マクロスΔ ハヤテの兄貴はデルタ小隊で頑張ります   作:ELS@花園メルン

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劇場版のマクロスΔを見て、創作意欲が沸き上がりました。
どうも、メルンです。

今回は、オリ主をハヤテの兄というポジションにおいて物語を進めたいと思います。
劇場版のネタバレにならないようにアニメをメインにおいて進めると思いますが、オリジナル展開なんかも考えていこうと思います。


戦場のプロローグ 前

人類が種の存続を目的とした銀河への果てしない航海を始めて、早半世紀が経過した。

 

2067年――フロンティア船団が異星体〈バジュラ〉との戦いが終結した8年後。各地の銀河系で人々が突発的に狂暴化する謎の現象〈ヴァールシンドローム〉が発生し、混乱をもたらしていた。

しかし、その脅威に対し歌の力を用いて立ち向かう〈戦術音楽ユニット ワルキューレ〉。彼女たちの歌声はヴァール化した者たちに干渉し、鎮静化させるという効果があった。

 

 

ブリージンガル球状星団――惑星アル・シャハル

広大な砂漠が広がる星で、観光産業を営むために都市部の開発が進められているこの惑星に一人の青年がやってきていた。

黒を基調としたジャケットを羽織り、グレーのパンツを履き、蒼く少し長い髪を後ろ手に縛って、首元には小さなロケットをかけていた。

 

 

「いやぁ、砂漠の中の観光都市って聞いてたからどんなのかと思ってたけど、とんでもないな!凄い賑わってるし、食べ物も旨い。――アイツも、ここで元気に働いてんのかねぇ?」

 

 

青年は初めて来た惑星の活気を五感で堪能しながら、首元のロケットを開き、中に入っている写真を確認する。

写真には少し幼いころの青年と彼より少し小柄な少年が2人の両親と思しき人に肩を抱かれながら笑っている姿が写っていた。

 

 

「お?これはワルキューレの曲か?――やっぱり人気があるんだねぇ。向こうにいた頃のシェリルさんやランカさんみたいなもんか」

 

 

青年はアル・シャハルのとある宇宙港の受付へと向かい、そこの担当者に声をかけた。

 

 

「いらっしゃいませ、どの様な御用でしょうか?」

 

「ドーモ、お姉さん。知人を探してるんだけどね。ハヤテ・インメルマンっているかな?ここで働いてるって聞いたんだけどさ」

 

「少々お待ちください。――ハヤテ・インメルマンさん。ええ、確かにこちらで働いておりました」

 

「おお!やっぱり――「ですが、本日付けでクビになっています」――は?クビになったんですか?」

 

「はい。まだこの惑星内にいるとは思いますが、どこにいらっしゃるかは解り兼ねます」

 

 

それを聞いて青年は宇宙港を出た。

そのまま、近くの見晴らしの良いカフェに向かい、休憩していた。

 

 

「職を転々としてるってのは聞いたけど、まさか今回も辞めてるなんて…。どーこにいるんだよ、ハヤテのヤツぅ」

 

「お客様、失礼します」

 

「あ、はい?」

 

「申し訳ございませんが、ただいま店内が込み合っておりまして、相席でも構わないでしょうか?」

 

「あ、どうぞどうぞ」

 

「ありがとうございます」

 

 

シャハルシティ名物といわれるトロピカルドリンクとホットドックを食べている青年にカフェの店員が声をかけ、相席の許可を貰いに来た。

青年は軽く了承し、すると店内からサングラスを掛けた青年より少し若い少女が青年のいる席にやってきた。

 

 

「あ、お兄さん、ありがとね」

 

「ああ、いいよいいよ。どうせ少ししたら出るしさ。君は、観光?」

 

「うん!お友達と一緒に来てるんだけどね、今は別行動なの。そういうお兄さんは?」

 

「俺は近くの惑星に用があるんだけどね?同じ星団内に弟がいるから、久々に会いに来たんだ。……まぁ、まだ会えてないんだけど」

 

「あらら…。久々ってことは、お兄さんは星団の外から来たのかな?」

 

 

目の前の少女はドリンクを啜りながら、興味深そうに青年に尋ねる。

 

 

「そうだよ。俺はフロンティア船団から来たんだ」

 

「ほえ~すっごい長旅だね!でも、家族なのにそんなに離れて生活してたんだ?」

 

「まぁね。母さんが死んでから、お互いにこれからは自分の力で生きようって決めて、それぞれ別の星に向かったんだよ」

 

「あ、ごめんね。あんまり聞いちゃまずかった話題かな?」

 

