フューチ提督物語   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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ダグラス・バレット捕獲作戦 後編

 無機物を合体、変形させ怪物になったバレット

 

 この能力はロジャー海賊団時代でも見たことが無かった

 

 もしかしたらロジャー船長との最後の決闘では使ったかもしれないが、船にいた私達は見えなかった

 

 なぜ使わなかったのか……使わなくても十二分に強かったからだ

 

 ガシャガシャの力を使ったということはそれだけ私を不本意だろうが認めたということだ

 

 ……それにこの能力は

 

「仲間が居たら使えないものね」

 

 広範囲を巻き込むこの技は、仲間が居たら使えない

 

 バレットは最強になるのに仲間は要らないと言う……それは自身の力を最大限活かすには仲間が足枷になるのも事実

 

 ……悲しき男だ

 

 グオオオオオと怪物が立ち上がる、私を攻撃しようと拳を振るう

 

 私はその拳に飛び乗り腕を走る

 

 逆の手で私を払い落とそうと攻撃してくるがそれを神避で弾き飛ばし、更に先に進む

 

 パン

 

 銃が私の走っている先から現れ発砲してくるが、それを銃ごと斬り裂き、更に先に進む

 

 怪物の首に到達し、私は首にエースを刺し込む、そのまま剃で高速移動をして怪物の首を一周、首を切断しようとするが

 

「内部まで届いていないか!」

 

 覇気の入れた量が足りなかったのか首は切断までいかず、グラグラしているが繋がっている

 

「ならもう一度!?」

 

 私はもう一度刺し込もうとしたら両腕が襲ってきた

 

 私は覇王色を全開で武装色と混ぜ緑色の覇気で、押し返そうとするが、膨大な質量攻撃の前には敵わず一瞬の拮抗の後、押し飛ばされてしまった

 

 月歩で空中で立て直していると先ほど斬った首が復元し始めた

 

 更にバレットが覇気の密度更に上げ、青紫色に光だしている

 

 もうこうなってくると覇気の総量勝負だ

 

 質量では私が負けているので、それを補うために覇気を大量に使うが、覇気の効率的運用では、私の右に出るものは居ない

 

 あのロジャーですら敵わないと言わしめた超効率的運用を見せてやるよ……バレット

 

 月歩と剃を同時に行い高速で空を駆ける

 

「神絵」

 

 紙が空中からヒラヒラと落ちるように、私は落ちながら連続して神避を繰り出す

 

 怪物は不規則に揺れながら落ちながら繰り出される斬撃に対応できず、体に無数の斬り傷が出来上がる

 

 私はその間にも見聞色の覇気で、この怪物のコアであるバレットをさがす

 

「見えた!! そこだぁぉぁぁ!! エクリプス改!!」

 

 空中でドンと発射音が聞こえるぐらい強く踏み込み、コア目掛けて突きを繰り出す

 

 サーベルを真っ直ぐ伸ばし、空気を斬り裂き、一直線に向かうその様子はまるでミサイル

 

 空気との摩擦で私の体は緑色の覇気を纏っていたハズが、赤く燃えるような色に変色する

 

「はぁぁぁぁぁ!!」

 

 ドッパ──ーン

 

 コアに向かって突き刺さった私は外殻の覇気を纏った土塊を勢いそのまま斬り裂き、バレット本体に突き刺さる

 

「これを受け止めるか……バレット!!」

 

「あたり……まえだ」

 

 右手でがっちりと刀を握ったバレットの手からは血が流れていた

 

 しかし、ここで受け止めていなかったら心臓まで一直線だったため、守るには最適をうっていた

 

「ふん!」

 

「ぐぅ!?」

 

 私はエースを引き抜くとバレットが握っていた部分が斬れる

 

 バレットの親指がボトリと落ちる

 

「まだやるかい?」

 

「当たり前だ!!」

 

 土塊が私が開けた穴を塞ごうとする

 

 私は慌てて逃げようとするが

 

 ガシッ

 

「逃がさねぇ」

 

 バレットが私の足を握る

 

 私は握られた腕を斬りかかるが、今度は覇気で守られる

 

「土に埋められて窒息しろフューチ!!」

 

「ジゲジゲ……強制転移」

 

 ぐょにょ~んと時空が歪む

 

「な!?」

 

「外の世界へごあんな~い」

 

 バレットごと私は土塊の怪物から逃げ出す

 

 バレットというコアを失った怪物の崩壊が始まる

 

「糞!! 糞!! 糞!! 殺れたと思ったが!!」

 

