死炎の副船長   作:リューカリッカ

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原作突入です。


原作突入 東の海編
旅立ち


―――東の海《イーストブルー》 セッテ島 リベル視点

 「じゃあ行ってきます。」

そう家族に声をかける。

みんなと別れるのは寂しいけど、それ以上に海への期待が大きかった。

じーさんやマルコ達みたいに、そして自警団のみんなみたいに絶対に強く生き抜いて見せる!

そんな意気込みがおれを早く旅立たせようとしていた。

 「餞別だ…持っていけ。」

父さんが指輪と小さな箱をくれた。

箱には小さな穴が開いていた。

 「こいつはセッテリング。もう一つは…秘密だ。時が来たらいずれ分かるだろう。それを楽しみにしておくんだな。」

と父さんが笑いながら言う。

じーちゃんは何か言いたげに、母さんはおっとりと笑いながらそれを見ていた。

 「…行け!この海は広い。俺達はここに変わらずあり続けよう。リベル、君は君なりに世界を楽しんできなさい。」

父さんが言う言葉にはじかれるように船に乗った。

船ではおれの同行者がすでに準備を終えて待っていた。

 「行こう、ベールさん!これからが冒険の始まりだ!」

 「せっかちだねぇ…それも悪くない!行こうか、船長?」

ベールさんがタバコをふかしながらイタズラっぽく言う。

 「いや、おれは副船長さ。そういう約束なんだ。」

そう言いながら帆を張る。

船首ではラタが気持ちよさそうに眠っていた。

2人と1匹を小型の船は、風を受けながらどんどんセッテ島から遠ざかっていった。

 

――ジョット視点

 「…行ったな。」

 「…行ったわね。」

最愛の妻と話し合う。

息子が突然頭を床にこすりつけながら修行をつけてくれと頼んだ日には、家族会議さえしたものだとふと懐かしい気持ちがこみ上げる。

 「…まだ、幼いと思っていたんだがな。」

思わず本音が漏れる。

自由に生きさせてやりたい反面、自分のようにつらい思いまではしなくてもいいのではないかという親心が、どうしても修行に加減してしまう理由でもあった。

 「基礎は仕込んだ。弱い俺を恨んでくれても構わない。リベル、お前の覚悟を気づかせてやれなくて悪いな。」

言葉が止まらない。

万が一リベルに何かあればどうしようかという不安にさいなまれていた。

 「大丈夫よ。」

妻の声が聞こえる。

どういうことかと顔を向けると、妻は穏やかな、それでいてまっすぐ強い力でこちらを見据えていた。

 「大丈夫よ。私たちの子供だもの。あの子も自分で気が付かなくちゃ意味がないでしょ?」

そう言って笑いかける。

 「本当にあなたたちはそっくりね。お義父さんもあなたも、そしてリベルも。悩んでしまっては立ち止まって、それでもゆっくりと前へと進んでいく。きっかけさえあればこっちを置いていくように飛んで行ってしまう。」

そういいながら妻は俺の額と自分の額をくっつけた。

妻の目以外映らない状態で妻は言葉を続ける。

 「信じてあげなさい。あなたの子でしょ?」

私から離れて妻は笑いかける。

そんな妻の腰に手をまわして俺は言葉を発した。

 「俺の、じゃない。俺達の、だ。…分かってるよ。あいつはきっと俺を超える。」

そう言いながら妻と笑いあう。

気が付くと周りでは仲間たちがこちらを茶化してくる。

そんな彼らに苦笑いしながら、すでに見えなくなったリベルたちのほうを一目見ると、踵を返して屋敷へと戻っていった。

 

 

―――東の海《イーストブルー》 とある海上 リベル視点

 「さて、どこに行こうかリベル?」

そうベールさんが尋ねる。

ベールさんは何年か前に海で死にかけているのを、父さんが拾って母さんが治療した女性だ。

死にかけた際に記憶を失ったらしく、偉大なる航路《グランドライン》に入るまでは記憶を戻すためにおれと一緒に冒険することになっていた。

 「どこに行こうか?フーシャ村に行ってマキノさんとかお世話になった人に挨拶しに行きたいけど…ドーン島には嫌な思い出があってね。なるべく行きたくないな。マキノさんには後で手紙を出すとして、腹ごしらえがしたいな。東の海《イーストブルー》で有名な海の上のレストランがあるでしょ?そこに行こう。」

