風太郎は五つ子の家庭教師をしていた。しばらく経ってから、五つ子たちは全員大学進学を目標とし、勉強を始めることになった 。
だがしかし、ここで風太郎はある決断をした。
「お前ら今から重要な話があるからよく聞いてくれ」
「え?」
「俺はこれ以上全員に満遍なく勉強を教えることはできないかもしれない」
「嘘…!?」
「高校をみんな揃って卒業させることは出来ると思う。しかし、大学進学を本気でやるんだったら一人に絞らなければいけないんだ。すまない…」
風太郎は自分の勉強もしないといけないので、全員に大学進学の勉強も教えながらというのが難しくなったのだ。
そうなると、どうしても五つ子の中の誰か一人に絞らざるを得なかったのだ。
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後日、風太郎は誰かものすごく悩んだ後に1人に絞った。一番勉強熱心で可能性でありそうだった五月を徹底的に勉強させることにしたのだった。
他の4人は見捨てたということになったのだった。そして二人の難関大学合格に向けた挑戦が始まった。
「五月、そこ間違ってるぞ!」
「はい、すいません!」
風太郎のスパルタ指導が始まったのだった。風太郎は五月に毎日徹底的に勉強を叩き込んで教えていったのだった。
「五月! ファイトだ! お前なら難関大学合格だって夢じゃねぇ!」
「上杉くん、うるさいですねぇ…」
五月は勉強のストレスからか、いつもよりも増してどんどん食べる量が増えていった。五月はぶくぶくと太って肉まんお化けとなっていったのだった。
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そして風太郎が自分の大学受験の勉強をする傍らで五月に勉強を教えて1年という月日が経ったのだった。
「五月…」
「はい…」
2人は神妙な顔をしていた。
「お前ってやつは…」
「はい…」
「本当に良く頑張ったな! すごいぞ! 合格だ!」
「ありがとうございます! 上杉くんのおかげです!」
なんとか五月は風太郎同じの難関大学に受かることが出来たのだった。ところで、他の五つ子の4人はどうなったかと言うと、巷で言うFランと呼ばれる大学にみんな揃って進学することとなったのだった。
でもみんな勉強以外にも色んなやることや夢を見つけて頑張っているので、なんだかんだ幸せそうであった。
そして五月以外の4人はみんな大学近くの同じアパートに一緒に仲良く暮らしていると言う。
「私だけ五つ子の中で1人になってしまいました…」
そして五月は他の姉妹とは別れてしまって一人で寂しがっていた。
「上杉くん、一緒に住んでくれませんか?」
「え?」
「どうせ同じ大学に通うんですし良いじゃないですか!」
女の子で一人というのは危ないので、結局風太郎がボディーガードとして一緒に五月と暮らすことになったのだった。
「上杉くん、私の事をちゃんと守って下さいね! 上杉くんはボディーガードなので私の手を離したらダメですからね! ちゃんと私を見てくれなきゃダメなんですから!」
「分かったよ。俺がちゃんと見ててやるよ。勉強の方もな! ハハハ!」
「そ、それはちょっと…。勘弁してくださーい!」
なんだかんだで楽しそうな2人であった。
「それにしても他の四人は今頃元気にやってるのかな?」
「上杉くん!」
「なんだ?」
五月はぷくーっと頬を膨らませていた。
「今は他の4人のことは話さないでください! 今は私だけを見つめていてください! 今のあなたは私だけのボディーガードであり、私だけの家庭教師なのですからね!」
風太郎は五月に圧倒されてびっくりする。
「これからも私に色んなことをたくさん教えてくださいね! 楽しみにしてますよ!」
「まったく、お前は手のかかる教え子で本当にしょうがないやつだ。これからはお前だけの家庭教師をやってやるよ」
「はい! よろしくお願いします!」
~おしまい~