フューチ提督物語   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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生け贄

 第四の壁を越えた先に居る皆さんこんにちはフューチです

 

 キッドの兄弟を私の家に、サイレンス君をモーリシャス王国の病院に預け、私達は海に出ました

 

 私には2つの選択肢が有った

 

 おでんさんを見捨てる選択肢とおでんを助ける選択肢だ

 

 おでんさんを助けなければ史実のようにカイドウとオロチの支配の下でワノ国は開国もせずに緩やかな滅びに向かうハズであった

 

 主人公の登場まで……

 

 おでんさんを助けたらどうなるか……それは未知が待っている

 

 ONE PIECEのワノ国編そのものが無くなる可能性が高く主人公のルフィの強化やゾロの刀問題等が消えるかもしれない……が、知ったことか

 

 今までおでんさんに助けられてきた……その恩返しをする番である

 

「来年に事件が起こる事は確定しているんだ……だからなるべく早く到着しなければ……」

 

「母さん今から気張っても仕方ないでしょ……」

 

「まぁそうだね……途中何ヵ所か寄りながらワノ国を目指すけど正しい海流を選べるかなぁ」

 

「だからワノ国はまだまだ先でしょ」

 

「はいはい、わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私達はワノ国に行くまで激しい戦闘訓練を続けていた

 

 ベリヤは武装色、見聞色、六式を覚えているがキッドはまだ全然扱えてない……しいて言うなら武装色の覚えが良いが、まだ完全習得には至っていないのでワノ国に着くまでに習得させなければならない

 

 そんな中、私達は物資の補給の為にテンガン山という海底火山の噴火によってできたトキワ岬に来ていた

 

「悪魔を捕まえたぞ!! これを生け贄にすれば島のヌシも落ち着くだろう」

 

「いや! 火炙りにして遺骨を奉納すべきだ」

 

 なんか凄い物騒な話を村人達がしていた

 

「何事ですか?」

 

「この島に住み着いていた悪魔を捕まえたんだ」

 

「悪魔?」

 

「あぁ、悪魔だ! 黒いコウモリみたいな翼に先が尖ったしっぽを持った人に化けた奴だった」

 

「あぁ、まさかリリスが悪魔だったとは思いもよらなかったがな」

 

「リリス?」

 

「あぁ、この島のシスターだったがついに正体を見破った! ここ数日の天変地異は奴の仕業だった!」

 

 天変地異……

 

「ああ! 海が裂けたり、空が割れたり、地震が頻発していたんだ」

 

「……」

 

 天変地異に心当たりが有った

 

 私とオーロ、アルジェントが戦闘訓練と称して近海で本気で戦ったのだが、その時の衝撃がこの島から見えていたとしたら……

 

「やらかしたな」

 

 後ろで話を聞いていたオーロとアルジェントも自分達のやらかした事だと話から気がついた様だ

 

 オーロなんかめっちゃ汗かいてるし

 

「し、島のヌシとは?」

 

「竜神様だよ。この島から続く海底洞窟の底に居るとされる神様だ……こうやって天変地異が起こると竜神様が怒っているとされ生け贄を捧げるんだ」

 

「今回は悪魔が手引きした事だから竜神様が怒っている理由も悪魔を殺せというものだろう!」

 

 これは……完全に冤罪だその捕まって生け贄にされそうになっている人……

 

 私達は広場に向かうと逆さまに磔にされた女性が居た

 

「違うんです! 不思議な果実を食べたらこの様な姿に!!」

 

「黙れ悪魔が!!」

 

「死ね!!」

 

 村人達はヒートアップして石を投げている

 

「やめてください! 痛い! やめて!!」

 

 既にボロボロだが血が登って顔色が凄まじく悪い

 

 一刻の猶予もないと判断した私は覇王色の覇気で周りを囲んでいた村人達を気絶させた

 

「オーロ、アルジェント! 彼女を助けるよ」

 

「「はいお」母さん!!」

 

 私達は縛ってあったロープをひきちぎると女性を解放した

 

「げぼっげぼっ……助かりました……危うく殺されるところでした」

 

「大丈夫? ゆっくり呼吸しようか……オーロ、アルジェント異次元に彼女を飛ばすから治療してあげて」

 

「母さんは?」

 

「ついでに竜神とやらを殺してこの島のふざけた生け贄の制度を破壊する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここ数ヵ月で嫌な物を一杯見てきた

 

 貧困、紛争、内乱、奴隷のように働かされる人々……それが蓄積して私はイライラしていた

 

 それをぶつける為に始めたオーロとアルジェントとの戦闘訓練だったのだがそれがこの島を混乱させ、無関係な女性が傷つく事件へと発展させてしまった

 

 私の不用意な行動浅い考えでの行動により人が傷ついた

 