そういうとベールさんは針路を変えた。

 「バラティエのことだね。じゃあそこでご飯を食べて、次に行くところを決めようか。」

そう言いながら船はどんどん進んでいく。

しばらく進んだ先で、ボロボロになった魚のような外装の船があった。

 「あれがバラティエ…敵襲でもあったのかな?」

 「さぁ?ご飯が食べれれれば何でもいいわよ。」

そう言いながら2人で船へと入っていく。

すると禿げたいかつい男が席へと案内してくれた。

 「注文は何にいたしやしょう。」

 「「おすすめで。」」

 「かしこまりやした。店内は御覧の通り少し荒れていやして。へぼいも失礼ではございやすが、お客様代金はお持ちでしょうか?」

 「ああ、あるよ。海賊の襲撃かい?大変だね。」

そういうとウエイターは笑いながら注文を厨房に伝えに行った。

当たりを見渡すと確かに砲撃の跡や、大きな斬撃の跡がうかがえた。

 「相当な剣豪でも訪ねてきたのかな。」

そういうとちょうど料理を持ってきたウエイターが答えた。

 「へい。お待ちどうさまです。…あぁ、この傷は”鷹の目”が緑色の髪の男と決闘したときの余波でついた跡ですよ。」

 「へぇ、”鷹の目”。世界一の大剣豪様がよくこんな海まできたもんだ。」

 「クリークっていう偉大なる航路《グランドライン》で敗れた海賊を追ってきたみたいでして。麦わらのアルバイトが倒したおかげで事なきを得たんですがね。」

 「麦わら?ルフィのことかい?」

そう尋ねるとウエイターはひどく驚いたように目を丸くさせた。

 「あいつをご存じで?」

 「あぁ、おれの弟だよ。あいつはどうだった?」

しばらくルフィのことで会話が弾んだ。

久々に聞く弟の話に、おれは笑いと喜びを隠しきれなかった。

 「そうか!あいつも成長したんだな!ところで、あいつはどこに?」

食事を終えて会計をしながら、ふとルフィについて尋ねた。

すると、ウエイターはやや複雑そうな顔で答えた。

 「ああ、どうやらオレンジ色の髪の仲間に船を奪われたらしくて。今はそいつを追ってココヤシ村とかいうところに向かったらしいですぜ。」

そう答えた瞬間に、ベールさんの血相が変わった。

 「ココヤシ村!?あんた今ココヤシ村って言ったかい!?」

ベールさんが激しくウエイターを問い詰める。

ウエイターはしどろもどろになりながらも同じ言葉を続けた。

 「悪いリベル。ココヤシ村に向かってくれないかい?」

必死な様子でベールさんがおれに詰めかける。

あまりにも必死なので、とりあえず会計を済ませた後に船へと飛び乗った。

 「どうしたの?そんなに血相を変えて。」

そう尋ねるとベールさんは落ち着いたのか、少しずつ語り始めた。

 「記憶が戻ったのさ。私の本当の名前はベルメール!私には娘が2人いて、そのうちの1人がそのオレンジ色の髪の子さ。私がいない間、どんな思いで過ごしてきたか…どんなに寂しかっただろうか!一刻も早くあの子たちの下へ帰りたいんだ。リベル、頼むよ。」

そういうとベールさん…ベルメールさんは深々と頭を下げた。

 「いいよ、ベール…ベルメールさん。頭を挙げてくれ。…父さんがベール…ベルメールさんを連れて行けって言った理由が分かったよ。…相変わらず化け物みたいな超直感だな。」

そういうとベール…ベルメールさんは苦笑いをしながら「ベールでいいよ。むしろあんたらに呼ばれるならそれがいい。」と言った。

船は速いスピードで進み続け、コノミ諸島まであと半日というところまでたどり着いた。

ベールさんは激しく貧乏ゆすりをしながら、祈るように腕を組んでいた。

 「ベールさん。目的地まで相当近づいたみたいだね。じゃあ帆をたたんでくれ。ちょっと裏技を使う。」

そういうと船尾へと向かった。

ベールさんはピンときたようで、すぐに帆をたたんでいた。

おれは海に向かって拳を振り上げると、大空の炎を纏いながら斜めに振り下ろした。

 「武装硬化。獣厳併用。大空の一撃《ソフィオ・ディ・チェーリ》!!」バッシャーン

次の瞬間、船が空を飛んだ。

勢いよく景色を置いていき、島がくっきりと肉眼で映る距離まで近づいた。

赤い巨大な建物から、草履をはいた長いあしが勢いよく建物を崩壊させるところだった。

 「…なんかすごいことになってるね。…いや本当に、うちの弟がすみません。」

そう言いながらベールさんに頭を下げる。

ベールさんは煙草をふかしながら苦笑いをしていた。

どうやらルフィは、鮫の魚人を倒したようだ。

決着がついたと思われたその時に、ルフィを狙う二つの影があった。

 「…まったく。無粋なことをする。ベールさん、オレは一足先に向かう。少し揺れるが我慢してくれ。」

死ぬ気モードになったオレはそれだけを言い残すと、勢いよく船を飛び出した。

 「剃刀《カミソリ》!!」

超高速でルフィと二つの影の間に割り込むと、勢いよく拳を突き出した。

 

 

―――東の海《イーストブルー》 コノミ諸島 アーロンパーク

 「大空の一撃《ソフィオ・ディ・チェーリ》!」

鮮やかなオレンジ色の炎がルフィたちの視界を染め上げる。

いきなり飛び込んできた栗色の影の一撃は、見ている者を魅了する程の美しさがあった。

攻撃に直撃した2つの影…クロオビとチュウは、勢いよく弾き飛ばされ、気を失った。

 「詰めが甘いのは相変わらずか?ルフィ。」

栗色の影が振り返ってこう言う。

一足先に我に返ったルフィは、嬉しそうに叫んだ。

 「リベル!!」

その声を聞いて栗色の影…リベルは、嬉しそうに「久しぶりだな、ルフィ!」と声をかけた。

こうして【麦わら】と【死炎】2人の義兄弟は、10年ぶりの再会を果たしたのだった。

 

 




いろいろすっ飛ばして原作突入です。
その間にもいろいろありましたが、要望とかがあれば幕間とかで書きます。
いきなりアーロン編が終了してしまう展開となりましたが、許してください…
東の海《イーストブルー》はあまりにもリベルと実力差がかけ離れてるんや…
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