今、世界ではウマ娘が活躍し注目を浴び続けている。
時速60kmで走ることができ、普通の人間とはかけ離れた怪力を持っているが、根がとにかく優しい。
そんな彼女たちは、芝・ダートの上で様々な距離のレースを走り続けている。
ーー「1着」をとるために。「勝つ」ために。ーー
彼女たちウマ娘が集まる中高一貫のトレセン学園が全国各地に点在している。
このトレセン学園は中央と地方とで分けられている。
中央には地方とは一線を引いたレベルの違うウマ娘が所属しており、所謂「エリート学園」である。
ただ、どんなに優秀なウマ娘でも個人で練習し、レースに出るという訳ではない。
学園にはウマ娘以外に、担当のウマ娘をあらゆる面からサポートするトレーナーが在籍している。
つまり、基本的にはウマ娘とトレーナーでレースに向けて日々トレーニングに励んでいるということだ。
この形式では、ウマ娘の成績とともに、担当トレーナーもURAより評価が下される。
その評価によって担当できるウマ娘の数が増えたり、「チーム」を持つことができたり、給与や役職も上がっていく。
そんなウマ娘の界隈でのし上がっていくためには中央に所属することが最低条件である。
しかし、中央に所属できたとしても、担当したウマ娘がレースで勝てなかった、好成績で終わることができなかった場合、地方に「転勤」という形の片道切符を押し付けられるし、運よく回避できても中途半端な成績しか残さないトレーナーに有望なウマ娘が担当できるケースはほとんどない。
従って、トレーナーが中央で「生き続ける」のは至極難しいのだ。
そんな中、俺ーー泉正博(いずみまさひろ)はこの中央トレセン学園でトレーナーをしている。
現在、7年目にしてようやくチームを持てるようになり、5名の担当するウマ娘がいる。
皆、それぞれが好成績をおさめ、活躍していることから、URAと理事長から正式な評価を得てチームを結成した。また、役職も課長代理というポストをいただいた。(引退したトレーナーの代わりだが)
ようやく俺のウマ娘界隈のし上がり人生がここから始まるっていう訳なんだが...
正直、周りの先輩たちがバケモノしかいない中でよくこのスタートラインに立てたとしみじみ思う。
ウマ娘の足を見て触るだけで脚質や適性を当てる人もいれば、正確なトレーニング計画と適切な管理を完璧に1年中行える人、ウマ娘の考えていることが大体わかる人etc
ただ、自分にはほかの人にはない武器があった。
それは、「
「勝ち」に拘り続け、色々なトレーニングメニューを考案・実行したり、レースに出るライバルウマ娘の視察を年中続けたり(たまにたずなさんに叱られる)、過去のレースの統計をとってみたり、引退した先輩トレーナーに1日中質問し続けた(ぶん殴られてもやめなかった)等挙げればきりがないが、担当ウマ娘にできることは全て行った。
でも周りに良く褒められるのは、「泉はメンタルケアが抜群にうまい」という部分だ。
だが、自分からすれば練習を頑張っているのはウマ娘なのだから彼女たちが常に絶好調の状態をキープさせるように努力するのは、トレーナーとして当たり前のことなんだが、その「当たり前」がなかなかうまくいかないとのことだ。
小さい頃からウマ娘が周りにいるという環境で過ごしてきたから、自然とどうすれば彼女たちのやる気を上げられるのか、理解している上で無意識に行っているのかもしれない。
この前も通りすがりのゴールドシップに言われた言葉を理解してそのまま雑談し、見送った後に彼女を担当している沖野さんから「あいつのやる気を上げてくれてありがとな!」と褒められたし(絶対にタイヤ引きしかしなかったらしいけど)、トーセンジョーダンの尻尾のオイルが彼女の毛質に合ってなさそうだったので別の活用法を提案しつつ新しいオイルを紹介したら目に見えてやる気があがってたし、そういう才が自分にはあるのかもしれない。
だったらなおさら自分は上にのし上がっていかなければならない。
なぜならばーーーー
???「あ!トレーナー!探したよ~もう今日は絶対に離さないんだからね」
???「おい、トレーナー...アンタには絶対に責任をとってもらう」
???「トレーナーさん、5分23秒の遅刻ですよ...やはり私が全て管理しないと」
???「ふふっ、あぁトレーナーさん...永遠に甘えさせたい甘えさせたい甘えさせたい甘えさせたい甘えさせたい甘えさせたい甘えさせたい甘えさせたい甘えさせたい甘えさせたい甘えさせたい甘えさせたい抱っこしたい甘えさせたい甘えさせたい甘えさせたい甘えさせたい甘えさせたい...」
ーー同じく「
ヤンデレ...いいですよね