ハリーポッターと不死身の預言者【改正中】   作:或売奴千刺

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ビールアンチ表現


アーサーのッ!隠し子ッ!アーサぁぁぁ

リンネが漏れ鍋に入ると、ちらほらと目線が刺さり、カウンターで何かをつまんでいたジェーマスが駆けつけてきた。

 

「ああ、アーサーさん終わったんですかって……誰なんですかその子は」

 

彼はアーサーを目にした後、隣に立つ明らかに人間の子供であるリンネをみて、一瞬固まった。

魔法界には、ゴブリンや屋敷しもべ(ハウスエルフ)という人間によく似た生き物がいるが、ゴブリンは人間基準で言えば頭部が歪な形をしていて見た目も不細工な小さいおじさんといった感じで、屋敷しもべに限ってはゴブリンとは比べものにならないほど醜く、声も耳障りだ。

魔法使いの銀行を運営したり、魔法の武器を作っているゴブリンなら魔法省の役人と関わりがあるので、アーサーが連れていても特に注目はされなかっただろうが、明らかに子供で、保護者もいるように見えなかったリンネに注目が集まるのも無理はない。

 

ジェーマスは、口をパクパクとしたあと、目を見開いて叫んだ!

 

『赤毛じゃ無いし、まさか隠し子!アーサーのッ!隠し子ッ!!』

 

と大袈裟にリアクションしながら周りに聞こえるように叫んだジェーマス。

誰もがまさかアーサーの隠し子な訳ないだろうと思いつつもノリ良く、「うそぉ、」「不潔!」「モリーさん可哀想」などと、アーサーにぎりぎり聞こえるくらいの陰口を叩いた。

 

要らぬ中傷に耐えかねたのか、リンネの隣から、素早い杖捌きから放たれた閃光によって、ジェーマスは遠くの壁まで吹っ飛んでいった。

 

 

「あー、この子はそこで出会った魔法族の子で、ああ!もちろん私の隠し子だなんてあり得ませんよ!そこの馬鹿のようになりたくなければ面白がって広めないでくださいよっ!」

 

ハンサムなロックハートがやったなら様になるギザなジェスチャーをしながらにこやかに説明したアーサーに店の客たちの噂話は余計に加熱した。

 

 

「それは逆効果じゃないか?」

 

壁とキスをしているジェーマスをみてバーカウンターから頭をだした男が凄く迷惑そうな顔をしながら話しかけてきた。

 

杖魔法で気絶するジェーマスをカウンター裏に運び、凹んだ壁もきれいにしていた。

 

「ああ、トムいたのですか!」

 

ハゲた男にアーサーはトムといいながら話しかけた。

トムと呼ばれた男は、コソコソ話をする客を目線で差してアーサーの肩をぽんぽん叩いてご愁傷様と嫌味を言った。

 

漏れ鍋のトム。

トムといえばトム・リドルだが、漏れ鍋のトムと闇の帝王のトムに関連性はない。

あるといえばあるが、漏れ鍋のトムがトムリドルことヴォルデモート卿を一方的に怖がっていることや、どちらもハゲていることだ。

 

「いたのですかぁ、じゃない。

俺が漏れ鍋にいなかった日を見たことあるか?

それからいくら天下の魔法省様とはいえ無闇矢鱈に決闘をするのはやめろ」

 

トムは漏れ鍋の亭主で、ただの従業員に言うにはともかく、"「いたのですか」"とはおかしな言い回しだ。

 

「ええ、わかりましたよ。次、次からは無抵抗の同僚に武装解除なんて撃たないようにしますよ。だからそう怖い顔で寄らないでくださいよ」

 

「アーサー、おまえが吹き飛ばした呑んだくれのクズも同じようなことをいいながら店に入って来たことを覚えているかな?」

 

トムは鼻を鳴らしてテーブル拭きで、ジェーマスの飲みかけのバタービールをコップごと消して、彼がつまんでいた皿から杖でピーナッツを集めると気絶している彼の口に突っ込んで、バックヤードに戻って言った。

 

いい感じに話かけられそうなタイミングだと、リンネはアーサーに話かける。

 

「あ、あの本当にいいんですか?僕今、お金無いですけど」

 

「気にしなくて大丈夫さ!さあさあ、漏れ鍋ははじめて?まあ、普通のお店と同じさ。さあさあ座って座って」

 

(アーサー、やっぱり、アーサー・ウィーズリーじゃないか。そういえばウィーズリーといえば純血魔法使いの中でもとびっきり貧乏だったな、奢ってくれるなんて正気か?)

