フューチ提督物語   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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伍長 ゴッドバレー事件 前編

 ラメール海賊団を捕縛した時から約半年

 

 あれから2回航海に連れ回され海賊を30人殺したり捕縛した功績で伍長となりました

 

 現在私のマリンフォードでの生活は朝食後ガラクタ漁り、昼訓練、夕食後自室に籠って兵器開発、夜中に月歩の訓練と若さ故の無茶を続けた

 

 またONE PIECEという漫画を第四の壁経由で読むが他の漫画の能力を使えないものかね……呼吸とかスタンドとか念とか……

 

 勉強になったのは料理かなぁ第四の壁を越えてインターネットなるものから大量に存在するレシピは保存食を作る上で参考にさせて貰った

 

 特に缶詰は本当に助かる

 

 船にコックは居るけれど長期航海となると必要ギリギリの量しか出さないから空腹気味になるのを缶詰は解決してくれる

 

 缶詰万歳! 

 

 伍長ということで部下もできるし、缶詰が有れば部下達の士気もご褒美として旨い物が食べられれば上がるだろう

 

 我ながら渾身の出来だ

 

 ……調べたら缶詰は上層部の一部では普通に有った

 

 一般兵にまで出回ってないのは高価な為らしい

 

 缶詰工場がマリンフォードにも近々できるらしい

 

 ……ガックリ

 

 ま、まぁ気を取り直して次の航海はなんと! 

 

 未来の英雄ガープ中将の指揮下に組み込まれて哨戒任務につく

 

 どこの島に行くとかは言われてないけどどうやら天竜人関連らしいと噂を耳にした

 

 今回招集されたのは伍長以上の為、任務中はまた私が最低階級になるので雑用が主な任務になるだろうけど頑張っていこうと思う

 

 この時私はもっと詳しくONE PIECEについて調べておけば良かったと後悔することになる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 8隻の軍艦が出航する

 

 私は第三番艦に搭乗し、やはり雑用をやらされていた

 

 中将2人、少将6人の大規模任務総勢1000名が参加するのが天竜人のバカンスの護衛と考えるとなんとも言えない……

 

 いまだに目的地は教えられてないが雑用をしながら月歩の練習をする

 

 相変わらず上手くいかないがやらなければ死ぬので練習を続ける

 

「精が出るな」

 

「バグ少将!」

 

「どれ、私が手本を見せてやろう」

 

 バグ少将は航海中月歩の練習をする私に気にかけてくれた

 

「地面と同様に空気中に壁を作るイメージで蹴るんだ! そうすれば自ずとできるようになる」

 

「そもそもの筋力が足りない。コツを会得するまでは筋力がモノを言う。コツがわかれば病人でもできる」

 

「月歩の最大の利点は平面から立体に行動可能な点だ。わかっていると思うが空から爆弾を落とせるだけでも戦果が違ってくる」

 

「月歩を習得したらそうだな……軍曹を飛ばして曹長になるよう人事に掛け合ってやろう」

 

 すごい気にかけてくれた

 

 その分私も頑張った

 

 目的地に着くまでの1ヶ月間甲板の掃除を行いながら比較的平和に……月歩の習得に勤しんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 島は天国と思えるほど美しかった

 

 真っ白なビーチ

 

 どこまでも続く七色に輝く珊瑚礁

 

 リゾートホテルが景観を邪魔しない程度に建ち並び、珍妙な動物が飼育されている動物園が島の中央付近にある

 

 そして、島の中央には数々の宝石で作られたレリーフが鎮座していた

 

 まさにこの世の楽園……ゴッドバレーである

 

 伍長の私は島に上陸することも許されず船内待機を命令された

 

「ゴッドバレー……この時期……まさかゴッドバレー事件に巻き込まれるのでは!?」

 

 私は今になって慌てた

 

 まず手持ちの弾薬確認

 

 持ってきたのは一体型薬莢の弾丸300発

 

 タバティエール銃2丁、ナイフ10本に支給されたサーベル2本が私の装備だ

 

 紙絵はできるようになったが強力な覇気を纏った攻撃をされれば私は終わる

 

 敵の戦力はどうだろうか

 

 船長ロックスを始め、後の四皇白ひげ、ビッグ・マム、カイドウ

 

 全盛期の金獅子のシキに数多の財宝を手に入れるキャプテン・ジョン、銀斧、王直といった強力な覇気使いもいる

 

 ゴッドバレー事件に欠かせないのがロジャー海賊団だけどこの海軍の包囲網を突破してどうやって入ってくるのかわからない

 

 ロックス海賊団はわかる

 

 フワフワの実のシキの能力で上空から侵入すれば良いからだ

 

 しかしこの楽園のような光景があと数日で地獄となるのか……恐ろしい

 

