帰還を修得する前に死ぬ気の炎に目覚めてしまっていたわけだが、ここ4年の修行によってリベルは無事に生命帰還を体得していた。

その技術を用いて己を回復するために、リベルはむさぼるようにして食事をとっていた。

そんな彼の下に、彼の祖父が訪れた。

 「リベル。まずは基礎訓練の終了を喜ぼう。よく頑張ったな。それでじゃ、頑張った褒美に、お前をある人物に合わせてやろうと思う。お前が会いたいと言ってやまなかった大海賊じゃ。行くか?」

そう祖父が尋ねる。

リベルは食事の手を止めずに「行く!」と元気よく答えた。

すると祖父は続けて

 「明日には出航する。奴がいるのは偉大なる航路《グランドライン》後半の海、【新世界】じゃ。我々は赤い土の大陸《レッドライン》の上を通っていく。申請もとうに住んでおるから、準備だけしておけ。」

そう言い残すと彼は去っていった。

残されたリベルは食事を勢いよく終えると、急いで準備に出かけた。

…その場に食事の残骸を残して。

その光景を見た彼の母の怒りは相当なものだったようで、リベルはもう一度食事をとることを余儀なくされた。

のちにリベルはこう語ったという。

 「人生において最も恐ろしかった瞬間は、間違いなくあの時だった。自分のありとあらゆる手段が読まれて、傷一つすら付けられないほどだった。あの時の経験に比べると、すべての戦闘に恐ろしさは感じないだろう。」

 

 

 

 

―――東の海《イーストブルー》 セッテ島 船着き場 リベル視点

 「じゃあ、行ってきます!」

 「気を付けていくんだぞ」

 「なぁに、この儂がいるんじゃ。そこらの海賊なんざ触れることもできんままに終わる。任せておけ、ジョット。」

とじーちゃんが嵐の炎を灯らせながら言う。

こんなにも気合の入っているじーちゃんはおれが正式に弟子入りをした時以来かもしれない。

 

 ―回想 4年前 リベル視点―

3カ月が経って自宅に戻った後、すぐさま話があると言って家族たちを集めた。

 「おれを…おれを強くしてほしい。」

そういって地面に頭をこすりつけるおれを見て、家族は困惑しているようだった。

 「今までもお前に修行はつけてきただろう?それじゃダメなのか?」

と父さんが尋ねる。

 「それじゃダメなんだ。それじゃこの海を生きていけない。おれは…おれは誰よりもこの海を自由に生きてみたい。」

そう話すと家族の目つきが変わった。

おれがなぜそんなにも自由にこだわるのかと聞かれたので、自分の体験した過去2年のこと、特に失ってしまった兄弟のことについて話した。

 「この海はあまりにも残酷だ。どこまでもまっすぐだった、優しかったサボが力がないだけで命を落とした。おれよりも強い兄だった。そんなサボにさえも、この海は、この世界は牙をむいた。そんなサボの分まで、おれは自由に誇り高く生きてやりたい。」

そういうと家族は真剣な目をしていた。

そして一斉にため息をこぼすと、父さんがおれにこう告げた。

 「いいだろう。お前に修行をつけてやる。ただし、お前にはまだまだ足りないものがある。それが身につくまで死ぬ気の炎の修行は禁止する。これが守れないのならば、修行は即座に取りやめる。いいな!」

そう告げた父さんに勢いよく返事を返すと、家族は微笑んだ。

特にじーちゃんがやる気を見せていて、自分の持ちうる技術をすべて伝承するのだと張り切っていた。

 

 

 

―――偉大なる航路《グランドライン》後半の海【新世界】 とある島の前 リベル視点

 「…じーちゃん、あの島に留まってほしい。」

おれの口からそんな言葉が飛び出て思わず驚いた。

偉大なる航路《グランドライン》に来るのは初めてで、ましてや新世界など想像もつかない。

ただ、どうしてもあの島には寄らないといけない気がしていた。

 「どうしたんじゃリベル。」

そうじーちゃんが尋ねる。

 「おれにも分からないんだ。ただ、あそこには寄らないといけない気がする。それだけは確かなんだ。」

そうおれが告げると、じーちゃんはとても驚いたようだった。

 「ならば、あの島に行こうか。」

そうじーちゃんが答える。

おれはじーちゃんを驚きの目で見つめた。

 「いいの?」

 「あぁ、もちろん。あの島にどうしても行かないといけないんじゃろ?それはな、ジョット側の一族の血に宿るもの。ブラッド・オブ・ボンゴレ。超直感と呼ばれるものじゃよ。」

 「超直感?」

 「簡潔に言うと物凄い直感ということじゃよ。それがあの島を示してるんなら、行ったほうがええわな。」

そういうと船はすぐにその島へと身を寄せた。

島へ近づくとすぐに誰かがおれを呼んでいる気がする。

自分の超直感とかいうやつを信じて、まっすぐにその方向へと突き進む。

するとそこには衰弱した猫と、その子供であろう子猫がいた。

 「君がおれを呼んだのかい?」

と猫に尋ねる。

猫はニャアとか細く一声鳴くと、ゆっくりと目を閉じた。

寿命のようだった。

子猫の悲しげな声が響いていた。

ゆっくりと猫へ黙祷をささげた後に、子猫へと向き直ると目線を合わすようにかがんだ。

子猫はすでに泣き止んでいた。

まだ悲しげだったが、その眼には強い意志を宿しているようだった。

 「おれと一緒に来るかい?」

その言葉が口から零れ落ちた。

大切なものを失った同情心なのだろうか、同族を哀れんだのだろうか、それともその眼に惹かれたのだろうか。

理由はともあれ、おれの口から出た言葉は紛れもない本心だった。

子猫はニャアと一声鳴くと、おれの肩へと飛び乗った。

どうやら一緒に来てくれるらしい。

おれは子猫に”ラタ”という名前を付けて船へと戻った。

 「ほぅ…メイキャットか、とんだ希少種になつかれたな。」

 「メイキャット?」

 「この子猫の種類じゃよ。信頼のおけるただ一人にのみそいつに合わせた道具を作るという猫じゃ。昔に大量に乱獲されての、もう存在すら危ぶまれていたんじゃが…まさかこの目で再び見ることになるとはな。」

 「再び…?」

 「あぁ…過去のトゥリニセッテも飼っていたんじゃよ。儂の祖父が飼っておった。」

 「ラタは飼うんじゃないよ。おれと対等だ。こいつとは親友になれる。そんな気がしてやまないんだよ。」

 「…そうか。ラタというんだな。悪いことを言った。リベルは少し頼りないが、支えてやってくれ、ラタよ。」

そういうとラタはニャアと一声鳴いて船の中を冒険しに行った。

なかなかにマイペースな奴だ。

 「さて、出航するぞ。」

じーちゃんがそう言う。

自分のわがままで時間をとった手前、急いで船へと乗り込んだ。

船が出航するとじーちゃんが声を張り上げる。

 「目的までもう少し。行くぞ!行先はモビー・ディック号、”白ひげ”の船じゃ!」

 

 

 

 




ということで、メイキャットのラタが仲間になりました。
リボーンのレオンみたいなポジションの子を想定しています。
そして、前回の話でソフィオ・ディ・チェーリをチェリーと表記していました。
報告してくれた人感謝!
次回はついに白ひげの船へ!
お楽しみに。
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