 それが私は許せなかった

 

 身から出た錆……じゃないが、自信の行いが自信を結果的に苦しめてる……馬鹿じゃないか

 

 何がおでんさんを救うだ

 

 無関係な人を傷つけてるじゃないか

 

 

 ズドン

 

「何が竜神だ。人食い大鯰じゃないか」

 

 私は鯰を一撃で仕留めるとジゲジゲのポケットの中に放り込んだ

 

「視界が狭まっているな……もっと広く色々な物事を見て聞いて、考えなければ……これから歴史を変えるんだろ! 世界をひっくり返すんだろ! ……考えろ……考え続けろ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鯰を広場に置いた私は物資の補給も終わらないまま島を出た

 

 近くの無人島に船を止めると私も異空間に入った

 

「た、助かりました……いてて」

 

「安静にしてね」

 

「本当に殺されかけたので命の恩人です」

 

 部屋にはベリヤとキッドも居てベットに横たわる女性から話を聞いていた

 

「すまなかった。天変地異の原因は私達だ。私達の考えが足らずにこの様な事になってしまい誠に申し訳ない」

 

 私は頭を下げた

 

「へ? いやいや人がどうこうできるものではありませんよ。天変地異は神が与えた試練です。本来ならば教えを解き、村人の方々にも協力して乗り越えなければならなかったのに……残念です」

 

「嬢ちゃん、中将が言っていることは本当ですよ」

 

 ベリヤが口を挟む

 

「この方は海軍本部中将で能力者、それにオーロさんとアルジェントさんも悪魔の実の能力者で中将のお子さんになります。これでもお二人は7歳なのです」

 

「え? いや、普通に青年……」

 

「7歳です。こっちのアルジェントも7歳の双子なんだ……似てるでしょ」

 

「ええ、まぁ……」

 

「お姉さんも能力者でしょ。こんな翼としっぽが生えて」

 

「そ、そうです! 何か知りませんでしょうか!! 果実を食べたところこの様な異形な姿に」

 

「ジゲジゲポケット……えっとねぇ」

 

 私は空間のスキマから書類を引っ張り出す

 

「この島で生成される悪魔の実はデビデビの実の悪魔人間になる悪魔を食べましたね」

 

「悪魔の実……ですか?」

 

「海の悪魔の化身から能力を身に宿す……まぁ食べると異形になったりこの様に」

 

 正確には違うのだけれどもそれは最後の島で見た私しかわからないので黙っておこう

 

 私は異空間を紫色の作り出す

 

「特殊な能力を宿すことができるのです。あなた名前は?」

 

 知っているけど一応聞く

 

「リリスです」

 

「えっとデビデビの実の能力は飛行能力、テレパシー、怪力か、能力が覚醒すると羊の巻き角が生えて多産になると」

 

「た、多産!?」

 

「子供は普通の子供らしいけど一回の性行為で72人もの子供が産まれたとの伝承が有るね……」

 

「ひ、人じゃあ無いじゃないですか!!」

 

「悪魔の実なんてそんなものだよ……どうする? とりあえず保護するけど、これから決戦に向かう旅をするんだけど……」

 

「……治す方法は……」

 

「一度食べたら死ぬまで能力と付き合う事になるよ。あとカナヅチになる」

 

「な、治らないのですか……これも神が与えた試練でしょう。旅に同行させてください。能力を使いこなして救って頂いた恩を代えさせてください」

 

「わかった。で、あなたは海軍と突撃隊どちらに所属したい?」

 

「か、海軍と突撃隊ですか?」

 

「海軍は世界政府の管轄下で、突撃隊は私の親衛隊。私の親衛隊だから給金とかも私が出すし、拘束も普段はしない……まぁ今回みたいな決戦に向かうとかは同行してもらうけど」

 

「じゃ、じゃあ突撃隊で……」

 

「はいよ」

 

「あと人殺しは覚悟しといてね」

 

「え……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~19年後~

 

「うてー!!」

 

 ドンドンドン

 

「リリスSA(突撃隊)大将砲撃完了いたしました」

 

「この地を更地にするまで砲撃せよとフューチさんからの命令です。続けなさい」

 

「は!!」

 

 あの出会いから19年……私はシスターという神の教えを捨て、俗世に還元し、突撃隊を率いて任務をするようになっています

 

 今まさに世界をひっくり返す大作戦の中突撃隊が持つ戦艦を動かし砲撃を行っています

 

「まさか私がこの様になるとは……」

 

「ホフマン大将より連絡です……砲撃やめ、新世界に帰航する」

 

「わかりました。テレパシーで各艦の指揮官に伝えます」

 

 眼下で燃え盛る城を眺めつつ私は呟く

 

「フューチ提督……私は最後まであなたに着いていきますからね」

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