 私ができることは少ない……というか無い

 

 今からロックス海賊団がやって来るなんて言っても虚言に見られるだけだし、天竜人が予定の変更を許すはずがない

 

 私はただ生き残る為だけに動かなければ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日天気は曇り

 

 その日の正午に事態は動いた

 

 ロックス海賊団襲来

 

 まず覇王色の覇気がロックス海賊団から放たれバタバタと海兵が倒れる

 

 私は運が良いのか悪いのか意識を飛ばされそうになりながらも何とか踏みとどまった

 

「こ、これが覇王色の覇気……」

 

 体に電流を流し込まれたかのような衝撃が全身を駆け巡った

 

「て、敵襲!! 敵襲!!」

 

 私は出せるかぎりの大声で敵の襲撃を周囲に告げる

 

 太陽の光をバックに上空から襲撃したロックス海賊団は島中央に船を降ろした

 

 ズドォォォン

 

うぉぉぉぉぉ!! 

 

 海賊達の雄叫びが遠くの船に居る私達にも聞こえてくる

 

「動ける者は武器を取り島へ!!」

 

 誰かが叫んだ

 

 私はその声に従い島へ降り立つ

 

 我々は1000人

 

 対するロックス海賊団はせいぜい100人

 

 人数はこっちが圧倒的であるが敵は百戦錬磨の大海賊

 

 誰かが既に島で戦っているのか衝撃波が風となりまだ海岸にいる私にも届く

 

「殺せ!! 奪え!! ギャハハハ!!」

 

「天竜人だ! ぶっ殺せ!!」

 

 天竜人がいたホテルは既に戦場となっていた

 

「た、助けてくれだえ」

 

「だ、大丈夫ですか!」

 

「触るな下賎な民! これ! 馬!! 動くんだえ!」

 

 馬と呼ばれた奴隷は既に亡くなっていた

 

 天竜人の青年も血だらけだ

 

「ごめん!」

 

 私は天竜人を殴って気絶させると背負って海岸まで走る

 

 天竜人を運んだ豪華な客船に事情を話して天竜人の青年を運ぶとまた再び戦場に戻る

 

 ガンガンと衝撃波と覇王色の覇気が飛んでくるが地面に伏せながら匍匐前進をしながら島の中央に向かう

 

「ヒャッハ!! 女の海兵だ!! 犯せ!!」

 

「ぶっ殺せ!! 血祭りに上げろ!!」

 

 所々で気絶してしまった海兵が海賊に犯され、血祭りに上げられている

 

 私は油断している海賊をできるだけ遠くから射撃する

 

「ぎは?」

 

「おいおいこいつ死んでるぜギャハハハ!」

 

「銃に撃たれて死ぬなんて間抜けだぜ!」

 

 仲間が死のうがお構い無し

 

 もう5人は射殺したが強そうな者は誰一人死んでない

 

 双眼鏡を取り出し島の中央を見るとガープ中将がロックスと戦っているのが見えた

 

 私を可愛がってくれたバグ少将はシキの手で首だけになっているのが見えた

 

 これが戦場

 

 多数の海戦に参加したと思ったがこれが本物の戦場か!! 

 

 私は死体に隠れながら狙撃を続ける

 

 頭がガンガンする

 

 衝撃的な光景を目の当たりにしすぎておかしくなったか? 

 

「グララララ! 海震!!」

 

 地面が揺れる

 

 そして地面が浮き上がり空に放り出される

 

「ギャアォォォォォ!! 死ぬ死ぬ死ぬ!!」

 

 私はみっともない叫び声を上げながら落下する

 

「月歩!! 月歩!! 頼む出来てよ月歩!!」

 

 涙でぐちゃぐちゃになりながら地面がどんどん近づいてくる

 

「月歩ぉぉぉぉ!!」

 

 フワッと浮き上がる感覚

 

 空気を蹴れた!! 

 

 どしゃっと落ちる

 

 滅茶苦茶痛いが生きている!! 

 

 私の横にいた女海兵だった物が隣でミンチになっている

 

 私の隠れていた死体は内臓をぶちまけて転がっている

 

 ONE PIECE

 

 夢も希望もない地獄がそこには広がっていた

 

 片方が割れた双眼鏡で再び戦場の中央を見るとガープ中将がロックスに何か言われている

 

「黙れ……そん……ない!」

 

 微かに聞こえてきたのは拒絶の言葉

 

 わからない

 

 何を言っているのか

 

 だが私は生き残らなければ! 

 

 まだ物語も始まっていないこんな扉絵にもならない一幕で死んでたまるか!! 

 

 戦闘開始からまだ1時間

 

 海兵は半壊

 

 軍艦も2隻が真っ二つになって沈んでいく

 

 ゴッドバレーの戦いはまだまだ始まったばかり

 

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