「いや~焦ったよ。まぁ私が一枚上手だったってことで……さぁ第三ラウンドだ!!」

 

「く!? うおぉぉぉぉ!!」

 

「甘いんだよ!! 考えが!!」

 

 バレットは素手、しかも片方の手の親指が切れて力が上手く入っていない

 

 対する私は五体満足、更にエースという最上大業物もある……どちらが勝つかは一目瞭然であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぜひゅーぜひゅー」

 

「はぁ……はぁ……」

 

 約3時間も粘られたがバレットは全身斬り傷だらけ、虫の息であり、今にも死にそうである

 

 対する私は右腕を攻撃を喰らった時に受け流すことに失敗し、折れてしまったが、まだまだ戦える……覇気もまだ残っている

 

「なぁフューチ……俺はどこで間違えた」

 

「……」

 

「お前は海兵、俺は少年兵……幼い時から軍に所属していたのは一緒だ」

 

「同じロジャーの船に乗ってよ……お前は楽しそうに部下の事や上司の事を喋ってたよな。同じ怪物みてーな力を持ってるのによ……」

 

「片や俺は怪物と蔑まれ、怖がられ、上司だったダグラス将軍に裏切られて、殺されかけた……なんだ? 何がお前と違う? お前も力を求めてロジャーの船に乗ったのは知っている……何でお前の回りには明るく、人が集まってくるんだ? 同じ怪物だろ」

 

「……ロジャー船長も言っていただろ。仲間だって……支え合える仲間が必要なんだよ。別に私はあんたみたいに最強を目指してロジャーの船に乗ったわけじゃない。強さは欲しかったさ……生きるために」

 

「生きるため……か」

 

「生き残るためには力が必要だった。いつの間にかその生きるための力が、皆を守れる強さに変わっていたがね……」

 

「なんじゃそら……ハハハ、俺はそんなふわふわした信念の奴に負けたのか」

 

「ふわふわで悪かったわね……気を張りすぎなのよ。あんたは……」

 

「フューチ、お前に負ける様じゃロジャー船長には敵わないな……俺はこの後どうなる?」

 

「一生監獄で暮らすかな? まぁあんたが本気を出せば脱出できる可能性も無くは無いけど」

 

「……なぁフューチ……」

 

「なに?」

 

「俺はまだまだ強くなれるか?」

 

「覇気の総量は増えるかわからないけど、密度は更に上げられる。まぁ監獄で出れる日まで鍛え上げるんだね……最もその時に私が…………」

 

「な!? 正気か!!」

 

「正気さ」

 

「お前、最後の島で何を見た!!」

 

「世界」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『以上をもってダグラス・バレット捕獲を終了と致します。G-5基地に我々で護送するので、その後はお願いします』

 

「うむ、ご苦労だったフューチ少将」

 

『は!!』

 

 ガチャ

 

「おお、センゴク。ずいぶん今日は顔色が良いな。良いことでも有ったか」

 

「フューチ少将がダグラス・バレットの捕獲に成功した。海軍側損害は0だ」

 

「そりゃ良いな……民間人は」

 

「到着した時には壊滅していたらしい」

 

「そうか」

 

「跡地はG-7基地を移して海軍の直轄地にすることで話しは纏まってる」

 

「しっかし、ロジャーにシキ、バレットとフューチ少将は大物を捕まえるな。中将にせんで良いのか?」

 

「いずれは上げなければいかんが、今はその時じゃない。本人も辞退している……ただな」

 

「ただなんだ?」

 

「新造船の物資を要求された。旧式艦ではいつ沈むか怖くて乗れたものじゃないと言ってきてな」

 

「G-6の船はそんなに古いのか」

 

「かれこれ20年前の木造船だからな。傷みも酷いのだろう……あと面白いことを言っていたな」

 

「なんだ?」

 

「これはガープが好きそうだが、廃民にされた人々を預かりたいと」

 

「あぁ、糞ったれな王族、貴族がやる差別政策のあれか」

 

「なんでもモーリシャス王国の人口だと周辺の島々への移民が足りないのだと」

 

「ふーん、良いんじゃないか? 廃民にされた者がどこへ行こうが奴らは追わないからな」

 

「まぁ私からも許可するとは言ったが業務を滞らせるわけにはいかないから新造船ができてから行うとの連絡も来たがな」

 

「いいなぁ……ワシも新造船欲しいな……」

 

「お前は船を壊さないようにしろ!」

 

「そうじゃったな」

 

 こうしてダグラス・バレット捕獲作戦は終了した

 

 

 




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