フューチ提督物語   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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慎重に

「この海流……着いたワノ国へ」

 

 うねり狂う海流、荒れる海

 

 正しい海流を選ばなければ渦潮に巻き込まれて船は大破してしまう

 

「ここが正念場だ! みんなしっかり捕まってな!!」

 

 

 

 

 

 

 トキワ岬から約1ヶ月半

 

 補給に島に何ヵ所か寄りながらワノ国を目指し進んでいった

 

 永久指針が無いので地図と海図を頼りの航海となったが無事に目的地近くまで来ることができた

 

 とにかく1ヶ月半でキッドとリリスの即戦力化を急いだ

 

 ……キッドは武装色の覇気をなんとか習得し、リリスはデーモンハンドという技を覚えるに至った

 

 デーモンハンド……悪魔の手

 

 手を巨大化させて対象を握り潰したり、叩いたり、殴ったり

 

 とにかく手を巨大化させることができ、持ち前の怪力で敵を粉砕する

 

 デビデビの実の能力により簡単な自己回復能力もあるみたいで鉄砲くらいなら3発は耐えれる様に仕上げた

 

 ただまだ覚醒していないので回復もゆっくりだし、四肢が捥げたり斬られたら回復しない様で、左腕を縫って訓練中の事故で接合する羽目になり縫い目が見えるようになってしまったりもした

 

 あとベリヤにイパイパの実を食べさせインパクト人間にした

 

 衝撃を操る能力で、打撃を何倍もの強さにしたり、衝撃を飛ばして攻撃したり、微弱な衝撃をソナー乗様にして探知したりと若くして覇気と六式を短期間で習得した要領の良さを存分に発揮し、ある1ヶ月半である程度の完成度になるに至った

 

 極めればグラグラの実と戦える能力だけに成長能力は折り紙付きである

 

 が、それは未来の話で、今は上記のような3つを主体とする能力でしかない

 

「とにかく正解の海流に乗ってなおかつ滝登りをしなければならない……本当は白舞って地域にある正規の港を使用したいが、将軍の部下達にバレるわけにはいかない……まぁ遅かれ早かれバレるっちゃバレるが入国すら困難になるのは避けたい」

 

「だから密入国を?」

 

「そう! おっと荒れるねぇ……私の航海技術は並みじゃないよ!!」

 

 私は舵を取る

 

 海流に負けないようにダイヤルエンジンもフル稼働だ

 

 ブロロロロとけたたましい音が聞こえてくる

 

「異空間に皆居て良いのに」

 

「いえ! フューチ中将が頑張ってる中、我々だけのうのうと異空間に居るわけには!!」

 

「そうですよ! フューチさん! 帆を張ったりするの手伝いますからね!!」

 

「ベリヤにリリス……よーし! 海流を突っ切るぞ!!」

 

「「「おお!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 海流を突っ切るとそこには巨大な滝が有った

 

「ここからは私が……ジゲジゲポケット!!」

 

 船の前方に異次元を出現させる

 

「異次元に入っても船から降りる事の無いように!!」

 

 グニョンと船が異空間に入るのを確認したら、私は月歩で滝を登る

 

 滝を登りきったら異空間から船を出して先に進む

 

「峠は越えた!! 待ってろおでんさん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 プルプルプル プルプルプル

 

「おお!? なんだ! なんだ!!」

 

「おでんさん! 巨大電伝虫が鳴ってる!!」

 

「今まで鳴ってるの見たこと無かったぞ」

 

「待て待てお前ら……俺が出る」

 

 プルプルプル プルプルプルガチャ

 

「もしもし!」

 

『その声……おでんさん!!』

 

「ん? まさかフューチか!!」

 

『はい! お久しぶりです! 良かった……間に合った』

 

「間に合った? どういうことだ!」

 

『久しぶりに占いと言いますかなんというか……おでんさん! あなたに死の未来が見えた』

 

「俺が……死ぬだと!? どういうことだ」

 

『そのまんまの意味だよ。今年中にあなたは死ぬ運命だ』

 

「誰に何でだ!」

 

『病気を疑わないあたりおでんさんらしい……詳しい話はそちらに着いてから話す。今九里ヶ浜と思う海岸に居るから来てほしい』

 

 ガチャ

 

「お前ら九里ヶ浜に向かうぞ」

 

「おでん様! また海に飛び出したりはしませんよね」

 

「俺もそこまで馬鹿じゃねぇ。奴らとの約束もある」

 

 おでんが言う約束とはオロチと結んだ毎週1回黒炭家への謝罪踊りをすることでカイドウに貢がれる100名の命を救い、巨大な船を作り終えたらこの島から出ていくというものだった

 

「俺は死ぬわけにはいかんのだ……この国の未来の為に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私達は浜辺に打ち上げられた船を異空間に収納するとおでんさん達が来るのを待っていた

 

「やはり来て正解だった」

 

「あれは……工場?」

 

 オーロとアルジェントが月歩で空を駆けると各地から黒煙が昇るのが見えたらしい

 