 

青年が家族について考えながら話してると、尋ねた少女が少し申し訳なさそうにしていた。

 

 

「大丈夫だよ。俺もアイツも完全に吹っ切れたって訳じゃないけど、元気にやってるってのは銀河便で送られてくる手紙とかで把握できてるし」

 

「そっかそっか。大切なんだね、弟さんのこと」

 

「ああ。自由人で職を転々としてるような奴だけど、自分の芯を持ってる自慢の弟だよ」

 

「ふふ、いいね、そういう兄弟愛――って、あぁ!?」

 

 

唐突に少女が青年の後ろのほうを見て席を立ち、声を荒げた。

 

 

「うおっ!?何だ、どうした!?」

 

「一〇四式リガードちゃん!それにあっちはクァドラン!!う~ん、きゃわわ!」

 

 

どうやら、少女は青年の背後に見えるゼントラーディの駐屯基地にある兵器を見ていたようで、それを見て大変ご満悦な顔をしていた。

 

 

「中々、いい趣味してるんだな」

 

「そうなんだよぉ、私って実家がメカニック家系なんだけどね?おじいちゃんの整備姿をずっと見てたから、私もメカメカちゃんたちが大好きになったの!」

 

「ってことは、君もメカニックってこと?」

 

「そうそう!自分のやりたかったことが叶って、私、とっても充実してるんだぁ!」

 

「楽しそうだな。ん-、俺の機体もそろそろ整備しなくちゃなぁ。長距離移動で酷使してるし」

 

 

青年が少女の話を聞いて、自分が使っていた機体の心配をポツリと呟くと、そこに少女が食いついてきた。

 

 

「自分の機体ってことは。お兄さんって戦闘機乗りなの!?機体は?VF?SV?それとも、もしかしてYF!?」

 

「ち、近い、近いから!―――VFだよVF-27」

 

「え?でも、あれってサイボーグ兵仕様の超ピーキー機体だよね?お兄さん、サイボーグには見えないけど」

 

「俺はれっきとした人間だよ。まぁ、それに関しては秘密かな――っと、長居しちゃったし、そろそろ行かないと。あ、そうだ、折角だし君の名前聞いてもいいか?これも何かの縁ってことで」

 

「む~、そういうのは先ず、自分から名乗るのが普通じゃない?」

 

 

青年が名前を訪ねた時、少女は頬を膨らませそう返した。

 

 

「それもそうか。俺はナギト。ナギト・インメルマン」

 

「ナギト…じゃあ、ナギナギだね!わ~た~し~は~」

 

 

そう延ばしながらゆっくりと青年――ナギトに近づき、少女は耳打ちするために近づいていく。

 

 

「マキナ。マキナ・中島。マキナでいいよ、ナギナギ――秘密だからね?」

 

「――ああ、分かったよ。それじゃ、俺はもう行くよ、話せて楽しかったよ、マキナ」

 

「うん!私もだよ!」

 

 

マキナ・中島――彼女は戦術音楽ユニット〈ワルキューレ〉に所属するメンバーだった。名前を聞き、周りに内緒だという理由を悟ったナギトはそれに納得し、席を立つ準備をした。

ナギトは空になったグラスとトレイを持ち、店内の返却口へと返すべく、荷物を持って向かっていった。

一方、座席に残ったマキナはドリンクを飲みながら、先ほどまで一緒に話していた青年――ナギトについて考えていた。

 

 

〈そっか、ナギナギってパイロットだったんだ。それに、近くの惑星に用があるって言ってたけど、ひょっとしてラグナだったりしないかなぁ?

そういえば、カナカナが言ってたっけ、デルタ小隊に新隊員が加わるって。それなら…うん!きゃわわ!!)

 

 

マキナは仲間がこの星に来る前に言っていたことを思い出し、それとナギトの言っていたことを照らし合わせて、一人推測し、納得してから残っていたドリンクを飲み干した。

 

 

「こちら、マキマキ~。シャハルシティの方は異常ないよ~」

 

 

マキナは付け爪型デバイスから一緒にアル・シャハルに来ている仲間や親友であるレイナ・プラウラーに定期連絡を行った。

 

 

『マキナ、上機嫌?』

 

「レイレ~イ!まぁね、ドリンクも美味しいし、きゃわわな機体も見れたし、不思議な出会いもあったし!――あ、メサメサ?聞きたいことがあるんだけど」

 

『そっか』

 

『メサメサでは無い。それで、なんだ?』

 

「デルタ小隊に新しく増員されるって人、名前何だっけ?」

 

