夏油は職員室まで呼び出しを受けていた。
正直、心当たりは山ほどあるが、悟がよばれていないのには納得がいかない。
あいつもセットのはずだろ。
「傑。お前に呪詛師の疑いが掛かっている」
「えっ なんでですか」
「とりあえず、どこかの企業のCMに出たか」
「出てません。出るわけないじゃないですか」
「ではこれに覚えがあるか」
見せられた画像には、ゲームのような可愛らしい魔物の群れと戦う夏油(狐耳)が映っていた。
「もんすたぁぱれぇど♬」
一瞬の隙をついて、ポーズをとってそういってウィンク。あざとい。
魔物の群れがテーマらしく、夏油以外にも見目の良い男女が魔物の群れから戦ったり逃げたり隠れたりしながら、モンパレもしくはモンスターパレードと言う動画が流れる。だが、圧倒的に夏油(狐耳)率が多い。そしてあざとい。
「全然覚えがないですけど、どう見ても私、ですね。気色わる……記憶が飛んでる覚えもないんですけど。CGですか?」
「そうか。実は、ここに映っている少年少女も記憶がないそうだ」
そう言いながらも、次の動画を再生していく。
心がやけに惹かれる、そして何故か聴き慣れた音楽が流れる。
曲名はモンスターパレード。動画に表示されている。
そこに、夏油(狐耳)と夏油の操る呪霊が映っていた。
「!??」
呪霊が映るなどありえない。だが、確かに夏油の呪霊だ。
黒尽くめでマントの仮面の男に躊躇いながらも手を伸ばす夏油(狐耳)。
手を取り合って竜に乗る2人。
仮面の男の操る魔物と夏油の操る呪霊の激突するシーンや、仮面の男との異世界での交流のシーン。どうみても夏油がヒロインで仮面の男がヒーローポジです。そしてロミジュリです。
鳥籠に閉じ込められて必死に声を荒げる夏油(狐耳)と、鳥籠の外で睨み合う白尽くめの男と黒尽くめの男。取り合いですか?
そして、魔物に蹂躙される街。次々に倒されていく仲間。
そして、画面のこちら側を見る夏油。
『君なら、運命を変えられるか?』
『アプリゲームモンスターパレード、事前登録開始!』
最後に、撫でられてトロ顔を晒す夏油(狐耳)。
『勇者様♡』
「なんなんですか、これ!?? 肖像権侵害ですよ!??」
「やはり心当たりはないか……」
「ありませんよ!!」
夜蛾は深くため息をつく。
「このシーンの呪霊だが、最近手に入れた者で間違いないな」
「あ……! えっ 攻撃受けたの最近ってことですか!?」
「そういうことだ。しばらく、潔白の証明も兼ねて悟に護衛してもらえ」
「悟に、これを見せるんですか!?」
「注意喚起の為に硝子はもちろん、他の学生にも見せるぞ。それと、任務は必ず2人以上で行ってもらう」
夏油は絶望した。
「アプリゲームなんですよね? 開発元を締められないんですか?」
「これは呪詛師の持っている携帯から発見された動画だ。呪詛師は記憶がなく、総じて残穢もない。いや、誤魔化すのはやめよう。呪力以外の異能者が現れる事件が相次いでいる。手がかりはこれだけだ。呪詛師たちにも記憶がないようでな。ある日、いつの間にか携帯にその動画があって異能が使えるようになっていたらしい」
「それって、私も異能に目覚めているかもってことですか?」
「わからんが、おそらく目覚めている。心当たりはあるか?」
「そんな覚えも自覚もありませんが」
「後で悟と硝子を交えた健康診断は念入りに行うが、普段と変わったことがないか傑の方でも確認をしておけ」
「はい」
気分が沈む。悟に護衛されるなんて。
私と悟の差は開く一方だな。
悟は笑わなかった。
「異能者達だけど、呪力は関係ない。傑が洗脳されてても、俺にはわからない。だから、俺のそばを離れんなよ」
「わかったよ、悟」
「俺が守ってやるよ、傑」
情けない。
反論したいけど、できなかった。
ただ、顔を伏せて、礼を言った。
夏油 傑
夏油は記憶を失っているだけ。
夢の中なら全部思い出せる。そしてどんどん闇落ちしていく自分にめちゃくちゃ悶える。
誰かなんとかして。
夢の中でVRMMOのゲームを延々とさせられてる。
他にも沢山のプレイヤーがいる。
夏油の百鬼夜行で一度はクリアできたが、百鬼夜行は夏油しか出来ないので、モンパレがたびたび起こる世界では不向きなのでモンパレ時には捕まるようになった。
白尽くめの男。
モンパレの運営をしている。(プレイヤー側)
目的は、モンスターパレードに悩まされる異世界を救うこと。
そのために世界シミュレーション装置に神様(白尽くめの男)が魂をぶっ込んでる。
勇者達の中でめぼしいの(夏油含む)に移住を進める予定である。
黒尽くめの男
モンパレの運営をしている。(魔物側)
転生魔王で、神様に地球の事を教えたり見つけたり
優秀な夏油を夢の世界に引き込んだりするけど、
それはそれとして侵略は行う。
転生前は呪術界のことを知らず、夏油を気に入っている。
地球をファンタジーな世界にするのもいいんじゃない?
禪院直哉
プレイヤー。狐獣人。なんでや。狼やないんか? リアルロボット作ろうと頑張るが、
記憶が現実に持ち越せないので調べ物とかができず苦労している。
リアルでは仲悪いが(記憶ないのでむしろ認識されてすらいない)、夢の中では割と仲が良い。
天内 理子
移住した魂。夢の世界で待機中。
黒井
移住した魂。夢の世界で待機中。
伏黒 甚爾
移住した魂。夢の世界で待機中。