 

アーサーに手を引かれながら、空いた席につく。

 

いつのまにか離れたトムがバックヤードから戻ってきた。

手にはバタービールを二つ。

まだ何も注文した覚えはないが、料理を載せた皿も持ってきた。

 

ドンと叩きつけるようにテーブルに置かれたバタービールはまさにビールそのもので、赤金のような黄金色の液体の中をぷくぷくと小さな泡が湧き上がっていて、コップ上部にはふわふわとした白い泡が溢れんばかりに乗っていた。

 

こんな表現はビール党の人には怒られるだろうが、匂いに敏感すぎた彼にとって、ビールは耐え難い悪臭に感じていた。

リンネになった今でも、あの最悪なビールの味を思い出して、思わず身構えてしまう。

 

肉は獣臭いと、魚は生臭いと、なんでも臭い、癖があって嫌だと偏食気味だった彼にとって、ビールは臭くて不味い汁だった。

そして同じ匂いと味がするものをリンネは知っていたからこそビールを飲むのが嫌だった。

 

生ゴミを捨てた袋の端に溜まった汁とビールが同じ匂いに感じていた。

酸っぱくて苦い匂いだ。

 

ビールは飲んだことはあっても、花瓶の水は飲めても、流石に生ゴミの汁は飲んだことはない。

 

だが鼻が鋭すぎるがために飲まなくとも食べなくとも嗅ぐだけで口に入れた時と同じほどに味覚を得ることができていた。

 

だからこそ、嫌な思いをしているリンネが、本質的にはビールではないバタービールをみて身構えてしまうのも仕方がないことだ。

 

とはいえバタービールというのは甘く、それもヌガーやキャンディなんて甘さではなく喉が焼けるほどに甘い飲み物だ。

"いつもの"感覚でコップを寄せもちあげようとして、コップの重さと大きさと、それから自分の体の小ささをようやく思い出して、机に置いたバタービールに口をつけ、中身を啜った。

 

「あっまい、おいしい」

 

甘すぎる。その一言につきる。

日本人だった頃の感覚は甘すぎて飲めたものではないと、イギリス人としてリンネ・ウェインライト本来の感覚としては"凄く甘くて"おいしいと思っていた。

 




続く。

ハリーポッターと東方のクロスオーバーを書いている時に、息抜きで書き始めたハリーポッターと不死の預言者ですが、意外と見てくれる人がいて驚きました。
博麗大結界を貼った後弱っていた八雲紫が、幻想郷の未来のモデルケースとして、イギリス魔法界へ行きホグワーツに入学するって話なんですけど、ダンブルドア世代で考えていたので、時間割からストーリー、生徒先生魔法省の役人まで様々なオリキャラ、授業の内容なんて考えている間に頭がおかしくなりそうになって突発的に思いついたこの物語を書き出しました。

ああっと、そういえば
アンケート受付中ですが、アンケート1が接戦で、2が決まったようなものでしょうか。
アンケート1のオリ主をダンブルドアが殺そうとするルートが優勢で、アンケート2の誰が友達か?はウィーズリー家のペットのネズミオヤジになりそうですね。

それからビクター・ケツエキを知っている人がいてびっくりしました。

アンケートの結果次第で内容が変わります。【分岐 序-1】ホグワーツ入学前から不穏な動きをするオリ主の行動をダンブルドアが察知するかどうか、ダンブルドアの行動次第でルートが分岐します

  • オリ主を妨害する(決別ルート)
  • オリ主を怪しみ監視対象に(??ルート)
  • オリ主を知るが放置(??ルート)
  • そもそもオリ主を知らない(??ルート)
  • 「ほれ、アバダケダブラじゃ」(??ルート
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