つまりFu☆kと同じ。
数日後。
俺たちはとある山の麓にある小さな街で配給を受けていた。
俺たちは表向きには農園勤務という事になり、農家と同じ配給と年齢相応分の配給を受け取ると、レジスタンスの一種のたまり場となっているらしい酒場へとやって来た。
そこで今日、俺たちをここへと連れてきたレジスタンスのリーダーと会うことになっている。
「『タマネギの喰い方は?』」
そう店内に入るなり聞かれ、俺はため息混じりに、
「『揚げ、だが焼きもいい』」
と、答えた。
全く、この合言葉は何とかならないものだろうか。
そう思いながらそれっぽいやつを探していると、タマネギにパンを塗りながらタマネギの歌を歌う、頭のおかしい奴を見つけた。
「おい、シリル・ド・クレマンを知らないか?」
「それァ俺だが?なんか用か?」
「俺たちはつい先日お前らに連れられてこの街に来た者だ、ピエールとトニー、聞き覚えくらい合ってもらわなきゃ困る」
「ああ、そういや今日会うって約束してたか……まあいい、座れ、酒でも奢ってやる」
そう言われ座ると、シリルは酒場のマスターにいつものを2つくれ、と言うと、マスターは2つ、カップに入った酒を持ってきた。
「……シードルか?」
「ああ、俺の生まれ故郷の味さ、俺の生まれはノルマンディーでね、今大変なことになってる」
そう言うと、大声で誰かを呼び、2階席の誰かに手招きをする。
すると、2階席から、小さな女の子が、スコープのついた、ボロボロのKar98kを抱えて降りてきた。
「……ここはまだ子供なのに戦わせてるのか?」
そう言ってシリルを睨むと、女の子にキンタマをボスっと殴られ、
「……私はもう子供じゃない、ちゃんとお酒も飲める」
と、痛みでうずくまっている俺の頭にKarの銃床をグリグリしながら言ってきた。
「ピエェェェェル!死ぬな!今ここで死んだら誰がフランスを解放するんだ!?」
「俺ァ……もうダメかもしれねぇ………!故郷のママンに伝えてくれ……俺は勇敢な戦士だったと……!」
「ピエェェェェル!」
「……仲良いなお前ら?」
そんな茶番を挟みながら、俺らは果実酒をキメながら、これからの計画を聞かされていた。
具体的な内容は、この近くの後方ナチ勢の拠点を定期的にゲリラしてタマネギをキメ、補給線や武器弾薬を輸送するルートをゲリラしてタマネギをキメる。
そうして地道な嫌がらせをしているうちに連合軍が来てくれることを願う、というものだった。
「タマネギから離れろ!」
俺はその方針を聴き終わった頃、そう思わず叫んでいた。
「えー?タマネギ美味いだろ?」
「美味いけど!フランス人皆が毎日喰ってる訳じゃねぇ!」
「少なくとも俺は食ってる」
「ウッソだろお前」
そう言って呆れている最中にもシリルの目の前にオニオンリングが届いている辺り、割とガチなのだろう。
なぜお前をそこまでタマネギに駆り立てるんだ……?俺は気になって聞いてみた。
「時はマレンゴの戦いの前まで遡る……ナポレオンが自分の軍を見ていると、何人かの擲弾兵がタマネギにパンを塗って食べてたんだ。ナポレオンは問うた。なぜタマネギにパンを塗っているのかと。擲弾兵は言った。『栄光への道を歩むためには、玉ねぎに勝るものはない』と。そういう事だ」
「なるほど……ってわかるかアホ」
聞く方がムダだった。
「はぁ……ところで、この少女…いや女は何者なんだ?」
そう話を変えようとシリルに聞く。
少女って言っただけでこのチビに『お前のタマを潰してやろうか』と言わんばかりの睨みと拳を見せつけられて女と訂正したが、本人はそれでいいらしい。
そんなんでいいのか。
「ああ、彼女はマリー・ド・エノ、我々の中ではマリーと言う名にあやかって『革命の王妃』って呼んでる……が、本人はその呼び名が嫌いらしい」
「そりゃあ革命で殺されたマリーアントワネットをいじった名前にされたら嫌だろうよ、本人だって死ぬ気は無いし殺されたくもないだろ?」
そうマリーの方を向くと、必死にこくこくと頷き、
「流石、出会ってすぐに子供扱いしてきたバカどもの中では面白いだけある」
と、お褒め?頂いた。
「で?マリーをなぜ呼んだ?元から仲間なら今のも知ってたろ?」
「ああ、それは君たちと組んでもらうためさ。マリーは見ての通りスナイパーだ、1人じゃ危ないし、女だから捕まると何をされるかわからない。まあ大概ナニだろうがな」
そう言った瞬間、マリーの拳がシリルのみぞおちに刺さった。
うわぁ容赦ねぇよこいつ、今すげぇ音したぞ。
「ま、まあそういう事だ……あとはお前らで何とかしてくれ、お前らの住むことになる場所も用意してある……」
そう言い、俺ら3人分のマンションの部屋の鍵を渡し、シリルは力尽きた。
いかがでしたでょうか?