「だりぃ」
さっきまで使っていたノートパソコンと閉じ近くのソファーにもたれかかる
ソファー独特の柔らかさが体を包み眠気がおしよせる
眠気をグッと堪えサイフの中を確認してポケットにねじ込む
つい熱中し過ぎて食事を抜いていた
事実に漸く気づいたらだ。
―――――向かうのはコンビニ
腹がすいたのとオンラインゲームの支払いをしに行くため。
今はオンラインゲームも数が増えシューティングゲームやRPGなど
多種多様なものが増え登録者もリアルマネーを使い武器やアイテムなど
買う人も多い
自分もその一人で結構引きこもってよくやってたっけ・・・
オオカミか犬かわからない奴に食い殺されなければランクがかなり上がっていただろう
殺されたけど、まるでテンプレの主人公のように転生して、またゲームができるのだ。
食い殺された事は忘れて今の平和を享受しよう・・・弟に先を越された事だし
とはいえ、その時の恐怖がなくなった訳じゃない。むしろ余計に強くなっている。深夜のコンビニなんて最初は考えられなかった。
ま、その弊害で護身用とまではいかないと知りつつも果物ナイフやカッターを常に持ち歩いている。いわばお守りの様な物だ。
これがないと街中なんてとても無理。
自分自身の不甲斐なさに虚しさを抱きながら部屋を後にした
―――――in コンビニ
正直後悔しました。
外に出ないで部屋でゲームをして平和を享受していればいいと思った
転生している時点で何かしら予知しておくべきでした。無理だろうと男にはやらないといけない時があるって事だ。
目の前には無残に解体された屍の山。
屍の山に君臨するのは血がベットリと付いた果物ナイフを持っている俺と
尻もちをついている帽子をかぶった男だけだった
えと、落ち着け俺。クールになれ俺。状況を整理しよう
1、コンビニへ行きました
2、つきました
3、気づいたら皆さん棺の中へ
4、混乱中・・・
5、ガラスが割れる。振り向く。ライオンっぽい動物が球に顔を擦りつけコッチを見てる
(あれ…これ喰われるんじゃね?)
―――転生前の悪夢再び。
6、棺の中に入れてもらおうと駆け寄る。開かない。びくともしない。
7、閉じ籠ってる棺のヤツが憎らしい。殺意しか湧かない。
8、コッチ来に来る恐怖心の中、前に死んだ状況がリフレイン。
最後に喰われる直前に見ていた点と線がはっきり見える。
9、お守りの果物ナイフで線ごと見事真っ二つに解体。
10、痙攣。アレ?コイツ再生する?まだ生きてる?もっと切らないと切らないと切らないと……!!
地 獄 絵 図 完 成
何だこの流れ。
必死で切りつけていたから理解出来なかったが、普通果物ナイフで動物は解体出来ない。そして、血が出ないどころか死体が消失するとか何事だよ。
そんな時、背後から物音が。さっきの奴がまた現れたのかって思って、反射的に振り返ったら俺みたいに棺に入ってない普通の人間がいてほっとした。気が抜けたのと仲間がいたってので笑顔になる。
「お前大丈夫だったか?」
そっちの方向にはさっきの出なかった?大丈夫だよな?もういないって言ってくれ!
そして帽子を被って地面に座っている同い年位の男に手を貸す。
「……あ、ああ」
「良かった」
俺の身の安全が保障された意味で。
「今のは何だったんだ!」
「落ちつけ」
だから冷静になって
そして俺の肩に手をかけて揺さぶるな。
「さっきのは悪い夢だ。忘れろ」
そうそう。で、俺が店内で物騒な事してた記憶も削除してくんない?
ホラ、証拠の動物もどきがいないし監視カメラもあるしでやばいからさ。手に持っていたナイフはポケットの中に。
証拠隠滅したいけど、指紋どうしよ。家でいいか、処分。
「何言ってんだよ!あんな化け物見て忘れられるか!?」
ですよねー。世の中そんなに上手くいかない。
「まだその時じゃない。それがお前のためになる」
じゃないと証拠もないのに何言ってんのコイツって目で見られるよ。痛い奴決定じゃん。
ありえないけど、消えたんだし。黙秘権を行使します。
「……俺のため」
「ああ」
感情を込めた。それが両者のためだ。まじで。
「ん?もう大丈夫そうだな」
周囲を見ると棺が元に戻っていた。店内のガラス越しも確かめてみたから間違いない
そのまま影時間が解けて周囲が動き出す。
「じゃあな。俺はまだやらないといけない事があるから」
オンラインゲームの支払いと証拠隠滅が
相手の返事を待たないまま小走りでその場を去った
不意にさっき切った動物っぽいものが脳裏をよぎる
・・・動物愛護団体から苦情きたらどうしよう。