もんす↓たぁ↑ぱれぇど♬   作:かりん2022

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夢の世界で阿鼻叫喚

「罠にみすみすかかるな、悟、硝子」

 

 報告を受けて、ため息を吐いて夜蛾が注意する。

 ちなみに朝風呂で天国に行ってしまった傑は就寝中である。無事元の姿に戻っている。

 

「まーでも、割と無害なんじゃない? 連れてかれる時間も決まってるし、運営と交渉もできるみたいだし」

「そんなわけに行くか。禪院直哉もいたそうだが……」

「いたな」

「いたね」

「変身できたということは、異能もあるのか? 起きろ、傑! 今日も午後から任務だろう!」

「ふ、ふわ!?」

「異能について教えてって」

「ああ、筋力が少し上がった他、狐火が出せるようになりました。元の姿でも出せますけど、かなり忌避感があります。相当強制されないとしたくないくらい」

「変身すれば?」

「問題なく出せますね」

「……まあ、実際にフルで歌って踊ってみようというのはそうそうないか。となると、早々に問題解決してお引き取り願うしかないな。禪院家にも話しておく」

 

 そうして、直哉も巻き込まれる事となったのだった。

 

「んー。異能事件? 呪力が関係ないって嘘やろ?」

「そこで、直哉。お前が関わっているという話が出ている」

「なんでや。接点ないやろ」

「それを証明するために、携帯の動画を確認させてもらう」

「別に、変なもん入ってないからええけど……入ってへんよな? 確認するわ」

 

 その場で携帯を見る直哉。

 見知らぬフォルダに気づく。

 

「……? なんやこれ」

 

 大量の動画データ。その全てに覚えがない。

 タップしてみる。最初に見るようにという動画があった。

 

『これに気づいたら動画データ全部消しとき!!』

「???」

「関係者のようだな。確認させろ。六眼も誤魔化す術だ、何があっても今までの事では責めはせん。ただ、動画は消さずに見せてもらうぞ」

「自分ぜんっぜん覚えないんやけど……。悟くんも誤魔化すんか? なんか怖いなぁ」

 

 そう言いながらも、見る。

 ノリノリで撮っているのがわかるPVに、直哉はほっとした。

 確かにこれは少し恥ずかしいが、楽しいし、我ながらよく撮れている。

 

 うわ、ノリノリで踊って歌っているなぁ。

 

「これは後で再現しろよ。実験の一環だ」

「なんやのそれ?」

 

 どうやら、呪霊ではないようだ。デザインが可愛らしすぎる。

 とにかく、大量に発生するそれを倒すのが目的らしかった。

 

 獣人の撫で方講座などもやっていて面白い。

 直哉は狐獣人のようだが……甚爾もいた。これは狼獣人のようだ。

 

「あっ 甚爾くんもお……る……?」

 

 大変です。エロ動画が入ってます。エロ動画が入ってます。憧れの人のエロ動画が入っています。

 ただ頭を撫でているだけですがこれはエロ動画です。そしてその隣にある動画のサムネイルは、直哉の頭の上に手が乗っていた。大変です。隣は自分自身のエロ動画です。

 

「……後で報告するからまず1人で見せてや」

「それはダメだ。記録もする。だが、儂の所で止めておこう」

 

 大変に気まずい時間が過ぎたのだった。とはいえ、甚爾のデータは大切に保存しておこう。

 

「酷い罰ゲームやな……」

 

 そう言いながらも、音楽スタート。

 直哉の中の何かのスイッチが入った。

 

 勝手に出る光は狐火や魔法陣などのエフェクトに驚きつつも、完璧に踊りきってフィニッシュ。

 

 直哉には無事狐耳と大きな尻尾が生えた。

 

「うわ、すご」

 

 サワサワと狐の尻尾を撫でる。とても手入れが丁寧にされていてサラっサラのフワッフワである。

 

「ふむ」

「ひょわっ 触らんといて!」

 

 直毘人が尻尾を撫でたのだ。

 

「感覚はあるのか」

「あるで。めっちゃあるで!」

 

 耳を忙しなくぴこぴこさせつつ、直哉はブワッと広がった尻尾を抱きしめ守る。触り心地最高のそれに名残惜しく思いながらも、手を引っ込める直毘人。

 

「それでは、いろいろ試してみるか。ステータスと言ってみろ」

「せやな。ステータス!」

 

 のちに自分自身の首を閉めることなど夢にも思わず、直哉は嬉々として出来ることを調べ始めた。

 元々オタクの2人だ。こういった現象に興味はあるし、何を試すべきかは心得ていた。

 

 そして、発見してしまう。

 

 直哉が懸命に貯めた、アイテムボックスを。

 直哉は、夢の中での記憶がない。だから、仕方ない。

 仕方ないのだが、あまりに悲しい事件だった。

 

 ひとまず、直哉は庭に出た。

 

「一番、気になるのはこれやな。NAOYA36号!」

 

 非道にも、作ったばかりでまた試し乗りをしてさえいない最新作を出した直哉。

 出たのはとても格好いい、巨大人型ロボットだった。

 

「「おおー!!!」」

「乗れるのか、直哉?」

「コックピット見てみるわ」

「いや、直哉はとりあえずアイテムボックスを全て出してみろ。そうだな。専門家を呼ぶしかあるまい」

 

 直毘人は政府を通じて近くの大学から人を呼ぶことを決定。

 そして、直哉はアイテムボックスの中身を出していく。鬼! 悪魔!! 自分!!!

 憎むべきは記憶喪失であることか……。きっかけとなった夏油が八つ当たりされる運命はもはや不可避である。

 

 魔法の武器、道具、魔石、NAOYA1から36号、書籍、辞書など様々なものが並んだ。

 しかも、直哉は異世界語をある程度読めた。

 

「これは素晴らしいですよ! 異世界の技術と物資と現物HUUUUUUUUUUU!!」

 

 やってきた大学教授にポーションなどといった呪霊退治に必要なもの以外を全て預け、解析を楽しみに待つオタクの親子2人。

 もちろん、この出来事は波及し、悟達もアイデムを吐き出させられ、さらに収集を命じられる事となるのだった。ああ、なんという悲劇であろうか。

 この事件により、形骸化しつつあった夢の世界の銀行が力を持つようになる。

 

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