『ナギト・インメルマン。フロンティア船団からこちらに出向予定だと聞いたが?』

 

「う~ん!やっぱり!その人、今シャハルシティにいるよ」

 

『会ったのか?』

 

「うん!たまたま相席した相手がそうだったんだよねぇ」

 

『すごい偶然』

 

「ホントだよ~!これって運命だったりしない!?あー、ナギナギの機体、弄ってみたい!」

 

『今は任務に集中しろ。――チャック、お前もだ』

 

『ウ、ウーラサー!』

 

 

定期連絡を終え、マキナも店を後にした。

 

 

 

――――――

 

 

場所は変わり、ナギトは弟のハヤテを探すべく、当てもなくシャハルシティを歩いていた。

 

 

「なんか、密航犯がどうのって、言ってたけど、ハヤテの奴、関わってたりしねぇよな?」

 

 

カフェを出たナギトは宇宙港近くということもあり、密航犯がこの星の宇宙港にいたことを知り、辞めてしまったが、弟が関わっていないかと少し心配していた。

そのまま、市街地方面の路地に入ると、女性の厳しい声が聞こえてきた。

 

 

「動くな、この変態!!」

 

「なんだ?暴漢でもいたのか?」

 

 

ナギトは声のした路地方面に向かい、こっそりと角からその様子を覗くと、きっちりとしたthe・軍人です!といった格好をした女性とその隣であわあわしている少女と、組み伏せられていて顔は見えないが、おそらく男だろう人物がいた。

すると、隣にいた少女が勢いよく手を挙げ、

 

 

「はい!密航犯はわたしですっ!!」

 

 

そう勢いよく宣言した。

 

 

「…え?あなたが密航犯?じゃあ、この人は?」

 

「だから、違うって言ってんだろ!?俺は、こいつが上から落ちそうになったのを庇おうとしただけだよ!!」

 

 

少女の宣言に女性はキョトンとし、組み伏せられていた男も否定する。

 

 

(そんな馬鹿正直な密航犯がいるかよ――――ってか、今の声、ハヤテか?)

 

 

組み伏せられていた男の声を聴いて、その声が自分の弟であるとナギトは認識し、その場に近づいて行った。

それに気づいた少女がナギトの方を見て声をかける。

 

 

「ほえ?誰ね?」

 

「いやぁ、そこの女性が変態だなんだって叫んでたのが聞こえて手助けしようと思って来たんだけどさ――ようやく見つけたぞ、ハヤテ」

 

「へ…?あ、兄貴!?」

 

「お、お知合いですか?」

 

「まぁ、今、アンタが組み伏せてるのは俺の弟だよ。そろそろ離してやってくれない?」

 

「―――はッ!?し、失礼しました!」

 

 

そういって、女性が男――ナギトの弟であるハヤテ・インメルマンの拘束を解き、体の上から離れた。

そして、女性は持っていた拳銃を腰のホルスターに仕舞い、きっちりとした姿勢で頭を下げた。

 

 

「すみませんでした!現場を見て、思わず早とちりを!」

 

 

ハヤテは締め上げられた腕の回し、痛みを緩和させながら、女性に問い詰める。

 

 

「っ痛てて、アンタ、空港の警備員じゃないな?」

 

「私は、ケイオス・ラグナ第三航空団デルタ小隊所属、ミラージュ・ファリーナ・ジーナス少尉です!」

 

「ほわっ!?デルタ小隊!?」

 

 

女性――ミラージュの名乗りに反応したのはハヤテではなく、隣にいた少女――フレイア・ヴィオンだった。

その反応に対しミラージュは疑問に思ったが、ハヤテがそれに答えた。

 

 

「ファンなんだとよ。アンタらとワルキューレの」

 

「はいな!」

 

「そ、そうですか。先ほどは失礼しました!苦情でしたら、広報の方へお願いします!」

 

「いや、まぁいきなり押さえつけられて、何だこいつとは思ったが、怪我もしてないし、別に報告したりはしないけどさ」

 

 

ハヤテはミラージュにそう返しながら、隣で憧れのデルタ小隊に所属しているミラージュを見てトリップしているフレイアを見ながらあきれていた。

そのまま、視線をナギトの方へ向け久しぶりに会った兄弟に質問する。

 

 

「で、なんで兄貴がいるんだよ?」

 

「そこのミラージュさんの声を聞いて手助けでもって思ったからだけど?」

 

「じゃなくて!兄貴はフロンティア船団の方で仕事してただろ!なんで、ラグナにいるのかって聞いてんだよ!」

 