「百獣海賊団の武器を製造している工場だよあれは」

 

「百獣海賊団……」

 

「懸賞金25億8000万ベリーの海賊ですね百獣海賊団のカイドウと言えば」

 

「そうだベリヤ。……ただ懸賞金以上に強いのは確かだね」

 

「12億と25億がこの国に……」

 

「今から会うのは12億の方……こっちも懸賞金額が過小評価されている人物だよ」

 

 ドドドドと砂煙が舞い上がって何かが近づいてくる

 

「フュ────チェ──ー!!」

 

「おでんさん!! こっちだこっち!!」

 

 ドバーンとおでんさんが止まった衝撃で砂が舞い上がり、それが思いっきり私にかかる

 

「……」

 

「おお! 本当にフューチだ! おめぇ年取らねぇな!!」

 

「砂を思いっきりかけといて第一声がそれですか!! おでんさん」

 

「すまんすまん! 久しぶりに見知った顔が見れて嬉しくてな……後ろの奴らはなんだ? 知らない顔だが」

 

「オーロ、アルジェント来なさい」

 

「「はい!」」

 

「オーロ……アルジェント!?」

 

「久しぶりですおでんさん」

 

「こんにちはおでんさん」

 

「お、俺はこんな大きな奴ら知らねぇぞ! モモの助より小さかったハズだろ!」

 

「俺達も悪魔の実の能力者になったんですよおでんさん」

 

「悪魔の実……なるほど、その能力で成長したというのなら分からなくもない」

 

「「「おでん様!!」」」

 

「おお! 来たかお前ら」

 

「おでん様! いきなり飛び出すのはやめてくだされ! あなた様は九里の大名なのですぞ!!」

 

「わかってる! そんなこと!!」

 

「家臣の皆さん、少しだけおでんさんを借りたい……良いですよね?」

 

「良いわけあるか!! 何処に連れていく気だ!!」

 

「異次元……なーに1時間で戻りますから」

 

「ならば拙者も連れていけ!!」

 

「すまねぇが錦えもんも連れていってはくれねぇか。じゃねぇと話はできなそうだ」

 

「かまいません。錦えもんでしたか、ここでの話は他言無用でお願いしますね」

 

「わかっておる!」

 

「ジゲジゲポケット」

 

 グニョンと異空間が出現する

 

「こちらにどうぞ」

 

 私はおでんさんと錦えもんを異次元に案内する

 

「皆は侍達と交流を深めていてよ……なに、すぐに戻るさ」

 

 そういうと私も異次元に入っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「茶と菓子だ。まぁ座ってよ」

 

 私は近海で入手した抹茶とそれを使った菓子を出す

 

「抹茶か……良く手に入ったな」

 

「近海で海賊を倒したら積み荷に抹茶の粉末が有ってね……今回はそれを出させて貰った」

 

「おでん様拙者が毒味を」

 

「大丈夫だ! こいつはそんなことをするような奴じゃねぇ」

 

「ですが!」

 

「毒味を許してあげなよおでんさん。それだけ慕われてるなんて羨ましいよまったく」

 

「そ、そうか……ホレ」

 

「ではいただきます……なんと美味な」

 

「抹茶のシフォンケーキだよ……どう? 美味しいでしょ」

 

 錦えもんはコクコクと頷く

 

「おい! 錦えもんもう良いよな俺も食べるからな」

 

 おでんさんもケーキを食べ始める

 

「食べながら聞いてほしい。おでんさん、私はあなたとオロチが結んだ約束を悪魔の実の能力を使って知っている。で、その未来も知っているからここに来た」

 

「約束……おでん様! 拙者知りませんぞ!!」

 

「裸踊りをしているでしょ……あれには1回踊る毎に100名の人がオロチから助ける約束をしているんだ。そして船を作り、オロチとカイドウは国を出ていく……そうでしょおでんさん」

 

「あぁ、有ってる!」

 

「おでん様!! なぜ我らにその約束を教えてくださらなかったのですか!」

 

「何処の誰が聞いてるかわからねぇからな。密約をばらしてしまえば反故にされかねねぇ」

 

「おでんさん、残念だけどオロチがその約束を守る気は無いよ」

 

「なに?」

 

「私の能力は異次元と交信して情報を得る能力だけど、オロチは既にこの国をどう滅ぼすかしか考えていない……邪魔になるおでんさんを消す機会を図っている」

 

「なぜお主がそんなことをわかる!!」

 

「それが私の能力だからとしか言えない」

 

「よせ錦えもん……フューチの能力は俺もよく知っている」

 

「出過ぎた真似をしました」

 

「反故にするっつたな。それと俺の死がどう繋がる? ……カイドウに突っ込むか?」

 

「あぁ。突っ込む。ヒョウ五郎親方をカイドウの元に連れていかれ、その奥方を射殺、子分も数名死人が出る」

 

「なに!? 本当か!!」

 

「本当だ。今ならまだ間に合う……私達と共にカイドウを討とう」

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