フューチ提督物語   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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戦闘中の他の様子 後始末 その後

「双眼鏡持ってる奴島の中央を見てみろ! 見聞色が得意な奴は凄まじい気配が2つぶつかるぞ!!」

 

 島の近くで船を止め、見ていろと言われて僕達は待機していた 

 

 最初は援軍に行く気満々だったのだが、フューチ少将に止められた

 

 曰く

 

「死にに行くだけだ。足手まといになる」

 

 と、バッサリ

 

 最初は不服だったが、島について放たれる覇気の大きさに僕達では敵わないとハッキリわかった

 

 島中にはおびただしい数の死骸が転がっており、それを見ただけで吐いた奴もいる

 

「フューチ少将……大丈夫でしょうか」

 

「なんだパワプロ軍曹不安か?」

 

「はい、ホフマン大佐……相手は25億の怪物。正直分が悪いかと」

 

「……フューチ少将は負けんよ。40億有った金獅子のシキにだって勝ってるんだ。単独でだって強いに決まってる」

 

「……それでも……」

 

「フューチ少将は負けませんよ」

 

「ココア三等兵……」

 

「フューチ少将は今まで本気を見せたことは皆さんには有りません。だから今回が彼女の本気を生で見る良い機会です……我々の基地長がいかに強いかわかると思います」

 

「それほどまでに強いのか……フューチ少将は」

 

「えぇ、強いです。バレットにだって負けません」

 

「おい! 見ろ!! フューチ少将とバレットが接触した!!」

 

 次の瞬間凄まじい衝撃が船に襲いかかってくる

 

 ギシギシと古いこの船の船体から嫌な音が響く

 

「今のは覇王色の覇気……」

 

 それから数度覇気のぶつかり合いの後、戦闘が始まる

 

「両者共に凄まじい覇気の練度だ……僕達とは次元が違う……」

 

「覇気が使えて始まりだったんだ……覇気は極めてこそなんだ……」

 

「覇気を使えるようになって傲っていた自分が恥ずかしい」

 

 空気が揺れる、大地が砕け、空に亀裂が入る

 

 超人達のぶつかり合いを直接みた、僕達はフューチ少将との戦闘能力の絶対的な壁を目の当たりにした

 

「まだ本気じゃない」

 

「なに!?」

 

「フューチ少将はサーベルを抜いていない」

 

「……本当だ……これで、小手調べだというのか」

 

 数度の衝撃の後、地面が揺れだした

 

「おい見ろ……怪物だ!!」

 

 それは青色に光る怪物だった

 

 覇気を纏う何かだが、それが何の悪魔の実の能力か見当もつかない

 

「フューチ少将がサーベルを抜いた!!」

 

「あんな怪物を斬り裂けるのか!?」

 

 フューチ少将の行動が速すぎて、肉眼ではもう感知できず、見聞色の覇気を頼りに気配を探る

 

 凄まじいスピードで化物の攻撃を何かで弾き飛ばす

 

「覇気を凝縮して発射する神避……かつてロジャー船長が行っていた技だ」

 

「ココア三等兵知ってるのか」

 

「直接見たことがある。更にロジャー船長は他にも神とつく技を持っていた……」

 

「化物だな」

 

「あぁ、化物さ、でもその化物の戦いにいつか私達も参加しなければならない」

 

 皆が沈黙する

 

 地獄の訓練が始まりでしかなかったことに心を折られた者も居るだろう

 

 しかし、心が折れようとも敵は待ってくれない

 

「見ろ!! フューチ少将が怪物の胸に飛び込んだ!!」

 

「……フューチ少将って優しかったんだな。俺達の心を壊さないようにギリギリでわからせてたんだなって……」

 

 様々な思考が交差し、この戦いの後、移動希望や除隊希望を十数名が出したが、フューチは基地駐屯員にするから残ってくれと懇願した

 

 ただ、心を折られなかった者達で後々多数の海戦で死ななかった者は全員中佐以上となり、フューチが作る機動艦隊という組織の中核となっていくのだが、それは後のお話……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦いの決着の後、ホフマン大佐の指揮の下、死体の火葬が行われた

 

 火種はバレットが壊した廃材で、人手が足りず何日もかけて火葬が行われ、本当に稀に生き残った人々を助け、戦場となった島を後にした

 

 私自身も疲れきっており、2日間泥睡したため、ホフマン大佐が後始末の指揮をしてくれた

 

 倒されたバレットを私が乗る船に乗せ、もう1隻には生き残った人々を乗せG-5支部に向かう

 

 途中通りかかった海賊船を2隻沈め、無事にG-5支部に到着し、海楼石の楔で雁字搦めにされたバレットを引き渡す

 

「お疲れ様です!! フューチ少将!!」

 

「あぁ、あなたはG-5の基地長の……」

 

「ダグラス・バレットという化物の捕縛……本当にありがとうございました!!」

 