「そりゃ、もちろん、可愛い可愛い弟に会いに来た――と言いたいんだけど、仕事だよ、仕事」

 

「?こっちに来てまでか?」

 

「まぁな。それより、ミラージュさん?」

 

「はい、なんでしょう?」

 

 

ハヤテの疑問を返しながら、ナギトはミラージュに声をかける。

 

 

「そちらの隊長さん―――アラド・メルダース少佐に連絡してもらっていいかな?」

 

「隊長に、ですか?」

 

「そうそう。ホントはもう少し後に合流する予定だったんだけど、デルタ小隊にワルキューレがこの惑星に来てるんだ。いっその事、そのままラグナに乗っけて貰おうと思ってさ」

 

「は?失礼ですが、お名前は?」

 

「元フロンティア船団S.M.S所属のナギト・インメルマンだ。これからよろしく、先輩殿?」

 

 

ナギトはミラージュに対し、S.M.S式の敬礼をもって自己紹介を行った。

その名乗りを聞いて、その場にいた3人共が驚いていた。

 

 

「あなたがナギト・インメルマンでしたか!名前は伺っていましたが、顔までは存じ上げなかったので」

 

「ほえ!フロンティア船団ってことは〈銀河の妖精〉のシェリルさんや〈超時空シンデレラ〉のランカさんにも会ったことあるんかね!?」

 

「兄貴がパイロット!?」

 

「「なんで貴方(ハヤテ〉が知らないんですか(知らんの〉!?」」

 

「いや、元気にやってるってことは偶の連絡で知ってたけど、何の仕事してるか聞いたことねぇから」

 

 

自身の兄の仕事を把握してないハヤテに対し、ミラージュとフレイアは思わず突っ込みをいれてしまった。

 

 

「一応、会ったことはあるよ。何なら、俺の先輩たちがランカさんと一緒の学校にいたみたいだし、それ繋がりで多少は話したこともあるしね」

 

「デルタ小隊に入るってのも凄いし、ランカさんたちにも会ったことがあるんもごりごり凄いんよ」

 

「ナギトさんのことは分かりました。それでは――――」

 

 

突如、シティ内に警報が鳴り響き、ミラージュにも通信が入る。

通信の内容に返答し、ハヤテとフレイアに声をかける。

 

 

「はい、はい!了解しました!すぐに向かいます!―――私はこれで失礼します!皆さんはシェルターへ避難を!」

 

「何だ?一体、何が始まったっていうんだ!?」

 

「――ヴァールが発生しました」

 

「ヴァール、シンドローム?」

 

 

ヴァール・シンドロームの発生、それにフレイアが恐る恐るミラージュに尋ねる。

 

 

「はい、これからここは――――戦場になります」

 

「っ!」

 

「戦場…?」

 

「ですから皆さんは避難を!」

 

 

そう言って、ミラージュは路地から離れ去っていった。

 

 

「ハヤテ……」

 

「大丈夫だ、フレイア。それより避難するぞ、フレイア、兄貴」

 

「悪いな、ハヤテ。俺も行かなきゃなんだ」

 

「は?兄貴?」

 

「いくらまだ入隊を済ませてないからって、御同輩が戦場に向かうんだ。俺も手助けしないとな。―――だから、ハヤテ。お前が、フレイアちゃんを守るんだ」

 

「…兄貴」

 

 

少し不安そうな目をするハヤテにナギトはポンと頭に手をのせる。

 

 

「大丈夫さ、ハヤテ。お前は俺の自慢の弟なんだからな」

 

「っ!ああ、分かった!――行くぞ、フレイア」

 

「う、うん!あ、あの、ナギトさん?」

 

「ん?」

 

「き、気を付けて!」

 

「大丈夫だよ、さぁ行った行った!」

 

 

そして、ハヤテとフレイアはシェルターのある方面へと向かい、路地から離れた。

 

 

「さて、俺も行きますか」

 

 

そのままナギトも自分の機体を取りに行くべく、路地を離れ、駆け出した。

空は夜に包まれるが、かすかに爆発の炎の光が揺らめいている。




お読みいただきありがとうございます。
一応、以下にオリジナル主人公の簡単なプロフを

ナギト・インメルマン
20歳
所属:元フロンティア船団S.M.S→デルタ小隊
機体:VF-27ルシファー 機体カラー(YF-29デュランダルアルト機のカラーリングの赤い部分を青に置き換えた感じ)

オリ主君の機体は過去に一時期投稿していた主人公がVF-27に乗っていたのでそれを参考にしました。
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