「じょうじ」の鳴き声の由来知ってる?   作:推しキャラは慶次

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今回はムテバさんです。

原作だとローマ班所属でしたが早々にジョセフに燃やされてしまうという影の薄いキャラクターです。
でも実はマーズランキング14位だったりあのラーテルがベースだったりします。

今回はそのムテバさんをドイツ班に入れてみたら・・・という感じです。
性格についてはわからないので想像で書いています。


ドイツ班生存ルート

「「人為変態」」

 

リオック

 

その獰猛な虫を体現したかのように、イザベラが獰猛な笑みを浮かべる。

使用済みの注射器を握りつぶし、目の前のゴキブリを睨みつけた。

 

そしてその獰猛なイザベラの隣で腕組みをしている男が1人。

 

名をムテバ。

こちらも既に人為変態を完了しており、優れた体格のその体に毛皮を持っていた。

 

「残念だな、その筋肉・・・

 

イザベラが体制を低く構えた。

すぐにでも飛びかかりそうだ。

 

「ゴキブリ野郎じゃなきゃあ、タイプなんだけど」

「同感だ」

「は?ムテバ、お前ゲイだったのか?」

 

ポカンとイザベラが口を開けてスクっと立ち上がった。

 

これから戦闘だというのに、緊張が和らぐ。

 

「そういう意味じゃねぇよ!?いい筋肉だなって意味で!」

「んだよややこしいな・・・」

「ったく・・・いい筋肉だよな。ほんと」

「やっぱゲーー

 

ゲイか?

と、イザベラは聞こうとした。

しかし、急に目の前のこの男に突き飛ばされて、言葉を遮られる。

 

体制を崩して、地面を滑った。

この程度で怪我を負うほど、イザベラは貧弱ではない。

だからといってハイそうですかと終われるわけがない。

 

「何しやがんーーッ!!」

 

ドゴォ!!

 

衝撃

 

目の前には、ゴキブリがいた。

普通のテラフォーマーとは違う。筋力が目に見えて多く見える個体。

通常の個体より、速さも優れているのだろう。

 

それが、ムテバの腹を殴り上げていた。

左腕での単純なアッパー。

 

殴り飛ばされたムテバは、ふわりと空中に浮きあがった。

そのまま空中でくるりと回転し、地面に倒れた。

 

車の中にいた非戦闘員のみんなの悲鳴が聞こえる。

 

ピクリとも動かないムテバを見て、イザベラは瞬時に理解した。

先ほどまで自分が見ていたのは誰だったか。

自分が見ていたのはゴキブリではなく、この男だった。

しかしムテバは、ゴキブリを見ていた。

だから、イザベラが狙われていたことに気づけた。

 

『じょ、うじ』

 

「オイ、テメェ・・・」

 

イザベラがゆっくりと立ち上がって怒りを目に宿す。

 

「よくも・・・!」

 

再び体制を低く構える。

コイツを殺す。それだけを考える。

 

「私の仲間を!!」

「あーびっくりした」

 

なんでもないように、その男が起き上がった。

朝、眠りから覚めるように、自然な動きで起き上がった。

イザベラも、ゴキブリも、動きを止めてソイツを見た。

 

口から血を吐いていないし、外傷もどこにもない。

まるで攻撃を喰らっていないかのようだ。

 

ありえない

 

テラフォーマーは信じられなかった。

自分は、幼少期からタンパク質を豊富に得てきた。

その力は並のテラフォーマーの3倍以上だ。

しかし、なぜコイツの体を砕けない、殺せない。

 

なぜコイツは生きている。

 

そんなゴキブリの思考を知ってか知らずか、ムテバは起き上がった。

 

「やってくれたなぁ、デブゴキブリ。お陰でせっかくの服が泥だらけだ」

 

ゴキゴキと首を鳴らして肩を回す。

ギラリとゴキブリを睨みつけた。

 

「覚えとけ、地球には、こういう(俺みたいな)生物がいるってな!」

 

 

ムテバ・ネルソン・ムテキチ・インビクタスJr

 『マーズ・ランキング』 14位

  M.O.手術 “哺乳類型”

   ー ラーテル ー

 

 

力士型テラフォーマーが一歩踏み出す。

対するムテバは、腕をだらんと垂らしたまま動かない。

 

テラフォーマーがまた一歩踏み出す。

ムテバは動かない。

 

まだ遠い

 

テラフォーマーが構えた。

 

ムテバも、構えた。

両腕を前に構えたその姿は、まるでボクサーのようだ。

 

腕が届くまで、あと5歩。

 

しかしその5歩を、5歩と数えるものは、この場にはいない。

 

その時、ゴキブリが動いた。

 

5歩、それはすなわち、

 

1跳!!

 

5歩の距離を、テラフォーマーは1度のジャンプで埋めてくる。

さらにゴキブリの筋力で、初速が最高速!!

 

宙に浮いたゴキブリは左腕を後ろに引く。

その速度、その動き!

 

それは時速300km以上の速度で繰り出される全力パンチ!!

 

『じょうじ』

 

パァン!!

 

再び衝撃音。

 

しかしテラフォーマーは不思議に思っていた。

聴いたことのない、音だったから。

自分の攻撃した時になる音は、こんな軽い音ではない。

 

もっと重く、沈むような音だ。

 

しかしこの音は違う。

まるで、弾かれたような

 

「バカが」

 

ムテバはゴキブリの拳を胸部で受けていた。

今度は吹き飛ばされることもなく、ニヤリと笑う。

 

ラーテル。

世界一怖いもの知らずなその動物は、ゴムのような弾力性のある皮を持つ。

その毛皮は、あらゆる攻撃を受け流す!!

 

そのまま流れるような動きでゴキブリの腕を掴み、ぐるりとターン。

ゴキブリは知らない技をかけられ、抵抗ができない。

 

ムテバ自身の戦闘スタイルは高専柔術、寝技がメインの柔道だ。

しかしそれは、投技ができないわけではない!!

自身より大きな相手に対して、腕を肩にかけて一気に引き倒す。

 

一本背負い!!

 

ドォン!

 

重く沈むような音と共に力士型テラフォーマーは地面に叩きつけられた。

 

一本。

 

すぐにテラフォーマーが起きあがろうとするが、すかさずムテバがその爪で胸部に穴を開けた。

食道下神経節を潰されたゴキブリは、もう動くことはなかった。

 

力士型テラフォーマー1体、捕獲完了。

 

 




イザベラさん瞬殺されちゃったのは、開幕飛びかかっちゃったのと、相性が原因かなと考えました。
なので打撃系と相性がいいムテバさんに飛びかかりを止めてもらって、倒してもらいました。

次回は未定です

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