「いえいえ」

 

「海軍本部よりフューチ少将の昇格は控えさせてもらうが、代わりに何か希望があれば言うようにと伝言を預かっています!!」

 

「そしたら廃民の人々を預かりたいのと新造船を造りたいから物資を融通してもらえると助かる。後は部下の昇進許可を頂きたい」

 

「それぐらいなら構わないと思われます!!」

 

「助かる……私達は物資の補給が終わり次第直ぐに出港しますので……」

 

「はい! 後はお任せください!!」

 

「フューチ!!」

 

 連れていかれようとしていたバレットが叫ぶ

 

「なんだい?」

 

「また殺ろうぜ!!」

 

「あぁ、待ってる」

 

 こうして本当にバレット捕獲作戦は終了したのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バレットの逮捕の記事は全世界へと駆け巡った

 

 大半の人物は安堵し、一部の海賊や有力者はフューチ少将がロジャー逮捕の一発屋ではないと知らしめる事件となり、女狐と呼ばれるようになる

 

 実力だけなら大将クラスであるのにも関わらず少将と、不遇な扱いなのではと本部の人員から上に声が届くが、上層部はその声を黙殺

 

 海軍内部に既に生きる伝説であるガープと新しい伝説であるフューチの2人を押す派閥が影で出来上がり、フューチ少将がロジャーのクルーであった事実を知り、海軍の汚点であるという派閥と激しく対立することになり、結果事態を重く見た上層部が動き、フューチ少将を押していた派閥の一部をフューチの元に左遷させる事件が起こる

 

 フューチは飛ばされてきたエリート達を気に入り重宝するのだが、これももう少し後の話

 

 そんな事を知らないフューチは部隊の戦闘能力を向上させるために六式の伝授に勤しんでいた

 

「まず移動技の剃、月歩を習得した後に武装色の練度を上げながら鉄塊を会得する! そして紙絵の4つを覚えればまず死ぬことはない!! 全身武装色なんて短期間では才能の有り無しで決まってくるからとにかく銃による狙撃での死亡率を下げる!!」

 

 フューチは覇気の第一人者ではあるが六式はどちらかと言えば下手であり、教えるのも試行錯誤しながらであった

 

 こういう時に役立つのがココアという女である

 

 フューチは剃、紙絵、月歩は六式でも得意のため比較的分かりやすく教えられたが、残りの3つはフューチが大まかに教え、それをココアが補足する形を取った

 

 で、約2ヶ月もすればちらほらと1つはできるようになるものが現れ始め、互いに教え合う形を取った

 

 で、六式を習得するのも教えるのも滅茶苦茶上手い奴が現れる

 

 ホフマン大佐である

 

 元々大佐の階級なだけあって鉄塊や剃、紙絵を覚えていた彼は瞬く間に残り3つを覚え、ココアと並んで六式使いとなった

 

 私は本部から貰った部下の昇進許可を行使し、ホフマン大佐を准将にあげ、六式教育の教官に任命、私はフリーになったことで、新造船建設の指揮を取れるようになる

 

 

 

 

 

 

 拡張された造船所にて船大工達に今回造る船の設計図を説明していた

 

「鉄骨で骨組みを作り、木皮ので被う種別はパドル装甲艦を造りたい」

 

 外見はリゴー・ド・ジュヌイイー級巡洋艦にパドルを両サイドにくっ付けた見た目で後部にはスクリュープロペラを付ける奇抜な船になる予定だ

 

 この船は帆船の利点とパドル、スクリュープロペラの推進力を遺憾無く発揮できる構造となっていた

 

 そちらの世界ではパドルシップは廃れてしまっているが、こちらの世界では素材や技術的観点、海王類等の超大型海中生物、異常気象等による安定性の観点からスクリュープロペラが中々発展していないため、今回は技術的蓄積のため両方を採用しつつ、全面鋼の装甲船の前段階の鉄骨木皮の装甲艦を造ることにした

 

「少将さん、確かに利にはかなってるが動力はどうすんだ?」

 

「この水素式ダイヤルエンジンを使います」

 

 水素式ダイヤルエンジン

 

 まず水貝で純水を海水から抽出し、パドルの回転からモーターを回し、電気貝に電力の備蓄及び放出によって水素を発生させる

 

 炎貝の火で水素を爆発させ、それを排撃貝で衝撃を増強、その力でピストンを動作させるエンジンである

 

 空島産の貝が部品の半分を占めるため量産は困難であるが、一応私の空いた時間を全て注ぎ込んでできたオンリーワンの逸品である

 

 大きさはそちらの世界のコンテナ位のサイズが有るが……船舶エンジンならこれぐらい普通であろう

 

「動力が何とかなるんだったら造れなくはないが……何しろ初めてな事が多すぎる。時間や資源は多めに見積もっといてくれよ」

 

「はい! 大丈夫です」

 

 こうして新造船の計画がスタートした

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